JPH0234321B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はヒトの毛髪の染色に使用することを意
図とした組成物に関する。さらに詳しくは、酸化
染毛剤でありながら、染毛時のPHが弱酸性である
組成物に関する。 従来、アミン系酸化染料としてパラフエニレン
ジアミン、パラアミノフエノール、硫酸トルエン
２，５−ジアミン等を配合した第１剤と過酸化水
素を配合した第２剤よりなる酸化染毛剤は、褪色
が少なく、白髪をカバーできることから、広く賞
用されている。 しかし、従来の酸化染毛剤は、アルカリ剤が多
く入つているため、PH10以上となり、毛髪が著し
く損傷されるとか、においや刺激があるとかの問
題がある。また、メラニン色素を破壊してブリー
チを行うための酸化をしていることから、褪色が
早く、美しい染まりを維持することは困難であ
る。 一方、酸性染料を用いた一次染毛剤が市販され
ているけれども、この場合には十分な堅牢度が得
られにくく、また色調にも問題がみられる。 本発明者らは、酸化染毛剤の長所をそのまま残
し、上記の問題を解消すべく鋭意研究した結果、
本発明に到達した。 すなわち、本発明によれば、(a)アミン系酸化染
料、(b)コラーゲン加水分解物誘導体、(c)糊剤およ
び水を含み、アルカリ剤を含有しない第１剤と、
(d)過酸化水素、(e)PH調整剤、(f)安定化剤および水
を含む第２剤とからなる、酸性永久酸化染毛剤組
成物が提供される。 本発明で用いる(a)成分すなわちアミン系酸化染
料としては、アミノニトロフエノール類、アミノ
フエノール類、フエニレンジアミン類、ジアミノ
アントラキノン類、ジアミノピリジン類、ジフエ
ニルアミン類、トルイレンジアミン類、ニトロフ
エニレンジアミン類、アミノクレゾール類、クロ
ルフエニレンジアミン類、メトキシフエニレンジ
アミン類、ジアミノフエニルアミン類、Ｎ−フエ
ニルフエニレンジアミン類、及びそれらの金属
塩、アンモニウム塩または硫酸塩等があり、これ
らは単独で用いられてもよく、２種以上混合して
用いられてもよい。第１剤中における(a)成分の配
合量は0.01〜５重量％である。 本発明で用いる(b)成分は、毛髪への染料の浸透
および染着を向上させ、毛髪の損傷を防ぐために
有用であり、このコラーゲン加水分解物誘導体に
はアシル化物も含まれる。かかるコラーゲン加水
分解物誘導体の具体例としては、次のものを挙げ
ることができる。すなわち、ヤシ油脂肪酸コラー
ゲンペプチドナトリウム、イソステアリン酸コラ
ーゲンペプチドトリエタノールアミン、オレイン
酸コラーゲンペプチドカリウム、加水分解コラー
ゲン液、加水分解コラーゲン四級アンモニウム塩
等である。 (c)成分は、捺染糊における糊剤と同様に、この
第１剤が毛髪に均一に塗布されるようにするため
のものであり、その種類は特に限定されないけれ
ども、典型的にはアルギン酸ソーダを用いるのが
よい。従来の高アルカリかつ高PHのものと比較し
て、この第１剤にはアルカリ剤は全く加えられて
いないので、本発明の組成物によれば、PH６以下
で染毛を行うことが可能となる。 第２剤における(d)成分の過酸化水素は、第１剤
中の酸化染料を発色せしめるためのものであり、
３〜６％の濃度の水溶液として用いられるのがよ
い。 (e)成分は、染色時のPHを弱酸性に保つためのも
のであり、これによつて第２剤のPHは、第１剤と
第２剤とを重量比１：１で配合して用いるときに
この組成物のPHが６以下になるように、２付近に
調整されているのがよい。このようなPH調整剤と
しては、例えば、リン酸、クエン酸、乳酸および
dl−ピロリドンカルボン酸から選ばれる１種また
は２種以上を用いることができる。 (f)成分は、過酸化水素の安定のために用いられ
る。かかる安定剤の具体例としては、ピロリン酸
ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ペンタ
ナトリウム、ポリオキシエチレン（５〜20E.O.）
セチルエーテルおよびポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル（２〜10E.O.）から選ばれる１種また
は２種以上を挙げることができる。 以上で構成された第１剤と第２剤を、例えば、
重量比１：１で配合して毛髪の染色を行えば、従
来にない、弱酸性のPHで十分な染毛を行うことが
