JPH023493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エレベータのレールブラケツト装置
に関する。

〔従来の技術〕

近年、エレベータの耐震性能の強化が叫ばれ、
特につり合いおもり側のガイドレールに対して
は、当該ガイドレールとガイド装置との掛かり代
を大きくするなどの手段をとり耐震性の向上を図
つている。

しかるに、ガイドレールを昇降路壁に保持する
ためのレールブラケツト装置に関しては、実開昭
53−152369号に記載のように、昇降路壁との取付
部と、ガイドレールとの取付部とを分割すること
によつて取付け作業を改善したものが提案されて
いるが、レールブラケツトと壁とを固定するアン
カーボルトの貫通穴については、従来すべて長円
形になつている。

〔考案が解決しようとする課題〕

このため、上述した従来技術にあつては、地震
などによつてレールブラケツトに衝撃力が加わる
と、レールブラケツトの長円形穴部でアンカーボ
ルトとレールブラケツトとがずれてしまい、つり
合いおもりがガイドレールから外れるすなわち、
脱レールのおそれがある。

このように、従来のレールブラケツト装置は、
耐震性に関する配慮がされていなかつた。

一方、レールブラケツトの取付けは、アンカー
ボルトを昇降路壁に打設した後ガイドレールとレ
ールクリツプにて固定するものであるため、調整
代を必要とし、その作業性向上の観点からレール
ブラケツトのアンカーボルト貫通用穴は長円形に
する必要がある。

また、前述したように地震などによつて、つり
合いおもりがガイドレールから離脱すると、人身
事故につながるなどの危険性がある。

本考案の目的は、地震などによつてガイドレー
ルに衝撃力が加わつた場合におけるガイドレール
の位置ずれを抑制できるエレベータのレールブラ
ケツト装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴は、エレベータ昇降路壁にアンカ
ーボルトによつて固定された片と、この片から昇
降路壁と直角の方向に突出している突出片とを有
する左右一対のレールブラケツトを複数組備え、
昇降体の昇降を案内するガイドレールが、前記レ
ールブラケツトの突出片にレールクリツプによつ
て取付けられたエレベータのレールブラケツト装
置において、前記左右両方のレールブラケツトに
おける各片の左右両側に接触するように配置さ
れ、その一方が昇降路壁に固定されたＬ字形支持
金具と、これらのＬ字形支持金具同士を互いに連
結している少なくとも１本の連結棒とを設けたこ
とにある。

〔作用〕

本考案は、上記のように左右のレールブラケツ
トを互いに連結しているため、地震などによつて
ガイドレールを介してレールブラケツトに衝撃力
が加わつても、この衝撃力の一部が連結棒を介し
て反対側のレールブラケツトに伝えられ、常に両
方のレールブラケツトで衝撃力を支えるので、
個々のガイドレールに作用する衝撃力は小さくな
り、これによりガイドレールの位置ずれを抑制す
ると同時に、ガイドレールの間隙を保つことがで
き、昇降体がガイドレールから離脱することを防
止できる。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を第１図および第２図に
より説明する。

第１図および第２図は、左右一対のレールブラ
ケツトにＬ形支持金具を取付けた状態を示してい
る。これらの図において、つり合いおもり１の昇
降を案内するガイドレール２は、レールブラケツ
ト装置を介して昇降路壁に支持されている。この
レールブラケツト装置は、昇降路壁にアンカーボ
ルト３によつて取付けられた片６ａと、この片６
ａから昇降路壁と直角方向に突出する突出片６ｂ
とからなるレール左側、右側レールブラケツト
６，６と、一方が昇降路壁に面し、他方が前記レ
ールブラケツト６の端部に接触し、かつ当該レー
ルブラケツト６をはさむように配置された左側Ｌ
形支持金具７，７ａおよび右側ブラケツト９，９
ａと、左側Ｌ形支持金具７，７ａ同士および右側
Ｌ字形支持金具９，９ａ同士をそれぞれ連結する
連結棒８と、左側Ｌ形支持金具７，７ａと右側Ｌ
形支持金具９，９ａとを連結する連結棒１０およ
びＬ形支持金具７ａ，９ａを昇降路壁に固定する
アンカーボルト１１とから構成されている。この
ような左右一対のレールブラケツトが間隔をおい
て複数組昇降路壁に配置固定されている。

そしてガイドレール２は、前記ガイドレール装
置の各突出片６ｂにそれぞれレールクリツプ４を
介してボルト５によつて固定されている。

地震などによつてつり合いおもり（昇降体）１
が加振され、レールブラケツト６に衝撃力Ｐが加
わつた場合、左右のレールブラケツト６，６をＬ
形支持金具７にて支持し、連結棒１０により連結
しているため、衝撃力Ｐを連結棒１０を介して反
対側のレールブラケツト６に伝えて衝撃力を分散
させる上、左右のレールブラケツト６同士の間隔
を一定に保つことができる。

そのため、地震時につり合いおもり１がガイド
レール２から離脱することはなくなり耐震性の向
上を図ることができる。

尚上記実施例では、連結棒８は、Ｌ形支持金具
７，７ａ、同士および９，９ａ同士をそれぞれ
別々に連結しているが、連結棒１０と同様に、４
つのＬ形支持金具７，７ａ，９，９ａを連結して
もよい。

上記の実施例によれば、既設のエレベータに対
して安価で、作業性のよい耐震性向上対策を提供
できる。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、昇降路壁にアン
カーボルトで支持されている左右のレールブラケ
ツトに対してＬ形支持金具を取付け、さらにこれ
らＬ形支持金具により左右のレールブラケツトを
一体化することによつて、地震などの衝撃力によ
るレールブラケツトの位置ずれを防止することが
でき、耐震性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す平面図、第
２図は、第１図のＡ−Ａ矢視図である。 １……つり合いおもり、２……ガイドレール、
３，１１……アンカーボルト、４……レールクリ
ツプ、５……ボルト、６……レールブラケツト、
７，７ａ，９，９ａ……Ｌ形支持金具、８，１０
……連結棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エレベータ昇降路壁にアンカーボルトによつて
   固定された片と、この片から昇降路壁と直角の方
   向に突出している突出片とを有する左右一対のレ
   ールブラケツトを複数組備え、昇降体の昇降を案
   内するガイドレールが、前記レールブラケツトの
   突出片にレールクリツプによつて取付けられたエ
   レベータのレールブラケツト装置において、前記
   左右両方のブラケツトにおける各片の左右両側に
   接触するように配置され、その一方が昇降路壁に
   固定されたＬ形支持金具と、これらのＬ形支持金
   具同士を互いに連結している少なくとも１本の連
   結棒とを設けたことを特徴とするエレベータのレ
   ールブラケツト装置。