JPH0238660Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、棒状化粧料容器の改良に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来より、口紅・アイシヤドウ・白粉等の化粧
料を棒状に成形した棒状化粧料の容器は、複数の
筒状体を組み合わせた繰り出し機構を有する繰り
出し容器が多く利用されていた。しかし、この種
の容器は使い捨ての容器である為、不経済であつ
た。そこで、棒状化粧料を使い捨てできる様にし
た、経済性の高いカートリツジ式棒状化粧料容器
も多く知られている。しかし、使い捨てにするカ
ートリツジ自体は、安価にできるのであるが、容
器全体を見ると、更に複雑に高価にならざるを得
なかつた。

そこで本出願人は、実願昭60−166328号（実開
昭62−73822号）に於いて、棒状化粧料を収容す
る外筒の内側壁を柔軟性材で構成し、側壁に螺旋
条を螺設した押し棒を回動させる事によつて、柔
軟性材に螺旋条の螺合する螺溝を押し棒自身で螺
刻しながら前進し、棒状化粧料を押し出す構成の
棒状化粧料容器及びカートリツジ式棒状化粧料容
器を提案している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前述した構成は、棒状化粧料容器を安
価に提供できるのであるが、特にカートリツジ式
棒状化粧料容器の場合、押し棒が棒状化粧料を押
し出すストローク分だけホルダーが係合棒に係合
していなければならない為、カートリツジの全長
が長いものとなつてしまつた。

〔問題点を解決する為の手段〕

外筒１には貫通孔２が前後に貫通しており、こ
の貫通孔２には、筒状に成形された柔軟性材３を
内装止着している。この外筒１に内装される受け
筒７は、棒状化粧料６を収嵌保持しており、外側
壁に前記柔軟性材３の内壁を螺刻する螺旋条８を
螺設し、後端面に係合孔９を穿設する。また、外
筒１の後端に止着される尾栓４は、前記受け筒７
の係合孔９が覗く突入孔５が穿設されている。外
筒１を抜脱可能に且つ回動自在に保持する回動操
作筒１１は、外筒１の後端が挿入される装着口２
１を有している。この回動操作筒１１は、先端が
前記受け筒７の係合孔９に抜脱可能に突入係止す
る係合棒１５を摺動自在にしかし回動不能に内装
している。

また、外筒１の後端に止着された尾栓４の突入
孔５内壁には前記受け筒７の螺旋条８が螺合し柔
軟性材３の方向に向かつた螺旋溝２５を刻設す
る。

〔作用〕

外筒１を保持して回動操作筒１１を回動させる
と、回動操作筒１１に回動不能に内装された係合
棒１５も回動する。この係合棒１５の先端は、外
筒１に内装された受け筒７の係合孔９に突入係止
している為、受け筒７も回動する。その結果、受
け筒７の側壁に突出した螺旋条８は自身で柔軟性
材３に螺合する螺溝を螺刻しながら、受け筒７が
前進し、棒状化粧料６が押し出されるものであ
る。尚、この時係合棒１５は、受け筒７と共に摺
動しながら受け筒７に回動を伝達するものであ
る。

棒状化粧料６を消費し終わつた場合は、外筒１
と回動操作筒１１の保持、及び受け筒７と係合棒
１５の係止を解除して新たな棒状化粧料６が収容
された外筒１を装着し直せば良い。また、受け筒
７が尾栓４に螺合している場合には、回動操作筒
１１を回動させると受け筒７の螺旋条８が柔軟性
材３に突入した後、受け筒７が自身の螺合する螺
溝を螺設しながら前進する。

〔実施例〕

外筒１には、前後に貫通した貫通孔２が穿設さ
れており、この貫通孔２には、筒状に成形された
発泡樹脂等の柔軟性材３を内装止着している。更
に、外筒１は、柔軟性材３の後方に尾栓４が止着
されている。この尾栓４には、貫通孔２に連続す
る突入孔５を穿設している。

前記柔軟性材３に内装される棒状化粧料６は、
後端が受け筒７に収嵌されている。この受け筒７
は、柔軟性材３の後端に挿入されている。そし
て、受け筒７の外側壁には、柔軟性材３にくい込
み、螺合した状態と同じ様になる螺旋条８が螺設
されている。また、受け筒７の後端には、前記尾
栓４の突入孔５より覗き、断面が正六角形状をし
た係合孔９が穿設されている。以上が、カートリ
ツジ１０である。

