JPH0241527B2 - - Google Patents

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JPH0241527B2
JPH0241527B2 JP20699781A JP20699781A JPH0241527B2 JP H0241527 B2 JPH0241527 B2 JP H0241527B2 JP 20699781 A JP20699781 A JP 20699781A JP 20699781 A JP20699781 A JP 20699781A JP H0241527 B2 JPH0241527 B2 JP H0241527B2
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はエチレン性不飽和化合物の改質共重合
体に関する。 一般に、エチレン性不飽和化合物等の単量体が
単独重合及び共重合時にかなり大きい体積収縮を
起すことは周知であり、例えばエチレン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸メチル及びスチレンの
重合時の体積収縮率はそれぞれ66.0%、31.0%、
21.2%及び14.5%である。 重合時の体積収縮が大きいと、例えば成形材料
として使用した場合に寸法精度がでないとか、注
型材料として利用した場合には鋳込み品に収縮に
よる歪がかかるとか、型との接着力の低下や隙間
が生じるなどの問題がある。また、塗料として使
用した場合、内部歪による塗板との密着性の低下
やそりの原因になり、接着剤として使用した場合
にも、内部歪による接着力の低下やそり、変形な
どの使用上の問題を生ずる。 更に、通常の架橋性重合体が架橋硬化する際に
収縮することも公知である。エポキシ樹脂はエポ
キシ基の開環による架橋硬化時における収縮率が
小さいために、塗料、接着剤、寸法精度を要する
成形品、鋳込み品等として広く利用されている。
エポキシ樹脂の収縮率は架橋剤の種類、硬化時間
及び温度により多少異なるが、1〜数%程度であ
る(高分子、27巻2月号、1978年、第108〜111頁
参照)。 単量体の重合時又は重合体の架橋時に実質的に
収縮しないか望ましくは膨張を伴なう物質は、歪
のない複合材料、接着剤、注型材料等精巧な機器
の製作材料として現在きわめて重要視され、探究
されている。 本発明者等はかかる非収縮性の重合体を開発す
るために鋭意研究を重ねた結果、従来公知のエチ
レン性不飽和化合物に特定の2−ビニル−スピロ
オルソエステル化合物をラジカル共重合させるこ
とによつて該エチレン性不飽和化合物にスピロオ
ルソエステル基を導入すると、得られる共重合体
は該オルソエステル基の開環による架橋時に実質
的に収縮を起さないことを知見して本発明を完成
するに至つた。 かくして本発明は、下記(i)又は(ii)で示されるエ
チレン性不飽和化合物の少なくとも1種から構成
される単量体単位A及び下式(iii)で示される単量体
単位Bが、Y/(X+Y)=3/100〜50/100な
る比で規則状又は不規則状に配列した、スピロオ
ルソエステル基を有し、重量平均分子量が1000〜
1000万の範囲にあるエチレン性不飽和化合物の改
質共重合体を提供するものである。但し、Xは共
重合体におけるAのモル分率及びYは共重合体に
おけるBのモル分率である。 (式中R1は水素又はアルキル基であり、R2は−
CH、−COOR3、−OCOR4、フエニル或いは置換
基としてアルキル、ハロゲン又はハロアルキルを
有するフエニル基であり、R3は置換又は非置換
のアルキル、シクロアルキル又はアリール基であ
り、R4はアルキル基である)。 (ii)マレイン酸、イタコン酸又はシトラコン酸の
無水物又はエステル或いはフマル酸のエステル。 (式中、nは3〜5の整数を表す。) 本発明による共重合体は、1種又は2種以上の
エチレン性不飽和単量体と次式(): (ここでnは3〜5の整数を表わす)の化合物の
少くとも1種とのラジカル共重合によつて製造で
きる。 先に本発明者等は、式()の化合物がカチオ
ン開環重合するのみならずラジカル重合すること
を見出して式()の化合物について特許出願し
ている(特願昭56−158626号明細書参照)。同期
細書に記載されているように、化合物〔〕はブ
タシエンモノオキシドとラクトン類(γ−ブチロ
ラクトン、δ−バレロラクトン、またはε−カプ
