JPH0235197Y2

JPH0235197Y2 -

Info

Publication number: JPH0235197Y2
Application number: JP1982103439U
Authority: JP
Priority date: 1982-07-08
Filing date: 1982-07-08
Publication date: 1990-09-21
Also published as: JPS599494U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、正の抵抗温度係数を有する正特性サ
ーミスタを発熱源とする発熱装置に関する。

従来技術この種の発熱装置としては、磁器素体の厚さ方
向に多数の貫通孔を設けたハニカム状の正特性サ
ーミスタを利用したものが知られている。ハニカ
ム状正特性サーミスタを利用した発熱装置は、単
位体積当りの有効表面積が非常に大きく、貫通孔
に直接空気等の流体を貫流させることにより、効
率の良い熱放散が得られ、一素子当り数百Ｗ以上
の発熱が可能であると共に、昇温特性の優れた温
風を取り出すことができる。このハニカム状の正
特性サーミスタを用いて発熱装置を構成する場
合、従来は正特性サーミスタの電極を形成した両
面に、それぞれリング状の弾性電極板及び絶縁ホ
ルダ等を重ね、これら電極板及びホルダを両面側
からネジまたは弾性止具で互いに締付けて固定す
る構造をとつていた。

従来技術の欠点しかし上述のような従来構造では、部品点数が
多く、組立が面倒で、コスト高になると同時に、
組立時に正特性サーミスタに対して過度の締付力
が加わり、正特性サーミスタにクラツクや破損等
が発生し、信頼性を損なう等の欠点があつた。

本考案の目的そこで本考案はこの従来の欠点を除去し、部品
点数が少なく、組立が容易で、コストが安価であ
り、しかも組立時等に正特性サーミスタに過度の
締付力が加わることがなく、正特性サーミスタを
組立時のクラツクや破損から保護できるようにし
た高信頼度の発熱装置を提供することを目的とす
る。

本考案の構成上記目的を達成するため、本考案に係る発熱装
置は、厚さ方向の両面に電極を設け、かつ、多数
の貫通孔を開口させた角形状の正特性サーミスタ
と、該正特性サーミスタの長さ方向における相対
向両側面に配置される一対の絶縁体と、前記正特
性サーミスタの前記電極のそれぞれに接触する一
対の電極板とを備える発熱装置であつて、前記一対の電極板のそれぞれは、中央部が開口
してあつて、前記正特性サーミスタの前記電極の
周辺部に接触する枠部を有しており、前記一対の電極板の前記枠部は、長さ方向の両
端縁及び幅方向の一端縁に、突出する折曲げ固定
片を有しており、長さ方向の両端縁に設けられた前記折曲げ固定
片は、前記一対の電極板間で互いに重ならない位
置にあつて、前記正特性サーミスタ及び前記絶縁
体を、厚さ方向の両面側から挟持し、かつ、長さ
方向から固定するように、前記絶縁板上に折曲げ
固定されており、幅方向の一端縁に設けられた前記折曲げ固定片
は、前記一対の電極板の互いに相対する端縁に、
間隔をおいて複数備えられていて、前記正特性サ
ーミスタ及び前記絶縁体を、厚さ方向の両面側か
ら挟持し、かつ、幅方向から固定するように、前
記絶縁板上に折曲げ固定されており、前記電極板の一方は、前記電極板の他方の折曲
げ固定片の固定される部分が、前記絶縁体を露出
させる切欠となつていることを特徴とする。

実施例第１図は本考案に係る発熱装置の平面図、第２
図は同じくその正面部分断面図、第３図は同じく
側面図である。図において、１は厚さ方向の両面
に電極２，３を被着形成し、かつ多数の貫通孔４
を開口させたハニカム状の正特性サーミスタであ
る。この実施例では、該正特性サーミスタ１は四
角形状に形成してあるが、他の角形状であつても
よい。

５及び６は、正特性サーミスタ１の相対向両側
面に配置された一対の絶縁体である。該絶縁体
５，６は、耐熱性に優れた絶縁材料を用いて、前
記正特性サーミスタ１の幅Ｗ１及び厚さｔ１と略
等しい幅及び厚さを持つ角形状に形成してある。

