JP2001351764A - 正特性セラミック発熱体ユニット - Google Patents

正特性セラミック発熱体ユニット

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JP2001351764A JP2000168521A JP2000168521A JP2001351764A JP 2001351764 A JP2001351764 A JP 2001351764A JP 2000168521 A JP2000168521 A JP 2000168521A JP 2000168521 A JP2000168521 A JP 2000168521A JP 2001351764 A JP2001351764 A JP 2001351764A
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ceramic
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Koshiro Taguchi
浩四郎 田口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正特性セラミックの電極を湿度から保護し酸
化防止することで安全性、信頼性の高い正特性セラミッ
ク発熱体ユニットであり、浴室乾燥機等の高湿な状況下
において、発熱体フィンに表面結露が生じても、正特性
セラミック電極面に全く影響が無いように安全面に留意
した正特性セラミック発熱体を提供する。 【解決手段】アルミニウム筒体内に正特性セラミックと
通電板を配置すると共に、上記筒体と上記通電板との間
に介装させた絶縁板とを有してなる正特性セラミック発
熱体ユニットである。この構成において、上記アルミニ
ウム筒体は、その長手方向に沿って１個のスリットを備
えた構成とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、正特性セラミック
発熱体に関し、より詳しくは正特性セラミックの電極を
湿度から保護し酸化防止することで安全性、信頼性の高
い正特性セラミック熱源体に関するものである。更に本
発明は、高湿な状況下において発熱体フィンに表面結露
が生じても、正特性セラミック電極面に全く影響が無い
ように安全面に留意した正特性セラミック発熱体に関す
るものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、正特性を有するセラミックを用い
た電極を有する構造の発熱体やヒータは周知であり、多
くの提案がなされている。例えば、特願昭６３−４６５
４７号公報は、正特性サーミスタの電極面と金属放熱体
との間に、金属放熱体の厚さより薄い金属板を挟んで、
絶縁性接着剤で固着し、金属放熱体又は金属板電極を兼
ねるようにした構造が開示されている。また、特公平４
−１５５９７号公報は半導体ヒータを示しており、衣類
乾燥機などの高温高湿の雰囲気化においても熱源として
使用でき、表面に結露現象が生じても、錆の発生を防止
できるようにした構造のものが開示されている。そし
て、この構造は、電極材、端子板、放熱フィンの芯材を
同一のアルミニウム合金材料で形成したことで、溶射電
極と電極板との間の電位差をゼロとし、これにより電蝕
の発生を防ぐように構成したものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の先行技
術文献を含めてこれまで提案されたものは、正特性の電
極を湿度から守り、満足できる酸化防止機能を達成する
ことには、依然として不充分であった。
【０００４】本発明は上記に鑑みてなされたものであ
り、正特性セラミックの電極を湿度から保護し酸化防止
することで安全性、信頼性の高い正特性セラミック発熱
体ユニットを提供することを目的とするものであり、更
に、高湿な状況下において発熱体フィンに表面結露が生
じても、正特性セラミック電極面に全く影響が無いよう
に安全面に留意した正特性セラミック発熱体を提供する
ことを目的とするものである。
【０００５】本発明の別の目的は、高い熱効率を持った
正特性セラミック発熱体を提供することである。
【０００６】本発明の更に別の目的は、浴室乾燥機など
に好適であって、高湿の状況下において安全性に優れ、
高い耐久性を備えた正特性セラミック発熱体ユニットを