ロラクトン)との付加反応によつて製造される。 この反応を式で示すと以下のごとくなる。 (ここでlは、3,4,5の整数) ブタジエンモノオキシド及びラクトン類はすで
に知られているところであり、これらを適当な溶
媒、例えば塩化メチレン、テトラヒドロフラン等
のごとき溶媒中で酸例えばBF3・Et2O、SnCl4
TiCl4、FeCl3等のごときルイス酸を触媒として
反応させることにより、新規な化合物()が合
成される。一般に反応温度は特に制限はないが0
〜60℃で行う。 また反応の進行程度は反応液を例えばガスクロ
マトグラフ(GCと略記する)または液体クロマ
トグラフ(HLCと略記する)で分析することに
よつて容易に知ることができる。 反応液からの化合物〔〕の分離取得は、例え
ば反応液を氷水により冷却しながらアルカリ水溶
液例えば稀水酸化ナトリウム水溶液を添加し、撹
拌混合後、水層と有機層に分別する。有機層中未
反応ラクトン化合物がほゞ零になるまで上記操作
を繰り返した後、有機層を10%NaCl水溶液で洗
浄する。次に硫酸マグネシウムにより有機層を脱
水した後、まず常圧蒸留により低沸点物を除去
し、残渣を減圧蒸留することにより行ないうる。 スピロオルソエステル化合物()とのラジカ
ル共重合によつて前記単量体単位Aを誘導し得る
エチレン性不飽和化合物は、 (i)次式: (式中R1は水素又はアルキル基であり、R2は−
CN、−COOR3、−OCOR4、フエニル或いは置換
基としてアルキル、ハロゲン又はハロアルキルを
有するフエニル基であり、R3は置換又は非置換
のアルキル、シクロアルキル又はアリール基であ
り、R4はアルキル基である)で示される化合物
並びに、 (ii)マレイン酸、イタコン酸又はシトラコン酸の
無水物又はエステル或いはフマル酸のエステルか
ら選んだ化合物である。 上式〔〕で示される化合物の具体例としては
下記の化合物が挙げられる。 アクリル酸及びメタクリル酸のエステル、例え
ばアクリル酸及びメタクリル酸のメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ベンジル、フエニル、シ
クロヘキシル、フエノキシエチル、アセトキシエ
チル、ヒドロキシエチル、2−エチルヘキシル、
エステル等;スチレン及びスチレン誘導体、例え
ばo−、m−又はp−クロルスチレン、m−又は
p−クロルメチルスチレン、α−メチルスチレン
等;酢酸ビニル;アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル。 式()の化合物とエチレン性不飽和化合物と
のラジカル共重合は、通常のラジカル重合手段、
例えば紫外線、赤外線、熱、電子線又はマイクロ
波により行なうことがができる。なお、無水マレ
イン酸等は式()の化合物と無触媒でラジカル
共重合して目的の共重合体を与え得る。 紫外線ラジカル重合では、通常光開始剤が用い
られる。好適に利用できる光開始剤としては、ア
セトフエノン、2,2−ジメトキシ−2−フエニ
ルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフ
エノン、4′−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオフエノン、2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオフエノン、4,4′−ビス(ジエ
チルアミノ)ベンゾフエノン、ベンゾフエノン、
メチル−(0−ベンゾイル)−ベンゾエート、1−
フエニル−1,2−プロパンジオン−2−(0−
エトキシカルボニル)−オキシム、1−フエニル
−1,2−プロパンジオン−2−(0−ベンゾイ
ル)−オキシム、ベンゾイル、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル
エーテル、ベンゾインオクチルエーテル、ベンジ
ル又はジアセチル等のカルボニル化合物;メチル
アントラキノン、クロロアントラキノン、クロロ
チオキサントン、2−メチルチオキサントン又は
2−i−プロピルオキサントン等のアントキノン
又はキサントン誘導体;ジフエニルスルフイド、
ジフエニルジスルフイド又はジチオカーバメート
等の硫黄化合物;α−クロロメチルナフタレン、
アントラセン等がある。 赤外線、熱、マイクロ波による重合に際して
は、分解によつてラジカルを生成し得るものであ
ればいずれのラジカル開始剤の使用も可能であ
