JPH0234692B2

JPH0234692B2 -

Info

Publication number: JPH0234692B2
Application number: JP57008803A
Authority: JP
Inventors: Yoshihiro Oosumi; Kyoteru Asai; Hirotsugu Abiko
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1982-01-25
Filing date: 1982-01-25
Publication date: 1990-08-06
Also published as: JPS58128224A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、型材曲げ成形装置に係り、特に型材
を曲げ型に押付けながら曲げ成形するものに関す
る。

従来、エスカレータ欄干用のステンレス製型材
などを曲げ成形する手段としては、引張り曲げ成
形法と巻曲げ成形法とがある。

引張り曲げ成形法は、第１図に示すように、型
材１の両端をチヤツク２，３で把持し、型材１に
矢印T₁，T₂のような引張り力を加えた状態で、
チヤツク２，３を曲げ型４の周りに矢印M₁，M₂
のように回動させることにより、型材１を曲げ型
４に押付けて曲げ成形を行うものである。この方
法は、型材１に引張り力を加えているので、例え
ば第２図に示すように、断面コ字形の型材１をそ
の開口部側を内側にして曲げ成形する場合、フラ
ンジ部１ａの曲げの内側になる部分にしわを発生
させることなく曲げ成形を行うことができる。

しかしこの方法では、型材１は引張り力T₁，
T₂の合力F₁によつて曲げ型４に押付けられるた
め、曲げ型４に押付けられた部分は第３図のよう
になるが、曲げ型４に接する直前の部分は第４図
のようにフランジ部１ａ，１ａが開くように変形
してしまう。この変形度合は曲げが進行するにつ
れて大きくなる。そして、曲げの終端付近では曲
げ型４への押付け力F₁がきわめて小さくなるた
め、第４図の如き変形が発生するだけでなく、本
来直線であるべき部分A₁，A₂に曲がりＳが発生
し、これらが成形後も残存してしまうという欠点
がある。これをなくすには、引張り力を大きくす
ればよいが、引張り力を大きくすると型材が引き
伸ばされるため断面寸法が縮少してしまうという
問題がある。

これに対し巻曲げ成形法は、第５図に示すよう
に、型材１の一端を曲げ型５とクランプ６で把持
し、押し型７で型材１を曲げ型５に押し付けなが
ら、曲げ型５を回動させることにより、曲げ成形
を行うものである。この方法は押し型７により型
材１が常に一定の押付け力F₂で曲げ型５に押し
付けられているため、曲げ終端部から直線部にか
けて安定した曲げ形状が得られる。

しかしこの方法は、曲げの内側部分に圧縮ひず
みを支えて曲げ成形を行うものであるため、例え
ば断面コ字形の型材を第２図のように曲げ成形す
る場合などには、型材１の肉厚が薄いと、フラン
ジ部１ａ，１ａの曲げの内側部分に座屈によるし
わが発生してしまうという欠点がある。

また、一般に、エスカレータの欄干などでは、
第８図、第９図に示すような小径曲げ成形部２８
に加えて、大径曲げ成形部２９，３０を連続的に
有する型材成形体２６、あるいは型材成形体２７
が用いられているが、従来技術では、このような
型材成形体の成形を連続的に行なうことが出来
ず、製造工程が複雑になる上、小径曲げ成形部と
大径曲げ成形部との間での成形精度を上げるのが
困難であるという問題があつた。

本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、曲げの内側になる部分にしわが発生し難
く、且つ、曲げの終端付近の形状を精度良く仕上
げることができる上、小径曲げ成形部と大径曲げ
成形部との連続的な成形が可能で、この間での成
形精度の保持が容易な型材曲げ成形装置を提供す
ることにある。

この目的を達成するため、本発明は、第１の曲
げ型と、この第１の曲げ型を回動させる回動基体
と、この回動基体に取付けられ成形すべき型材の
一端を把持するチヤツクと、前記型材に曲げ応力
が作用する部分で前記型材を前記曲げ型に押付け
る押付け機構を備えた型材曲げ成形装置におい
て、前記型材の他端を把持して該型材に引張り力
を加えながら前記曲げ型の回動平面と同一の平面
内で回動する張力付加機構と、この張力付加機構
と前記第１の曲げ型との間に取付けられ前記第１
の曲げ型より曲げ半径の大きな少なくとも１の第
２の曲げ型とを設け、前記第１の曲げ型による前
記型材の成形後、前記張力付加機構の回動により
前記型材を成形するようにしたことを特徴とす
る。

