JPH0236727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《考案の分野》 この考案は、ミラー付サンバイザにおいて、特
にミラー周縁部を体裁よく仕上げるようにしたミ
ラー付サンバイザに関する。

《従来技術とその問題点》 近時、日除けとしてのサンバイザに化粧用ミラ
ー等を付設し、商品価値を高めたミラー付サンバ
イザが一部採用されており、特に高級車種に多用
される傾向にある。

この種ミラー付サンバイザは第６図ならびに第
７図に示すように、製品形状を形作る芯材（図示
せず）の両面にパツド材１、表皮材２を積層して
これら外周を貼着して得たサンバイザ本体３の片
面中央における上記パツド材１、表皮材２を開口
して凹状部４を設け、この凹状部４に周縁をミラ
ーケース５により保持されたミラー６を設けて構
成されている。

そしてミラー６の固定構造は以下の通りであ
る。まずサンバイザ本体３の凹状部４の適切位置
にミラー６を位置決めし、その後ミラー６の周縁
に沿つて額縁状に形成された合成樹脂製ミラーケ
ース５を押圧するようにセツトする。そしてその
後このミラーケース５の上面に表皮材２を積重
し、高周波ウエルダ加工により上記ミラーケース
５の内周縁に沿つて延設した溶着部５ａと表皮材
２を高周波ウエルダ加工等により溶着一体化さ
せ、さらにミラーケース５の内周縁に沿つて表皮
材２にシールカツトを施し、ミラー６表面を露出
するようにしている。

しかしながらこのようなミラー６の固定構造に
あつては、ミラーケース５の内周縁に延設される
溶着部５ａ表面とミラー６表面との間に段差（約
1.5mm）が生じ、体裁上好ましくないとともに、
この段差によりミラー周縁部の像映機能に悪影響
を及ぼす。

また上記ミラーケース５は半硬質塩化ビニール
樹脂などのウエルダ可能な材質を使用するため、
通常耐熱性に劣り、この溶着部５ａが第８図に示
すように変形し、特に表皮材２の熱収縮によりさ
らにこの変形が助長され、ミラー６の保持機能な
らびに像映機能に支障が生じるととも、体裁上も
好ましくない。

《考案の目的》 この考案は、上述の事情に鑑みてなされたもの
で、この考案の目的とするところは、ミラー付サ
ンバイザにおけるミラーの周縁部を体裁よく仕上
げ、見栄えならびにミラー周縁部での像映機能の
向上を図るとともに、ミラーを確実にミラーケー
スに保持するようにしたミラー付サンバイザを提
供することにある。

《考案の構成と効果》 上記目的を達成するために、本考案は、製品形
状にトリムされた芯材の両面にパツド材、表皮材
を積層し、その外周を接合してサンバイザ本体を
形成するとともに、このサンバイザ本体の片面中
央における上記パツド材、表皮材を開口して凹状
部を設け、この凹状部に周縁をミラーケースによ
り保持されたミラーを設けてなるミラー付サンバ
イザにおいて、 前記ミラーケースの内周縁に沿つて延設された
薄肉状のフランジ部上面に表皮材の開口周縁が溶
着一体化され、この溶着部がミラーケース裏面側
に折曲固定されるとともに、上記ミラー周縁が該
ミラーケースに接着固定されたことを特徴とす
る。

すなわち前記構成によれば、ミラーケースの内
周縁に沿つて延設された薄肉状のフランジ部と、
表皮材の開口周縁とが溶着一体化され、これら溶
着部をミラーケースの裏面側に折曲固定し、さら
にこれらミラーケースにミラー周縁を接着固定す
るというものであるから、従来ミラーケース内周
縁に形成されていた段差を廃止して、この段差に
よる美観の低下ならびに像映機能への悪影響を解
消することができ、ミラー周縁部の体裁ならびに
像映機能の向上を図ることができる利点がある。

さらに段差の変形（特に表皮材の熱収縮によつ
て助長される）という不都合もなく、ミラーケー
スとミラーとは両面テープ等で確実かつ堅固に接
着固定されるものであるから、見栄え、像映機能
の向上はもとより、ミラーを確実に保持できる効
果もある。

《実施例の説明》 以下、本考案に係るミラー付サンバイザの実施
例について添付図面を参照しながら詳細に説明す
る。

第１図は本考案に係るミラー付サンバイザの要
部を示す断面図、第２図ないし第５図は本考案に
係るミラー付サンバイザにおいて、ミラーの固定
構造を説明する断面図である。

