JPS6321620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、壁体や塀等を構築するのに用いられ
る建築用のコンクリートブロツクにおける端部処
理構造に関するものである。

［従来技術］ コンクリートブロツクは、周知のように、縦、
横に複数個組積して耐力壁や張壁、あるいは、い
わゆるブロツク塀等を構築するのに用いられてい
る。

ところで、このような壁体や塀のＬ形交叉部等
においては、ブロツクの側端面が露呈するのを防
止するために、その端面部を現場打ちのコンクリ
ートで固めたり、化粧ブロツクをモルタルで接着
するようにしている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、コンクリートブロツクの端面を現場
打ちのコンクリートで固めるには、型枠等の設置
が必要であり、施工に手間と時間がかかるという
問題がある。また、化粧ブロツクを接着する場合
も、前記側端面が垂直であることから、接着作業
に手間と熟練を要し、また、前記モルタルが硬化
するまで前記化粧ブロツクを保持しておくための
補助具等が必要になるという面倒さがある。

本考案は、かかる問題点を簡単かつ確実に解消
しようとするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、以上のような目的を達成するため
に、コンクリートブロツクの側端部に設けられる
開口部を、内方端側が外方端側よりも幅広になる
ような形状に成形しておくとともに、このコンク
リートブロツク側端部に配される化粧ブロツクの
背面に先端部側が基端部側よりも幅広な脚部を突
設し、この脚部を前記開口部に側方へ引抜不能に
係合させたことを特徴とするものである。

［作用］ このようなものであれば、前記脚部を前記開口
部に上下方向から係合させるだけの簡単な操作に
よつて、前記化粧ブロツクを前記コンクリートブ
ロツクの側端部に装着することができる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図は、コンクリートブロツク１を縦横に複
数個組積してなる前面壁Ａと、同じく、コンクリ
ートブロツク１を縦横に複数個組積してなる側面
壁Ｂとの交叉部分を示す平面図であり、第２図
は、同正面図、第３図は、同側面図である。各コ
ンクリートブロツク１は、その正面に化粧用の膨
出部２を有しており、これら各膨出部２の先端面
３は、部材を破断することによつて形成した不規
則な凹凸面をなしている。また、このコンクリー
トブロツク１の内部には、その上面４から下面５
にまで貫通する空洞６が形成してあるとともに、
左右両端の各小口面７，７，８，８間には、空洞
６の片半部に対応する開口部９，１０が設けてあ
る。この開口部９，１０は、内方端９ａ，１０ａ
側が外方端９ｂ，１０ｂ側よりも幅広な断面キノ
コ形に成形されており、前記内方端９ａ，１０ａ
側の幅ｗは、前記空洞６の幅と略同一の値に設定
してある。そして、このコンクリートブロツク１
の一端側の小口面７部に係合凹部１１を設けると
ともに、他端側の小口面８部に該係合凹部１１に
嵌合可能な寸法の係合凸部１２を設けている。係
合凹部１１は、前記小口面７の開口部寄りの縁部
を断面台形上に凹陥させたものである。また、係
合凸部１２は、前記小口面８の開口部寄りの縁部
を断面山形に突出させたものである。そして、横
方向に隣接するコンクリートブロツク１，１の係
合凹部１１と、係合凸部１２とを順次嵌合させて
これらコンクリートブロツク１，１同士を連結し
て、前記前面壁Ａおよび側面壁Ｂをそれぞれ構築
している。しかして、これら前面壁Ａおよび側面
壁Ｂは縦目地モルタルを一切用いずに組積されて
おり、横方向に隣接するコンクリートブロツク
１，１の接合部分に形成される空洞１３および鉄
筋が貫通する空洞にコンクリートまたはモルタル
を充てんしている。

そして、前記前面壁Ａと前記側面壁Ｂとの交叉
部における、コンクリートブロツク１の側端部１
ａに、化粧ブロツク１４を装着している。化粧ブ
ロツク１４は、第４図および第５図に示すよう
に、ブロツク本体１５の背面に脚部１６を一体に
突設したものである。ブロツク本体１５は、前記
コンクリートブロツク１の膨出部２と略同様な形
のもので、その先端面１７は部材を破断すること
によつて形成した不規則な凹凸面をなしている。
脚部１６は、先端部１６ａ側が基端部１６ｂ側よ
りも幅広な形状のもので、この脚部１６を前記コ
ンクリートブロツク１の開口部１０（または９）
に側方へ引抜き不能に係合させている。すなわ
ち、この脚部１６の先端部１６ａが前記開口部１
０の内方端１０ａ側に嵌合するとともに、基端部
１６ｂが前記開口部１０の外方端１０ｂ側に嵌合
するようになつている。

このような構成のものであれば、前面壁Ａのコ
ンクリートブロツク１を組積する際に、交叉部に
存在するコンクリートブロツク１の図中左側の開
口部１０に順次上方から化粧ブロツク１４の脚部
１６を嵌合させることによつて、これら各コンク
リートブロツク１の側端部１ａを前記各化粧ブロ
ツク１４により覆うことがきる。そのため、交叉
部におけるコンクリートブロツク１の側端面の露
出を現場打ちのコンクリートにより防止する場合
のように型枠等を用いる必要がない。また、化粧
ブロツクをモルタルにより接着するもののよう
に、モルタルが接着強度を発現するまでの間、化
粧ブロツクを保持具等により固定しておく必要も
ない。そのため、施工がきわめて簡単であり、作
業に熟練を要することもない。

なお、開口部およびこれに嵌合する脚部の形状
は、必ずしも図示実施例のものに限定されるもの
ではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々
変形が可能である。

［考案の効果］ 本考案は、以上のような構成であるから、各種
の補助具を一切用いることなしにコンクリートブ
ロツクの側端部に化粧ブロツクを装着することが
でき、従来のものに比べてはるかに簡単にかつ熟
練を要することなしに施工することが可能となる
コンクリートブロツクの端部処理構造を提供でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は平面
図、第２図は正面図、第３図は側面図、第４図は
化粧ブロツクの平面図、第５図は同正面図であ
る。 １……コンクリートブロツク、９，１０……開
口部、９ａ，１０ａ……内方端、９ｂ，１０ｂ…
…外方端、１４……化粧ブロツク、１５……ブロ
ツク本体、１６……脚部、１６ａ……先端部、１
６ｂ……基端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリートブロツクの側端部に、内方端側が
   外方端側よりも幅広な開口部を設けるとともに、
   このコンクリートブロツクの側端部に配される化
   粧ブロツクの背面に先端部側が基端部側よりも幅
   広な脚部を突設し、この脚部を前記開口部に側方
   へ引抜不能に係合させたことを特徴とするコンク
   リートブロツクの端部処理構造。