JPH0238675B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は電気接続用に使用される雌端子の電気
接触部に特性を改善するための金属をめつきする
方法に関する。

（従来の技術） 一般に雌端子の電気接触部は、棒状又は板状の
電気接触部を有する相手雄端子が嵌合接触して電
気接続がなされるようにほぼ筒状に構成され、そ
の内周面の一部又は全部が相手雄端子との接触面
に形成されている。しかして、この電気接触部の
接触面に腐食防止や導電性向上等の目的で基材と
異なる金属をめつきする方法としては、従来、成
型前の板体の状態でめつきした後、打抜、プレス
加工等により雌端子を成型する方法と、成型後の
雌端子をめつき液に浸漬して電気接触部にめつき
する方法とが知られている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、前者の方法では電気接触部をめつき済
みの板体からプレス加工して成型する際、めつき
面にクラツクを生じ易く、このクラツク部から腐
蝕を生じたりして電気接触の信頼性低下を来た
し、又、スクラツプとなる板体部分にもめつきさ
れるため、無駄なめつき部分が生ずるなどの問題
点がある。

又、後者の方法では筒状に成型された電気接触
部の内部空間が狭いため、単に電気接触部をめつ
き液中に浸漬したのみでは気泡の付着等により電
気接触部の内部接触面にめつき液が完全に行き渡
らない場合があり、めつき不良を生じたり電気接
触部外周面のめつきをあまり必要としない部分に
厚くめつきが施こされたりするなどの問題点があ
つた。

本発明は雌端子の電気接触部に対する従来のめ
つき方法の上記の問題点に着目してなされたもの
で、成型後の雌端子をめつき液中に浸漬して電気
接触部にめつきする場合に、電気接触部の内面に
めつき液を完全に流通させることにより、電気接
触部の相手雄端子との接触面に対するめつき不良
を解消すると共に、電気接触部の必要部分にのみ
部分的にめつきし得るめつき方法を提供すること
を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 以下に本発明を添付の図面を参照し乍ら詳細に
説明する。

すなわち、本発明の実施装置の概略説明図を示
す第１図において、本発明は雌端子１の電気接触
部１ａを、その先端開口部２が噴射ノズル３に正
対向するように接近させてめつき液４中に浸漬
し、噴射ノズル３を介してめつき液４を先端開口
部２から電気接触部１ａ内に供給して流通させな
がらめつきを行なう方法、及び雌端子１の電気接
触部１ａ外周の一部をマスキング部材５によりマ
スキングしたのち、上述と同様にしてめつきを行
なう方法である。

この方法において、雌端子１は第２図に示すよ
うに前部に先端を開口部２とした筒形の電気接触
部１ａ、後部に電線接続部１ｂを形成して成るも
ので、後端接続部６ａにおいて長尺のガイド６に
対し直角方向かつ等間隔に多数連設された状態
で、その複数個（図示の例では３個）宛半連続的
にめつき槽７内のめつき液４に浸漬される。なお
４ａはめつき液４の液面を示す。

この場合の浸漬は、めつき槽７内に装着固定さ
れたノズル装置８に設けられた複数個（図示の例
では３個）の噴射ノズル３に、電気接触部１ａの
前端開口部２が比較的近接して正確に対向するよ
うに行なわれる。

ノズル装置８に設けられた噴射ノズル３は、め
つき槽７の底部から循環ポンプ９を介して配管さ
れる供給管１０に連通し、又、めつき液に浸漬さ
れている陽極板１１と陰極となる雌端子１は夫々
電源１２に電線１３を介して接続されている。

めつきは、ポンプ９を作動させて噴射ノズル３
から雌端子１の電気接触部１ａ内に開口部２から
めつき液を噴射流通させながら、陽極板１１と雌
端子１との間に通電することにより行なわれる。

しかして、噴射ノズル３に対する雌端子１の正
確な位置決め及び位置決め終了後の噴射ノズル３
からのめつき液の噴射並びに通電は、雌端子１の
送りを検知するセンサー１４をコンピユータ制御
機器１５を介してポンプ９並びに電源１２と接続
することにより自動的に行なわせることができ
る。又、噴射ノズル３上への雌端子１の位置決め
は、リミツトスイツチによる検知手段その他適宜
の検知手段に作動機構を連動させて行なうことが
できる。

