JPH0236094B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「技術分野」 本発明は、内視鏡の操作部の変形を防止する装
置に関する。

「従来技術およびその問題点」 内視鏡は、通常その操作部を片手で持ち、もう
一方の手で体内挿入部の湾曲操作等の各種操作を
行なう。このため全体が軽量小型であること、特
に操作部が軽量小型であることが要求される。他
方、内視鏡は、使用後に消毒液へ浸漬することか
ら、防水構造とすることが要求され、このため操
作部についてはその全体を筒状のケーシングで覆
うことが一般化している。

特開昭59−34238号は、このような背景から、
操作部の強度を損なうことなく、軽量小型化を図
つたもので、筒状のケーシングと、該ケーシング
内に挿入固定する操作部本体とを、該ケーシング
は圧縮応力を受け、操作部本体は引張応力を受け
るようにして、締め付け固定し、さらに操作部本
体とケーシングとの間に、操作部本体の撓みを防
止するストツパを設けている。第４図、第５図
は、この構造を示すもので、操作部１０の筒状ケ
ーシング１１内に、体内挿入部の湾曲操作機構１
２等を保持した操作部本体１３を挿入し、この操
作部本体１３の後部の親板１３ａの後端部をねじ
１４でケーシング１１の後端部内側に固定すると
ともに、前端筒状部１３ｂを締め付けリング１５
でケーシング１１の前端に固定している。１３ｃ
は親板１３ａと筒状部１３ｂを接続する一対の脚
部である。そして操作部本体１３には、湾曲操作
機構１２を操作する際、該操作部本体１３に撓み
が生じるのを防止するため、ケーシング１１内面
と接するストツパ部材１６を設けている。

明細書の記載によれば、このようにしてケーシ
ング１１に圧縮応力を加え、操作部本体１３に引
張応力を加えると、ケーシング１１と操作部本体
１３が共同して強度を発揮するため、操作部１０
を軽く細くすることができ、圧縮や曲げにも強い
耐久性のよい構造が得られ、特にストツパ部材１
６を設けたことにより、操作部本体１３の変形が
防止されるので、このことからも操作部本体１３
を薄くコンパクトに形成できるとしている。なお
図中１７は操作部１０の前部に連設した体内挿入
部、１８は同後部に設けた接眼装置、１９は操作
部１０の前部に設けた鉗子挿入口である。体内挿
入部１７には周知のように、像伝達光学繊維束、
照明用光学繊維束、鉗子チヤンネル等の周知の要
素が収納され、体内挿入部１７先端の対物レンズ
で結像した像が接眼装置１８で観察される。また
湾曲操作機構１２の操作軸２０を操作レバー２１
で回動させると、操作ワイヤ２２を介し体内挿入
部１７先端の湾曲部が湾曲操作される。

この特開昭59−34238号で提案されている内視
鏡はしかし、操作部本体１３変形防止効果が得ら
れるとしても、それは操作部本体１３の親板１３
ａの厚さ方向Ｔの変形が防止されるだけであつ
て、親板１３ａの幅方向Ｗについてはケーシング
１１の変形を有効に防止することはできない。す
なわち、操作部１０全体を軽量小型化するために
は、操作部本体１３のみならず、ケーシング１１
も薄く構成することが望ましいが、上記構造で
は、ケーシング１１の変形、特に、親板１３ａの
幅方向Ｗのケーシング１１の変形は、殆ど防止す
ることができず、したがつて、ケーシング１１は
依然としてこの方向の変形を防止するに必要な厚
肉に形成しなけばならない。

「発明の目的」 本発明は、内視鏡操作部の筒状ケーシングを、
これ自体の厚さを増加させることなく、強化で
き、したがつてさらに操作部全体の軽量の小型化
を図ることができる操作部構造を得ることを目的
とする。

「発明の概要」 本発明は、筒状ケーシングの強化のために、該
ケーシング内に収納する操作部本体の親板を利用
するという着想に基づいてなされたものである。

本発明は、筒状ケーシングが、前部ケーシング
と後部ケーシングとに分割されている内視鏡操作
部において、この後部ケーシングの内面に互いに
対向する対となつた親板挿入溝を形成し、この対
の親板挿入溝に操作部本体の親板の上下端部を挿
入し、かつの親板の後端部を後部ケーシングに固
定したことを特徴としている。

この構造によると、親板はその幅方向の中心線
に関する断面係数の方が厚さ方向の中心線に関す
るそれに比して遥かに大きいため、筒状ケーシン
グの特に後部のケーシングの親板の変形が有効に
防止され、したがつて後部ケーシングを薄肉とし
ても必要な強度が維持される。また親板の厚さ方
向にも親板と後部ケーシングが一体化されるた
め、親板の厚さ方向にも該後部ケーシングが強化
される。同時に親板もこの後部ケーシングによつ
て強化されるため、親板もまた薄肉のものとする
ことができる。

「発明の実施例」 以下図示実施例について本発明を説明する。第
１図、第２図は、操作部本体１３上に支持される
各種の機構の図示を省略し、操作部本体１３と筒
状ケーシング１１の関係のみを示したもので、操
作部本体１３は後部の親板１３ａと、前部の筒状
部１３ｂ、およびこの親板１３ａと筒状部１３ｂ
を接続する一対の脚部１３ｃからなつている。こ
れに対し筒状ケーシング１１は、先端を体内挿入
部１７に接続した円筒状の前部ケーシング１１ａ
と、後端に接眼装置１８を接続した後部ケーシン
グ１１ｂの２分割構成となつており、後部ケーシ
ング１１ｂの前端部の、前部ケーシング１１ａへ
の挿入部内周に、一対の親板挿入溝３０，３０が
形成されている。すなわち前部ケーシング１１ａ
の後端は、Ｏリング３１の収納部を構成する段付
孔３２となつており、後部ケーシング１１ｂの先
端は、この段付孔３２に挿入される挿入部３３と
なつていて、この挿入部３３の内面の上下に、そ
れぞれ親板挿入溝３０が形成されている。