７及び８は、前記正特性サーミスタ１の一対の
電極２，３にそれぞれ対接する一対の電極板であ
つて、例えばステンレス等の金属板材を用いてプ
レス加工等の手段で成形される。該電極板７，８
は電極２，３を外部に導出する本来の機能のみな
らず、前記性特性サーミスタ１及び絶縁体５，６
を一体に結合する支持固定具としての働きをも有
する。即ち、該電極板７，８は中央部を開口させ
て、正特性サーミスタ１の貫通孔４を通つて流体
が貫流できるようにすると共に、周囲の枠部７
１，８１を前記正特性サーミスタ１の両面側で電
極２，３の周縁に対接させることにより、電極
２，３に電気的に導通させ、更に外部との接続部
分となるフアストンタブ端子タイプ等の端子７
２，８２をそれぞれ同一方向に突出させて、電極
２，３を外部に導出する本来の機能を持たせてあ
る。

一方、支持固定具としての機能を持たせるた
め、電極板７，８の幅方向の両端縁を正特性サー
ミスタ１及び絶縁体５，６の側面に沿つて折曲
げ、該折曲げ片７３，８３により正特性サーミス
タ１及び絶縁体５，６の幅方向の位置ズレを防止
すると共に、長さ方向の両端縁に前記絶縁体５，
６の部分で一面側から他面側にかけて折曲げられ
た折曲げ固定片７４，８４を設け、該折曲げ固定
片７４，８４により正特性サーミスタ１及び絶縁
体５，６を厚さ方向の両面から挟持しつつ、長さ
方向から固定する構造となつている。即ち前記電
極板７の折曲げ固定片７４は、絶縁体５，６の端
縁を通り電極板７のある一面側から、電極板８の
ある他面側にかけて折曲げ固定され、電極板８の
折曲げ固定片８４もこれと同様に、電極板８のあ
る一面側から電極板７のある他面側にかけて折曲
げ固定されている。前記折曲げ固定片７４の固定
される電極板８側の部分は切欠８５となつてお
り、同様に折曲げ固定片８４の固定される電極板
７側の部分も切欠７５となつている。従つて電極
板７，８は前記切欠７５，８５によつて互いに電
気的に絶縁された状態にある。なお、７６はエン
ボス加工部で、該エンボス加工部７６は電極板７
または８を電極２または３に対して弾力的に接触
させ、正特性サーミスタ１に加わる外力を緩和
し、電極２に対する電極板７の電気的接触を完全
にする等の目的で設けられている。

上述のように、本考案に係る発熱装置は、電極
板７，８に、正特性サーミスタ１の電極２，３を
外部に導出する本来の機能のみならず、正特性サ
ーミスタ１及び絶縁体５，６を固定する支持固定
具としての機能を持たせたので、部品点数が正特
性サーミスタ１、絶縁体５，６及び電極板７，８
の３種で済み、部品点数が従来に比べて少なくな
る。しかし、正特性サーミスタ１の両端に絶縁体
５，６を配置した平面的な配置構造とし、これら
を厚さ方向の両面から挟持するようにして、電極
板７，８で固定する構造であるから、全体の厚さ
が薄くなる。

また、電極板７，８を絶縁板５，６の部分で折
曲げ固定する構造であるから、組立時等に正特性
サーミスタ１に過度の締付力が加わることがな
く、正特性サーミスタ１にクラツクや破損が発生
するのを防止することができる。しかも組立に当
つて、正特性サーミスタ１及び絶縁体５，６の両
面側に電極板７，８を配置し、該電極板７，８を
端縁を折曲げるだけで組立が完了するので、組立
作業が簡単かつ容易になる。

更に、この実施例では、電極板７，８の端子７
２，８２を同一方向に導出してあるから、外部回
路を構成する同一の接続具に対して、該端子７
２，８２を同一の方向から同時に接続することが
でき、その接続作業が容易になる。