提供するものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
筒体内に正特性セラミックと通電板を配置すると共に、
上記筒体と上記通電板との間に介装させた絶縁板とを有
してなる正特性セラミック発熱体ユニットである。
【０００８】また、上記構成において、上記アルミニウ
ム筒体は、その長手方向に沿って１個のスリットを備え
た構成とすることが望ましい。スリットの位置は、アル
ミニウム筒体の一平面部のほぼ中心位置に形成すること
がより望ましい。
【０００９】更に、上記アルミニウム筒体は断面が長方
形の形状を有する平板型の筒体とする構成とすることが
好ましい。
【００１０】更に、本発明は、正特性セラミックの電極
に、通電に必要な通電板を重ねてアルミニウム製断面略
長方形の筒体内に挿入・配置し、上記アルミニウム筒体
と通電板との間には上記アルミニウム筒体と上記通電板
とをを互いに絶縁する絶縁板を介装し、上記筒体の両端
には上記通電板と接続した接続端子を設けると共に上記
筒体の両端部には耐熱性絶縁材で被覆して正特性セラミ
ック熱源体を形成して成る、正特性セラミック発熱体ユ
ニットである。
【００１１】上記の構成において、上記アルミニウム筒
体は、その長手方向に沿って１個のスリットを備えた構
成とすることができるし、更に、上記正特性セラミック
熱源体に、アルミニウム製放熱フィンを両極にそれぞれ
接着剤で圧着固定する構造とすることができる。
【００１２】更に、上記アルミニウム筒体の両端を耐熱
性絶縁材で密封した構造とすることも可能である。ま
た、上記アルミニウム筒体に、直接耐熱絶縁接着剤で上
記アルミニウム放熱フィンを圧着固定する構造とするこ
とも可能である。
【００１３】
【作用】上記のように本発明は、アルミニウム筒体内に
正特性セラミックと通電板を配置すると共に、上記筒体
と上記通電板との間に介装させた絶縁板とを有してなる
正特性セラミック発熱体ユニットであるので、正特性セ
ラミックの電極を湿度から保護すると共に、酸化防止す
ることが可能となり、安全性、信頼性の高い正特性セラ
ミック熱源体を提供できるものである。
【００１４】更に、例えば浴室乾燥機などに採用するヒ
ータに使用するなど、高湿な状況下において発熱体フィ
ンに表面結露が生じても、正特性セラミック電極面に全
く影響が無いように安全面に留意した正特性セラミック
発熱体、ひいては安全且つ熱効率に優れた浴室乾燥機な
どのヒータを提供できることになる。
【００１５】
【発明の実施の形態】先ず本発明による好ましい実施例
について図面を参照して説明する。まず、本発明の発熱
体ユニットの構造例を示す図１と図２において、発熱体
ユニット１は、断面が略長方形であり、しかも平板状の
面を有する一側１０ａのほぼ中央にスリット１１を形成
したアルミニウム製の筒体、即ちケーシング１０を備
え、その内部には発熱素子１２が配置されている。
【００１６】この場合、スリット１１は、ケーシング１
０内部の後述する発熱素子１２の熱膨張を逃し、内部素
子との密着性、加工性を高めることを主たる目的として
形成したものであるから、必ずしもケーシング全長に亘
って形成する必要がないし、また中心部に設けなければ
ならない強い必然性はないので、適宜その位置と形状を
変更できる。しかし、種々実験の結果では、対向する側
部壁の厚み（即ち、厚み方向の面の厚さ（１０ｂ）を他
の平板状の面（上記１０ａ）の厚みよりも大幅に薄く形
成して屈曲性及び膨張性をもたせる方式よりも、図示の
ようにスリット１１を片側中央部の全長に亘って形成す
ることで、全体としての加工性や組立効率が優れたもの
となることが判明した。
【００１７】さて、上記発熱素子１２は、図示のよう
に、中心部に正特性セラミック素子などのＰＴＣ素子１
３、即ち、過電流防止装置として多用され、大電流の通
過時に温度が上昇し、抵抗が増大して電流を減少させる
素子：Positive Temperature Coefficient of Resistan
ce）を配置し、その上面に電極１４を挟んで一方の電極
板１５を配置、同様に、その下面には電極１４を挟んで
他方の電極板１６が密着して配置される。そして、両方
の電極板１５，１６の外側には断面コ字状の絶縁体１
７，１７が配置されている。
【００１８】上記ＰＴＣ素子１４と絶縁体１７との間に
は電極１４，１４が形成されているが、これら電極１４
とＰＴＣ素子との間、及び電極１４と電極板１５，１６
との間には酸化防止の接着剤を介在させて密着させるこ
