JPH0244314B2 - - Google Patents

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JPH0244314B2
JPH0244314B2 JP57083206A JP8320682A JPH0244314B2 JP H0244314 B2 JPH0244314 B2 JP H0244314B2 JP 57083206 A JP57083206 A JP 57083206A JP 8320682 A JP8320682 A JP 8320682A JP H0244314 B2 JPH0244314 B2 JP H0244314B2
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JP
Japan
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compound
reaction
solution
polymerization
organic layer
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Kyokazu Mizutani
Hitoshi Kato
Yoshihisa Ogasawara
Takeshi Endo
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規化合物であり、本発明により提供
される化合物は下記一般式〔1〕で示される2−
(メタ)アクリロイルオキシメチル−1,4,6
−トリオキサスピロ〔4,m〕アルカン(ここで
mは4、5または6の整数である)であり、さら
に具体的には2−(メタ)アクリロイルオキシメ
チル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕
ノナン、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル
−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,5〕デカ
ンおよび2−(メタ)アクリロイルオキシメチル
−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,6〕ウン
デカンであつて、本発明に係るこれらの化合物
(以下化合物〔1〕という)は、例えば重合性単
量体として有用である。なお本願明細書において
(メタ)アクリロイルとはアクリロイルまたはメ
タクリロイルを意味するものとする。 (ここでRは水素原子またはメチル基を表わし、
lは3、4または5の整数を表わし、m−1と同
義語である) 一般にエチレン性不飽和化合物等の単量体が単
独重合時または共重合時にかなり大きい体積収縮
を起こすことは周知であり、例えばエチレン、ア
クリロニトイル、メタクリル酸メチル、スチレン
の重合時の体積収縮率はそれぞれ66.0%、31.0
%、21.2%、14.5%である。 重合時の体積収縮が大きいと、例えば成形材料
として使用した場合に寸法精度がでないとか、注
型材料として利用した場合には鋳込み品に収縮に
よる歪がかかるとか、型との接着力の低下や隙間
が生じるなどの問題がある。また、塗料として使
用した場合、内部歪による塗板との密着性の低下
やその原因になり、接着剤として使用した場合に
も、内部歪による接着力の低下やそり、変形など
の使用上の問題を生ずる。 それ故単量体の重合時又は重合体の架橋時に実
質的に収縮しないか望ましくは膨張を伴なう物質
は、歪のない複合材料、接着剤、注型材料等精巧
な機器の製作材料として現在きわめて重要視さ
れ、探究されている。 本発明者等は、かかる非収縮性の化合物を提供
するために鋭意研究を重ねた結果、本発明のスピ
ロオルソエステル基を有する化合物は容易に重合
して重合物を形成し、スピロオルソエステル基の
開環により重合時の体積収縮率が小さいことを知
見して本発明を完成するに至つた。 本発明の化合物〔1〕は下式〔2〕で示される
2−ヒドロキシメチル−1,4,6−トリオキサ
スピロ〔4,m〕アルカン(ここでmは4、5ま
たは6の整数を表わす)と、アクリル酸クロライ
ドまたはメタクリロイル酸クロライド(以下(メ
タ)アクリル酸クロライドという)により製造さ
れる。 (ここでlは3,4または5の整数を表わし、m
−1と同義語である) 上記式〔2〕で表わされる化合物(以下化合物
〔2〕という)はγ−ブチロラクトン、δ−バレ
ロラクトンおよびε−カプロラクトンから選ばれ
るラクトン類とグリシドールとの反応によつて製
造され得る。この反応を示すと以下のごとくであ
る。 (ここでlは式〔2〕と同義語である) 上記の反応は、例えばグリシドール1モルに対
して好ましくはラクトン類1モル以上好ましくは
1.2〜5モルのラクトン過剰で反応させるのが適