る。例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルハイドロパー
オキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート
等の有機過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウム等の過酸塩が使用できる。 又、電子線などの電離性放射線による重合は通
常無触媒系で行なわれる。 触媒を用いる場合その使用量は、一般に単量体
の合計量に基づき0.01〜10wt%、好ましくは0.1
〜5wt%の範囲である。 ラジカル重合は、紫外線あるいは電離性放射線
の照射による場合は常温でも進むが、その他の場
合は、加温ないし加熱状態で円滑に進行する。 重合方式としては、塊状、溶液、懸濁及び乳化
重合のいずれも採用できるが、通常塊状又は溶液
重合方式が好都合である。溶剤を用いる場合、例
えばジオキサン等のーテル類、シクロヘキサン等
の脂環式炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ジクロルエチレン等のハロゲン化ア
ルカン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類及びメチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ等のセロソルブ類が一般に使用され
る。 生成された共重合体は、これを例えば塩化メチ
レン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド等の生
成重合体が可溶である溶剤中に溶解した溶液を、
例えばn−ヘキサン、メタノール等の沈殿用溶剤
中に撹拌下滴加して共重合体を沈殿させる操作を
何回か反復することによつて分離精製できる。 本発明の改質共重合体において、式()のス
ピロオルソエステル化合物から誘導される単量体
単位は、共重合体中に1モル%程度存在すれば架
橋時の体積収縮が実質的に改良され得るので、単
量体単位の比y/(x+y)が1/100〜99/100
の範囲となる任意の割合で存在し得る。しかしな
がら、ビシクロオルソエステル単位を50モル%よ
り多く存在させてもコスト高になるばかりが耐水
性の低下につながるので、y/(x+y)比は
3/100〜50/100の範囲であることが必要であ
る。 本発明に係る共重合体は、ラジカル重合によつ
てエチレン性不飽和化合物を重合して得られる通
常の共重合体と同様の分子量を有しており、具体
的には1000〜1千万の重量平均分子量を有する。 本発明の共重合体は分子中に体積膨張性のスピ
ロオルソエステル基を有するため、架橋硬化時に
実質的に体積変化がないという特性を示し、また
架橋により耐熱性、耐溶剤性等の物性が改良され
る。かくして、本発明の共重合体は前述した体積
収縮に伴なう欠点が解消され、ボイドを生じない
密着性の良い塗料、内部歪を生じない接着剤、寸
法精度が要求される複合材や注型材等の製造にき
わめて有用である。例えば、本発明の共重合体を
適当な溶剤に溶解して基体面に塗布し、形成され
た塗膜を適当な架橋手段により硬化させて優れた
塗膜を塗膜を得ることができ、また金型中に注入
後に架橋させて改良された成型品を得ることがで
きる。 本発明の共重合体はカチオン重合機構に従つて
架橋を起し、スピロオルソエステル基
【式】 (式中、nは3〜5の整数を表わす)の開環重合
反応により架橋重合体となる。この架橋は通常カ
チオン重合触媒を用いて開始される。この目的に
使用されるカチオン重合触媒としては、例えば
BF3、FeCl3、SnCl4、SbCl3、SbF3、TiCl4など
のルイス酸;BF3OEt2、BF3−アニリンコンプレ
ツクス等のごときルイ酸とO,S,Nなどを有す
る化合物との配位化合物:ルイス酸のオキソニウ
ム塩、ジアゾニウム塩、カルボニウム塩;ハロゲ
ン化合物、混合ハロゲン化合物または過ハロゲン
酸誘導体などがあげられる。 触媒の使用量は一般に架橋すべき共重合体に基
づき0.001〜10wt%の範囲が好適である。重合温
度に関する制限は特にないが、通常常温〜200℃
で行なわれる。 また架橋は電子線、紫外線等の放射線の照射に
よつても行なうことができる。紫外線照射の場合
には、カチオン重合触媒として、例えばφ−+ N ≡
N・PF- 6,φ−+ N ≡N・BF- 4などの芳香族ジアゾ
