JPH0621390Y2 - カートリッジ式化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は棒状化粧料を進退可能に内蔵するカートリッジ
式化粧料容器に関する。

［従来の技術］ 従来、口紅、アイシャドウ等の棒状化粧料を内蔵したカ
ートリッジを、進退可能な押棒を有する容器本体の先端
に交換可能に取付けてなるカートリッジ式化粧料容器
（例えば、実公昭56-39455号公報）があり、この種のも
のはカートリッジと容器本体側との連結を簡単にするた
めにカートリッジ内の棒状化粧料を後退するように付勢
するコイルスプリングをカートリッジ内に設けている
が、従来構造はコイルスプリングを棒状化粧料の周囲に
設けているので、容器の直径が太くなり体裁が悪くなる
という欠点があり、またスプリングが棒状化粧料に触れ
て化粧料をキズつけるおそれもあった。そこで、カート
リッジ内のコイルスプリングを棒状化粧料の周囲に設け
ず、カートリッジ内壁の中央部に貫通孔を備えた仕切部
を設けてその後方に弾性体を配置する構造のもの（実公
昭58-10502号公報）が提案されている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、この種化粧料容器にあっては、容器本体
側にも押棒の繰出機構を有しており、カートリッジ内の
コイルスプリングを上記のように棒状化粧料の後方に配
置すると容器全体の長さが長くなりすぎ、特に口紅用の
容器としては好ましくない。

本考案は上記従来技術の欠点に鑑みてなされたもので、
カートリッジ内の化粧料戻し機構たるコイルスプリング
を棒状化粧料と直接接触させずまたカートリッジの直径
を太くすることなく内蔵させ、しかもカートリッジを容
器本体に取付けた状態で全体の長さが長くならないよう
に構成したカートリッジ式化粧料容器を提案することを
目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案カートリッジ式化粧料
容器においては、カートリッジを、両端に開口を有する
円筒状のカートリッジ本体と、棒状化粧料の基部を保持
するための化粧料保持部材と、先端が化粧料保持部材に
連結する回転押棒と、回転押棒を後退方向に付勢するコ
イルスプリングとで構成し、前記回転押棒にはカートリ
ッジ本体内側の螺溝に螺合する突起および軸方向に延び
る嵌挿穴を具備させ、前記カートリッジ本体内に、前記
回転押棒が貫通し前記化粧料保持部材の後退を阻止する
仕切部を設け、この仕切部と前記回転押棒の突起との間
にコイルスプリングを介在させた。また、容器本体は、
円筒体内に前記押棒の嵌挿穴に嵌挿する軸棒を固設し、
また、カートリッジを弾力的に保持すると共に、カート
リッジが容器本体に対して回転可能となるようにカート
リッジを支持する回転保持部材を設け、さらに前記回転
押棒と前記軸棒とを、嵌挿状態でそれらが相互回転不能
となるように形成した。

望ましい実施態様にあっては、化粧料保持部材と、回転
押棒とは相互回転自在に連結する。

［作用］ 上記構成の本考案にあっては、カートリッジは、回転押
棒の嵌挿穴内に容器本体の軸棒が嵌挿した状態で容器本
体内に収容され、使用時にカートリッジ先端部を把持し
ながら容器本体を回転させると、回転押棒と軸棒とが相
互回転不能のために容器本体に固設された軸棒によって
回転押棒が回転され、回転押棒はその突起がカートリッ
ジ本体内側に形成された螺溝に螺合しているため回転に
伴って軸方向に移動し、これに連結された化粧料保持部
材が軸方向に前進または後退することとなる。回転押棒
の前進はコイルスプリングを圧縮しながら行われるの
で、前進した状態でカートリッジを容器本体から取外す
と、回転押棒と軸棒との係合が解かれ、コイルスプリン
グの反発力によって回転押棒が回転しながら復帰され、
回転押棒に連結された化粧料保持部材が自然に後退する
こととなる。

