JPH0242678B2

JPH0242678B2 -

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Publication number: JPH0242678B2
Application number: JP56031459A
Authority: JP
Priority date: 1981-03-05
Filing date: 1981-03-05
Publication date: 1990-09-25
Also published as: JPS57146687A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は感熱記録材料に改良に関するものであ
る。

従来、ロイコ染料と酸性物質を含有する感熱発
色層を支持体上に設けた構造の感熱記録材料は知
られており、その加熱発色には熱ヘツドや熱ペン
等が用いられる。このような記録材料は、他の記
録材料に比較して現象、定着等の煩雑な処理を施
すことなく比較的短時間で記録が得られること、
騒音の発生がないこと、比較的安価である等の利
点により図書、文書などの複写は勿論のこと、電
卓、電子計算機、フアクシミリ、テレツクス、医
療計測機、自動販売機などにおける記録材料とし
て広く用いられている。

加熱によつて発色する画像を記録する感熱発色
層中には、発色性物質と、加熱時に発色性物質と
反応して発色させる顕色性物質との組合せが含有
させている。この場合、発色性物質としては、例
えばラクトン、ラクタム又はスピロピラン環を有
する無色又は淡色のロイコ染料が用いられ、また
顕色性物質としては各種の酸性物質が用いられ
る。このようなロイコ染料と酸性物質との組合せ
は、色調が鮮明であり、かつカブリも少ないため
に、従来より多くの感熱記録材料に応用されてき
た。

ところで、このような感熱記恵材料において
は、加熱により発色した部分は、例えば、水、ア
ルコール、その他の有機溶剤に接触し、それらの
溶剤が感熱発色層中に浸透すると、その発色部の
発色が消失又は退色するという問題がある。この
ような問題を解決するために、感熱発色層の表面
に水溶性又は水不溶性の樹脂被膜を形成させた
り、あるいは感熱発色層中に樹脂を比較的多量含
有させることが試みられたが、これらの場合に
は、加熱時に多くの熱量を要することから、フア
クシミリやその他の高速印字方式による加熱によ
つては、十分な発色を得ることはできなかつた。
また、感熱発色層中に熱硬化性樹脂粒子を添加す
ることも試みられたが（特開昭55−140588号公
報）、この場合には、発色部を溶剤の作用から十
分に保護することができず、溶剤と接触した場合
の消色を十分に防止することができなかつた。

本発明は従来の感熱記録材料における前記欠点
を克服するためになされたもので、感熱発色層中
に含まれるロイコ染料及び酸性物質の一方又は両
方を直接熱硬化性樹脂溶液で処理したことを特徴
とする。

本発明における熱硬化性樹脂としては、熱硬化
性塗料基材として一般に用いられている樹脂、即
ち、加熱により硬化し、耐水性の硬化物を与える
ものであれば、水溶性及び水不溶性に関係なく適
用される。また、樹脂としては、それ単独で熱硬
化する必要はなく、硬化剤（架橋剤）を配合して
その硬化剤の作用による熱硬化するもの、あるい
は２液を混合加熱することによつて、熱硬化ある
いは重合と熱硬化を同時に行う２液型のものなど
が包含される。このような熱硬化性樹脂として
は、例えば、ウレタン樹脂、フエノール樹脂、ユ
リア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、アルキツド樹脂、ケイ素樹脂、フラン樹脂、
ビニルエステル樹脂、アクリル系又はメタクリル
系樹脂、グアナミン樹脂、エポキシ樹脂、キシレ
ン樹脂、クレゾールノボラツクエポキシ樹脂、レ
ゾルシノール樹脂などがあり、さらに２液型のも
のとして、アクリル系共重合体／エポキシ変性樹
脂系、ポリアルコール（又はポリフエノール）／
ポリイソシアネート系などがある。

本発明においては、ロイコ染料及び酸性物質の
一方又は両方に対して、前記熱硬化性樹脂溶液を
直接処理することを特徴とするが、この場合の処
理方法としては、熱硬化性樹脂を溶解する溶液中
に、ロイコ染料又は酸性物質を固体状で分散させ
てその表面に熱硬化性樹脂被膜を形成させる方法
などがある。熱硬化性樹脂溶液で直接処理された
ロイコ染料又は酸性物質は、加熱発色に際して、
その加熱エネルギーにより溶解硬化し、その加熱
発色部の耐溶剤性を著しく向上させ、溶剤と接触
した際の発色の消色や退色を防止する。

