JPH0234454Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 イ−１ 産業上の利用分野 この考案は自動車に用いるLPG内燃機関用燃
料供給装置の改良に関する。

イ−２ 従来の技術とその問題点 自動車のLPG内燃機関用燃料供給装置は、液
化ガスをガス化してほヾ大気圧に減圧するレギユ
レータと、減圧した燃料ガスをベンチユリのノズ
ルから吸い出して空気と混合する混合器とを具
え、レギユレータと混合器との間は燃料ホース
（燃料通路）で連通されている。

そして、スロツトルバルブ全開時にエンジンの
バルブ開閉によつて生じる吸気脈動が燃料ホース
を通つて伝達される間に増巾された圧力変動とな
つてレギユレータに作用し、その二次減圧室のダ
イアフラムを動かし、燃料供給に変動（脈動）を
生じ混合比が安定しないという問題点があつた。

このような燃料供給の変動は、自動車の加速性
能を低下させるため、変動を生じないようにして
加速性能を満足するために、燃料ホースの長さや
容積が大きな適合要素として指摘されている。

搭載上の都合でホースの長さが必要以上に長く
なつたり、制約されたりすることがあり、ホース
の間に大容量のサージタンクを必要としたりし
て、エンジン性能を満足する上で大きな問題とな
つている。圧力変動を抑えるために、実願昭58−
87543（実開昭59−192660）では、レギユレータと
混合器を連通する燃料通路中に逆止弁を設けるこ
とを提案しているが、逆止弁が可動部を有するた
め寿命が問題であるばかりでなく構造が複雑にな
るという問題点が残されている。

ロ 考案の構成 ロ−１ 問題点を解決するための手段 この考案は上記問題点を解決するために、燃料
入口４から開口度を調節する燃料調整弁５を通つ
てベンチユリ６に至る主燃料通路７を有し、該主
燃料通路の上記燃料調整弁上流から上記と同一の
ベンチユリ６に弁を介さず直通する副燃料通路を
設け、主副両燃料通路が常に流通状態にあるよう
にしたことを特徴とするものである。

ロ−２ 作用 レギユレータの二次減圧室からの燃料ガスは、
燃料ホースを通つて混合器の燃料入口に入り、燃
料調整弁を通つてベンチユリに至る主燃料通路
と、燃料調整弁上流からベンチユリに達する副燃
料通路とに分流して流れ、ベンチユリ部で空気と
混合されてエンジンに供給される。エンジンのバ
ルブ開閉で生じる吸気脈動は、混合器の前記主燃
料通路と副燃料通路とでそれぞれ位相の異なる圧
力変動として燃料ホースに伝わり互に干渉し合つ
て減衰してレギユレータの二次減圧室に伝わるた
め、燃料供給は変動（脈動）なく安定して行なわ
れる。

ロ−３ 実施例 第１図に示す第１実施例において、１は図示さ
れていない圧力容器から液化ガスの供給を受ける
レギユレータで、内部の二次減圧室で燃料ガスを
ほヾ大気圧に減圧して、燃料ホース（燃料通路）
２を介して混合器３の燃料入口４へ燃料ガスを供
給する。５は燃料調整弁、６はベンチユリ、７は
燃料入口４から燃料調整弁５を通つてベンチユリ
６に至る主燃料通路、８は負圧式パワーバルブで
ある。９と１０は副燃料通路で主燃料通路７の燃
料調整弁上流から分かれてベンチユリ６に達する
バイパス通路として形成されており、これらの副
燃料通路９と１０はそれぞれの寸法が異なつてい
る。この実施例では、副燃料通路１０は９よりも
短かい。

第２図は副燃料通路が混合器３の本体に外装さ
れたホース１１を用いているが、その作用は第１
図の第１実施例と同じである。

第３図はこの考案の作用を説明する線図で横軸
はスロツトルバルブ全開時のエンジン回転数を、
縦軸は圧力と空燃比とを示す。

主燃料通路内の圧力P₁は、副燃料通路内の圧
力P₂と打消し合つて減衰し、レギユレータ１の
二次減圧室内の圧力Ｐは小さな変動に抑えられ
る。

そのため空燃比も図示のように従来に比し安定
する。

ハ 考案の効果 レギユレータとキヤブレータをつなぐ燃料ホー
スの長さに制約されることなく混合比を安定さ
せ、加速性能を向上させることができる。しか
も、エンジンのバルブ開閉で生じる吸気脈動は、
混合器の前記主燃料通路と副燃料通路とでそれぞ
れ位相の異なる圧力変動として燃料ホースに伝わ
り互に干渉し合つて減衰してレギユレータの二次
減圧室に伝わるため、燃料供給は変動（脈動）な
く安定して行なわれる許りでなく可動部を有しな
いため、信頼性の面でも長寿命が期待できる。そ
の上主燃料通路７も副燃料通路も同一のベンチユ
リ６に通じているので、それぞれ異なるベンチユ
リ部に通じているものに比し構造が簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図はこの考案のそれぞれ異なる実
施例の一部縦断面図、第３図はこの考案の作用を
説明する図である。 １……レギユレータ、２……燃料ホース、３…
…混合器、４……燃料入口、５……燃料調整弁、
６……ベンチユリ、７……主燃料通路、９，１０
……副燃料通路、１１……副燃料通路に用いたホ
ース。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 燃料入口４から開口度を調節する燃料調整弁
   ５を通つてベンチユリ６に至る主燃料通路７
   と、該主燃料通路の上記燃料調整弁上流から上
   記と同一のベンチユリ６に弁を介さず直通し、
   主燃料通路と長さが異なる副燃料通路とを有
   し、これら主副両燃料通路が常に流通状態にあ
   るようにするとともに、更に前記主副両燃料通
   路は、前記同一のベンチユリ６に対し夫々独立
   して異なる位置に開口したことを特徴とする内
   燃機関用燃料供給装置。 ２ 副燃料通路はその数が複数であつて、それぞ
   れ寸法が異なるものを混合器に設けたことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   内燃機関用燃料供給装置。 ３ 副燃料通路は混合器本体に外装されたホース
   を用いていることを特徴とする内燃機関用燃料
   供給装置。