回動操作筒１１には、後端より中筒１２を挿入
止着している。この中筒１２の先端には、断面正
六角形状の回動阻止孔１３が穿設され、上端内壁
は当接部１４になつている。この中筒１２後端よ
り挿入され、先端が回動阻止孔１３を摺動自在に
貫通する係合棒１５は、断面が正六角形状をして
おり、回動阻止孔１３に係合して回動不能になつ
ている。また、係合棒１５の先端は、カートリツ
ジ１０の受け筒７後端に穿設された係合孔９に突
入する係合部１６になつている。この係合部１６
側壁には、係合孔９内壁に抜脱可能に係止する縦
リブ１７が複数本突出している。更に、係合棒１
５の、後端には鍔部１８が突出しており、中筒１
２先端の当接部１４及び中筒１２後端に止着した
尾蓋１９に当接して係合棒１５を抜脱不能にして
いる。

回動操作筒１１の前端には、空転筒２０が回動
自在にしかし抜脱不能に保持している。この空転
筒２０には、カートリツジ１０の外筒１の後端を
抜脱可能に抱持する板状スプリング２３を内装し
ている。そして、この空転筒２０の上端内壁に
は、板状スプリング２３を脱落下能にする段部２
２が突出している。以上がホルダー２４である。

次に、その他の実施例を説明する。

カートリツジ１０の外筒１後端に止着された尾
栓４の突入孔５内壁には、前記受け筒７側壁の螺
旋条８が螺合する螺旋溝２５を刻設する。この螺
旋溝２５は、柔軟性材３の方向に開口している。

尚、カートリツジ１０の受け筒７に穿設した係
合孔９にホルダー２４の係合棒１５先端の係合部
１６が突入係止する手段として、本考案実施例で
は、縦リブ１７による圧入係止を述べているが、
吸着し合う磁石２６を係合孔９底面及び係合部１
６先端にそれぞれ埋設しておけば、ホルダー２４
よりカートリツジ１０をくり返して着脱する事が
可能となる。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、棒状化粧料６が柔軟性材
３によつて、衝撃等の外力から保護され、且つ受
け筒７がその保護する柔軟性材３に螺溝を螺刻し
ながら前進する為、螺旋筒を必要としない安価な
カートリツジ１０を提供できるものである。

また、受け筒７に回動操作筒１１の回動を伝達
する係合棒１５が受け筒７の進退に伴つて、中筒
１２に回動不能に係合したまま進退する為、受け
筒７の係合孔９は係合棒１５の係合部１６が抜脱
可能に係止するのに必要な深さで十分であり、受
け筒７の長さを短くする事ができる。従つて、本
出願人が以前提案した、棒状化粧料容器のカート
リツジ１０よりも全長が短く構成できるものであ
る。

また、その他の実施例の様に、尾栓４に受け筒
７が螺合する螺旋溝２５を刻設しておけば、新た
に棒状化粧料６が収容されたカートリツジ１０に
装着し直す場合、受け筒７の係合孔９に係合棒１
５の係合部１６を突入係止させる時の応力が尾栓
４に加わる為、柔軟性材３を損傷する危険性がな
くなる。

等、数多くの利点を有する考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案第１実施例のカートリツジと
ホルダーの側断面図。第２図は、使用状態の側断
面図。第３図は、受け筒の斜視図。第４図は、第
２実施例のカートリツジの側断面図。第５図は、
第３実施例のカートリツジとホルダーの側断面
図。 １〜外筒、２〜貫通孔、３〜柔軟性材、４〜尾
栓、５〜突入孔、６〜棒状化粧料、７〜受け筒、
８〜螺旋条、９〜係合孔、１０〜カートリツジ、
１１〜回動操作筒、１２〜中筒、１３〜回動阻止
孔、１４〜当接部、１５〜係合棒、１６〜係合
部、１７〜縦リブ、１８〜鍔部、１９〜尾蓋、２
０〜空転筒、２１〜装着口、２２〜段部、２３〜
板状スプリング、２４〜ホルダー、２５〜螺旋
溝、２６〜磁石。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 〔１〕 前後に貫通した貫通孔２に筒状に成形さ
   れた柔軟性材３を内装止着した外筒１と、 該外筒１内に内装され、前記柔軟性材３の内
   壁を螺刻する螺旋条８を外側壁に螺設し、後端
   面に係合孔９を穿設し、棒状化粧料６を収嵌保
   持した受け筒７と、 前記外筒１後端に止着され、受け筒７の係合
   孔９が覗く突入孔５が穿設された尾栓４と、 外筒１の後端が挿入される装着口２１を有
   し、外筒１を抜脱可能に且つ回動自在に保持す
   る回動操作筒１１と、 該回動操作筒１１に摺動自在にしかし回動不
   能に内装され、先端が前記受け筒７の係合孔９
   に抜脱可能に突入係止して受け筒７に回動を伝
   達する係合棒１５と、 より構成される事を特徴とする棒状化粧料容
   器。 〔２〕 前記外筒１の後端に止着された尾栓４の
   突入孔５内壁に、前記受け筒７の螺旋条８が螺
   合し、柔軟性材３の方向に向かつた螺旋溝２５
   を刻設した事を特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の棒状化粧料容器。