さらに、このような熱硬化性樹脂溶液で直接処
理されたロイコ染料や酸性物質を発色成分とする
感熱記録材料は、定着可能であるという大きな利
点を有する。即ち、発色部を消色させるような溶
剤又は溶液、例えば、ポリエチレングリコール溶
液や、グリセリン溶液などの難揮発性の溶剤溶液
を定着剤として用い、その中に加熱発色させた感
熱記録材料を浸漬するか、あるいは感熱記録材料
の表面にそれら定着剤を塗布すれば、加熱発色部
はすぐれた耐溶剤性を有するため、定着剤によつ
ては消色されないでその発色は残存するが、一
方、未加熱部（未発色部）は耐溶剤性が小さく、
定着剤が浸透するため、ロイコ染料と酸性物質と
の加熱発色は阻止され、この未発色部は加熱して
も発色しなくなる。

本発明において用いる熱硬化性樹脂の量は、ロ
イコ染料と酸性物質の合計量100重量部に対して、
５〜100重量部の割合で用いるのが好ましい。こ
の量があまりにも少なくなると、その使用効果が
得られず、一方余りにも多くなると、その熱硬化
に多量の熱エネルギーを必要とするようになるこ
とから、発色性が著しく悪化し、現在の熱ヘツド
による発色は困難になる。

本発明を更に具体的に詳述すると、本発明に使
用される常温で無色又はやや淡色のロイコ染料と
しては、トリフエニルメタン系、フルオラン系、
フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン
系染料のロイコ体であり、これには例えば次のよ
うなものが挙げられる。

３，３−ビス（ｐ−ジメチルアミノフエニル）
−６−ジメチルアミノフタリド、３，３−ビス（ｐ−ジメチルアミノフエニル）
−６−ジエチルアミノフタリド、３，３−ビス（ｐ−ジメチルアミノフエニル）
−６−クロロフタリド、３−（Ｎ−ｐ−トリル−Ｎ−エチルアミノ）−６
−メチル−７−（Ｎ−フエルアミノ）フルオラン、３−ジエチルアミノ−７−クロロフルオランベ
ンゾイルロイコメチレンブルー、 6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドノ−
ピリロスピラン、 6′−ブロモ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ
−ピリロスピラン、２−〔３，６−ビス（ジエチルアミノ）−９−
（ｏ−クロロアニリノ）キサンチル〕、安息香酸ラクタム。

また、前記ロイコ染料と熱時発色反応を起し、
該ロイコ染料を発生せしせる酸性物質としては、
フエノール性酸性物質、無機酸性物質又は有機酸
性物質が適用され、このようなものとしては、例
えば次のようなものが挙げられる。

α−ナフトール、β−ナフトール、４−ｔ−ブ
チルフエノール、４−ｔ−オクチルフエノール、
４−フエニルフエノール、２，2′−ビス（ｐ−ヒ
ドロキシフエニル）プロパン、２，2′−ビス（ｐ
−ヒドロキシフエニル）ブタン、４，4′−シクロ
ヘキシリデンジフエノール、２，2′−ビス（２，
５−ジブロム−４−ヒドロキシフエニル）プロパ
ン、４，4′−イソプロピリデンビス（２−ｔ−ブ
チルフエノール）、２，2′−メチレンビス（４−
クロロフエノール）、安息香酸、サリチル酸、酒
石酸、没食子酸、ホウ酸。

感熱発色層中には、前記した成分の他、必要に
応じ、更にこれらの成分を支持体に強く結着させ
るために、ポリビニルアルコール、でんぷん、で
んぷん誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、メ
チルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビ
ニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重
合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等
の水溶性高分子、スチレン−ブタジエンラテツク
ス、スチレン−アクリルエステルエマルジヨン、
ポリ酢酸ビニルエマルジヨン等の水性エマルジヨ
ンを加えることもできるし、更に、ヘツドマツチ
ング性、筆記性、地肌の白色化等の改良のため
に、一般に知られているワツクス、ワツクス類似
物質や有機フイラー、無機フイラー等を加えるこ
ともできる。