当であり、これらを例えば塩化メチレンやテトラ
ヒドロフラン等のごとき溶媒中で、触媒として
BF3OEt2、SnCl4、TiCl4、FeCl3等のごときルイ
ス酸を使用して反応させる。一般に反応温度に特
に制限はないが0゜〜60℃で行なう。 望ましい製造方法の1例は、ラクトン類とラク
トン類に対し1〜10重量倍量の溶媒とを反応器に
仕込み、液温を所定温度に維持しつつ通常、ラク
トン類の0.05〜10重量%の触媒を添加し、続いて
グリシドールを単独でまたは適当な溶媒の溶液と
して滴下する方法である。 反応の進行程度は反応液を例えばガスクロマト
グラフまたま液体クロマトグラフで分析すること
によつて容易に知ることができる。反応終了は反
応液にアルカリ等を加えて触媒を失活させる。反
応液からの化合物〔2〕の分離取得は、例えば反
応液を氷水により冷却しながら、これにアルカリ
水溶液例えば稀水酸化ナトリウム水溶液を添加
し、撹拌混合後と有機層に分液する。有機層中の
未反応ラクトンがほぼ零になるまで同操作を繰り
返した後、有機層を水洗し、次に硫酸マグネシウ
ム等により有機層を脱水した後、まず溶媒を留去
し、残渣を減圧蒸留することにより化合物〔2〕
を取得する。 化合物〔2〕と(メタ)アクリル酸クロライド
を反応させる事により、本発明の化合物〔1〕を
製造する反応は脱塩化水素反応であり、反応式を
示すと以下の通りである。 (ここでRは水素原子またはメチル基を表わし、
lは3,4または5の整数を表わす) 上記の反応は、適当な有機溶媒、例えばジオキ
サン、塩化メチレン中で(メタ)アクリル酸クロ
ライドに対して等モル以上の第3級アミン、例え
ばトリエチルアミン、ピリジンの存在下に、約0
℃〜100℃の温度において、化合物〔2〕に(メ
タ)アクリル酸クロライドを滴下する事により行
ない得る。 反応の進行程度は反応液を例えばガスクロマト
グラフまたは液体クロマトグラフで分析すること
によつて容易に知ることができる。 反応液からの化合物〔1〕の分離取得は、例え
ば生成した塩化水素の第3級アミン塩を過し、
重合防止剤例えばP−メトキシフエノール等の存
在下または非存在下に溶媒を留去後、減圧蒸留す
ることによつて行ない得る。また液にアルカリ
水溶液例えば水酸化ナトリウム水溶液を添加し
し、残存する(メタ)アクリル酸クロライドを反
応させた後、水層と有機層を分液し、その有機層
を水で洗浄し、次に硫酸マグネシウム等で脱水し
た後、重合防止剤の存在下または非存在下に溶媒
を留去後、減圧蒸留することによつても行ないう
る。 化合物〔1〕はラジカル重合、カチオン重合の
いずれもが可能で、又、化合物〔1〕の二種以上
を共重合する事も出来る。例えば単独重合によ
り、以下のような構造の重合物となる。 ラジカル重合によるスピロオルソエステル基
を有した下記の重合物。 カチオン重合によりスピロオルソエステル基
の開環をおこした下記のような重合物。 (、いずれの式中でもRは水素原子またはメ
チル基を表わし、lは3、4、5の整数を表わ
す。) これらの本発明の化合物は、重合または硬化に
よる体積収縮が小さいという特長を有し、前述し
た体積収縮に伴う欠点が改良され、ボイドを生じ
ない密着性の良い塗料、内部歪を生じない接着
剤、寸法精度が要求される複合材や注型材等の成
分として非常に有用である。 また、例えば本発明の化合物をラジカル重合さ
せて得られるスピロオルソエステル基を有する重
合物を、適当な溶剤に溶解して基体面に塗布し、
形成された塗膜を然るべき架橋手段により硬化さ
せることによつて、優れた塗膜を得ることもでき
る。 化合物〔1〕のラジカル重合は、通常のラジカ
ル重合手段、例えば紫外線、赤外線、熱、電子線
又はマイクロ波により行なうことができる。 紫外線ラジカル重合では、通常光開始剤が用い
られる。好適に利用できる光開始剤としては、ア
セトフエノン、2,2−ジメトキシ−2−フエニ
ルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフ
エノン、4′−イソプロピル−2−ヒドロキ−2−
メチルプロピオフエノン、2−ヒドロキシ−2−
メチルプロピオフエノン、4,4′−ピスジ(エチ
ルアミノ)ベンゾフエノン、ベンゾフエノン、メ
チル−(0−ベンゾイル)−ベンゾエート、1−フ
エニル−1,2−プロパンジオン−2−(0−エ
トキシカルボニル)−オキシム、1−フエニル−
1,2−プロパンジオン−2−(0−ベンゾイル)
−オキシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テル、ベンゾインオクチルエーテル、、ベンジル
又はジアセチル等のカルボニル化合物;メチルア
ントラキノン、クロロアントラキノン、クロロチ
オキサントン、2−メチルチオキサントン又は2
−i−プロピルチオキサントン等のアントラキノ
ン又はキサントン誘導体;ジフエニルスルフイ