とができる。この場合、接着剤としては、導電性のもの
とするが、絶縁性の接着剤を採用して、密着する素子同
士を互いに圧着により互いに導通させる構成とすること
も可能である。その場合には、導通を適正なものとする
ために、圧着される面に細かな凹凸を形成し、これが上
記絶縁性の接着剤を突き抜けて互いに接続されるように
することが好ましい。
【００１９】上記ＰＴＣ素子１３は、図２に示すように
複数個（図示例では４枚）並設された構成となってい
る。ＰＴＣ素子の数は適宜選択的に増減できる。それぞ
れのＰＴＣ素子１３は、互いに衝撃により破損しないよ
うに充分留意して配置されることが必要であり、その為
に相互間に緩衝手段やスペーサ（図２の符号２１）など
を配置することもできるし、位置決めのための枠体やヨ
ークなどを適宜配置することもできる。なお、図１及び
図２において、符号２０は発熱素子１２の側部、即ち電
極板１５，１６が露出する側を密封状態にするためのキ
ャップである。
【００２０】図３は上記構成の発熱体ユニット１を一対
の放熱フィン集成体２２，２３の間に介装させてなるセ
ラミックヒータの構成を示してる。放熱フィン集成体２
２，２３は種々のタイプのものを採用出来るものであ
り、その構成自体は本発明の重要な要部ではないので詳
細な説明は省略するが、例示的には、それぞれのフィン
集成体２２，２３はハウジング２４内に蛇腹状、或いは
切り起こし状に形成したフィン部２５を備えた構成が代
表的である。そして、このように形成した放熱フィン集
成体２２，２３の間に図１及び図２で示した発熱体ユニ
ット１を挟み、絶縁性の接着剤で固着する。図３の符号
２６は絶縁性接着剤による接着剤層である。
【００２１】次に、上記した本発明の発熱体ユニット１
の形成例を簡単に説明する。図４において、コ字状に形
成したアルミニウム製のケーシング材３０内に、その底
部から上方に向かって、例えばテフロンなどの適当な合
成樹脂より成る絶縁材１７、その上に電極１４，更にそ
の上にＰＴＣ素子１３をのせ、ＰＴＣ素子１３の上には
電極１４とそしてその上の絶縁材１７を配置して積層体
を構成し、しかる後、ケーシング材３０の突端部を内側
に折り曲げて前記したケーシング１０を構成する。この
場合、折曲した両端部対向することになるが、対向端部
の間には前記のスリット１１が形成されるようにする。
なお、電極１４とＰＴＣ素子１３との間に、酸化防止を
主たる目的とした所望の接着剤を介在させることも可能
である。
【００２２】上記図４の形成方法は発熱素子としての発
熱体ユニット１を構成するそれぞれのエレメント（例え
ば電極やＰＴＣ素子など）を積層しながら構成し、最後
にケーシング材３０の突端を内側に折曲する形成方法で
あるが、図５に示すように、発熱素子１とケーシング１
０をそれぞれ予め別個に形成しておき、しかる後、発熱
体ユニット１を、スリット１１を形成したケーシング１
０に側部の開口部から挿入して形成することもできる。
この挿入に当たっては、上記スリット１１が形成されて
いることから、ケーシング１０全体がある程度拡開自在
となるために、挿入が容易になし得るものである。
【００２３】なお、図５において積層体状となっている
発熱体ユニット１を構成するのは前期同様ＰＴＣ素子１
３を中間に配し、上下に電極１４，１４，更にその外側
に絶縁体１７，１７を配してなるものである。
【００２４】
【発明の効果】以上、本発明は上記のような構成として
いることにより、アルミニウム筒体内に正特性セラミッ
クと通電板を配置すると共に、上記筒体と上記通電板と
の間に絶縁板を介装してなる正特性セラミック発熱体ユ
ニットであるので、正特性セラミックの電極を湿度から
保護すると共に、酸化防止することが可能となり、安全
性、信頼性の高い正特性セラミック熱源体を提供できる
ものである。
【００２５】特に、浴室乾燥機などに採用するヒータに
使用する場合において、高湿な状況下において発熱体フ
ィンに表面結露が生じても、正特性セラミック電極面に
全く影響が無いように安全面に留意した正特性セラミッ
ク発熱体、ひいては安全且つ熱効率に優れた浴室乾燥機
などのヒータを提供できることになる。また、構造的に
も比較的簡単であるので、精度の高い製品でありながら
量産性に優れたものとすることができる。
【００２６】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による正特性セラミック発熱体ユニット
の斜視図。
【図２】図１のＡ−Ａに沿って破断した正特性セラミッ
