JPH0243860B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、組立及び解体作業が短時間ですみ、
且つ型枠の裏面に取付ける角材の使い分けが簡単
であるスラブ型枠組立方法及びそれに用いるスラ
ブ型枠受装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、スラブ型枠工事においては、第７図に示
すようなスラブ型枠を作製するのに角材２１にス
ラブ床板２０を固定して組立てていたため、打設
されるコンクリート層を支持するスラブ床板２０
の面積に合わせて角材２１の太さを選定する使い
分けが重要であるため上記角材の使い分けに時間
を費やしていた。また角材２１に直接支柱を取付
けて支持するため支柱や釘を多く使い組立や解体
作業に時間がかかり、角材の利用回数も限られて
いて廃材となるものが多かつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

また、仮枠として使用されるスラブ床板２０の
大きさは、建築矩体によつて様々なので、前述の
ようにスラブ床板の面積に合わせて角材２１の配
列を現場毎に決定している。ところが、天井スラ
ブ等の場合には、作業者にとつては上を向いた姿
勢で予め所定形状に組み立てたスラブ床板をサポ
ータで支持し、その後スラブ床板に裏打ちした根
太に合わせて鋼管製の角材２１を沿わせ更にサポ
ータで支持する要領となる。このため、作業性が
きわめて悪くなり、根太に角材２１を確実に当て
ることができず、手直し作業等が必要になる。

このように広い面積のスラブ床板の仮枠施工で
は、従来の工法では作業性が悪く得られる施工体
も必ずしも良好なものではなかつた。

そこで、本発明は、広い面積を持つスラブ床板
の仮枠施工が簡単にしかも確実に行えるようにす
ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕 設計されたスラブ型枠の面積に応じた寸法を
有する複数個のパイプとＬ形材を数種類準備す
る。

Ｌ形材には少なくとも一方の長手板部に角材
を取付けるためのねじ孔を設ける。

並列させたパイプの上に角材を取付けたＬ形
材を直角に交わるように並列させ結合具によつ
て角材が全体で一つの面をなすようにスラブ型
枠受を組立てる。

スラブ型枠受の角材面上にスラブ床板を取付
けスラブ型枠を作り上げる。

〔作用〕

スラブ型枠は、従来のものと異なり、パイプと
Ｌ形材と結合具により格子状に組立てたスラブ型
枠受により支持され底部を補強された構造のもの
であるから、スラブ床板の角材に対する取付作業
を含めて釘打作業がきわめて少なくなる。スラブ
型枠はスラブ型枠受で支持されることになるの
で、支柱はスラブ型枠受の結合具を利用して簡単
に取付けられ、取付に殆んど釘打を要せず支柱の
数も少なくてすむ。スラブ型枠の一部をなす角材
はＬ形材で補強されることになるので角材の使い
分けを要せず一定の太さの角材で間に合わせるこ
とができ、Ｌ形材に取付けた角材は多数回にわた
り使用できる。スラブ型枠の解体作業は釘打箇所
が少なく且つ支柱の数も少ないので組立作業と同
様に短時間で解体できる。パイプ及びＬ形材はス
ラブ型枠の大きさに応じて長さの異なるものを数
種類ずつ準備しておけば殆んどのスラブ型枠工事
に役立てることができる。

次に本発明を実施例につき説明する。

〔実施例〕

第１図はパイプ１とＬ形材２と結合具３とから
なる本発明のスラブ型枠受装置を分解して示すも
のである。パイプ１とＬ形材２とは設計されたス
ラブ型枠の面積に応じた長さを有するものを複数
個づつ準備する。Ｌ形材２は一方の長手板部に後
述する角材４を取付けるためのねじ孔２ａを有す
る。

本発明に係るパイプ１とＬ形材２とを結合する
ための結合具３はパイプ１より大径の管体５と、
Ｌ形材２を管体５の軸線と直角方向に取付けるた
めのＬ形材締付手段６と、パイプ１を管体５に挿
通してその軸線方向に取付けるためのパイプ締付
手段７とからなる。この例ではＬ形材締付手段６
は管体５の外壁上に２個のＬ形材片８，９をそれ
らに板部８ａ，９ａが管体５の軸線に対して直角
をなすよう離間して対称的に固着してある。

第２図は第１図の−線における断面図であ
る。Ｌ形材辺８の板部８ａには孔１０が設けてあ
り、孔１０と同軸ナツト１１が溶接等により固着
してある。第１図において１２はナツト１１に螺
合させるための締付ボルトであり、Ｌ形材２を倒
立状に挾持して管体５の軸線と直角方向に取付け
ることができる。

パイプ締付手段７はＬ形材手段６の反対側に管
体５の外壁に孔１３を設けそれと同軸にナツト１
４を固着して、第１図で示すようにボルト１５に
より管体５に挿通されるパイプ１を締付け上記パ
イプを管体５の軸線方向に取付けることができ
る。

