JPH023582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は複数個平面的に並設されて表示装置を
形成する表示素子であつてケースに反転自在に支
持される表示板を有する表示素子の表示板構造に
関する。

〔背景技術〕

このような表示素子として各表示板に磁石を埋
込み電磁石で反転駆動するものが提案されてい
る。かかる表示素子の表示板は合成樹脂で所望の
形状にするとともに反転支軸を圧入したり、反転
支軸をインサート成形したりして表示板に固定す
るようにしているが、表示装置は温度変化の激し
い所に設置されることが多いので、合成樹脂が寸
法変化して反転支軸が脱落することがあつた。ま
た適度な圧入保持力を得るためには圧入孔の寸法
管理を厳密に行わねばならなつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的とするところは、表示板の反転支
軸の固定状態が確実に維持できて圧入保持力の管
理が容易な表示素子の表示板構造を提供するにあ
る。

〔考案の開示〕

本考案は周胴部に周溝を設けた反転支軸を表示
板に貫通支持し、かつ表示板を構成する部材に設
けた係止突部を前記周溝に係合してなる表示板構
造に特徴を有する。

（実施例） 本考案の一実施例を磁気反転式表示素子に応用
したものとともに第１図乃至第５図に示して説明
する。図において、１は磁気反転表示素子であ
り、７個が１組となつて１文字を表示するように
配置されている。各表示素子１は前面が開口部で
ある箱形のケース２と、このケース２内に対向線
方向に収容される磁気駆動手段を構成するコイル
ボビン３と表示板４とを有する。

コイルボビン３は、筒部３ａの両端に基端部分
がつばとなる一対の対向片３ｂを設け、対向片３
ｂの先端に表示板４を支持する軸受５と断面形状
が実質的に三角形をなす係合突部６とを形成して
ある。対向片３ｂの基端には外面に弾性係止片７
を一体に設け、かつ端子金具８を取付ける。端子
金具８は筒部３ａに巻回されたコイル９と接続す
る。端子金具８はケース２の底壁の穴から外部へ
突出する。弾性係止片７はケース２の側壁底部に
設けられた係合穴１０に係合し、コイルボビン３
の抜け止めを行なう。

コイルボビン３の筒部３ａには、一対のＬ形ス
テータ１１の横片部分が両端から重なり状態には
めこんで装着される。Ｌ形ステータ１１の立片部
分はコイルボビン３の対向片３ｂの外面に沿つて
延び、その先端が軸受５の近傍に位置する。この
先端は対向片３ｂの外面先端に設けられた位置決
め溝２１に嵌入する。また、対向片３ｂの外面に
はこの対向片３ｂが外側へ撓んだ状態でＬ形ステ
ータ１１の立片部分が遊嵌する逃げ溝１２が形成
されている。逃げ溝１２は対向片３ｂの先端側へ
漸次深くなつている。Ｌ形ステータ１１の立片部
分は途中で段部１１ａを設けてその上側部分と下
側部分とを厚さの1/2だけずらせてある。これに
より、両Ｌ形ステータ１１の横片部分を互いに重
ねながら、両Ｌ形ステータ１１の立片部分の先端
の厚さ中心が両者とを軸受５に一致するようにし
てある。これらコイルボビン３、コイル９、Ｌ形
ステータ１１とにより磁気駆動手段を構成する。

表示板４はケース２の前面開口部を塞ぐように
して遊嵌する変形六角形に形成され、その最長の
対角線に直交する部分に貫通支持された反転支軸
１３でコイルボビン３の軸受５に反転自在に支持
されている。この表示板４は第５図に示す如く白
色の表示面となる平板状の表示側部材４ａと黒色
の非表示面となる一面を開口とした浅底箱状の非
表示側部材４ｂとから構成される。すなわち、表
示側部材４ａは六角形をなしその裏面に数個の弾
性係止片４ｃと最長の対角線上の略中央に曲面か
らなる係止突部４ｄとを突設し、非表示側部材４
ｂは表示側部材４ａに略等しい形状をなしその内
壁に前記弾性係止片４ｃと対応する位置に係止部
４ｅを設け、これら両部材を重合当接し弾性係止
片４ｃを係止部４ｅに係止して構成される。ま
た、非表示側部材４ｂの最長の対角線に平行な二
辺の外面には表示板４に等しい厚さの台形突出部
４ｆを設け、さらに内壁とともに貫通する圧入孔
４ｇを形成し、この両台形突出部４ｆを貫通する
ようにして反転支軸１３が圧入孔４ｇに圧入固定
される。この反転支軸１３は表示板４を２部材に
より係止して構成したときに係止突部４ｄが位置
する周胴部に係止突部４ｄより若干巾広の周溝１
３ａが設けてあり、したがつて係止突部４ｄは周
溝１３ａに係合する。なお、これら両部材は平面
形状が変形六角形に限定されるものでなく四角
形、円形その他任意に選択できるものであり、ま
た平板状と浅底箱状との組合せに限定されるもの
でなく平板状同志あるいは浅底箱状同志の組合せ
でもよく、また係止突部４ｄをいずれの部材に設
けてもよく、さらに白色と黒色といつたように色
が限定されるものでなく異なる色ならいかなる色
の組合せにしてもあるいは同じ色にして異なる色
で印刷したり別部材を貼付けてもよい。