上記実施例では、一個の正特性サーミスタ１を
備えるだけであるが、例えば第４図及び第５図に
示すように、複数の正特性サーミスタ１，１を絶
縁体９等を介して並列的に配置する構造をとるこ
とも可能である。また、端子７２，８２は異なる
方向に導出してもよい。

本考案の効果以上述べたように、本考案によれば、次のよう
な効果が得られる。

(a) 一対の電極板の枠部は、長さ方向の両端縁及
び幅方向の一端縁に、突出する折曲げ固定片を
有しており、長さ方向の両端縁に設けられた折
曲げ固定片は、一対の電極板間で互いに重なら
ない位置にあつて、正特性サーミスタ及び絶縁
体を、厚さ方向の両面側から挟持し、かつ、長
さ方向から固定するように、絶縁板上に折曲げ
固定されているから、電極板に正特性サーミス
タの電極を導出する本来の機能のみならず、正
特性サーミスタ及び絶縁体を、長さ方向から締
付け固定する支持固定具として機能を持たせる
ことができる。

(b) 上述に加えて、幅方向の一端縁に設けられた
折曲げ固定片は、一対の電極板の互いに相対す
る端縁に、間隔をおいて複数備えられていて、
正特性サーミスタ及び絶縁体を、厚さ方向の両
面側から挟持し、かつ、幅方向から固定するよ
うに、絶縁板上に折曲げ固定されているので、
電極板に、正特性サーミスタ及び絶縁体を、幅
方向から締付け固定する支持固定具としての機
能を持たせることができる。このため、上記(a)
の作用効果と併せて、部品点数が少なく、組立
が容易で、安定した組立固定構造を有する発熱
装置を提供できる。

(c) 電極板の一方は、電極板の他方の折曲げ固定
片の固定される部分が、絶縁体を露出させる切
欠となつていて、折曲げ固定片を絶縁体上に固
定する構造であるので、組立時または組立後に
正特性サーミスタに過度の締付力が加わること
がなく、正特性サーミスタをクラツクや破損等
から保護し得る高信頼度の発熱装置を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る発熱装置の平面図、第２
図は同じくその正面部分断面図、第３図は同じく
側面図、第４図は本考案に係る発熱装置の別の実
施例における平面図、第５図は同じくその正面断
面図である。１……正特性サーミスタ、２，３……電極、４
……貫通孔、５，６……絶縁体、７，８……電極
板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 厚さ方向の両面に電極を設け、かつ、多数の
貫通孔を開口させた角形状の正特性サーミスタ
と、該正特性サーミスタの長さ方向における相
対向両側面に配置される一対の絶縁体と、前記
正特性サーミスタの前記電極のそれぞれに接触
する一対の電極板とを備える発熱装置であつ
て、前記一対の電極板のそれぞれは、中央部が開
口してあつて、前記正特性サーミスタの前記電
極の周辺部に接触する枠部を有しており、前記一対の電極板の前記枠部は、長さ方向の
両端縁及び幅方向の一端縁に、突出する折曲げ
固定片を有しており、長さ方向の両端縁に設けられた前記折曲げ固
定片は、前記一対の電極板間で互いに重ならな
い位置にあつて、前記正特性サーミスタ及び前
記絶縁体を、厚さ方向の両面側から挟持し、か
つ、長さ方向から固定するように、前記絶縁板
上に折曲げ固定されており、幅方向の一端縁に設けられた前記折曲げ固定
片は、前記一対の電極板の互いに相対する端縁
に、間隔をおいて複数備えられていて、前記正
特性サーミスタ及び前記絶縁体を、厚さ方向の
両面側から挟持し、かつ、幅方向から固定する
ように、前記絶縁板上に折曲げ固定されてお
り、前記電極板の一方は、前記電極板の他方の折
曲げ固定片の固定される部分が、前記絶縁体を
露出させる切欠となつていることを特徴とする発熱装置。 (2) 前記一対の電極板は、同一方向に導出された
端子を有することを特徴とする実用新案登録請
求の範囲第１項に記載の発熱装置。 (3) 前記正特性サーミスタは、複数備えられるこ
とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
または第２項に記載の発熱装置。