本発明のスラブ型枠受を組立てるには、作製せ
んとするスラプ型枠に応じて所定寸法の複数個の
パイプ１を一定間隔をもつて配置し、各パイプ１
には複数個の結合具３を用いてそれらの管体５を
夫々挿通させＬ形材締付手段６を上にして一定間
隔に取付けておく。これらのパイプ１に取付けた
結合具３のＬ形材締付手段６の板部８ａ，９ａ間
にＬ形材２を角材４を取付けない方の長手板部を
挾持するようボルト１２で取付けると、Ｌ形材２
は角材面４を上にしてパイプ１と直角に交差して
格子状に組立てられたスラブ型枠受ができあが
る。

第３図は第１図に示したＬ形材２に予め角材４
を取付け組立てた状態を示す斜視図、第４図は同
じく側面図である。

このように組立てられたスラブ型枠受の上部の
角材４を利用してスラブ床板１６を釘打ちして取
付けスラブ型枠工事を終る。

第５図はスラブ型枠上にコンクリートを流し込
んでスラブ１７を打設した状態を断面図で示すも
のである。図中１８はスラブ型枠受の結合具３の
パイプ締付手段７の下方に突出したボルト１５を
利用して管上部を嵌合させて取付けた支柱であ
る。

第６図は設計されたスラブ床板１６の大きさに
合わせて側立てた第３〜５図で示した本発明のス
ラブ型枠受装置を支柱１８を除いて示す背面図で
ある。図中１９は梁底板である。

本発明によれば下記の効果を奏する。

〔発明の効果〕

本発明では、スラブ床板の面積に合わせて角材
を配列し、パイプ及びＬ形材等による仮枠補強構
造をこの角材の配列に応じて組み立てるようにし
ている。このため、スラブ床板の大きさが変わつ
ても、仮枠補強構造を簡単に適切なパターンに変
更した施工が行え、作業性の向上が可能となる。
また、広いスラブ床板であつても、角材を確実に
仮枠補強構造によつて支持するので、コンクリー
ト打設に対する強度も確保され、良好な仮枠構造
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はＬ形材とパイプと結合具とから成る本
発明のスラブ型枠受装置を分解して示す斜視図、
第２図は第１図−線における結合具の断面
図、第３図は角材を取付けたＬ形材とパイプとを
結合具で格子状に組立てた状態を示す本発明装置
の斜視図、第４図は同じく本発明装置の側面図、
第５図は本発明装置によるスラブ型枠工事を部分
的に示す概念図的正面断面図、第６図は同じくス
ラブ型枠工事を支柱を除いた状態で梁底板と共に
示す背面図、第７図は従来のスラブ型枠受を示す
概念図的断面図である。 １：パイプ、２：Ｌ形材、２ａ：ねじ孔、３：
結合具、４：角材、５：管体、６：Ｌ形材締付手
段、７：パイプ締付手段、８，９：Ｌ形材片、８
ａ，９ａ：板部、１０：孔、１１：ナツト、１
２：ボルト、１３：孔、１４：ナツト、１５：ボ
ルト、１６：スラブ床板、１７：スラブ、１８：
支柱、１９：梁底板、２０：スラブ床板、２１：
角材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定寸法の複数個のパイプをスラブ板の大き
   さに合わせて一定間隔をもつて配置し、これらの
   パイプにその軸線方向へ移動自在な複数の結合具
   を取り付け、これらの結合具により前記スラブ板
   を受ける角材を前記パイプの配列方向と直交して
   固定すると共に、全ての角材のスラブ板受け面を
   同一平面状に含まれる姿勢とし、更に前記角材の
   受け面にスラブ床板の一面を載せて固定すること
   を特徴とするスラブ型枠組立方法。 ２ 複数個のパイプと、少なくとも一方の長手板
   部にスラブ床板を受ける角材の取付用孔を有する
   複数個のＬ形材と、パイプより大径の管体と上記
   管体の外壁に設けられ且つ管体の軸線と直角方向
   にＬ形材を取付可能なＬ形材締付手段と上記締付
   手段の反対側外壁に設けられ且つ上記管体に挿通
   したパイプを管体の軸線方向に取付可能なパイプ
   締付手段とを有する結合具とからなることを特徴
   とするスラブ型枠受装置。 ３ Ｌ形材締付手段が管体の外壁に２個のＬ形材
   片をそれらの板部が上記管体の軸線に対し直角を
   なすよう相互に離間して対称的に固着し、一方の
   板部に孔を設けると共に上記孔と同軸にナツトを
   固着し、且つ上記ナツトに螺合する締付ボルトを
   備えてなることを特徴とする特許請求の範囲第２
   項記載のスラブ型枠受装置。 ４ パイプ締付手段が管体の外壁にＬ形材締付手
   段の反対側に孔を設けると共に上記孔と同軸にナ
   ツトを固着し、上記ナツトに螺合する締付ボルト
   を備えてなることを特徴とする特許請求の範囲第
   ２項記載のスラブ型枠受装置。