１４は２個の磁石で反転支軸１３の軸心から若
干ずらせるとともにＬ形ステータ１１の先端に略
対向する位置に互いに極性が反対となる向きに取
付けられる。

また、コイルボビン３の対向部３ｂの先端に形
成した係合凸部６の前面側には、表示板４の回動
角度を180゜の範囲に規制するストツパー部１５が
設けてあつて表示板４の台形突出部４ｆの表裏両
面が交互に当接する。

ケース２はその内部にコイル９を巻回したコイ
ルボビン３に装着されたＬ形ステータ１１の先端
が磁石１４に略対向して位置するよう磁気駆動手
段を収容するのであるが、ケース２の開口部には
コイルボビン３の係合凸部６が嵌入する係合凹部
１６が形成してあり、ケース２にコイルボビン３
を挿入していくとこの係合凸部６が係合凹部１６
に嵌入し弾性係止片７が係合穴１０に係合するこ
とにより確実に磁気駆動手段を収容する。

このような表示板４は、表示側部材４ａと非表
示側部材４ｂとを成形加工した後、非表示側部材
４ｂの圧入孔４ｇに反転支軸１３を圧入し、つい
で磁石１４を配設して表示側部材４ａを重合係止
する。そして反転支軸１３はその圧入保持力が低
下して移動しようとすると係止突部４ｄにより規
制されて表示板４から脱落することがない。

この表示板４を応用した表示素子１はコイル９
に通電することにより、ステータ１１と表示板４
の磁石１４とが作用し合い、電流の方向を変える
ことにより表示板４が反転したり元に戻つたりし
て所望の表示を行う。

第６図は他の実施例で、係止突部４ｄを非表示
側部材４ｂに設けて反転支軸１３を圧入した時点
で係止突部４ｄが反転支軸１３の周溝に係合して
しまうので、この状態で長期間保管しておいても
反転支軸１３が脱落することがない。この場合の
圧入において係止突部４ｄを設けた非表示側部材
４ｂの基部はその厚さが薄いので十分外方に撓む
もので、係止突部４ｄの曲面形状もそれを助ける
のに役立つ。

なお、本考案は実施例において磁気反転式表示
素子に作用したもので説明したが、駆動手段につ
いて何ら限定されるものでない。

〔考案の効果〕

本考案の表示構造は上述したように、表示側部
材と非表示側部材とを連合係止して構成するとと
もに、周胴部に周溝を設けた反転支軸を貫通支持
しかつ表示板を構成する両部材のいずれかに設け
た係止突部が前記周溝に係合するようにしたの
で、表示板が温度変化の激しい所に設置されたり
長期間使用されて圧入部分の寸法変化があつても
反転支軸が脱落することがなく、しかも反転支軸
の圧入保持力の管理を厳密にする必要がないとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を磁気反転式表示素
子に応用しこれを用いたセグメント止表示装置の
平面図、第２図は本考案の一実施例を応用した磁
気反転式表示素子を示す縦断面図、第３図はその
縦断側面図、第４図はその分解斜視図、第５図
ａ，ｂは本考案の一実施例を示すものでａは分解
斜視図、ｂは断面図、第６図は本考案の他の実施
例を示す断面図である。 ４……表示板、４ａ……表示側部材、４ｂ……
非表示側部材、４ｄ……係止突部、１３……反転
支軸、１３ａ……周溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数個平面的に並設されて表示装置を形成する
   表示素子であつて、ケースに反転自在に支持され
   る表示板を有する表示素子の表示板構造におい
   て、前記表示板は表示側部材と非表示側部材とを
   重合係止して構成するとともに、周胴部に周溝を
   設けた反転支軸を貫通支持しかつ表示板を構成す
   る前記両部材のいずれかに設けた係止突部が前記
   周溝に係合してなることを特徴とする表示素子の
   表示板構造。