以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。

第６図は本発明の第１実施例を示す。この実施
例の曲げ成形装置は、第１の曲げ型８と、第２の
曲げ型９と、第３の曲げ型１０を備えているが、
本発明に直接関係があるのは第１の曲げ型８であ
る。

第１の曲げ型８は回動基体１１に取付けられ、
この回動基体１１と共に軸１２を中心として矢印
M₃方向に回動するようになつている。回動基体
１１には型材１の一端を把持するチヤツク１３が
取付けられている。型材１を挾んで曲げ型８の反
対側には押付け機構１４が設けられている。押付
け機構１４は、型材１に当接する押付け棒１５
と、この押付け棒１５が型材１と共に矢印Ｓ方向
に移動するのを助ける補助ローラ１６と、油圧シ
リンダ１７とから構成されている。油圧シリンダ
１７は固定基体１８上に固定されている。

型材１の他端側には、型材１に引張り力を加え
る張力付加機構１９が設けられている。張力付加
機構１９は、第７図にも示すように、型材１の端
部を把持するチヤツク２０と、型材１に引張り力
T₃を加える油圧シリンダ２１と、この油圧シリ
ンダ２１が固定されたアーム２２とから構成され
ている。そしてこの張力付加機構１９は、第１の
曲げ型８による曲げ成形の進行に伴う型材１の端
部の移動に追従して、型材１に引張り力を加えた
ままチヤツク２０が矢印Ｓ方向に移動するように
なつている。アーム２２の基部は軸２３を中心と
して矢印M₄，M₅方向に回動できるように固定基
体１８に取付けられている。

第２の曲げ型９は、第１の曲げ型８と張力付加
機構１９の間に設置され、固定基体１８に取付け
られた油圧シリンダ２４によつて矢印Y₁，Y₂の
ように移動し、型材１に接する位置と、型材１か
ら離れた位置（図示の位置）をとれるようになつ
ている。

第３の曲げ型１０も同様で、油圧シリンダ２５
によつて矢印Y₃，Y₄のように移動し、型材１に
接する位置と、型材１から離れた位置をとれるよ
うになつている。

この型材曲げ成形装置は、エスカレータの欄干
に用いられる第８図に示すような型材成形体２６
あるいは第９図に示すような型材成形体２７を成
形するのに用いられる。どちらの型材成形体も、
小径曲げ成形部２８と大径曲げ成形部２９，３０
があるが、この型材曲げ成形装置はこれを１台の
装置で成形できるように工夫されている。つま
り、第８図の型材成形体２６を形成するときは第
１の曲げ型８と第２の曲げ型９を使用し、第９図
の型材成形体２７を成形するときは第１の曲げ型
８と第３の曲げ型１０を使用するわけである。

なお、図面には回動基体１１を回動させる機構
及びアーム２２を回動させる機構を示してない
が、これらの機構は油圧シリンダとラツク、ピニ
オンの組合せなど、通常のものを用いることがで
きる。

次にこの型材曲げ成形装置の動作を説明する。

型材１を図示のようにセツトし、その両端をチ
ヤツク１３，２０で把持する。この状態で型材１
は第１の曲げ型８の基部に接するようになる。次
に張力付加装置１９により型材１に所定の引張り
力T₃を加える。この引張り力は、別に押付け力
Ｐが加えられるため、従来の引張り曲げ成形法の
場合より小さなものでよい。次に押付け棒１５を
油圧シリンダ１７によつて型材１に押付けると、
型材１は曲げ型８に押付けられる。この状態で回
動機体１１を矢印M₃方向に回動させると、型材
１は第１の曲げ型８に巻付くようにして曲げ成形
される。このとき、押付け棒１５は型材１に押付
けられているので、型材１と共に補助ローラ１６
上を矢印Ｓ方向に移動する。また張力付加機構１
９のチヤツク２０も、型材１に引張り力を加えた
まま、型材１の端部の移動に追従して同方向に移
動する。

第１の曲げ型８が約180゜回動すると、第８図又
は第９図の小径曲げ成形部２８の成形が終了す
る。この曲げ成形では、型材１が常に一定の力Ｐ
で第１の曲げ型８に押付けられ、且つ型材１に引
張り力T₃が加えられた状態で曲げ成形が行われ
るので、断面形状の変形及び断面寸法の縮小の少
ない高精度の曲げ成形が行える。