化粧料保持部材と回転押棒とを相互回転自在に連結すれ
ば、化粧料保持部材は回転せずに進退する。

［実施例］ 以下本考案を添付図面に示した実施例に基づいて詳述す
る。

第１図は本考案に係るカートリッジ式化粧料容器を口紅
容器に適用した一実施例を示す縦断面図である。なお、
第１図においてキャップは省略してある。

10は、口紅である棒状化粧料12を内蔵するカートリッジ
で、両端に開口14,16を有する円筒状のカートリッジ本
体18のほぼ中央部に貫通孔20を有する仕切部22を設けて
ある。仕切部22より開口14側（前側）のカートリッジ本
体18内には起立部24と基部26とで構成される化粧料保持
部材28が軸方向に摺動可能に内挿され、化粧料12はこの
保持部材28に保持される。仕切部22より開口16側（後
側）のカートリッジ本体18の内壁には螺溝30を形成して
あり、この螺溝30に螺合する突起32を具備する回転押棒
34を、仕切部22の貫通孔20を貫通させて配設してある。
回転押棒34の先端には拡径した頭部を有する係合突起36
を形成し、この係合突起36を化粧料保持部材28の基部26
に形成した係合孔29に係留させて、回転押棒34と化粧料
保持部材28とが周方向相互回転自在となるようにしてあ
る。回転押棒34の中心には第２図に示すように、軸方向
に延びる縦溝38を多数周設した形状の嵌挿穴40を開口16
側に開口するように形成してある。また、回転押棒34の
周囲には仕切部22と突起32との間にコイルスプリング42
を介装し、カートリッジ本体18後端の開口16には嵌挿穴
40に整一する貫通孔44を有する尾栓46を嵌合する。化粧
料保持部材28は仕切部22によってカートリッジ後端方向
への移動を阻止されており、回転押棒34はこの化粧料保
持部材28に係留連結されているので、尾栓46を設けなく
ても回転押棒34がコイルスプリング42の作用によって開
口16から飛び出してしまうことはない。

50は、カートリッジ10を内挿する容器本体で、一端にカ
ートリッジ10の挿入口51を有する有底円筒体52の中心
に、底板54に軸棒基板56を接着させて軸棒58を固設して
ある。また、円筒体52の内側にはカートリッジ10を弾力
的に保持すると共に、カートリッジ10が円筒体52に対し
て回転可能となるようにカートリッジ10を支持する回転
保持部材60を内装してある。回転保持部材60は、突起62
を具備する環状基部64を挿入口51の内側に嵌合させ、突
起62を円筒体52内壁に周設した凹溝66に係合させて軸方
向には移動不能に周方向には回転可能に装着してあり、
継部68を介して横断面Ｃ字形の環状弾性保持体70を垂下
している。この回転保持部材60は板バネを周設した従来
の板バネ式保持構造を周方向回転可能に形成したもので
もよい。軸棒58の周囲には第３図に示すように四方に軸
方向に沿ってリブ72を突設してあり、このリブ72が押棒
34の縦溝38に係止されて軸棒58と押棒34とが相互回転不
能となっている。

次に上記構成の実施例の作用について説明する。

カートリッジ10を容器本体50の挿入口52から挿入する
と、カートリッジ10は尾栓46が軸棒基板56に当接するま
で進入し、回転保持部材60の弾性保持体70によって保持
される。この間、軸棒58は尾栓46の貫通孔44を貫通して
押棒34の嵌挿穴40内の最深部まで進入する。

この状態で容器本体50から突出しているカートリッジ10
の先端部を把持して容器本体50を回転させると、軸棒58
を介して押棒34が螺溝30に沿って旋回され、コイルスプ
リング42を圧縮しながら前進し、押棒34の先端が化粧料
保持部材28を押して化粧料12が開口14から繰出される。
容器本体50を逆回転させると、押棒34は逆回転して螺溝
30に沿って強制的に旋回後退され、係合突起36によって
化粧料保持部材28および化粧料12が引き込まれる。

