JPH0237342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は固定鉄心に対応して可動鉄心を移動自
在に配置し、固定鉄心と可動鉄心との間にスプリ
ングを配置するとともにそれら固定鉄心、可動鉄
心の周囲に電磁コイルを巻回し、一方、可動鉄心
と同期的に移動するステーに第１開閉弁、第２開
閉弁を配置し、それら第１、第２開閉弁によつて
第１弁座、第２弁座を同期的に開閉するダブル弁
型電磁弁に関するもので、このような電磁弁は複
数の流体通路を同時に開閉動作させる気化器の燃
料通路（低速燃料系統、高速燃料系統）や燃焼装
置の燃料通路（高燃焼用通路、低燃焼用通路）の
制御に良く使用される。

「従来の技術」 従来一般的に使用されるダブル弁型電磁弁につ
いて第１図にて説明する。

１はコアー２にその上端を固着された固定鉄心
であつて、コアー２内で固定鉄心１の下部にはス
プリング３を介して可動鉄心４が移動自在に配置
される。コアー２の外周で固定鉄心１、可動鉄心
４の周囲には電磁コイル５が巻回される。また可
動鉄心４の端部には可動鉄心４と略直交して側方
に延びるステー６は取着される。

一方７は第１流体路８及び第２流体路９が穿設
された筐体であり、それら各流体路８，９の開口
部に第１弁座１０、第２弁座１１が設けられる。
またステー６の第１弁座１０、第２弁座１１への
対応部には該弁座を開閉する例えば円筒状の第１
開閉弁１２、第２開閉弁１３が配置され、電磁コ
イル、鉄心１，４、ステー６、開閉弁１２，１３
よりなる電磁弁が筐体７上に配置される。

「考案が解決しようとする問題点」 かかる従来のダブル弁型電磁弁によると、電磁
コイル５への通電によると、電磁コイル５に生起
する電磁力によつて可動鉄心４はスプリング３の
力に抗して固定鉄心１に吸引されることからステ
ー６に取着された第１、第２開閉弁１２，１３は
第１、第２弁座１０，１１を開放して第１、第２
流体路８，９を開放するものである。

一方、電磁コイル５への通電を断つと電磁コイ
ル５ひ生じた電磁力は消滅するもので、これによ
ると、スプリング３のバネ力によつて可動鉄心
４、ステー６は下方へ移動するもので、この移動
によつて第１、第２開閉弁１２，１３が第１、第
２弁座１０，１１を閉塞して第１、第２流体路
８，９を閉塞するものである。

かかる作用をなす従来のダブル弁型電磁弁によ
ると、複数の流体路８，９を単一の可動鉄心４の
移動による複数の開閉弁１２，１３で開閉したの
で、第１弁座１０と第２弁座１１との高さＨ、及
び第１弁座１０、第２弁座１１の底面の平坦度は
極めて高精度に仕上げられなければならない。

これは第１開閉弁１２、第２開閉弁１３の開閉
ストロークが可動鉄心によつて単一の開閉ストロ
ークとなるからである。

そしてこのように弁座の高さ及び平坦度を高精
度に加工することは製品のコスト高を招来するの
みならず品質の安定（弁座閉止性能）を欠く場合
があり好ましいものでない。

本考案になるダブル弁型電磁弁はかかる点に鑑
みなされたもので、開閉弁の閉止機能を得るため
に弁座部の高さ及び平坦度の加工を容易とし安価
でしかも弁座閉止性能の秀れたダブル弁型電磁弁
を提供することにあり、前記目的達成のために固
定鉄心にスプリングを介して移動自在に可動鉄心
を配置し、それら固定鉄心、可動鉄心の周囲に電
磁コイルを巻回し、前記可動鉄心と同期的に移動
するステーに第１開閉弁、第２開閉弁を配置し、
該開閉弁に対応する第１弁座、第２弁座を開閉制
御するダブル弁型電磁弁において、各開閉弁をゴ
ム材料にて形成するとともに開閉弁部とステーと
を開閉弁部より小径の連結部をもつて連結したも
のである。

「作用」 電磁コイルへの通電がたたれると可動鉄心はス
プリングのバネ力によつて図に於いて下方へ移動
し、ステーに取着された第１、第２開閉弁は第
１、第２弁座に当接する。

このとき、仮に弁座の高さＨ、平坦度がそれぞ
れの弁座において相違していると、まず何れか一
方の開閉弁がそれに対応する弁座を閉塞する。こ
の際他方の開閉弁は未だ対応する弁座を閉塞して
いるが、スプリングによる下方への押圧によつて
一方の開閉弁の小径の連結部が弁座開閉方向にた
わむものであり、このたわみによるとステーは更
に下方へ移動することが許容されるので他方の開
閉弁をそれに対応する弁座に当接しうるもので、
もつて両流体路を完全に閉塞し得るものである。

