JPH0242095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は脱穀機の選別装置、詳しくは扱室の下部
に設けた揺動選別盤と交叉するように唐箕と吸引
フアンとで選別風路を形成した脱穀機の選別装置
に関するものである。

従来この種の選別装置における揺動選別盤のチ
ヤフシーブ板は角度が可変であつて、扱室受網か
らの穀粒の漏下が多い場合にチヤフシーブ板を立
てればチヤフシーブからの落下を多くでき、反対
にチヤフシーブ板を寝かせれば穀粒の落下を少な
くできる等揺動選別盤における穀粒漏下率を調整
できるようになつている。

一方揺動選別盤の後部と吸引フアンとの間にあ
つて二番樋側に開口し、かつ吸引フアンから吹出
す吹出空気の一部を分流させる分流路に開閉自在
なシヤツターが設けられていて、このシヤツター
による分流路の開閉により分流路から二番樋側に
分流空気流を供給できるもので分流空気流を二番
物に接触させて、二番物に付着する塵芥を確実か
つ効果的に取除くことができ、したがつて揚穀ス
ロワ及び扱胴に多量の塵芥を付着させた状態で二
番物を供給したりすることがなくなり揚穀スロワ
及び扱胴にかかる負荷を軽減できるのである。

本出願人はさきに実願昭58−51325号として前
記シヤツターを揺動選別盤に連動させてこの揺動
選別盤の揺動に連動して前記シヤツターを開閉操
作させ前記分流路から二番樋側に分流空気流を間
歇的に供給させるべく構成したものを提案した。

このものによれば吸引フアンの処理能力を損な
うひとなく稈切れなど比重の大きいものであつて
も確実に排出でき、その上分流空気流により選別
盤上の処理物をよく選別処理できるという特徴が
ある。

しかしながら処理物の量に応じた選別姿勢を整
えることができない。

そこで本案は以上のようなチヤフシーブ板とシ
ヤツターとを互いに開となる方向に連動するよう
に連結したものであつて、扱室の受網からの穀粒
の漏下が多い場合にチヤフシーブ板を立ててチヤ
フシーブからの落下を多くするに当たつて、分流
路のシヤツターを開けば風力低下を防ぎ揺動選別
盤上に多量に落下する処理物を効果的に選別する
ことができると共に、多量に落下する二番物に付
着する塵埃を確実に取除くことができるので二番
スクリユーの回転ダウンを防ぐことができ、又、
二番物の扱室への返り量が少なくなるので揚穀ス
ロワ及び扱胴にかかる負荷を軽減することができ
るという効果がある。

しかして処理物の量は速行速度と関係するが速
行速度は副変速によつて調整自在であるからこれ
とチヤフシーブ板及びシヤツターを連動させれば
処理物の量に応じた選別態勢を整えることができ
るという効果がある。

以下図面に示す実施例について説明する。

先ず扱室の下部に設けた揺動選別盤と交叉する
ように唐箕と吸引フアンとで選別風路を形成した
脱穀機を第１図をもとにして説明する。

扱室２内の扱胴１で脱穀された穀粒は受網３か
ら揺動選別盤４上に落下し、チヤフシーブ５とグ
レンシーブ６を漏下した穀粒は一番樋８のスクリ
ユーコンベア７から揚穀コンベアを経て籾タンク
に運ばれる。

受網３を漏下しなかつた排藁は排塵口９から揺
動選別盤４上に落下し、唐箕１０と吸引フアン１
１とからなる風選別を受け、篩線１２の端部から
大口１３を経て外部に排出される。

そして二番樋１４に落下した二番物はスクリユ
ーコンベア１５から揚穀スロワ筒１６を経て扱室
２に還元されるようになつている。

なお、１７，１８，１９，２０はそれぞれ排藁
カツター、フイードチエーン、排藁チエーン、四
番樋を示す。

以上のような選別装置における揺動選別盤４は
リンク２１によつて支持され、扱胴１の軸線方向
に揺動するようになつているが、その左右側板２
２，２２間には前方からフイードパン４ａ、角度
可変チヤフシーブ５ａ、固定チヤフシーブ５ｂが
順に横架されている。