第１図において、本願ミラー付サンバイザ１０
は、製品形状を構成すべくループ状に曲成された
ワイヤフレーム１１と、このワイヤフレーム１１
の両面に積層されるウレタンフオーム等のパツド
材１２、PVCシート等の表皮材１３をそれぞれ
積層し、その外周を高周波ウエルダ加工等により
溶着してなるサンバイザ本体１４と、このサンバ
イザ本体１４の片面側のほぼ中央部に装着される
ミラー１５とから構成される。なおミラー１５の
周縁は、額縁状に形成された合成樹脂製ミラーケ
ース１６により保持されている。

上記ミラー１５ならびにミラーケース１６をサ
ンバイザ本体１４に装着するに当たつては、サン
バイザ本体１４の片面のパツド材１２が開口さ
れ、凹状部１７が形成され、そしてこの凹状部１
７内にミラー１５ならびにミラーケース１６が固
定され、さらにミラー１５の表面を露出するよう
に表皮材１２に所定寸法の開口が形成されてい
る。

次にミラー１５の固定構造について第２図ない
し第５図に基づいて詳述する。

まず、第２図に示すように、ミラーケース１６
は前述したように額縁状に形成されるとともに、
上面は丸みをもたせた曲面状に形成され、かつミ
ラー１５の周縁コーナー部と接合させるために表
面に切欠部１８が形成されている。そしてさら
に、このミラーケース１６の内周縁に沿つて薄肉
状のフランジ部１９が延設されており、そしてこ
のミラーケース１６の上面に所定寸法の開口２０
（ミラー１５を露出させるために形成されている）
を開設した表皮材１３をセツトする。このとき表
皮材１３の開口２０の周縁が上記ミラーケース１
６のフランジ部１９の端縁よりもやや内側に位置
するようにセツトする。

次に、ミラーケース１６のフランジ部１９と表
皮材１３とを高周波溶着装置、超音波溶着装置等
により溶着一体化させる（第３図参照）。

次いで、この溶着部２１を第４図中矢印にて示
すようにミラーケース１６の裏面側、すなわち切
欠部１８の側に巻込み、両面テープ等により接着
固定する。このとき溶着部２１の巻込み作業を円
滑に行なうため、フランジ部１９はその折曲ライ
ンに沿つて溝部２２が形成され、かつこれら溶着
部２１にはその４隅コーナー部に切欠き２３が設
けられている。

そして、このように表皮材１３とミラーケース
１６とを一体にしたものを、第５図に示すように
サンバイザ本体１４の凹状部１７に位置決めした
ミラー１５上面に接着固定する。このときミラー
１５側かミラーケース１６側何れか一方に両面テ
ープ２４が貼着されており、ミラー１５の周縁を
ミラーケース１６の切欠部１８に嵌め込み、上記
両面テープ２４の接着作用によりミラーケース１
６とミラー１５とを一体化させ、表皮材１３を図
示しない高周波溶着装置によりその外周に沿つて
溶着溶断すれば、第１図に示す製品が得られる。

このように本願に係るミラー付サンバイザ１０
にあつては、従来表面に段差となつて現れるウエ
ルダ部分を折返すことにより、この段差を解消
し、見栄えを向上させ、像映機能を満足のいくも
のにすると同時に、かつミラーを確実に保持する
ことができるなど極めて実用的な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るミラー付サンバイザの要
部を示す一部破断断面図、第２図ないし第５図は
本考案に係るミラー付サンバイザにおいて、その
ミラーの固定構造を説明する各断面図、第６図は
従来のミラー付サンバイザを示す正面図、第７図
は第６図中−線断面図、第８図は従来のミラ
ー付サンバイザにおけるミラーケースの変形例を
示す説明図である。 １０……ミラー付サンバイザ、１１……ワイヤ
フレーム、１２……パツド材、１３……表皮材、
１４……サンバイザ本体、１５……ミラー、１６
……ミラーケース、１７……凹状部、１８……切
欠部、１９……フランジ部、２０……開口、２１
……溶着部、２２……溝部、２３……切欠き、２
４……両面テープ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 製品形状にトリムされた芯材の両面にパツド
   材、表皮材を積層し、その外周を接合してサンバ
   イザ本体を形成するとともに、このサンバイザ本
   体の片面中央における上記パツド材、表皮材を開
   口して凹状部を設け、この凹状部に周縁をミラー
   ケースにより保持されたミラーを設けてなるミラ
   ー付サンバイザにおいて、 前記ミラーケースの内周縁に沿つて延設された
   薄肉状のフランジ部上面に表皮材の開口周縁が溶
   着一体化され、この浴着部がミラーケース裏面側
   に折曲固定されるとともに、上記ミラー周縁が該
   ミラーケースに接着固定されたことを特徴とする
   ミラー付サンバイザ。