JPH0240588Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はキヤプスタンの異常回転検出装置に係
り、ポーズ時にピンチローラがキヤプスタンに圧
着し続けている記録及び／又は再生装置におい
て、ポーズ時にキヤプスタンが回転した時これを
検出してストツプモードとすると共に警告表示を
行なうことにより、キヤプスタンの異常回転によ
る磁気テープのたるみの発生を防止し得ると共に
その異常回転を表示し得る検出装置を提供するこ
とを目的とする。

VTR等の記録再生装置において、再生ポーズ
時（すなわちVTRではスチルモーシヨンモード
時）には、ピンチローラは磁気テープを介してキ
ヤプスタンに圧着され続けている。一方、記録ポ
ーズ時には、ピンチローラはキヤプスタンと離間
している記録再生装置が多いが、例えば装置の小
型、軽量化を目的としてピンチローラ駆動用プラ
ンジヤソレノイドを省略して、ピンチローラをロ
ーデイングポールと、機械的に連動させた記録再
生装置などのように、記録ポーズ時にもピンチロ
ーラが磁気テープを介してキヤプスタンに圧着さ
れ続ける記録再生装置もある。

しかして、かかる記録又は再生ポーズ時に、ピ
ンチローラが磁気テープを介してキヤプスタンに
圧着される記録再生装置において、リールモータ
とキヤプスタンモータのドライブ系統が違うため
に、ポーズ指令が出されても供給リール及び巻取
りリール共に回転が停止せしめられているのに対
し、回転停止されるべきキヤプスタンが何らかの
原因により回転を続けることがあり、その場合
は、記録ポーズ解除後の継ぎ撮りが最適にできな
かつたり、また再生ポーズ時には意図した静止画
像とは異なる静止画像が再生されてしまう。そこ
で、従来はポーズ時のキヤプスタンの上記の異常
回転が発生すると、キヤプスタンが磁気テープを
走行させるのに対して巻取りリールが磁気テープ
を巻取らないので、キヤプスタンと巻取りリール
との間の磁気テープがたるんで本来のテープ走行
路からはずれることを利用し、このたるんだ磁気
テープにより光路が遮断されるフオトセンサ又は
シヤツトオフスイツチにより、キヤプスタンの異
常回路を検出していた。

しかるに、記録再生装置の超小型化のために
は、上記のフオトセンサ又はシヤツトオフスイツ
チの取付スペース部分を設けないことが望まし
く、またポーズ時のキヤプスタンの異常回転は、
実際には殆ど発生せず、この発生する確率が極め
て低いキヤプスタンの異常回転を検出するために
専用の検出装置を設けることは価格的にも不利で
あつた。

本考案は前記の要求を満足すると共に、上記の
欠点を除去したものであり、以下その一実施例に
ついて説明する。

第１図は本考案装置を使用し得る、本出願人が
先に特願昭57−36176号にて提案した小型VTRの
概略機構の一例の平面図、第２図は本考案装置の
一実施例の回路系統図を示す。第１図において、
１は小型カセツトで、例えば幅92mm，奥行59mm，
高さ23mmで現行のカセツトの約1/3の体積に小型
化されており、供給リール２と巻取りリール３が
内蔵されている。巻取りリール３の周側面には歯
車が形成されており、その歯車はVTR内の歯車
４と噛合する。カセツト１をVTR内に装填する
と、５ａで示す位置に在るテンシヨンアームの先
端部に設けられたテンシヨンポール６ａと、支持
台８ａ上に植立されたローデイングポール９ａ及
び１０ａと支持台１１ａ上に植立されたローデイ
ングポール１２ａ及び１３ａとが夫々カセツト１
内の磁気テープと供給リール２との間のカセツト
内部に入り込む。このアンローデイング状態時に
は、ピンチローラは１４ａで示す位置に在り、キ
ヤプスタン１５と離間している。

