JPH0236831Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は天井回り縁を部屋の隅部において突合
せるとき、この突合せ部を被うために使用される
カバーに関する。

〔従来の技術〕

従来より天井回り縁の突合せ部カバーとして、
端部に天井回り縁の先端を差込み、カバー自体を
直接壁に固定することなく、天井回り縁で支持す
るようにしたものが知られている（実公昭56−
3481号公報参照）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この構造のカバーは釘を用いないので施工が容
易になるはずである。しかしこのカバーは外観を
整えるため、その端部と天井回り縁の表面とは密
着するように形成されるので、カバーに天井回り
縁を差込む作業は容易でない。特に一部屋の施工
の最後の差込み作業は、部屋の隅部にあるカバー
に、一端が固定された天井回り縁の他端を、回り
縁の中央を壁面から離すよう曲折変形させながら
差込まなければならないので甚だ面倒であり、施
工は必ずしも容易にはならない。

そこで本考案はこの差込み作業を容易化するこ
とを目的として案出されたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち本考案は、弾性材よりなり、大略断面
Ｌ字型で天井面及び壁面に接する天井回り縁の突
合せ部の表面を被うカバー本体に、このカバー本
体の壁面部分の裏面を壁面に沿つて横に伸び、天
井回り縁の裏面の凹溝内に嵌合して、天井回り縁
の端部をカバー本体との間に挟持し、かつ先端が
テーパー状となつてカバー本体の壁面部分より突
出する挟持棒体を設け、さらにカバー本体の天井
面部分の横端を壁面部分より突出させた形状とし
た天井回り縁の突合せ部カバーである。

〔実施例〕

以下本考案を図示する実施例について具体的に
説明する。１０は本考案の入隅用の突合せ部カバ
ーであり、第１図に平面図、第２図に正面図、第
３図に底面図、第４図に左側面図を示す。このカ
バー１０は全体がプラスチツクで形成され、わず
かに変形させることができる。１１はこのカバー
１０とともに使用される天井回り縁であり、第５
図に示すように、断面は大略Ｌ字型であり、発泡
プラスチツク等より形成され、天井面１２と壁面
１３に接して取付けられる。１４はカバー本体で
あり、天井回り縁１１とほぼ同様の表面形状を有
し天井回り縁１１，１１の突合せ部の表面を被
い、壁面上に位置する壁面部分１５と天井面下に
位置する天井面部分１６とからなる。１７は挟持
棒体であり、カバー本体１４の壁面部分１５の裏
面に突設された板片１８から壁面１３に沿つて横
方向に伸び、先端はテーパ状に細くなり、壁面部
分１５の横端１９より突出している。この挟持棒
体１７は天井回り縁１１の裏面の凹溝２０に嵌合
し、カバー本体１４との間に天井回り縁１１を挟
持し、カバー１０と天井回り縁１１とを結合する
ことができる。この挟持棒体１７の根元部には天
井回り縁１１の先端に当る係止突起２１が形成さ
れ、また先端近くには、このカバー１０を釘止め
する際に使用する釘孔２２が形成されている。２
３はカバー本体１４の天井面部分１６の横端であ
り、壁面部分１５の横端１９より突出している。

このカバー１０は以上の構成であるから、次の
ようにして天井回り縁を容易に差込むことができ
る。すなわち第６図に示すように、入隅に位置す
るカバー１０に対し、天井回り縁１１を傾け、先
端がわずかに壁面１３に向くようにして差込めば
よい。このとき、最初に、カバー１０の天井面部
分の横端２３に、天井回り縁１１の天井面の角端
２４が進入することになるが、この横端２３、角
端２４は壁面１３から大きく離れているので、天
井回り縁１１をわずかに傾けるだけで容易に差込
むことができる。また挟持棒体１７の先端はテー
パ状になつているので回り縁１１の背面の凹溝２
０に容易に嵌合する。この後さらに天井回り縁１
１をカバー１０に押込むと、傾斜した回り縁１１
の天井面端２５が横端２３を引掛けてカバー本体
１４を変形させ、この結果壁面部分１５の横端１
９も壁面１３から引離され、この横端１９にも天
井回り縁１１の先端はスムーズに進入する。

なお、このカバー１０は天井回り縁１１に差込
んで、この天井回り縁１１により保持されるもの
であるが、壁に釘止めすることも可能であり、こ
のときは釘孔２２を用いると釘が露出しないので
体裁がよい。

以上の例は本考案を入隅用のカバーについて用
いたものであるが、出隅用についても全く同様に
して応用しうることはいうまでもない。

〔考案の効果〕

本考案の天井回り縁の突合せ部カバーは、上記
実施例から明らかなように、天井回り縁を差込む
に当り、天井回り縁をわずかに傾斜させることに
より容易に行なうことができるので、作業性が良
好となる。しかもこの傾斜は天井回り縁の先端を
壁面に向けるようにするものであるので、施工時
に自然に行なうことができ、一部屋の最後の差込
み作業においても全く困難を生ずることなく行な
うことができる。

よつて本考案は、差込み式のカバーのもつ施工
が容易であるという特性を十分に生かすものであ
り、実用性が極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は
同正面図、第３図は同底面図、第４図は同左側面
図であり、第５図は同例とともに使用される天井
回り縁の斜視図であり、第６図は天井回り縁を差
込む際の平面図である。 １０……天井回り縁の突合せ部カバー、１１…
…天井回り縁、１２……天井面、１３……壁面、
１４……カバー本体、１５……壁面部分、１６…
…天井面部分、１７……挟持棒体、１９……壁面
部分の横端、２３……天井面部分の横端。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 弾性材よりなり、大略断面Ｌ字型で天井面及び
   壁面に接する天井回り縁の突合せ部の表面を被う
   カバー本体に、 このカバー本体の壁面部分の裏面を壁面に沿つ
   て横に伸び、天井回り縁の裏面の凹溝内に嵌合し
   て、天井回り縁の端部をカバー本体との間に挟持
   し、かつ先端がテーパー状となつてカバー本体の
   壁面部分より突出する挟持棒体を設け、 さらにカバー本体の天井面部分の横端を壁面部
   分より突出させた形状とした 天井回り縁の突合せ部カバー。