ニウム塩;φ−+ I −φ・BF- 4等の芳香族ハロニウ
塩;
【式】等の周期律表第Va 族元素の芳香族オニウム塩;
【式】 等の周期律表第a族元素の芳香族オニウム塩が
使用され得る。 触媒の使用量は一般に架橋すべき共重合体に基
づき0.001〜10wt%の範囲が好適である。 以下の実施例において生成共重合体の比重は次
の方法により測定した。試料をジクロロエタンな
どの溶剤に溶解し、その溶液を基体に塗布し、室
温で徐々に溶剤を蒸発させた後減圧乾燥して共重
合体の薄膜とした。密度勾配管法B型直読式比重
測定装置(柴山科学器械製作所)を使用し、炭酸
カリウム水溶液で作成した密度勾配管に、炭酸カ
リウム水溶液中で脱気した上記薄膜の小片を投入
して測定した。 また生成共重合体の平均分子量は高速液体クロ
マトグラフ(HLC)分析からポリスチレン換算
重量平均分子量として計算した。その測定条件は
次の通りである。 装 置;東洋曹達工業(株)製 HLC−801A カラム;TSK−ゲル−SMH 2本 溶離液;テトラヒドロフラン 流 速;1ml/分 次に本発明を実施例及び参考例により更に説明
する。 参考例 1 2−ビニル−1,4,6−トリオキサスピロ
〔4,6〕ウンデカンの製造; 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロート
を備えた4つ口1フラスコに、ε−カプロラク
トン74g(0.65モル)及び塩化メチレン150mlを仕
込み、氷水で5℃に冷却した。釜液を撹拌しなが
らBF3・Et2HO2mlを添加した。ブタジエンモノ
オキシド35g(0.5モル)及び塩化メチレン100mlを
滴下ロートに仕込み、釜液を撹拌しながら約1.5
時間かけてブタジエンモノオキシドの塩化メチレ
ン溶液を滴下した。なお滴下の間中釜液は氷水で
冷却した。 その後、室温で5時間撹拌した後、トリエチル
アミン5mlを加えて触媒を中和した。 次に未反応ε−カプロラクトンを除去するため
反応液を氷水で冷却し、撹拌しながら、10%
NaOH水溶液300mlを徐々に加え、添加完了後5
分間撹拌を継続した後、アルカリ水溶液層と有機
層を分離した。分離した有機層に上記10%
NaOH水溶液による洗浄操作を更に2回繰返し
た後、有機層を10%NaCl水溶液300mlで洗浄後、
硫酸マグネシウムで有機層を脱水した。 次に有機層を常圧単蒸留に付して脱溶剤後、減
圧蒸留し、沸点72℃/1.5mmHgにおいて、2−ビ
ニル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,6〕
ウンデカン46.9g(収率51%)を得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ比重:1.060(25℃) Γ屈折率:n20 D=1.470 Γ沸点:72℃/1.5mmHg ΓIR(赤外吸収スペクトル): 1645cm-1(−CH=CH2) 1125cm-1,1070cm-1(C−O−C) 955cm-1 ΓNMR(核磁気共鳴スペクトル)(CDCl3中) δ(ppm)4.95〜5.9(3H,CH2=CH−) 4.2〜4.7(1H,−CH−O−) 3.3〜4.2(4H,−CH2−O−,CH2−O−) 1.8〜2.2(2H,C−CH2) 1.3〜1.8(6H,−(CH2−)3) 参考例 2 2−ビニル−1,4,6−トリオキサスピロ
〔4,4〕ノナンの製造 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロート
を備えた4つ口500mlフラスコにγ−ブチロラク
トン60.2g(0.7モル)及び塩化メチレン100mlを仕
込み、滴下ロートにブタジエンモノオキシド35g
(0.5モル)及び塩化メチレン70mlを仕込む。釜液
を氷水で10℃に冷却後、BF3・Et2Oを0.7ml添加
する。釜液を撹拌しながら約1時間かけて、ブタ
ジエンモノオキシド溶液を滴下した。なお滴下の
間釜液は氷水で冷却し、約10℃に保持した。滴下
完了後室温で1時間撹拌した後、トリエチルアミ
ン1.5mlを加え触媒を中和した。次に反応液を氷
水で冷却し、撹拌しながら10%NaOH水溶液100
mlを徐々に加え、添加完了後10分間撹拌した後、
アルカリ水溶液層と有機層を分離した。有機層中
から未反応γ−ブチロラクトンがなくなるまで上
記アルカリ洗浄を繰返した後、10%NaCl水溶液
200mlで有機層を洗浄した。次に硫酸マグネシウ
