JPH0234509Y2 - - Google Patents

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JPH0234509Y2
JPH0234509Y2 JP3324986U JP3324986U JPH0234509Y2 JP H0234509 Y2 JPH0234509 Y2 JP H0234509Y2 JP 3324986 U JP3324986 U JP 3324986U JP 3324986 U JP3324986 U JP 3324986U JP H0234509 Y2 JPH0234509 Y2 JP H0234509Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両において使用されるトロイダル
形無段変速機の改良に関する。ここにトロイダル
形無段変速機とは、エンジン側に連結された入力
デイスクと、車輪側に連結される出力デイスク
と、両デイスク間に揺動可能に配置されたパワー
ローラとを含むものであり、パワーローラを揺動
させて入力デイスク及び出力デイスクとの接触点
を変えることにより、変速比を変えるために使用
される。
〔従来技術及び考案が解決すべき問題点〕
トロイダル形無段変速機を用いてエンジンの出
力を変速する場合、エンジンと車輪との間の動力
伝達経路中に乾式クラツチを備える場合には、通
常クラツチデイスクにダンパスプリングが組み込
まれており、このスプリングの緩衝作用によりピ
ークトルクの大きさは低減される。通常入力デイ
スクはカム等を含む加圧装置によりパワーローラ
に押圧され、入力デイスクの回転がパワーローラ
に確実に伝達するようにされているが、入力デイ
スク等の慣性とダンパスプリングとの共振により
入力デイスクに捩り振動が発生し、入出力デイス
クとパワーローラとの間ですべりが生ずることが
ある。また乾式クラツチを用いない場合には、急
加速時のトルクの急変やエンジンのトルク変動回
転むら(特に小形エンジンの場合)により入力ト
ルク(入力デイスクのトルク)が急激に変化する
ことがある。上記入力デイスクにトルクの急変が
生ずれば、加圧装置による押圧作用がこの変化に
追従できず、入力デイスク及び/又は出力デイス
クとパワーローラとの間ですべりが生ずることが
ある。
本考案は、上記従来技術における欠点を解消す
ること、即ちトロイダル形無段変速機を車両等に
用いた場合に、入出力トルクに急激な変化が生じ
たり、エンジンに回転むらが生じても、入力デイ
スク及び/又は出力デイスクとパワーローラとの
間に滑りが生ずることが防止され、作動に対する
信頼性を向上させるとともに、より大きなトルク
伝達を可能にすることを目的としてなされたもの
である。
〔問題点を解決するための手段、作用〕
上記目的を達成するために、本考案において
は、従来の無段変速機における加圧装置と入力デ
イスクとの間に別の押圧部材(第2のカム)を入
力軸に対して相対回転可能に取り付け、当該押圧
部材と入力デイスクとの間には外周部に円周方向
のばねを配置するとともに、側部には摩擦部材を
介装したのである。
ばねは、入力トルクの急変時に発生するシヨツ
クを呼吸してこれが入力デイスクに伝わらないよ
うにし、また摩擦部材は、押圧部材が加圧装置に
よつて入力デイスクに向かつて押圧される時、入
力軸の回転を加圧装置及び押圧部材を介して入力
デイスクに伝達すると共に、トルクの一部を伝達
しかつ共振による捩り振動を吸収する。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面をもとに説明す
る。
第1図に示すように、エンジンに連結される入
力軸10は軸受12を介してハウジング14によ
り回転可能に支承されており、その上に第1のカ
ム20、第2のカム30及び入力デイスク50が
取り付付けられている。
第1のカム20は断面L字形のリング部材から
成り、一側面にカム面22を有し、入力軸10に
対してセレーシヨン23を介して相対回転不能に
取り付けられている。第2のカム30は第1図〜
第3図に示すように、中空なデイスク形状を有
し、一側面に前記カム面22に対向するカム面3
2を有するとともに、外周縁には放射状に突出す
る三つの耳部34を有し、入力軸10に相対回転
可能に取り付けられている。第1のカム22と第
2のカム32との間にはローラ36がリテーナ3
8に保持されて回転可能に配置されており、皿ば
ね42により第1のカム20が第1図中右方に付
勢されているので、ローラ36は各カム面22及
び32に接触している。
入力デイスク50はリング形状を有して入力軸
10に相対回転可能に取り付けられ、外周縁には
軸方向に延びるフランジ52を有するとともに、
フランジとは反対側の側面はトロイダル面54と
されている。
フランジ52の内周面には入力デイスク50の
回転中心に向かつて突出する三つの突部54が形
成されている。第1図から明らかなように、第2
のカム30は入力デイスク50のフランジ52に
より形成される空所内に収容されており、各突部
34と各突部54との間には合計六本のコイルば
ね58が配設されている。第2のカム30のカム
面32とは反対側の側面と入力デイスク50のこ
れに対向する側面との間には偏平な円環板形状の
摩擦部材60が介装されている。摩擦部材として
は紙、コルク等の滑り摩擦要素や、スラストニー
ドル軸受のように滑り摩擦を多く含んだ転がり摩
擦要素が使用される。
車輪に連結される出力軸70は前記入力軸10
と同一直線上にかつこれと対向して配置され、軸
受72を介してハウジング74により回転可能に
支承されてり、出力軸に出力デイスク80がセレ
ーシヨン75を介して相対回転不能に取り付けら
れている。出力デイスク80は、前記入力デイス
ク50のトロイダル面54と対向する側にこれと
同様のトロイダル面84を有している。両デイス
ク50及び80間には複数個のパワーローラ90
が配置され、その外周面が各々トロイダル面54
及び84と接触している。パワーローラ90は、
トラニオン92から延びた軸94に軸受96を介
して回転可能に取り付けられており、図示しない
機構によりトラニオンを揺動(第1図中時計方向
又は反時計方向に回転)させることにより、入力
デイスク50及び出力デイスク80との接触位置
が変わるようになつている。
次に本実施例の作用効果について説明する。
入力軸10に小さな回転トルクが加わつて回転
すると第1のカム20がこれと一体的に回転し、