ク発熱体ユニットの断面図。
【図３】本発明の正特性セラミック発熱体ユニットを１
対の放熱フィン集成体で挟んで構成したセラミックヒー
タの全体簡略図。
【図４】本発明の正特性セラミック発熱体ユニットの形
成方法（組立法）の一例を示す説明図。
【図５】本発明の正特性セラミック発熱体ユニットの形
成方法（組立法）の別の例を示す説明図。
【符号の説明】
１ 発熱体ユニット １０ ケーシング １１ スリット １２ 発熱素子 １３ ＰＴＣ素子 １４ 電極 １５ 一方の電極板 １６ 他方の電極板 １７ 絶縁体 ２０ キャップ ２２ 放熱フィン集成体 ２３ 放熱フィン集成体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3K034 AA07 AA16 BA18 BB14 BC03 BC09 BC16 CA26 CA33 FA20 FA26 FA27 GA02 GA10 HA01 HA10 3K092 PP20 QA05 QB21 QB32 QC26 QC55 RF03 RF11 RF17 RF26 SS17 SS23 SS24 SS26 SS30 TT07 TT27 UA06 UA18 UA19 VV01 VV09 VV25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 アルミニウム筒体内に正特性セラミック
    と通電板を配置すると共に、上記筒体と上記通電板との
    間に介装させた絶縁板とを有してなる正特性セラミック
    発熱体ユニット。
  2. 【請求項２】 上記アルミニウム筒体は、その長手方向
    に沿って１個のスリットを備えて成る請求項１に記載の
    正特性セラミック発熱体ユニット。
  3. 【請求項３】上記アルミニウム筒体は断面が長方形の形
    状を有する平板型の筒体である請求項１または２の正特
    性セラミック発熱体ユニット。
  4. 【請求項４】 正特性セラミックの電極に、通電に必要
    な通電板を重ねてアルミニウム製断面略長方形の筒体内
    に挿入・配置し、上記アルミニウム筒体と通電板との間
    には上記アルミニウム筒体と上記通電板とをを互いに絶
    縁する絶縁板を介装し、上記筒体の両端には上記通電板
    と接続した接続端子を設けると共に上記筒体の両端部に
    は耐熱性絶縁材で被覆して正特性セラミック熱源体を形
    成して成る、正特性セラミック発熱体ユニット。
  5. 【請求項５】 上記アルミニウム筒体は、その長手方向
    に沿って１個のスリットを備えて成る請求項４に記載の
    正特性セラミック発熱体ユニット。
  6. 【請求項６】 上記正特性セラミック熱源体に、アルミ
    ニウム製放熱フィンを両極にそれぞれ接着剤で圧着固定
    してなる請求項１乃至５の何れかに記載の正特性セラミ
    ック発熱体ユニット。
  7. 【請求項７】 上記アルミニウム筒体の両端を耐熱性絶
    縁材で密封してなる、請求項１乃至６記載の正特性セラ
    ミック発熱体ユニット。
  8. 【請求項８】 上記アルミニウム筒体に、直接耐熱絶縁
    接着材で上記アルミニウム放熱フィンを圧着固定する、
    請求項４に記載の正特性セラミック発熱体ユニット。
  9. 【請求項９】 断面長方形のセラミック筒体の内壁面に
    絶縁体を配すると共に、上記セラミック筒体内には、中
    心にＰＴＣ素子などのセラミック素子を複数個位置さ
    せ、上記セラミック素子の上面と下面には電極を配し、
    更に上記電極の上下両面には前記絶縁体の内面に接した
    電極板を配置して成る、正特性セラミック発熱体ユニッ
    ト。
  10. 【請求項１０】 一対の放熱フィン集成体の間に挟まれ
    て構成された正特性セラミック発熱体ユニットであっ
    て、上記発熱体ユニットは、断面長方形のセラミック筒
    体の内壁面に絶縁体を配すると共に、上記セラミック筒
    体内には、中心にＰＴＣ素子などのセラミック素子を複
    数個互いに間隔を置いて位置させ、上記セラミック素子
    の上面と下面には電極を配し、更に上記電極の上下両面
    には前記絶縁体の内面に接した電極板を配置して成る、
    正特性セラミック発熱体ユニット。
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