「実施例」 以下、本考案になるダブル弁型電磁弁の一実施
例について第２図によつて説明する。

（尚、第１図と同構造のものは同一符号を使用
し、説明を省略する。） ２０は第１弁座１０に対応するステー６に取着
された第１開閉弁であり、２１は第２弁座１１に
対応するステー６に取着された第２開閉弁であ
り、それらの第１、第２開閉弁２０，２１は同一
構造である。

第１、第２開閉弁２０，２１はゴム材料にて形
成されるもので、その上部に設けた係止突部２０
Ａ，２１Ａ間に係止溝部２０Ｂ，２１Ｂが設けら
れる。一方第１、第２弁座１０，１１に対応する
側に開閉弁部２０Ｃ，２１Ｃが設けられ、これら
開閉弁部２０Ｃ，２１Ｃと下方の係止突部２０
Ａ，２１Ａとを連結部２０Ｄ，２１Ｄにて連結さ
れる。この連結部２０Ｄ及び２１Ｄは少なくとも
開閉弁部２０Ｃ，２１Ｃの外径、係止突部２０
Ａ，２１Ａの外径より小径とする。

かかる本考案になるダブル弁型電磁弁による
と、電磁コイル５へ通電されると可動鉄心４は電
磁コイル５に生起する電磁力によつてスプリング
３の力に抗して図において上動する。

従つてステー６もまた上動するので第１、第２
開閉弁２０，２１は弁座１０，１１から離れ、第
１、第２流体路８，９を開放保持するものであ
る。

次に、電磁コイル５への通電がたたれると、電
磁コイル５による電磁力が消滅する。これによる
と可動鉄心４、ステー６はスプリング３のバネ力
にて下方へ移動するものであり、このとき仮に第
１弁座１０の高さＨが第２弁座１１の高さより高
い場合には第１開閉弁２０がまず第１弁座１０に
当接して第１流体路８を閉塞する。

かかる状態時において第２開閉弁２１は第２流
体路９を未だわずかながら高さの相違分開放して
る。かかる状態においてスプリング３のバネ力は
第１開閉弁２０に対して下方の押圧力を付勢する
ものであり、本考案においては特に開閉弁部２０
Ｃと係止突部２０Ａとの間にそれら開閉弁部２０
Ｃ、係止突部２０Ａより小径の連結部２０Ｄをも
つて連結したのでその連結部２０Ｄがスプリング
３のバネ力によつて更にたわむものであり、この
第１開閉弁２０のためみ、すなわち更に下方への
移動によると、第２開閉弁２１の開閉弁部２１Ｃ
が弁座１１に当接可能となるものであり、もつて
両弁座とも確実に閉塞されるものである。

以上は、弁座の高さが異つた場合について説明
したが平坦度の違いにおいても連結部が傾斜して
移動しうるのでその相違を吸収しうるものであ
る。

尚、この連結部２０Ｄ，２１Ｄの径及び形状に
ついては、開閉弁のゴム材質、スプリングのバネ
力、連結部の形状によつて最適なるたわみ量が得
られるように適宜設定されるものである。

「考案の効果」 以上の如く、本考案になるダブル弁型電磁弁に
よると、各弁座の高さ及び平坦度の相違があつて
も、その相違分のストローク差は開閉弁の連結部
の変位によつて吸収させたので弁座の高さ、及び
平坦度の加工において従来の如く加工精度を上げ
る必要がなく製品のコスト低減を図ることがで
き、更には開閉弁の閉止性能の著しい向上を図る
ことができ品質のよいダブル弁型電磁弁を提供で
きたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のダブル弁型電磁弁、第２図は本
考案になるダブル弁型電磁弁の縦断面図を示す。 ４……可動鉄心、６……ステー、２０……第１
開閉弁、２１……第２開閉弁、２０Ｃ，２１Ｃ…
…開閉弁部、２０Ｄ，２１Ｄ……連結部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定鉄心１にスプリング３を介して移動自在に
   可動鉄心４を配置し、それら固定鉄心１、可動鉄
   心４の周囲に電磁コイル５を巻回し、前記可動鉄
   心４と同期的に移動するステー６に第１開閉弁２
   ０、第２開閉弁２１を配置し、該開閉弁に対応す
   る第１弁座１０、第２弁座１１を開閉制御するダ
   ブル弁型電極弁において、各開閉弁をゴム材料に
   て形成するとともに開閉弁部２０Ｃ，２１Ｃとス
   テー６とを開閉弁部２０Ｃ，２１Ｃより小径の連
   結部２０Ｄ，２１Ｄをもつて連結してなるダブル
   弁型電磁弁。