ムで脱水した有機層を常圧単蒸留に付すことによ
つて脱溶剤した後、減圧蒸留して沸点70℃/2mm
Hgにおいて2−ビニル−1,4,6−トリオキ
サスピロ〔4,4〕ノナン17.9g(収率23%)を得
た。 その生成物の質量スペクトル(GC−MS)分
析より、親ピークは(70ev)m/e=156であつ
た。 またその物性値は以下のようである。 Γ沸点:70℃/2mmHg Γ屈折率;n20 D=1.457 ΓIR; 1645cm-1(CH2=CH−), 1130cm-11050cm-1(C−O−C), 952cm-1 ΓNMR(CDCl3中) δ(ppm);5.5〜6.2(1H,C=CH−) 5.0〜5.5(2H,CH2=C−) 4.3〜4.8(1H,−CH−O) 3.4〜4.3(4H,−CH2−O) 1.7〜2.3(4H,C−CH2−CH2−) 実施例 1 メチルメタクリレート0.544g(5.44ミリモル)、
2−ビニル−1,4,6−トリオキサスピロ
〔4,6〕ウンデカン1.0g(5.44ミリモル)および
重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル
53.5mg(重合性成分の3モル%)を混合し、封管
中で70℃において24時間反応させて、粘稠な半固
体状生成物を得た。この生成物を塩化メチレン10
mlに溶解し、これをn−ヘキサン200ml中へ撹拌
しながら滴下し、生じた沈殿物を取した。さら
にこの精製操作を繰り返した後、減圧下60℃で乾
燥した結果、収率32%で白色固体状重合物を得
た。得られた重合物の赤外吸収スペクトル(IR)
分析(図1参照)により、スピロオルソエステル
基に特徴的な950cm-1,1140cm-1の吸収が認めら
れた。またこの重合物における共重合比率は共重
合物のケン化価より、メチルメタアクリレート95
モル%に対して2−ビニル−1,4,6−トリオ
キサスピロ〔4,6〕ウンデカン5モル%であつ
た。 なお、共重合物のケン化価は、下記の方法によ
り求めた。 正確に秤量した共重合体50ミリグラムと、
0.1N水酸化ナトリウム標準水溶液15ミリリツト
ル及びジメチルホルムアミド(以下DMFと略記
する)15ミリリツトルを100ミリリツトル容のエ
ーレンマイヤーフラスコに入れ、ジムロート冷却
管を付けた後、80℃の水浴で2時間加熱する。室
温に冷却した後、0.1N塩酸標準水溶液10ml及び
フエノールフタレン溶液を2〜3滴添加し、次い
で0.01N塩酸標準水溶液で溶液が無色になる点を
終点として滴定した。なお共重合体を添加しない
で上記の操作を実施した結果を対照(ブランク)
とした。本操作を3回繰り返し平均値を求めた。 この共重合体の構造は次式で表わされる。 (ここでy/(x+y)=0.05である) HLC分析により求めた重量平均分子量は25000
であつた。また25℃における比重は1.210であつ
た。 実施例 2 アクリロニトリル0.58g(10.87ミリモル)、2−
ビニル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,
6〕ウンデカン2.0g(10.87ミリモル)およびアゾ
ビスイソブチロニトリル107mg(重合性成分の3
モル%)を混合し、封管中で70℃において24時間
反応させて、黄褐色の粘稠物質を得た。 この生成物を塩化メチレン10mlに溶解し、これ
をn−ヘキサン200ml中へ撹拌しながら滴下して
沈殿物を取した。この精製操作をもう一度繰り
返した後、減圧乾燥して収率19%で微黄色固体を
得た。 得られた重合物のIR分析により、スピロオル
ソエステル基に特徴的な950cm-1,1060cm-1の吸
収および2220cm-1にニトリルの吸収が認められた
(図2参照)。 この重合物における共重合比率は元素分析値
(窒素含有量8.46%、酸素含有量15.90%)より、
アクリロニトリル64.6%に対して2−ビニル−
1,4,6−トリオキサスピロ〔4,6〕ウンデ
カン35.4%であつた。この共重合体の構造は次式
で表わされる。 (ここでy/(x+y)=0.35である) この共重合体のHLC分析による重量平均分子
量は4000であり、また25℃における比重は1.200
であつた。 実施例 3 スチレン0.566g(5.44ミリモル)、2−ビニル−
1,4,6−トリオキサスピロ〔4,6〕ウンデ
カン1.0g(5.44ミリモル)および重合開始剤とし
てアゾビスイソブチロニトリル53.5mg(重合性成