本発明の感熱記録材料を製造するには、ロイコ
染料及び酸性物質の一方又は両方を熱硬化性樹脂
溶液で直接処理すると共に、そのロイコ染料及び
酸性物質さらに必要に応じての前記補助成分を含
む感熱発色層形成塗液を調製し、これを紙、合成
紙、合成樹脂フイルム、金属ラミネートなどの支
持体上に塗布乾燥する。さらにまた、必要に応
じ、感熱型磁気券紙とするために、その裏面に磁
気記録層を設けたり、ラベルシールとするため
に、その裏面に接着剤層を設けることができる。

次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。

実施例感熱発色層形成液を調製するために先ず下記成
分をそれぞれ磁性ボールミルを用いて混合し、Ａ
液及びＢ液を調製した。

Ａ液：３−ジエチルアミノ−７−（ｏ−クロロアニリノ）
フルオラン 60ｇ 30％アクリル系共重合体（日本純薬製AT−510）
40ｇ水溶性エポキシ樹脂（長瀬産業デナコールEX−
313）３ｇ水 150ｇＢ液：２，２−ビス（ｐ−ヒドロキシフエニル）プロパ
ン 60ｇ 30％アクリル系共重合体（日本純薬製AT−510）
40ｇ水溶性エポキシ樹脂（長瀬産業デナコールEX−
313）３ｇ水 150ｇＡ液、Ｂ液共に平均粒径は2μ以下であつた。

次に、上記のようにして調製したＡ液50ｇとＢ
液150ｇに酸化デンプンの20％水溶液を10ｇ加え、
十分に混合した感熱発色層形成液を調製した。支
持体として市販の上質紙（52ｇ／m²）を用い、そ
の表面に上記感熱発色層形成液をワイヤーバーを
用いて塗布し、常温で乾燥して乾燥後の塗布物の
重量が６ｇ／m²の製品を得た。

次に、比較のために、Ａ液及びＢ液における分
散剤として、アクリル系共重合体とエポキシ樹脂
水溶液に代えて、５％のヒドロキエチルセルロー
ス水溶液（フジケミカル社製BL−15）をそれぞ
れ120ｇを用い、これらの水溶液に対して同一の
ロイコ染料成分及び酸性物質成分を各60ｇ加え、
平均粒径が2μ以下になるように分散した。そし
て、これらの２種類の液を混合して上質紙（52
ｇ／m²）に同様に塗布し、乾燥後の塗布物の重量
が５ｇ／m²の製品を得た。

上記のようにして得た本発明の感熱記録材料と
比較のための感熱記録材料を用いサーマルヘツド
の温度を150℃にしたサーマルプリンターで印字
を行い、それぞれ黒色の発色を得、その濃度をマ
クベス濃度計（RD−514）（イエローフイルター
使用）を用いて測定した。

その結果、本発明により熱硬化性樹脂を含む分
散媒を用い、ロイコ染料成分と酸性物質を処理し
たものは1.24の発色濃度を示、比較のためにヒド
ロキエチルセルロースを含む分散媒を用いてロイ
コ染料成分と酸性物質成分を処理したものは1.30
の発色濃度を示した。更にこの２種類の製品を水
中に１時間浸漬し、市販の洋酒に１分間浸漬して
印字部の濃度低下を測定した。その結果、熱硬化
性樹脂を用いて形成した製品は、水中浸漬では濃
度変化はなく、また洋酒浸漬物でも1.20の発色濃
度を示したのに対し、ヒドロキエチルセルロース
を用いて形成した製品は、水中浸漬では発色濃度
は1.04に低下し、さらに洋酒浸漬物では発色濃度
は0.76に低下した。

次に、ポリエチレングリコール（日本油脂製
＃300）の溶液にベンゼンの等容量を混合し撹拌
して形成した溶液を0.1mmφのワイヤーバーを用
いてそれらの２種の製品上に塗布し、乾燥した。
その結果、印字部の濃度はヒドロキエチルセルロ
ースを用いた方の製品は完全に消色したが、本発
明により熱硬化性樹脂を用いた方の製品は、1.09
の発色濃度を示した。また、本発明の製品に対
し、その非印字部に再度上記のサーマルプリンタ
ーで加熱印字してもこの場合には発色せず、非印
字部は熱に対して完全に定着されていることが判
つた。

Claims

【特許請求の範囲】

１ロイコ染料と該ロイコ染料と加熱により反応
して発色させる酸性物質を含有する感熱発色層を
支持体上に設けた構造の感熱記録材料において、
該ロイコ染料と酸性物質の一方又は両方を、直接
熱硬化性樹脂溶液で処理したことを特徴とする感
熱記録材料。