そこで角度可変チヤフシーブ５ａの具体的な構
造について説明すると、第２図に示す如くチヤフ
シーブ板２３は合成樹脂製取付片２４の溝２５に
着脱自在に嵌挿され、合成樹脂製取付片２４の上
部突出ピン２６が側板２２のピン溝２７に嵌挿さ
れているので、この突出ピン２６を支点としてチ
ヤフシーブ板２３は回動自在であり合成樹脂製取
付片２４の下部突出ピン２８が側板２２の円弧状
溝孔２９に摺動自在に嵌装されている。

側板２２の外側に沿つて摺動自在に当接する合
成樹脂製の連杆３０にはそのピン孔３１に下部突
出ピン２８が嵌合している。

したがつて連杆３０の左右動によりチヤフシー
ブ板２３は角度が可変されるようになつている。

第４図において操作レバー３２は運転席の近く
に設けられ実線の位置から仮想線の位置に向かつ
て動かすと支点３３を中心として金具３４が実線
の位置から仮想線の位置に向かつて回動する。金
具３４にピン３５止めされたインナーワイヤー３
６の他端はバー３７の下端に取付けられており、
３８はそのアウターワイヤーであり、３９はその
アウターワイヤー受金具である。

バー３７の上端には側板２２との間にスプリン
グ４０が張設されており、バー３７の中間に取付
けられた連結板４１の一端が連杆３０に枢支４２
されている。

したがつてスプリング４０の力に抗してインナ
ーワイヤー３６が牽引されると、バー３７、連結
板４１を介して連杆３０が図上で右動してチヤフ
シーブ板２３が開く。操作レバー３２を放すとス
プリング４０で連杆３０がもとに戻つてチヤフシ
ーブ板２３が閉じる。

一方揺動選別盤の後部と吸引フアン１１との間
にあつて二番樋１４側に開口し、かつ吸引フアン
１１から吹出す吹出空気の一部を分流させる分流
路４３に設けた開閉自在なシヤツター４４はワイ
ヤー４５を介して操作レバー３２に連結されてい
る。その結合構造はピン３５にワイヤー４５が結
合されているものである。

シヤツターは略く字形をなし、左上部側片４４
ｂと下部側片４４ａとからなり、下部側片４４ａ
の延長上に設けられた取付片４６の支点４７で揺
動自在となつている。

そして二番樋１４の後側壁１４ａとシヤツター
の下部側片４４ａとの間に分流路４３が形成され
ている。

したがつてシヤツター４４が開くと吸引フアン
１１からの分流空気流が分流路４３に案内されて
二番樋１４から前上方に延びる前側壁１４ｂを誘
導壁として二番樋上方へ案内され、更に唐箕１０
からの空気流と合流して吸引フアン１１に吸引さ
れる。

以上のような分流開口流により二番物に付着す
る塵芥が取除かれ、取除かれた塵芥は分流空気流
により唐箕１０からの空気流と共に吸引フアン１
１に送られるのである。

したがつて揚穀スロワ及び扱胴に多量の塵芥を
付着させた状態で二番物を供給したりすることが
なくなり揚穀スロワ及び扱胴にかかる負荷を軽減
できる。

しかして前記したような構造を有するチヤフシ
ーブ板とシヤツターとはワイヤー４５，３６を介
し、操作レバー３２によつて連動連結されていて
チヤフシーブ板が開いている時にシヤツターも開
となるように連結されているので処理物の量に応
じてチヤフシーブ板とシヤツターを働かせること
ができるという特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置のついた脱穀機選別装置を示
す概略図、第２図はチヤフシーブ板の取付構造を
示す側面図、第３図は同上平面図、第４図は本案
装置を示す正面図。 ２……扱室、４……揺動選別盤、１０……唐
箕、１１……吸引フアン、２３……チヤフシーブ
板、４４……シヤツター、３６，４５……ワイヤ
ー、３２……操作レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室の下部に設けた揺動選別盤と交叉するよう
   に唐箕と吸引フアンとで選別風路を形成したもの
   において、揺動選別盤におけるチヤフシーブ板の
   角度を調整する装置と、揺動選別盤の後部と吸引
   フアンとの間にあつて二番樋側に開口し、かつ吸
   引フアンから吹出す吹出空気の一部を分流させる
   分流路に設けた開閉自在なシヤツターとを互いに
   開となる方向に連動連結してなる脱穀機の選別装
   置。