分の3モル%)を混合し、封管中で70℃において
24時間反応させて高粘稠生成物を得た。この生成
物を塩化メチレン10mlに溶解し、これをn−ヘキ
サン200ml中へ撹拌しながら滴下し、生じた沈殿
物を取した。さらにこの精製操作を繰り返した
後、減圧下60℃で乾燥した結果、収率20%で白色
固体状重合物を得た。 得られた重合物の赤外吸収スペクトル分析より
スピロオルソエステル基に特徴的な950cm-11140
cm-1の吸収が認められた(図3参照)。またこの
重合物における共重合比率は、共重合物の核磁気
共鳴スペクトル(NMR)分析により、スチレン
88%に対して2−ビニル−1,4,6−トリオキ
サスピロ〔4,6〕ウンデカン12%であつた。こ
の比率はδ=6.0〜7.6ppm(
【式】)とδ =3.60ppm(スピロオルソエステルの3位、7位
のメチレン)のピークの積分値から計算して求め
た。この共重合体の構造は次式で表わされる。 (ここでy/(x+y)=0.12である) HLC分析により求めた重量平均分子量は11000
であつた。また25℃における比重は1.080であつ
た。 実施例 4 無水マレイン酸0.532g(5.44ミリモル)と2−
ビニル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,
6〕ウンデカン1g(5.44ミリモル)及びアゾビス
イソブチロニトリル53.5mg(重合性成分の3モル
%)を1,4−ジオキサン10mlに溶かした後、封
管中で70℃において24時間反応させた。得られた
反応生成物をn−ヘキサン中へ滴下すると白色沈
殿が生成した。この精製操作を繰り返した後、減
圧下で乾燥して、収率68%で淡黄白色粉末状重合
物を得た。 得られた重合物のIR分析により1780cm−1
1850cm-1に酸無水物のピーが観測された。重合物
の共重合比率は、実施例1に記載と同様の方法、
すなわち一定量の重合物をDMF溶液中で
0.1000N水酸化ナトリウム水溶液を加えて加水分
解し、過剰の水酸化ナトリウムを0.1000N塩酸で
逆滴定して無水マレイン酸残基の含有量を算出す
ることにより求めた。その結果この共重合体は1
対1の無水マレイン酸と2−ビニル−1,4,6
−トリキサスピロ〔4,6〕ウンデカンからなる
ものであつた。 すなわち、この共重合体は次式の構造を有す
る。 (ここでy/(x+y)=0.50である) このHLC分析により求めた重量平均分子量は
約5500であつた。 上記共重合体0.1gを塩化メチレン0.1mlに溶解
した溶液を、燐酸処理冷間圧延鋼板(JISG−
314)SPCC Bt#144処理)に25μの膜厚で塗布
後、熱風乾燥した結果、密着性のよい透明な膜が
得られた。この塗膜はすでに空気中の水分で架橋
しており、塩化メチレンに不溶であつた。 実施例 5 2−ビニル−1,4,6−トリオキサスピロ
〔4,6〕ウンデカンの代りに2−ビニル−1,
4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン1g
(6.40ミリモル)を用い、また無水マイン酸を
0.627g(6.40ミリモル)、アゾビスイソブチロニト
リルを63.0g(重合性成分の3モル%)使用した以
外は実施例4と同様にして、ラジカル重合、生成
重合物の精製、分離および重合物における共重合
割合を算出するための分析を行なつた。 その結果、収率50%で淡黄色粉末状重合物が取
得され、この共重合体は1対1の無水マレイン酸
と2−ビニル−1,4,6−トリオキサスピロ
〔4,4〕ノナンからなるものであつた。 すなわちこの共重合体は次式の構造を有する。 (こゝでy/(x+y)=0.50である。) HLC分析により求めた重量平均分子量は約
5500であつた。 実施例 6 酢酸ビニル0.467g(5.44ミリモル)、アクリロニ
トリル0.288g(5.44ミリモル)、2−ビニル−1,
4,6−トリオキサスピロ〔4,6〕ウンデカン
1g(5.44ミリモル)、及びアゾビスイソチロニトリ
ル80mg(重合性成分の3モル%)を混合し、封管
中で70℃で24時間反応させて高粘稠生成物を得
た。 この生成物を塩化メチレン10mlに溶解し、これ
をn−ヘキサン200ml中へ撹拌しながら摘下し、
生じた沈殿物を濾取した。さらにこの精製操作を
繰り返した後、減圧下60℃で乾燥した結果、収率
20%で淡黄白色固体状重合物を得た。 得られた重合物のIR分析(図4参照)により