次に、雌端子１の電気接触部外周の一部をマス
キング部材５によりマスキングする方法について
説明する。先ず第３図に斜視図で示したように、
マスキング部材５を電気接触部１ａのマスキング
が行なわれる部分の端子基板部１ｃを除く外周形
状を有する嵌合凹部１６を、浸漬される雌端子の
数及び間隔に合わせて複数個側面に設けた嵌合部
材５ａと端子基板部１ｃに対する当接部材５ｂと
により構成させ、図示しない作動機構により嵌合
部材５ａはめつき液中に浸漬された複数個の雌端
子１の電気接触部上面から電気接触部１ａのマス
キング部位に嵌合接離しうるように、又、当接部
材５ｂは電気接触部の基板部１ｃ側に接離しうる
ように装着されている。

このマスキング部材５を用い電気接触部１ａの
所定部位にマスキングした状態でめつきを行なう
場合には、雌端子１の先端開口部２が噴射ノズル
３の上部に正確に対向して位置したことを、雌端
子送り用のセンサー１４が検出し、次いでこの検
出信号を受けて嵌合部材５ａと当接部材５ｂを制
御機器１５により図示しない作動機構を作動さ
せ、第４図に示されるように電気接触部１ａの所
定部位を挾みマスキングする。マスキング部位は
第４図において斜線部分で示される。次いで、ノ
ズル装置８の噴射ノズル３からめつき液を前述と
同様にして噴射させ、電気接触部１ａの内部にめ
つき液４を流通させながら通電してめつき処理を
行なわせる。第５図はめつき済み雌端子１の斜視
図で、斜線部分がめつきされた部位を示す。なお
電気接触部１ａ内面の相手雄端子との接触面には
めつきが完全に行なわれている。めつき終了後、
マスキング部材５が電気接触部１ａから離され、
めつき済雌端子はめつき槽外に移送されると同時
にめつきすべき雌端子１がめつき槽内の所定位置
に移送位置決めされ、上述と同様の操作が繰返さ
れる。以上の端子送り、位置決め、めつき液噴
射、通電等の操作はすべてコンピユータ制御機器
１５の指令により自動的に行なわれる。

（作用） 本発明において、雌端子の電気接触部内へのめ
つき液の噴射は、電気接触部内の狭い空間部に対
して高流速でめつき液を流入させるので、めつき
される金属イオンの供給が充分に行われてつきま
わり性が格段に改善され、その結果として雄端子
との接触面に対するめつきがムラなく均一に行な
われる。又、電気接触部の一部をマスキングして
めつきすることにより、必要部位にのみめつきを
施こすことができる。

（発明の効果） 本発明は以上詳細に説明した如くになるから、
雌端子電気接触部内の狭小で液廻りの悪い相手雄
端子との接触面に十分にめつき液を流通させるこ
とにより、均一で腐蝕やクラツクを生ずることの
ない完全なめつきを施こすことができ、又、電気
接触部の必要部位にのみめつきされるから、めつ
きすべき金属の節減をはかることができる等の利
点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施する装置の概略説明図、
第２図は雌端子の斜視図、第３図は本発明に使用
されるマスキング部材とその配設状態を示す斜視
図、第４図は雌端子をマスキング部材によりマス
キングした状態の斜視図、第５図は本発明により
部分めつきされた雌端子の斜視図を示す。 １……雌端子、１ａ……電気接触部、２……開
口部、３……噴射ノズル、４……めつき液、５…
…マスキング部材、７……めつき槽、１４……セ
ンサー、１５……制御装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 雌端子の電気接触部をその先端開口部が噴射
   ノズルに正対向するように接近させてめつき液中
   に浸漬し、該噴射ノズルを介してめつき液を該先
   端開口部から該電気接触部内に供給して流通させ
   ながらめつきを行なうことを特徴とする雌端子電
   気接触部のめつき方法。 ２ 雌端子の電気接触部外周の一部をマスキング
   部材によりマスキングして、該電気接触部の先端
   開口部が噴射ノズルに正対向するように接近させ
   てめつき液中に浸漬し、該噴射ノズルを介してめ
   つき液を該先端開口部から該電気接触部内に供給
   して流通させながらめつきを行なうことを特徴と
   する雌端子電気接触部のめつき方法。