上記の曲げ成形が終了した後、第８図の大径曲
げ成形部２９の曲げ成形を行うには、第２の曲げ
型９を矢印Y₁方向に移動させ、型材１に当接さ
せた状態でその位置に固定し、次いでアーム２２
を矢印M₄方向へ回動させる。このときも型材１
には引張り力を加えたままである。したがつてこ
の曲げ成形は従来の引張り曲げ成形と同じである
が、曲げ径が大きく曲げ角度が小さいため、断面
形状の変形はほとんど現われない。

また、第９図の大径曲げ成形部３０の曲げ成形
を行うには、第３の曲げ型１０を矢印Y₃方向に
移動させて型材１に当接させ、その状態でアーム
２２を矢印M₅方向へ回動させる。

第１０図は本発明の第２実施例を示す。この実
施例が前述の第１実施例と異なるところは、型材
１に曲げ応力が作用する部分で型材１を第１の曲
げ型８に押付ける部材として押付けローラ３１を
使用したことと、張力付加機構１９の油圧シリン
ダ２１の向きを反対にしたことである。押付け部
材をローラ３１で構成すれば、長い押付け棒が不
要となり、装置が簡素化される。これ以外の構成
及び作用は前記第１実施例と同じであるので、同
一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略す
る。

なお、上記各実施例では、第２の曲げ型９と第
３の曲げ型１０の双方を備えているが、第８図と
第９図に示す型材成形体の一方だけを製造すれば
良い場合には、それぞれに応じて、第２の曲げ型
９と第３の曲げ型１０の一方だけを設けるように
すればよいのはいうまでもない。

また、上記実施例では、主としてエスカレータ
の欄干に使用する断面コ字形の型材を曲げ成形す
る場合について説明したが、型材の種類はこれに
限られるものではない。

以上の説明から明らかなように本発明によれ
ば、押付け機構により型材を曲げ型に押付けた状
態で、且つ張力付加機構により型材に引張り力を
加えた状態で型材の曲げ成形を行うようにしたの
で、曲げの終端付近でも型材が曲げ型によく押付
けられて精度のよい曲げ成形が行えると共に、し
わの発生も防止できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の引張り曲げ成形法を示す概略構
成図、第２図は第１図の−線断面図、第３図
は第１図の−線断面図、第４図は断面コ字形
型材の曲げ成形体の一例を示す斜視図、第５図は
従来の巻曲げ成形法を示す概略構成図、第６図は
本発明の一実施例に係る型材曲げ成形装置を示す
平面図、第７図は同装置の張力付加機構部分の断
面図、第８図及び第９図はそれぞれ同装置によつ
て成形されたエスカレータ欄干用の型材成形体の
正面図、第１０図は本発明の他の実施例に係る型
材曲げ成形装置を示す平面図である。１…型材、８…第１の曲げ型、９…第２の曲げ
型、１０…第３の曲げ型、１１…回動基体、１３
…チヤツク、１４…押付け機構、１５…押付け
棒、１８…固定基体、１９…張力付加機構、２０
…チヤツク、２２…アーム、３１…押付けロー
ラ。

Claims

【特許請求の範囲】１第１の曲げ型と、この第１の曲げ型を回動さ
せる回動基体と、この回動基体に取付けられ成形
すべき型材の一端を把持するチヤツクと、前記型
材に曲げ応力が作用する部分で前記型材を前記曲
げ型に押付ける押付け機構を備えた型材曲げ成形
装置において、前記型材の他端を把持して該型材
に引張り力を加えながら前記曲げ型の回動平面と
同一の平面内で回動する張力付加機構と、この張
力付加機構と前記第１の曲げ型との間に取付けら
れ前記第１の曲げ型より曲げ半径の大きな少なく
とも１の第２の曲げ型とを設け、前記第１の曲げ
型による前記型材の成形後、前記張力付加機構の
回動により前記型材を成形するように構成したこ
とを特徴とする型材曲げ成形装置。２特許請求の範囲第１項の発明において、前記
押付け機構は前記型材に当接する押付け棒を有す
ることを特徴とする型材曲げ成形装置。３特許請求の範囲第１項の発明において、前記
押付け機構は前記型材に当接する押付けローラを
有することを特徴とする型材曲げ成形装置。