JPH0234531Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、押圧体、すなわち復帰用ばねやデイ
スクを、ダイヤフラムでシールしたダイヤフラム
シールデイスクバルブに関する。

〔従来の技術〕

従来のデイスクバルブでは、デイスク復帰用の
ばねやデイスクが、制御流体に接触するようにな
つている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そのため、ばね等の流体によつて腐食され、ま
た、ばねが伸縮に伴つて発塵し、かつばねの収納
部に流体が溜まつて、流体を汚染するという問題
点があつた。

さらに、ばねやその収納部により、流体が著し
い乱流を起こして、キヤビテーシヨンを発生させ
ることがあり、デイスクの押圧体に対する接合部
が、ゆるんだり外れたりすることもあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点は、本考案によれば、ボデイに嵌入
した有頂筒状のボンネツトの中に、押圧体を、ば
ねによつて上昇力を付与して設け、この押圧体
を、ステムをもつて、ばね力に抗して押し下げる
ことにより、押圧体の下面に取付けたデイスク
を、ボデイの内底部に設けた弁座に当接させて、
流路を遮断するようにし、かつ押圧体とデイスク
との間にダイヤフラムを張設することにより、流
体通過部たるボデイの内底部と、その上方におけ
るボンネツトの内側であるばね及び押圧体の収容
部とを、液密に遮断してなるダイヤフラムシール
デイスクバルブであつて、ダイヤフラムとデイス
クを溶接（ろう付けを含む）するとともに、ダイ
ヤフラムの中央の孔の下方より、デイスクと一体
をなすおねじ軸を挿入し、このおねじ軸を、押圧
体の下面より穿設しためねじ孔に螺合することに
より、デイスクと押圧体をもつて、ダイヤフラム
の孔の周辺部を挾着してなり、さらにダイヤフラ
ムの周辺部を、ボデイに嵌入した前記ボンネツト
の下端面をもつて、ボデイの内側下部における内
向段部に圧着してことによつて解決される。

〔実施例〕

図は、本考案の実施例を示す。

１はボデイで、基部２の上面中央に上向筒状部
３を設けてなり、筒状部３の内底部４は、ゆるい
すり鉢状を呈し、かつその中央には、水平の弁座
５が、上向きに突設されている。

基部２の右端からは、内底部４に連なる斜め上
向きに通孔６が、同じく左端からは、斜め下方へ
向かつた後、上方を向いて、弁座５の中央で開口
する通孔７が穿設されている。

筒状部３の内側下端部には、ゆるい傾斜をもつ
て中心方向へ下降する内向段部８が形成され、か
つ筒状部３の外側上部には、おねじ９が切られて
いる。

内向段部８には、ダイヤフラム１０の周縁及び
受環１１が載置されている。受環１１の下面は、
求心方向に上昇する傾斜面となつている。

ダイヤフラム１０は、中心に孔１２を有し、こ
の孔１２の周囲上面には、押圧体１３の下面中央
部に設けた突環１４が当接している。

下面にシート１６ａを有するデイスク１６と一
体をなすおねじ軸１７を、押圧体１３の下面中央
にあけためねじ孔１８へ螺入することにより、デ
イスク１６は、ダイヤフラム１０の下面中央に取
付けられている。デイスク１６の外周部とダイヤ
フラム１０とは、溶接（ろう付けを含む）１５さ
れている。

押圧体１３の上端における外向フランジ１９と
受環１１との間には、圧縮コイルばね２０が縮設
されている。

２１は、有頂筒状のボンネツトで、小径筒部２
２と大径筒部２３を上下に連設してなり、小径筒
部２２の外面にはおねじ２４が切られている。大
径筒部２３は、前記筒状部３内に、適正にかつ摺
動可能に嵌合して、押圧体１３及びコイルばね２
０を被嵌し、かつ大径筒部２３の下端面は、受環
１１の上面に当接している。

