JPH0235067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案はエンジンマウント組立体に関し、特
に振動防止のためのダンパ部材を備えたエンジン
マウント組立体に関するものである。

従来技術 車体に固定されてエンジンを弾性的に支持する
エンジンマウントの一種に、筒状部と固定部とを
備え、該固定部においてエンジンおよび車体のい
ずれか一方に固定されるマウント本体と、ゴム製
のクツシヨン部と取付金具とを備えて前記筒状部
内に固設され、該取付金具が前記エンジンおよび
車体の他方に固定される防振部材と、前記筒状部
の外周側に配置されるとともに該筒状部の外周面
からほぼ直角に立ち上がる支柱に取り付けられた
ダンパ部材とを有する形式のものがある。

従来、このようなエンジンマウントにおいて
は、ダンパ部材をマウント本体の筒状部に取り付
けるに当たつて、比較的短いピンを筒状部の外周
面上にほぼ直角に突設してその一端を筒状部の外
周面に溶接し、そしてこのピンを支柱としてこれ
にダンパ部材を取り付けるようにしていた。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、このようにマウント本体とは別
部材であるピンを用いて支柱を形成すれば、それ
だけ部品点数が多くなり、またエンジンマウント
組立時に、溶接工程が必要となることからその組
立時の作業工数が増し、さらに溶接による歪がマ
ウント本体の筒状部に残る等幾つかの不具合が生
じる。

問題点を解決するための手段 本考案は、このような問題点を解決するために
為されたものであり、その要旨とするところは、
前記筒状部の一部を切り起こして該筒状部の外周
面に対してほぼ直角な方向に突出させ、該突出さ
せた部分を支柱として前記ダンパ部材を取り付け
るようにしたことにある。

作用および効果 かかる本考案においては、ダンパ部材を取り付
けるための支柱がマウント本体の一部を変形させ
ることによつて本体と一体に形成される。このた
め、支柱を構成すべきピンをマウント本体とは別
に用意したり、これをマウント本体に溶接したり
することが必要でなくなる。これにより、エンジ
ンマウント組立体における部品点数が削減される
とともに、組立作業の時間が短縮されて製品コス
トが安価となり、またマウント本体の筒状部に歪
を発生させる問題も解消される。

実施例 次に、本考案の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。

第２図は本考案の一実施例であるエンジンマウ
ント組立体を示したものである。図に示すように
本例のエンジンマウント組立体は、マウント本体
１０と防振部材１２とマスダンパ１４とで構成さ
れている。マウント本体１０は円筒部１６と断面
がコ字状を成す固定部１８とを有し、その固定部
１８においてボルト等により車体に固定されるよ
うになつている。

一方、防振部材１２は厚肉円筒状のゴム製クツ
シヨン部２０と、その内、外周面にそれぞれ固着
された内筒金具２４および外筒金具２２とを有
し、その外筒金具２２がマウント本体１０の円筒
部１６にしまり嵌合されて固定される一方、内筒
金具２４においてエンジンに固定されるようにな
つている。マウント本体１０の円筒部１６には、
第１図および第３図に示すように、その一部を切
り起こした形態の支柱２６が円筒部１６の外周面
に対してほぼ直角を成す方向に立設され、この支
柱２６に前記マスダンパ１４がゴム材２８および
金具２７を介して取り付けられている。

本例のマウント本体１０は具体的には次のよう
にして容易に製作することができる。

すなわち、第４図に示すように、矩形長手状の
板材３２に切り込み３０を入れてその切込み３０
にて囲まれた部分をほぼ直角に起こし、次いで板
材３２をそれらの長手方向の両端面を突き合わせ
るように円筒状に曲げ成形し、その後予め用意さ
れたコの字状の板材を、この円筒状に曲げ成形さ
れた部材に固着すればよいのである。

このように、本例のエンジンマウント組立体に
おいては、マウント本体１０の円筒部１６の一部
がマスダンパ１４を取り付けるべき支柱２６とし
て形成されている。このため、ピンを円筒部１６
に溶接して支柱を形成する場合と比べて部品点数
が少なくなり、また溶接工程が不要であるから、
エンジンマウントの組立てに当たつて作業工数が
少なくなり、しかも円筒部１６に溶接歪を残すよ
うなこともない。

以上、本考案の実施例を詳述したが、本考案は
その他の態様で実施することも可能である。

例えば、マスダンパ１４と支柱２６との間に介
在させられるゴム材を支柱２６に直線加硫接着す
ることも可能であり、またその支柱の形状、更に
はマウント本体を他の様々な形状、形態に形成す
ることも可能である。その他、防振部材の金具が
エンジン側に、またマウント本体が車体側に固定
される形式のエンジンマウント組立体に対しても
本考案の適用が可能であるなど、本考案はその趣
旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づ
き様々な変形を加えた形態で実施することが可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるエンジンマウ
ント組立体の筒状部に形成された支柱をマスダン
パとともに示す要部断面図である。第２図はその
エンジンマウント組立体の斜視図であり、第３図
は第２図におけるマウント本体の円筒部を構成す
る部材の斜視図であり、第４図は第１図乃至第３
図における支柱を設けるための手順を説明するた
めの説明図である。 １０：マウント本体、１２：防振部材、１４：
マスダンパ、１６：円筒部、１８：固定部、２
０：クツシヨン部、２４：内筒金具、２６：支
柱。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 筒状部と固定部とを備え、該固定部においてエ
   ンジンおよび車体の何れか一方に固定されるマウ
   ント本体と、ゴム製のクツシヨン部と取付金具と
   を備えて前記筒状部内に固設され、該取付金具が
   前記エンジンおよび車体の他方に固定される防振
   部材と、前記筒状部の外周側に配置されるととも
   に該筒状部の外周面からほぼ直角に立ち上がる支
   柱に取り付けられたダンパ部材とを有する形式の
   エンジンマウント組立体において、 前記筒状部の一部を切り起こして該筒状部の外
   周面に対してほぼ直角な方向に突出させ、該突出
   させた部分を前記支柱としたことを特徴とするエ
   ンジンマウント組立体。