ド、ジフエニルジスルフイド又はジチオカーバメ
ート等の硫黄化合物;α−クロロメチルナフタレ
ン、アントラセン等がある。 赤外線、熱、マイクロ波による重合に際して
は、分解によつてラジカルを生成し得るものであ
ればいずれのラジカル開始剤の使用も可能であ
る。例えば、ジーtert−ブチルパ−オキシド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパ
−オキシ)ヘキサン、tert−ブチルハイドロパー
オキシベンゾエート等の有機過酸化物;2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過酸塩が
使用できる。 又、電子線などの電離性放射線による重合は通
常無触媒系で行なわれる。 一般に触媒を用いる場合には、その使用量は、
一般に単量体の合計量に基づき0.01〜10wt%、好
ましくは0.1〜5wt%の範囲である。 ラジカル重合は、紫外線あるいは電離性放射線
の照射による場合は常温でも進むが、その他の場
合は、加温ないし加熱状態で円滑に進行する。重
合時に溶媒を使用する場合、好ましく用いられる
溶媒としては例えばトルエン、キシレン、酢酸エ
チル、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホ
ルム、ジオキサン等があげられる。 触媒の使用量は一般に、重合しようとする単量
体に対し0.001〜10wt%の範囲が好適である。 本発明の化合物〔1〕のカチオン重合は一般に
よく知られている方法、すなわちカチオン重合開
始剤の存在下例えば紫外線、赤外線、熱またはマ
イクロ波などによつて行なう。 紫外線照射の場合のカチオン重合触媒として、
例えば φ−N≡N・PF- 6、φ−N≡+N・BF- 4などの芳
香族ジアゾニウム塩:φ−I+−φ・BF- 4等の芳香
族ハロニウム塩; 等の周期律表第a族元素の芳香族オニウム塩:
【式】等の周期律表 第a族元素の芳香族オニウム塩:
【式】等の周期律表 第a−a族元素のジカルボニル錯化合物が
使用されうる。 また、その他のカチオン重合触媒としては、例
えばBF3、FeCl3、SnCl4、SbF3、TiCl4などのル
イス酸;BF3OEt2、BF3−アニリンコンプレツク
ス等のごときルイス酸とO、S、Nなどを有する
化合物との配位化合物:ルイス酸のオキソニウム
塩、ジアゾニウム塩、カルボニウム塩、ハロゲン
化合物、混合ハロゲン化合物または過ハロゲン酸
誘導体などがあげられる。 この場合の触媒の使用量は一般に重合しようと
する単量体に対し、0.001〜10wt%好ましくは0.1
から5wt%の範囲が好適である。重合温度に関す
る制限は特にないが、通常常温〜200℃で行なわ
れる。 重合時に溶媒を使用する場合には、生長カチオ
ン重合と反応してその活性を低下させない化合物
を選ぶことが望ましい。使用に適した溶媒として
は、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素;ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチ
レン、1,1−ジクロルエタン等のハロゲン化炭
化水素等がある。 次に本発明を実施例及び参考例により更に説明
する。 以下の実施例および参考例において化合物及び
重合物の比重は次の方法により測定したものであ
る。 密度勾配管法B型直読式比重測定装置((株)紫山
科学器械製作所製)を使用し、炭酸カリウム水溶
液で作成した密度勾配管に、赤外吸収スペクトル
測定用錠剤成形器で成形し、炭酸カリウム水溶液
中で脱気した試料の薄膜小片を投入し測定。 また重合物の平均分子量は液体クロマトグラフ
分析(HLC分析と略記する)からポリスチレン
換算重量平均分子量として計算した。 その測定条件は次の通りである。 装置;東洋曹達工業(株)製 HLC−801A カラム;TSKゲル−GMH 2本 溶離液;テトラヒドロフラン 流速;1ml/分 実施例 1 撹拌機、コンデンサー、温度計および滴下ロー
トを備えた4つ口1フラスコにトリエチルアミ
ン101g(1モル)、ジオキサン300mlおよび2−
ヒドロキシメチル−1,4,6−トリオキサスピ
ロ〔4,6〕ウンデカン18.8g(0.1モル)を仕
込み、滴下ロートにメタクリル酸クロライド20.9
g(0.2モル)およびジオキサン40mlを仕込んだ。
釜液を氷水で10℃に冷却後、釜液を撹拌しなが
ら、メタクリル酸クロライド溶液を約1時間かけ
て滴下した。 さらに室温で1時間撹拌後、50℃で5時間撹拌
し、一夜放置した。 生成した沈殿を紙で過し、8%NaOH水
溶液100mlを液に加えて撹拌後、有機層と水層
を分液した。次に有機層に塩化メチレン50mlを加
えて水100mlで2回水洗後、有機層を硫酸マグネ
シウムで脱水した。脱溶媒後残渣にトリ(n−オ
クチル)アミン0.4gおよびP−メトキシフエノ