次にプレイスイツチ（図示せず）を操作する
と、ローデイングモータ（図示せず）の回転力に
よりシヤーシ１６に形成された溝１７，１８に沿
つて支持台８ａ，１１ａ上のローデイングポール
９ａ，１２ａが図中、実線で示す９ｂ，１２ｂで
示す位置にまで移動せしめられ、ストツパ１９，
２０により係止位置決めされる。これにより、カ
セツト１の内部に収納されていた磁気テープ２１
はローデイングポールによりカセツト１の外部へ
引き出され、またテンシヨンアームが５ａで示す
位置から支点７を中心にして反時計方向に回動し
て５ｂで示す位置に到ることにより、供給リール
２から繰り出された磁気テープ２１は、テンシヨ
ンポール６ｂ、ガイドローラ２２、全幅消去ヘツ
ド２３、インピーダンスローラ２４、ローデイン
グポール９ｂ，１０ｂ、ヘツドシリンダ２５、ロ
ーデイングポール１３ｂ，１２ｂ、音声消去ヘツ
ド２６、音声・コントロールヘツド２７、ガイド
ローラ２８に夫々添接されて巻取りリール３に到
る。

また、上記のローデイングポール９ｂ，１０
ｂ，１２ｂ，１３ｂの移動と連動して、二点鎖線
２９ａの位置に在つたカムが、図示を省略した伝
達機構により実線２９ｂで示す位置にまで反時計
方向に回動されるよう構成されているため、この
回動に伴つてカム２９ａに植立されたピン３１ａ
とアーム３３ａの一端に植立されたピン３４ａと
がその両端に夫々遊嵌されているプレート３２ａ
が実線３２ｂで示す位置に移動され、更にこれに
よりアーム３３ａが支点３５を中心として３３ｂ
で示す位置にまで反時計方向に回動される。この
アーム３３ａ，３３ｂは、ピン３４ａ，３４ｂと
は反対側の端部にピンチローラ１４ａ，１４ｂが
設けられており、アームが３３ｂで示す位置に回
動されると、ピンチローラが１４ｂで示す如く磁
気テープ２１を介してキヤプスタン１５に圧着さ
れる。

このように、プレイスイツチを操作すると、磁
気テープ２１はカセツト１の外部へローデイング
ポール９ａ，９ｂ，１０ａ，１０ｂ，１２ａ，１
２ｂ，１３ａ，１３ｂにより引き出されて回転ヘ
ツドが固定されているヘツドシリンダ２５に所定
角度範囲に亘つて添接巻回されると同時に、これ
と連動してピンチローラ１４ａ，１４ｂが磁気テ
ープ２１を介してキヤプスタン１５に圧着され、
磁気テープ２１は回転するキヤプスタンとピンチ
ローラ１４ａ，１４ｂに挾持駆動されて走行さ
れ、回転する歯車４により回転せしめられている
巻取りリール３に巻取られる。

上記のVTRではピンチローラ１４ａ，１４ｂ
はVTRの小型化のために専用のプランジヤソレ
ノイドではなく、ローデイングポール９ａ，９
ｂ，１０ａ，１０ｂ，１２ａ，１２ｂ，１３ａ，
１３ｂを移動する駆動源（ローデイングモータ）
を共用してこれにより駆動される構成とされてい
るため、上記のローデイング状態時には、記録ポ
ーズ時及び再生ポーズ時のいずれの場合にもピン
チローラ１４ａ，１４ｂはキヤプスタン１５に圧
着され続けている。

次に本考案装置によるキヤプスタン１５の異常
回転の検出動作につき説明する。

上記のVTRのキヤプスタン１５は、第２図に
示すキヤプスタンモータ３７により回転せしめら
れる。キヤプスタンモータ３７のモータ軸には公
知の構成の周波数発電機（FG）３８が設けられ
ており、キヤプスタン１５の回転数に比例した周
波数の信号がマイクロコンピユータ３９に供給さ
れる。マイクロコンピユータ３９は、入力端子４
０よりポーズ指令信号が供給されると、ポーズ装
置４１に信号を出力してこれを作動させ、キヤプ
スタンモータ３７の回転を停止せしめると同時
に、歯車４の回転を停止せしめる。

しかるに、このポーズ指令にも拘らず、キヤプ
スタンモータ３７が回転を継続すると、周波数発
電機３８から回転検出信号がマイクロコンピユー
タ３９に引続き供給される。マイクロコンピユー
タ３９はポーズ指令信号入来中に周波数発電機３
８から回転検出信号が入来したことを検出する
と、ストツプ装置４２を作動させる信号を出力し
てVTRをアンローデイング状態にした後、繰り
返し周波数が例えば１Hzのパルス列を警報信号と
して発生してこれをPNPトランジスタQ₁のベー
スに印加する。