化粧料12が繰出された状態で、カートリッジ10を容器本
体50から取外すと、押棒34と軸棒58の係合が解かれて押
棒34が回転可能となり、圧縮されたコイルスプリング42
の反発力によって押棒34が螺溝30に沿って回転しながら
強制後退され、その結果、化粧料12が自然に引き込まれ
ることとなる。

本実施例では、化粧料保持部材28と押棒34とが、係合突
起36の部分で相互回転自在に連結されているので、押棒
34の回転移動の際に化粧料12が回転してしまうことはな
い。なお、化粧料12の回転阻止を完全なものにするため
には化粧料保持部材28の断面形状をそれがカートリッジ
本体18内で回転不能となるように形成しておけばよい。

［考案の効果］ 以上説明した通り、本考案のカートリッジ式化粧料容器
は、カートリッジ側押棒内に嵌挿穴を形成してこの中に
相互回転不能に容器本体側の軸棒を嵌挿させる構造とし
たので、容器直径が太くなるのを避けるために化粧料の
戻し機構たるコイルスプリングを化粧料の周囲に配設せ
ずにカートリッジ内の後方に配設してそのためにカート
リッジの長さが長くなっても、容器本体側に螺合作用に
よる繰出機構を設ける必要がないから、容器全長として
は短いものとすることができる。なお上記戻しスプリン
グがあるので、カートリッジを容器本体から取外すと押
棒や化粧料が自動的に後退する。そのため、化粧料を後
退させる手間がかからない。また、次にカートリッジを
容器本体に装着した時に、押棒によって化粧料が不意に
繰り出されて、化粧料が損傷するようなおそれもない。
また、容器本体側に押棒による繰出機構を設けないの
で、繰出状態でカートリッジを取外しても押棒が突出し
たまま残ってしまうといった問題もない。しかも、容器
本体側はきわめて簡単な構造とすることができ、部品数
も少なくなり、製造コストを低くすることができる利点
も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るカートリッジ式化粧料容器の一実
施例を示す縦断面図で、第２図は第１図のII−II線に沿
った横断面図、第３図は第１図のIII−III線に沿った横
断面図である。 10……カートリッジ、12……化粧料、14,16……開口、1
8……カートリッジ本体、20……貫通孔、22……仕切
部、28……化粧料保持部材、30……螺溝、32……突起、
34……押棒、36……係合突起、38……縦溝、40……嵌挿
穴、42……コイルスプリング、50……容器本体、52……
円筒体、58……軸棒

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】棒状化粧料を進退可能に内蔵するカートリ
   ッジと、該カートリッジを収容保持する容器本体とから
   なるカートリッジ式化粧料容器において、 前記カートリッジが両端に開口を有する円筒状のカート
   リッジ本体内に、棒状化粧料の基部を保持するための化
   粧料保持部材と、カートリッジ本体内側の螺溝に螺合す
   る突起および軸方向に延びる嵌挿穴を有し先端が前記化
   粧料保持部材に連結する回転押棒と、該回転押棒が貫通
   し前記化粧料保持部材の後退を阻止する仕切部と、該仕
   切部と前記突起との間に介装されたコイルスプリングと
   を有し、 前記容器本体が円筒体内に固設された、前記回転押棒の
   嵌挿穴に嵌挿する軸棒と、カートリッジを弾力的に保持
   すると共に、カートリッジが容器本体に対して回転可能
   となるようにカートリッジを支持する回転保持部材とを
   有し、 前記回転押棒と前記軸棒とが嵌挿状態で相互回転不能に
   形成されていることを特徴とするカートリッジ式化粧料
   容器。
2. 【請求項２】前記回転押棒と、前記化粧料保持部材とが
   相互回転自在に連結されている請求項第（１）項に記載
   のカートリッジ式化粧料容器。