入力軸10に遅れて回転する第2のカム30との
間に相対回転が生じる。そのため、カム面22及
び32の並びにローラ36の作用で第2のカム3
0が第1のカム20即ち入力軸10と一体的に回
転するようになる。このとき摩擦部材は皿ばね4
2により押圧されているので入力軸のトルクが摩
擦部材の摩擦トルク以下では入力デイスク50が
カム30と一体で回転する。
更に入力軸トルクが増して入力軸10及び第1
のカム20が回転すると、カム面22及び32並
びにローラ36により第2のカム30が摩擦部材
60及び入力デイスク50に強く押圧され、摩擦
部材60の摩擦トルクが増大するが、入力軸トル
クが摩擦トルクをこえれば第2のカム30と入力
デイスク50とが相対回転し、ばね58は縮んで
摩擦トルクをこえるトルクを入力デイスクに伝達
する。その結果、第1及び第2のカム20及び3
0並びに入力デイスク50は一体化され、一体的
に回転する。入力デイスク50の回転は、パワー
ローラ90を介して出力デイスク80即ち出力軸
70に伝達されることゝなる。
本実施例によれば、第2のカム30と入力デイ
スク50との間に摩擦部材60を介装したのでト
ルク急変時に摩擦部材60の摩擦トルクをこえる
入力トルクはばね58の圧縮によつて吸収され、
入力デイスクには緩和されて伝達されるので入力
デイスク50とパワーローラ90との間ですべり
が生ずることがなく、また入力デイスク50の慣
性とばね58との共振による入力デイスク50の
捩り振動は摩擦部材の摩擦力により防止される。
また、前記入力トルクの急変を吸収、緩和するば
ね58が、変速機の軸方向長さを殆んど長くする
ことなく組み込むことができる。更に、フランジ
52により入力デイスク50が補強されて頑丈に
なり、さらに第2のカム50と入力デイスク80
とが摩擦部材60を介して互いに補強されるこ
とゝなる。
なお、本考案は、上記実施例の他にも細部につ
いてその趣旨を損ねない範囲内において適宜変
更、改良が可能であることは勿論である。
〔考案の効果〕
以上述べてきたように、本考案によれば、トロ
イダル形無段変速機において入力トルクの急激な
変化やエンジンの回転むらが生じても、これらは
入力デイスクには緩和されて伝えられるので、パ
ワーローラと入力又は出力デイスクとの間ですべ
りが生ずることが防止され、確実な動力伝達及び
変速が可能になる効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す正面断面図、
第2図は入力デイスク、ばね及び押付部材の分解
斜視図、第3図は押圧部材の反対側の斜視図であ
る。 主要部分の符号の説明、10……入力軸、20
……第1のカム(加圧装置)、30……第2のカ
ム(押圧部材)、50……入力デイスク、58…
…ばね、60……摩擦部材、70……出力軸、8
0……出力デイスク、90……パワーローラ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 回転可能な入力軸と、 該入力軸上に回転可能に取り付けられ一側面に
    トロイダル面を有する入力デイスクと、 前記入力軸上に回転可能にかつ前記入力デイス
    クのトロイダル面と反対側の側面に隣接して取り
    付けられた押圧部材と、 該押圧部材と前記入力デイスクとの間に介装さ
    れた摩擦部材と、 前記入力デイスクと前記押圧部材との間に円周
    方向に配設されたばね部材と、 前記入力軸の回転時に前記押圧部材を前記摩擦
    部材を介して前記入力デイスクに押圧する加圧装
    置と、 前記入力軸と一直線上にかつこれに対向して回
    転可能に配設された出力軸と、 該出力軸に相対回転不能に取り付けられ、トロ
    イダル面を有する出力デイスクと、 前記入力デイスクのトロイダル面と前記出力デ
    イスクのトロイダル面との間に揺動可能に介装さ
    れ、前記入力デイスクの回転を前記出力デイスク
    に伝達し、変速時には揺動されるパワーローラと
    を含むことを特徴とするトロイダル形無段変速
    機。
JP3324986U 1986-03-10 1986-03-10 Expired JPH0234509Y2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3324986U JPH0234509Y2 (ja) 1986-03-10 1986-03-10

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3324986U JPH0234509Y2 (ja) 1986-03-10 1986-03-10

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Publication Number Publication Date
JPS62146046U JPS62146046U (ja) 1987-09-14
JPH0234509Y2 true JPH0234509Y2 (ja) 1990-09-17

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JP3324986U Expired JPH0234509Y2 (ja) 1986-03-10 1986-03-10

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3539068B2 (ja) * 1996-05-23 2004-06-14 日産自動車株式会社 摩擦車式無段変速機のローディングカム駆動機構
DE10361332B4 (de) * 2003-07-11 2006-06-29 Getrag Getriebe- Und Zahnradfabrik Hermann Hagenmeyer Gmbh & Cie Kg Variatorscheibe und Variator für ein Toroidgetriebe
JP4605497B2 (ja) * 2004-09-09 2011-01-05 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機

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JPS62146046U (ja) 1987-09-14

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