ール0.05gを添加した後、減圧蒸留し、沸点113
〜115℃/0.6mmHgにおいてメタクリロイルオキ
シメチル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,
6〕ウンデカン9.6g(収率38%)を得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ沸点;113〜115℃/0.6mmHg ΓIR(赤外吸収スペクトル);(第1図参照) 1722cm−1(COO) 1637cm−1(C=C) 1164cm−1、1067cm−1、 1012cm−1、957cm−1 ΓNMR(核磁気共鳴スペクトル)(CDCl3中)(第
2図参照) δ(ppm);5.4〜6.2(2H、CH2=C) 3.5〜4.7(7H、3CH2−O、CH−O) 2.1〜2.6(2H、
【式】) 1.9〜2.1(3H、−CH3) 1.4〜1.9(6H、CH2−CH2−CH2) Γ質量スペクトル(GC−MS); 親ピーク:m/e=256 ここで使用した2−ヒドロキシメチル−1,
4,6−トリオキサスピロ〔4,6〕ウンデカン
は以下のようにして合成した。 撹拌機、コンデンサー、温度計および滴下ロー
トを備えた4つ口2フラスコにε−カプロラク
トン285g(2.5モル)、塩化メチレン1000ml及び
トリエチルアミン0.7mlを仕込み、滴下ロートに
グリシドール74.1g(1モル)及び塩化メチレン
150mlを仕込んだ。釜液を氷水で10℃に冷却後、
BF3OEt2を1.5ml添加した。釜液を撹拌しながら
約2時間かけてグリシドール溶液を滴下した。さ
らに5時間撹拌した。なお反応の間釜液は水で冷
却し、約10℃で保持した。次にトリエチルアミン
3mlを加え触媒を失活させた。次に反応液を氷水
で冷却し撹拌しながら10%NaOH水溶液1000ml
を徐々に加え、30分撹拌した後、アルカリ水溶液
層と有機層を分離した。この有機層を500mlの水
で洗浄し遠心分離により分離する操作を2回行な
つた後、硫酸マグネシウムで脱水した。次にトリ
(n−オクチル)アミン0.2gを添加後脱溶剤を行
ない、さらに減圧蒸留し沸点95℃/0.7mmHgにお
いて、2−ヒドロキシメチル−1,4,6−トリ
オキサスピロ〔4,6〕ウンデカン13.3g(収率
7.1%)を得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ沸点;95℃/0.7mmHg Γ比重;1.161/25℃ ΓIR; 3450cm−1(O−H)、 1240cm−1、1133cm−1、1072cm−1、 1037cm−1、960cm−1 ΓNMR(CDCl3中); δ(ppm)3.4〜4.5(7H、3CH2−O、CH−O) 1.9〜2.1(2H、
【式】) 1.4〜1.9(6H、CH2−CH2−CH2) Γ質量スペクトル(GC−MS); 親ピーク;m/e=188 実施例 2 撹拌機、コンデンサー、温度計および滴下ロー
トを備えた4つ口200mlフラスコにトリエチルア
ミン17.2g(0.17モル)ジオキサン50mlおよび2
−ヒドロキシメチル−1,4,6−トリオキサス
ピロ〔4,4〕ノナン2.7g(0.017モル)を仕込
み、滴下ロートにアクリル酸クロライド4.6g
(0.051モル)およびジオキサン15mlを仕込んだ。
釜液を氷水で10℃に冷却後、釜液を撹拌しながら
アクリル酸クロライド溶液を約1時間かけて滴下
した。室温で1時間撹拌後、50℃で5時間撹拌
し、一夜放置した。 生成した沈澱を紙で過し、8%NaOH水
溶液30mlを液に加えて撹拌後、有機層と水層を
分液した。次に有機層に塩化メチレン30mlを加
え、水30mlで2回水洗後、有機層を硫酸マグネシ
ウムで脱水後、脱溶媒し生成物1.9gを得た。つ
ぎの分離条件下に分取用液体クロマトグラフイを
用いて、反応生成物から2−アクリロイルオキシ
メチル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,
4〕ノナンを分取した。 分離条件; 装置;東洋曹達工業(株)製HLC−807 カラム;TSKゲルG−3000HG+G−2000HG 溶離液;クロロホルム 流速;4ml/分 化合物の特性は下記の通りである。 Γ形状;液体 ΓIR;(第3図参照…少量の不純物を含む。) 1730cm−1(COO) 1632cm−1、1407cm−1、807cm−1(C=C) 952cm−1 ΓNMR(CDCl3中);(第4図参照…少量の不純物
を含む。) δ(ppm);5.7〜6.6(3H、CH2=CH−)、 3.6〜4.7(7H、3CH2−O、CH)、 1.8〜2.5(4H、CH2−CH2)、 3.3〜3.6(0.5H、−)、 0.8〜1.8(1H、−) Γ質量スペクトル(GC−MS) 親ピーク;m/e=184、173 129、87、85、69、55 ここで使用した2−ヒドロキシメチル−1,