スピロオルソエステル基に特徴的な950cm-11060
cm-1の吸収、ニトリル基に特徴的な2220cm-1の吸
収、および1740cm-1に強いエステル(R−COO
−)基の吸収が認められた。 この重合物における共重合比率は、アクリロニ
トリル含有量は元素分析結果(窒素含有量:7.91
%)より、酢酸ビニル含有量は、実施例1と同様
の方法によるケン化価(7.46g−KOH/g)より
算出した。この共重合物の構造は次式で表わされ
る。 (こゝでx/(x+x′+y)=0.55 x′/(x+x′+y)=0.15および y/(x+x′+y)=0.30である。) この共重合物のHLC分析による重量平均分子
量は6600であつた。 また25℃における比重は1180であつた。 参考例 3 実施例1で得た共重合物100mgを1,1−ジク
ロロエタン2mlに溶かし、BF3・Et2O1.2mgを添
加した。この混合物を70℃で24時間反応させて白
色固体を得た。 この反応生成物は架橋しており塩化メチレンに
溶けなかつた。この架橋重合物のIR分析により
スピロオルソエステル基に特有の950cm-1の吸収
はほとんど消えていた。25℃における比重は
1.176であり、共重合物の架橋により2.9%の体積
膨張が認められた。 参考例 4 実施例2で得た共重合物100mgを1,1−ジク
ロロエタン2mlに溶かし、BF2・Et2O1.2mgを添
加した。 この混合物を70℃で24時間反応させて淡黄褐色
の固体を得た。 この反応生成物は架橋しており、塩化メチレン
に溶けなかつた。この架橋重合物のIR分析(図
5参照)により、スピロルソエステル基に特有の
950cm-1の吸収はほとんど消えていた。25℃にお
ける比重は1.179であり、共重合体の架橋により、
1.8%の体積膨張が認められた。 参考例 5 実施例3で得た共重合物100mgを1,1−ジク
ロロエタン2mlに溶かし、BF2・Et2O1.2mgを添
加した。 この混合物を70℃で24時間反応させて白色固体
を得た。この反応生成物は架橋しており塩化メチ
レンに溶けなかつた。この架橋重合物のIR分析
によりスピロルソエステル基に特有の950cm-1
吸収はほとんど消えていた。25℃における比重は
1.080であり、共重合物の架橋による体積変化は
ほぼ0であつた。 参考例 6 実施例6で得た共重合物100mgを1,1−ジク
ロロエタン2mlに溶かし、開始剤としてBF2
Et2Oを1.0mg添加した。この混合物を70℃で24時
間反応させて微黄色固体を得た。 この反応生成物は架橋しており、塩化メチレン
に溶けなかつた。この架橋重合物のIR分析によ
り、スピロオルソエステル基に特有の吸収はほと
んど消えていた。25℃における比重は、1.186で
あり、共重合物の架橋による体積収縮はわずか
0.5%であつた。
【図面の簡単な説明】
図1〜図4は本発明に係るスピロオルソエステ
ル基含有共重合体の赤外吸収スペクトルであり、
図1は実施例1の、図2は実施例2の、図3は実
施例3の、そして図4は実施例6の共重合体の赤
外吸収スペクトルを示す。図5は参考例4で得た
架橋重合体の赤外吸収スペクトルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記(i)又は(ii)で示されるエチレン性不飽和化
    合物の少なくとも1種から構成される単量体単位
    A及び下式(iii)で示される単量体単位Bが、Y/
    (X+Y)=3/100〜50/100なる比で規則状又は
    不規則状に配列した、スピロオルソエステル基を
    有し、重量平均分子量が1000〜1000万の範囲にあ
    るエチレン性不飽和化合物の改質共重合体。 但し、Xは共重合体におけるAのモル分率及び
    Yは共重合体におけるBのモル分率である。 (式中R1は水素又はアルキル基であり、R2は−
    CN、−COOR3、−OCOR4、フエニル或いは置換
    基としてアルキル、ハロゲン又はハロアルキルを
    有するフエニル基であり、R3は置換又は非置換
    のアルキル、シクロアルキル又はアリール基であ
    り、R4はアルキル基である)。 (ii)マレイン酸、イタコン酸又はシトラコン酸の
    無水物又はエステル或いはフマル酸のエステル。 (式中、nは3〜5の整数を表わす。)
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