操作部本体１３の親板１３ａは、この挿入溝３
０に挿入されて厚さ方向の位置が規制される。こ
の親板１３ａの上下端部は、この挿入溝３０，３
０の底部に接続させてもよいが、常時は若干の隙
間を保持させ、ケーシング１１が僅かに変形した
とき該溝３０，３０の底部に接するようにしても
よい。そしてこの親板１３ａの後端部は、従来装
置と同様に、ねじ１４により後部ケーシング１１
ｂ（接眼装置１８）に固定され、操作部本体１３
の前部の筒状部１３ｂは、締め付けリング１５で
前部ケーシング１１ａに固定される。この結果Ｏ
リング３１は、前部ケーシング１１ａと後部ケー
シング１１ｂとの間で圧縮され、前部ケーシング
１１ａと後部ケーシング１１ｂとの間の液密が確
保される。

以上のように、ケーシング１１の親板挿入溝３
０，３０に、親板１３ａを挿入すると、ケーシン
グ１１に、親板１３ａの幅方向Ｗの曲げ力が加わ
つたとしても、該親板１３ａが抵抗するため、ケ
ーシング１１が同方向に容易に変形することがな
く、かつ後部ケーシング１１ｂと前部ケーシング
１１ａとが、後部ケーシング１１ｂに加わる曲げ
モーメントによつて離れることがない。この効果
は、第２図において、接眼装置１８部分に撮影装
置やテレビカメラ等の重量物が装着される場合を
考えると、よく理解される。この重量物により紙
面と平行な面内において加わる曲げモーメント
は、親板１３ａの後端部が固定ねじ１４によつて
後部ケーシング１１ｂに固定されているため、該
親板１３ａと親板挿入溝３０との係合によつて受
けられ、従つて、後部ケーシング１１ｂおよび親
板１３ａの負担はともに軽減される。つまりこの
曲げモーメントは後部ケーシング１１ｂと親板１
３ａの両者によつて受けられる。しかも、親板１
３ａと挿入溝３０とが当接することで、後部ケー
シング１１ｂが前部ケーシング１１ａから離れる
のを効果的に防止することができる。また親板１
３ａの厚さ方向Ｔの変形についても、ケーシング
１１は親板１３ａにより補強されているため、親
板１３ａを挿入溝３０，３０に挿入しない場合に
比し、変形が生じにくい。したがつて、ケーシン
グ１１を薄肉のものとすることが可能となり、操
作部１０の軽量小型化に役立つ。

以上は、ケーシング１１の強化という観点から
本発明を述べたものであるが、操作部本体１３か
ら見れば、該本体１３はケーシング１１によつて
強化されるから、操作部本体１３、特にその親板
１３ａを薄くしても、必要な強度が得られる。

上記実施例では、ケーシング１１の内面に、一
対だけの親板挿入溝３０，３０を設けたが、ケー
シング１１の長手方向に、複数対の親板挿入溝３
０，３０を設ければ、さらにケーシング１１およ
び操作部本体１３を強化することができる。

なお上記実施例で説明した操作部本体１３の形
状およびその固定手段は一例を示すもので、本発
明はこれの形状および固定手段を問わない。

「発明の効果」 以上のように本発明の内視鏡操作部の変形防止
装置は、前部ケーシングと後部ケーシングからな
る筒状ケーシング内に、親板を有する操作部を挿
入固定するために、後部ケーシングに互いに対向
する対となつた親板挿入溝を形成して、この挿入
溝内に親板の上下端部を挿入し、かつこの親板の
後端部を後部ケーシングに固定したので、後部ケ
ーシングと親板が互いの係合関係によつてともに
強化される。よつて後部ケーシングおよび親板の
肉厚を薄くしても強度を損なうことがなく、また
前部ケーシングと後部ケーシングとを離そうとす
る曲げモーメントに対してよく抵抗するから、小
型軽量でありながら、強度に優れた内視鏡操作部
を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の内視鏡の操作部の変形防止装
置の実施例を示す、第２図の−線に沿う断面
図、第２図は本発明の実施例を示す操作部の要部
の縦断面図、第３図は内視鏡の全体構造例を示す
平面図、第４図は従来の内視鏡の操作部部分の構
造例を示す縦断面図、第５図は第４図の−線
に沿う断面図である。 １０……操作部、１１……筒状ケーシング、１
１ａ……前部ケーシング、１１ｂ……後部ケーシ
ング、１３……操作部本体、１３ａ……親板、１
７……体内挿入部、１８……接眼装置、３０……
親板挿入溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 体内挿入部の湾曲操作機構等の機構部を支持
   する親板を有する操作部本体と、この操作部本体
   を収納固定する筒状ケーシングとを有する内視鏡
   操作部において、 上記筒状ケーシングが、前記ケーシングと後部
   ケーシングとに分割されていて、この後部ケーシ
   ングの内面に互いに対向する対となつた親板挿入
   溝が形成されており、 この対となつた親板挿入溝に上記操作部本体の
   親板の上下端部を挿入し、かつこの親板の後端部
   を後部ケーシングに固定したことを特徴とする内
   視鏡操作部の変形防止装置。