4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナンは以
下のように合成した。 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロート
を備えた4つ口2フラスコに、γ−ブチロラク
トン215.2g(2.5モル)及び塩化メチレン1000ml
を仕込み、滴下ロートにグリシドール74.1g(1
モル)及び塩化メチレン150mlを仕込んだ。釜液
を氷水で10℃に冷却後、BF3OEt2を1.5ml添加し
た。釜液を撹拌しながら約1.5時間かけて、グリ
シドール溶液を滴下した。滴下後さらに5時間撹
拌した。なお反応の間釜液は水で冷却し、約10℃
に保持した。次にトリエチルアミン3mlを加え触
媒を失活させた。次に反応液を氷水で冷却し、撹
拌しながら10%NaOH水溶液1000mlを徐々に加
え、添加完了後30分間撹拌した後、アルカリ水溶
液層と有機層を分離した。この有機層を500mlの
水で洗浄した。次に硫酸マグネシウムで脱水した
後、脱溶剤をした。その残渣にトリ(n−オクチ
ル)アミン0.2gを添加した後、減圧蒸留し、沸
点83℃/0.7mmHgにおいて、2−ヒドロキシメチ
ル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノ
ナン11.9g(収率7.4%)を得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ沸点;83℃/0.7mmHg Γ比重;1.196(25℃) ΓIR;3450cm−1(O−H)、 1334cm−1、1247cm−1、1132cm−1、 1042cm−1、954cm−1 ΓNMR(CDCl3中); δ(ppm);3.4〜4.6(7H、3CH2−O、CH−
O)、 1.8〜2.3(4H、C−CH2−CH2) 参考例 1 ガラス封管中に実施例1で得た化合物1.2g、
1,4−ジオキサン12mlおよび2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.015g(単量体に対し2モ
ル%)を装入し、窒素置換し封じた後70℃で17時
間重合させた。 得られた反応液をメタノール中に撹拌しながら
滴下して重合物を沈澱させた。この沈澱物をアセ
トンに溶解し、続いで同様にメタノール中に滴下
して沈澱させ、白色粉末状の重合物0.7gを得た。
(収率58%) HLC分析により求めたこの重合物の重量平均
分子量は約52000であつた。 またIR分析により1637cm−1のC=Cのピー
クが消失し、1735cm−1のエステルのピークおよ
び1240cm−1、1177cm−1、1132cm−1、1070cm
−1、958cm−1のスピロオルソエステル基のピ
ークが認められた。この重合物の構造は以下のよ
うである。 また重合体の比重は25℃において1.246であつ
た。 参考例 2 参考例1で得た重合物0.2gを1,1−ジクロ
ルエタン4mlに溶解し、触媒としてBF3OEt2
1wt%添加して50℃で17時間カチオン開環反応さ
せて、架橋した重合物を得た。 この架橋重合物の比重は25℃において1.245で
あつた。この値より算出されるラジカル重合物の
架橋による体積収縮率は、ほぼ0であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得た化合物のIR図であり、
第2図は同化合物のNMR図であり、第3図は実
施例2で得た化合物のIR図であり、第4図は同
化合物のNMR図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記一般式〔1〕で示されるスピロオルソエ
    ステル化合物。 (ここでRは水素原子またはメチル基を表わし、
    lは3、4または5の整数を表わす)
JP57083206A 1982-05-19 1982-05-19 不飽和基を有するスピロオルソエステル化合物 Granted JPS58201786A (ja)

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US5231197A (en) * 1992-06-01 1993-07-27 General Electric Company Method for producing ethylenically unsaturated graftable orthoesters

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JPS58201786A (ja) 1983-11-24

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