JPH0242983Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、加湿兼用冷風機の改良に関するもの
である。

第１図は従来の冷風機の構造を示したものであ
り、Ａは水タンク、Ｂは水を吸水する気化フイル
ターで、この気化フイルターＢに吸水された水は
送風機Ｃより気化し、空気中にとけ込む。この場
合、水は空気より気化潜熱を奪い、空気を冷風に
する。また、このとき空気は水分を得るため加湿
されることになる。

従つて、上記構造の冷風機は、夏は冷風機とし
て、また加湿を必要とする時期には加湿機として
使用することができるが、しかし冷風を必要とす
る季節は夏であり、一般に夏は湿度が高く、加湿
された空気は不快感を伴なうので、上記構造のも
のでは良好な冷風を得ることができなかつた。

本考案は、上記従来の冷風機の欠点に鑑みてな
したものであり、湿度の高い夏にも快適な冷風を
得ることのできる加湿兼用冷風機の構造を提供す
るものである。

以下、本考案の一実施例を示した第２図によつ
て本考案加湿兼用冷風機について説明する。

第２図は本考案に係る加湿兼用冷風機の構造を
簡略的に示した構造説明図である。

第２図において、１は冷風機本体、２は本体１
の内部に設けられた霧化部で、この霧化部２は霧
化室３と、水槽４と、水槽４の底部に設置された
超音波振動子５と、霧化筒６等から構成されてい
る。７は前記水槽４に対して給水を行なう給水
管、８はボールタツプ、９は前記超音波振動子５
に高周波電力を供給する電気回路、１０は前記霧
化部２に対して送風を行ない、この霧化部２にお
いて霧化された水粒を霧化筒６から、後述する噴
霧口１１あるいは熱交換器１２に運ぶ送風機であ
る。

１１は室内に向けて開口した噴霧口で、前記霧
化部２の霧化筒６と流通路１３によつて連通して
いる。１２は内面と外面に放熱フイン１２ａを有
する熱交換器で、前記霧化部２の霧化筒６と流通
路１４によつて連通している。１５は前記流通路
１３と流通路１４の分岐点に設けられた切換弁で
切換えられて流通路１３及び流通路１４と霧化部
２とを択一的に連通させる。１６は熱交換器１２
に対して送風を行なう室内送風機で、本体１の吸
込口１７から室内空気を吸込み、熱交換器１２を
通し熱交換させた後、再び吹出口１８から室内に
吹出す。１９は前記熱交換器１２を通つた後の霧
化部２からの水粒を室外等に導く排気管である。

本考案に係る加湿兼用冷風機は、上記の通り構
成されるが、次にその動作を説明する。先ず上記
加湿兼用冷風機を冷風機として使用する場合は、
切換弁１５を矢印の如く回転させて霧化筒６と流
通路１４とを連通させる。この状態で、電気回路
９により超音波振動子５に高周波電力を供給する
と、超音波振動子５の発振により水槽４内の水が
霧化を始める。霧化によつて生じた水粒は、送風
機１０からの送風によつて霧化筒６から切換弁１
５、流通路１４を通つて熱交換器１２に達する。
一方、この熱交換器１２に対しては、室内送風機
１６によつて、室内空気を本体１の吸込口１７か
ら吸込み、送風する。従つて、この熱交換器１２
においては、霧化部２から送られてきた水粒と、
室内送風機１６によつて送られてきた室内空気と
の間に熱交換が行なわれ、水粒は顕熱と潜熱を奪
われて気化し、排気管１９を通つて室外に排気さ
れる。また、室内空気は、ここで冷され、吹出口
１８から室内へ吹出す。

冷風機としては上記の通り作動する。

次に、加湿器として使用する場合は、切換弁１
５を切換えて、流通路１３側を霧化筒６に連通さ
せる。この状態で超音波振動子５を振動させる
と、霧化によつて生じた水粒は、霧化筒６から切
換弁１５を通つて流通路１３側に導かれ、噴霧口
１１から室内に噴霧される。

上記の通り、本考案に係る加湿兼用冷風機は、
加湿器あるいは冷風機として作動する。なお、冷
風機として使用する場合、上記実施例では熱交換
器１２を通つた後の排気を排気管によつて室外に
排出しているが、この排気を室外に排出するので
はなく、この排気中に含まれる水分を凝縮させて
取出し、乾燥した空気を室内に排出させてもよ
い。

また、上記実施例では、加湿方式として超音波
式を採用しているが、遠心式あるいは圧力による
噴霧する方式等の方式を採用してもよい。

上述したように本考案による加湿兼用冷風機に
よれば、室内を特に冷却することのない加湿器と
して用いることができるばかりでなく、室内を加
湿することなく冷却する冷風器としても用いるこ
とができ、特に夏季においては良好な冷風を得る
ことができる。

しかも、冷却用の霧化水粒を発生する霧化部
と、加湿用の霧化水粒を発生する霧化部とを別々
に設ける必要がなく、単に霧化水粒を発生する共
通の霧化部を設けるだけでよいので構造が簡単化
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷風機の構造を簡略的に示した
構造説明図、第２図は本考案に係る加湿兼用冷風
機の構造を簡略的に示した構造説明図である。 １：本体、２：霧化部、３：霧化室、４：水
槽、５：超音波振動子、６：霧化筒、１０：送風
機、１１：噴霧口、１２：熱交換器、１３，１
４：流通路、１５：切換弁、１６：室内送風機、
１９：排気管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水を霧化させる手段を備えた霧化部と、霧化さ
   れた水粒と熱交換を行なう熱交換器と、霧化され
   た水粒を室内に吐出させる噴霧口と、霧化部と熱
   交換器を結ぶ流通路と、霧化部と噴霧口を結ぶ流
   通路と、前記熱交換器側流通路と噴霧口側流通路
   の分岐点に設置され、これら流通路を択一的に切
   換える切換弁と、前記熱交換器を通つた後の水粒
   を室外側に導く排気管と、前記霧化部に対して送
   風を行なう送風機と、室内空気を吸込口から本体
   内に吸込み、前記熱交換器を通し、吹出口から吹
   出す室内送風機とからなる加湿兼用冷風機。