JPH0241202Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は石材、コンクリートブロツク材等の接
合部材に関するもので、その目的とするところは
石材、コンクリートブロツク材等を同一平面状に
強固に接合し得る構造簡単にして施工容易なる接
合部材を安価に提供せんとするにある。

従来石材、コンクリートブロツクを接合する手
段として最も一般的に行われている方法は、セメ
ント等の目地材を石材、コンクリートブロツク等
の合せ目に充填して接合する方法であるが、元来
セメント等の目地材は接着剤としての機能が不充
分なるものであり、長期間には該目地材の部分か
ら接合が破壊される欠点があつた。従つてコンク
リートブロツク等の接合においては各ブロツク間
に鉄筋を貫通し、これを目地材と一緒に固めるこ
とによつて各ブロツクの接合を強固なものとして
いたものである。然しながら、石材に鉄筋貫通用
の孔をあけることは特に石材が板状体の場合等に
は加工が非常に面倒であるばかりでなく、体裁も
悪いものとなるため、例えば囲障（墓地の囲辺を
区画する構造物）とか、石塀、コンクリートブロ
ツク塀、ビル等建造物の表面に張付けられる石張
り等、実用性と意匠的要素の併有を要求されるも
のには適さない欠点があつた。

また、上記欠点を拭払すべく例えば実開昭55−
49000号公報のように、長方形の平板体の四隅に
釘状の差込み脚あるいは平板体の長手方向両端縁
を下方へ折曲げて差込み脚としたもの、または実
開昭54−156413号公報のように平面形状をばち形
に形成した平板体からなる連結板を用いて石材、
コンクリートブロツク材等を接合するようにした
ものもあるが、前者の場合は連結板が長方形状で
あるため、石材ブロツクがそれぞれ接合面を離反
しようとした場合に差込み脚５ａに過大な離反力
が作用し、そのため接合面の接合が不充分となる
嫌いがあり、また後者の場合はばち形の広巾部の
拡開状態が小さいため引掛り面積が小さくて強度
的に弱く前記連結板が容易に変形し、接合部が
往々にして破損すると言う惧れがあつたものであ
る。

本考案は上記の欠点を除去し、施工が簡単にし
て、体裁もよく意匠的効果をも十二分に有するも
のであるとともに石材、コンクリートブロツク等
の接合を充分強固に行うことができるようにした
ものであつて、以下添付図面に示した一実施例に
ついて詳細に説明する。

１は真鍮、ステンレス等の金属平板をもつて形
成した接合部材本体で、中央部を所定巾に狭縮し
たくびれ部２となし、前記くびれ部２に連なる両
側部を所要形状、本実施例では略二等辺三角形状
からなる広巾部３，３となして全体が略蝶形を形
成するようにし、さらに前記広巾部３，３の下面
に、下方へ向けて所要長さ突出する突出脚４，４
を設けてなるものである。

而して本考案を使用するに際しては（本実施例
においては囲障の場合について述べる。）、第３〜
６図示の如く隣接する石材（ブロツク状）５，５
を上面を略同一平面に合せておき、各石材５，５
の合せ目６に接合部材本体１の狭縮したくびれ部
２を位置させ、略二等辺三角形状の広巾部３，３
を前記各石材５，５上に位置させるように、あら
かじめ前記各石材５，５の上面に形成した凹部
７，７内に前記接合部材本体１をモルタル、セメ
ント、その他プラスチツク系接着剤等適宜の目地
材８と共に前記接合部材本体１を嵌合し、前記各
石材５，５を接合するものである（この場合前記
石材５，５の合せ目６には目地材８が充填され、
また前記接合部材本体１の上面と石材５，５の上
面が略同一面となることが望ましい）。

以上のようにして石材５，５の上面に埋込まれ
た接合部材本体１は各石材５，５が相互に外方へ
倒れ、またはスライドあるいは浮上しようとする
力を前記略二等辺三角形状の広巾部３，３により
もちこたえることができるものである。即ち前記
石材５，５に対し、第３〜４図の矢印方向に力が
作用した場合、その力は広巾部３，３のそれぞれ
外方へ向つて拡開する各斜辺３ａ，３ａによつて
受止されるようになり、その結果石材５，５の接
合は強いものとなるとともに前記接合部材本体１
の広巾部３，３の下面に、下方へ向け所要長さに
形成した突出脚４が石材５，５中に目地材８とと
もに喰込む形となるので、両石材５，５の接合は
より強固なものとなり、その結果土圧、地震等に
よる目地切れを防ぎ充分に接合部材としての機能
を長期に亘り発揮し得るものである。特にこの場
合本考案においては前記広巾部３，３をくびれ部
２に対して全体が略蝶形となるようその拡開状態
を大きくして引掛り面積を大きくすることによ
り、接合部材本体１の強度を高めるとともに石材
５，５に対する耐係止力を高めることができるも
のである。

このように本考案は石材５，５の接合を長期に
亘り充分強固に行うことができるものであるが、
前記接合部材本体１の上面を石材５，５の上面に
略面一に現われているので、これが見た目に非常
に美麗であり甚だ体裁がよいものとなり得るもの
であるから、その結果意匠的効果も十二分に発揮
することができ得、囲障に限らず、石塀、コンク
リートブロツク塀、石張り等、種々のものに用い
ることができるものである。

なお本実施例においては接合部材本体を金属製
のものについて説明したが、プラスチツク製とし
てもよく、またこれを第６図示の如く目地材８中
に没入した状態で施工してもよく、さらにまた突
出脚４，４は第７図示の如く接着により一体とさ
れたもの、あるいは第８図示の如くプレスにより
一体に成型されたものの他、その形状も単なる釘
型のもの、あるいは矢じり型のもの、適宜折曲さ
れたもの等、種々の形態のものでよく、また広巾
部の形状は左右対称が望ましいが、これに限定さ
れるものでなく、また円形、楕円形、台形、多角
形その他適宜の形状としてもよいものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
平面図、第２図は正面図、第３図は施工状態の一
例を示す平面図、第４図は同斜視図、第５図は第
３図のＡ−Ａ断面図、第６図は他の実施例におけ
る施工状態の一部拡大断面図、第７〜８図は突出
脚の各実施例を示す斜視図、第９図イ〜ホは広巾
部の形状の各実施例を示す平面図である。 １……接合部材本体、２……くびれ部、３……
広巾部、４……突出脚、５……石材、６……合せ
目、７……凹部、８……目地材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部を所定巾に狭縮したくびれ部とし、かつ
   前記くびれ部に連なる両側部を所要形状からなる
   広巾部となした全体が略蝶形からなる平板状の接
   合部材本体の各広巾部下面に、下方へ向け所要長
   さからなる突出脚を設けてなる石材等の接合部
   材。