２５はユニオンナツトで、その側胴２６の内面
のめねじ２７は、筒状部３のおねじ９に螺合さ
れ、かつ頂壁２８は、ボンネツト２１の大径筒部
２３の上面を押圧している。

２９はステムで、その下部は、ボンネツト２１
の小径筒部２２内に螺合され、かつ上端には、円
周方向に90゜の段差を有する段付係合部３０を介
して、ハンドル３１が取付けられている。

３２は、小径筒部２２に螺合されたロツクナツ
トである。

上記バルブにおいて、ハンドル３１を一定方向
に回転させると、ステム２９は下降して、押圧体
１３をコイルばね２０に抗して押し下げ、デイス
ク１６を弁座５に当接させて、流路を遮断する。

ハンドル３１を逆方向に回転させると、押圧体
１３及びステム２９は、コイルばね２０の力によ
り上昇し、デイスク１６は弁座５より離れて、通
孔６と７は連通する。

これらの作動中において、ボデイ１の基部２の
内底部４と、筒状部３とは、ダイヤフラム１０に
より、常に完全な液密に保たれており、流体がボ
ンネツト２１の大径筒部２３の内部へ流入するこ
とは決してない。

〔考案の効果〕

本考案によると、次に列記するような効果が得
られる。

(a) コイルばねが、流体との接触によつて腐食す
ることはない。したがつて、耐食性を考慮する
必要のない高強度のばね材を自由に選択して使
用することができ、バルブ全体の小型化と長寿
命化を計ることができる。

(b) コイルばねの腐食や伸縮に伴う発塵、あるい
はコイルばね収容部における流体の滞留によつ
て、流体が汚染されることはない。

(c) ボデイにおける流体と接触する部分は、単純
な形状の基部の内底部のみであるから、その表
面仕上精度を高めることは容易であり、かつこ
の接液部に沈殿物が付着するおそれも小さい。
また接液部において、流体が著しい乱流を起こ
すこともない。

(d) ダイヤフラムとデイスクを溶接もしくはろう
付けしてあるため、デイスクが押圧体に対して
ゆるんだり、押圧体から外れて落ちるようなこ
とはない。

【図面の簡単な説明】

図は、本考案の実施例を示す縦断正面図であ
る。 １……ボデイ、２……基部、３……筒状部、４
……内底部、５……弁座、６……通孔、７……通
孔、８……内向段部、９……おねじ、１０……ダ
イヤフラム、１１……受環、１２……孔、１３…
…押圧体、１４……突環、１５……溶接（部）、
１６……デイスク、１６ａ……シート、１７……
おねじ軸、１８……めねじ孔、１９……外向フラ
ンジ、２０……コイルばね、２１……ボンネツ
ト、２２……小径筒部、２３……大径筒部、２４
……おねじ、２５……ユニオンナツト、２６……
側胴、２７……めねじ、２８……頂壁、２９……
ステム、３０……段付係合部、３１……ハンド
ル、３２……ロツクナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボデイに嵌入した有頂筒状のボンネツトの中
   に、押圧体を、ばねによつて上昇力を付与して設
   け、この押圧体を、ステムをもつて、ばね力に抗
   して押し下げることにより、押圧体の下面に取付
   けたデイスクを、ボデイの内底部に設けた弁座に
   当接させて、流路を遮断するようにし、かつ押圧
   体とデイスクとの間にダイヤフラムを張設するこ
   とにより、流体通過部たるボデイの内底部と、そ
   の上方におけるボンネツトの内側であるばね及び
   押圧体の収容部とを、液密に遮断してなるダイヤ
   フラムシールデイスクバルブであつて、ダイヤフ
   ラムとデイスクを溶接（ろう付けを含む）すると
   ともに、ダイヤフラムの中央の孔の下方より、デ
   イスクと一体をなすおねじ軸を挿入し、このおね
   じ軸を、押圧体の下面より穿設しためねじ孔に螺
   合することにより、デイスクと押圧体をもつて、
   ダイヤフラムの孔の周辺部を挾着してなり、さら
   にダイヤフラムの周辺部を、ボデイに嵌入した前
   記ボンネツトの下端面をもつて、ボデイの内側下
   部における内向段部に圧着してなるダイヤフラム
   シールデイスクバルブ。