ストツプ装置４２の作動により、VTRはロー
デイングポールが実線９ｂ，１０ｂ，１２ｂ，１
３ｂで示す位置から溝１７，１８に沿つて二点鎖
線９ａ，１０ａ，１２ａ，１３ａで示す位置にま
で移動され、またこれと連動してピンチローラが
１４ｂで示す位置から１４ａで示す位置に移動さ
れ、またテンシヨンアームが５ｂで示す位置から
５ａで示す位置に復帰し、更にヘツドシリンダ２
５の回転が停止されてアンローデイング状態とな
る。またトランジスタQ₁は繰り返し周波数１Hz
のパルス列によりその周期１秒のうちパルス幅に
等しい或る期間はオン、残りの期間はオフとされ
ることが繰り返される。このトランジスタQ₁の
コレクタは抵抗R₁、発光ダイオードD₁を夫々直
列に介して接地されており、トランジスタQ₁は
そのオン期間、そのコレクタ電流を発光ダイオー
ドD₁に供給してこれを発光させ、またそのオフ
期間は発光ダイオードD₁灯させる。従つて、発
光ダイオードD₁はトランジスタQ₁のオン、オフ
に対応して繰り返し周波数１Hzで点滅することと
なり、これによりポーズ時のキヤプスタン１５の
異常回転の警告表示が行なわれる。

第２図に示したマイクロコンピユータ３９その
他の回路部品はすべて在来のVTRに用いられて
いる回路部品であり、これらを共用してポーズ時
のキヤプスタンの異常回転を検出することができ
るので、従来に比し低価格化を実現できると共
に、異常回転検出のために特にスペースを設ける
必要もない。

なお、上記の実施例ではキヤプスタンモータ３
７の回転を周波数発電機３８により検出するよう
に説明したが、ピツクアツプヘツドとマグネツト
との組合せにより検出することもでき、また警告
表示は光の点滅によらず他の手段（例えばブザー
など）を用いてもよいことは勿論である。

上述の如く、本考案になるキヤプスタンの異常
回転検出装置は、キヤプスタンの回転に応じた回
転検出信号を発生出力する回転検出器と、ポーズ
指令信号が供給された状態において回転検出信号
が供給された時は上記ピンチローラをキヤプスタ
ンから離間させる信号を発生出力すると共に警報
信号を発生する制御回路と、制御回路からの警報
信号が供給され警報表示を行なう表示器とよりな
るため、ポーズ時にキヤプスタンが異常回転した
場合はそれを検出して磁気テープの走行を停止さ
せると共に警報表示をすることができ、従つて、
キヤプスタンの異常回転による磁気テープのたる
みの発生を防止することができ、また上記の回転
検出器、制御回路及び表示器はいずれも在来の記
録及び／又は再生装置のそれを共用することがで
き、従つてその場合はキヤプスタンの異常回転検
出の専用装置が不要なので、安価に構成できると
共に、部品取付スペースの増加をもたらすことが
なく、よつて記録及び／又は再生装置の小型化に
寄与することができる等の特長を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を使用し得る、本出願人が
先に提案した小型VTRの概略機構の一例を示す
平面図、第２図は本考案装置の一実施例を示す回
路系統図である。 １……カセツト、２……供給リール、３……巻
取りリール、４……歯車、６ａ，６ｂ……テンシ
ヨンポール、９ａ，９ｂ，１０ａ，１０ｂ，１２
ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂ……ローデイングポ
ール、１４ａ，１４ｂ……ピンチローラ、１５…
…キヤプスタン、３７……キヤプスタンモータ、
３８……周波数発電機（FG）、３９……マイクロ
コンピユータ、４０……ポーズ指令信号入力端
子、Q₁……PNPトランジスタ、D₁……発光ダイ
オード。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ポーズ中にピンチローラが磁気テープを介して
   キヤプスタンに圧着し続けている記録及び／又は
   再生装置において、 キヤプスタンの回転に応じた回転検出信号を発
   生出力する回転検出器と、 ポーズ指令信号が供給された状態において該回
   転検出信号が供給された時は上記ピンチローラを
   上記キヤプスタンから離間させる信号を発生出力
   すると共に警報信号を発生する制御回路と、 該制御回路からの警報信号が供給され警報表示
   を行なう表示器とより構成したキヤプスタンの異
   常回転検出装置。