できる。 本発明の染色剤組成物においては、特に、アル
カリ剤を使用していないので、アルカリによる毛
髪の損傷や刺激が抑制され、毛髪を酸化したり、
メラニン色素を破壊する作用が低減される。ま
た、パーマのウエーブダウンがないとか、仕上が
りや艶にも従来にないメリツトが得られる。 次に、実施例により、本発明の構成および効果
についてさらに説明する。 実施例 １ 第１剤の調製 (a) 成分 パラフエニレンジアミン 2.0ｇ パラアミノフエノール 0.5ｇ (b) 成分 ヤシ油脂肪酸コラーゲン ペプチドナトリウム 1.0ｇ (c) 成分 アルギン酸ソーダ 2.0ｇ のほか、セタノール、乳化剤および精製水を加え
て、合計で100ｇのクリームを作る。PHは8.0であ
つた。 第２剤の調製 (d) 成分 35％過酸化水素水 17.0ｇ (e) 成分 リン酸 1.0ｇ (f) 成分 ジエチレントリアミン五酢酸ペンタナ
トリウム 0.1ｇ および精製水を加えて、合計で100ｇとする。
PHは2.1であつた。 次に、上記の第１剤60ｇと第２剤60ｇとをとり
混合するとPH６となつた。これを白髪まじりの髪
に塗布し、25℃で30分間放置し、水洗および乾燥
すると、白髪は艶のある、日本人に自然な色であ
る黒褐色に染まつた。 また、黒い毛はブリーチされていないので、時
間が経過しても、染毛前の色より明るくなること
はなかつた。 実施例 ２ 実施例１を繰り返したが、第１剤および第２剤
の調製は下記によつた。 第１剤の調製 (a) 成分 パラフエニレンジアミン 1.5ｇ メタアミノフエノール 0.6ｇ パラアミノフエノール 0.5ｇ (b) 成分 イソステアリン酸コラーゲンペプチド
トリメタノールアミン 1.0ｇ (c) 成分 ヒドロキシエチルセルロース 1.5ｇ のほか、ホオバ油、スクワラン、セタノール、乳
化剤および精製水を加えて合計で100ｇの乳液と
する。PHは8.3であつた。 第２剤の調製 (d) 成分 36％過酸化水素水 17.0ｇ (e) 成分 クエン酸 1.0ｇ (f) 成分 ジエチレントリアミン五酢酸ペンタナ
トリウム 0.1ｇ のほか、セタノール、乳化剤および精製水を加え
て、合計で100ｇの乳液とする。PHは2.0であつ
た。 実施例 ３ 実施例１を繰り返したが、第１剤および第２剤
の調製は下記によつた。 第１剤の調製 (a) 成分 パラフエニレンジアミン 1.0ｇ 硫酸トルエン−２，５−ジアミン
0.3ｇ パラアミノフエノール 0.5ｇ (b) 成分 加水分解コラーゲン液（MW4000）
1.5ｇ (c) 成分 カルボキシメチルセルロース 2.0ｇ のほか、流動バラフイン、ミリスチン酸イソプロ
ピル、乳化剤および精製水を加えて合計で100ｇ
のゲルとする。PHは8.2であつた。 第２剤の調製 (d) 成分 35％過酸化水素水 14.0ｇ (e) 成分 乳酸 1.0ｇ (f) 成分 ジエチレントリアミン五酢酸ペンタナ
トリウム 0.1ｇ ポリオキシエチレンオレイルエーテル
（5E.O.） 0.5ｇ のほか、精製水を加えて合計で100ｇの液状品と
する。PHは2.1であつた。 実施例 ４ 実施例１を繰り返したが、第１剤および第２剤
の調製は下記によつた。 第１剤の調製 (a) 成分 パラフエニレンジアミン 0.5ｇ パラアミノジフエニルアミン 3.0ｇ ニトロパラフエニレンジアミン 0.2ｇ パラアミノフエノール 0.1ｇ (b) 成分 加水分解コラーゲン四級アンモニウム
塩 1.5ｇ (c) 成分 アルギン酸ナトリウム 2.0ｇ のほか、セタノール、塩化ステアリルトリメチル
アンモニウム、グリセリン、乳化剤および精製水
を加えて合計で100ｇのクリームとする。PHは8.3
であつた。 第２剤の調製 (d) 成分 35％過酸化水素水 17.0ｇ (e) 成分 dl−ピロリドンカルボン酸 0.5ｇ 乳酸 0.5ｇ (f) 成分 ピロリドン酸ナトリウム 1.0ｇ のほか、精製水を加えて合計で100ｇの液状品と
する。PHは2.0であつた。 比較例 実施例１を繰り返したが、第１剤および第２剤
の調製は下記によつた。 第１剤の調製 パラフエニレンジアミン 2.0ｇ パラアミノジフエニルアミン 0.1ｇ レゾルシン 0.06ｇ イソプロパノール 20.0ｇ 親油性モノステアリン酸グリセリン 5.0ｇ オレイン酸 5.0ｇ 28％アンモニア水 7.0ｇ のほか、精製水を加えて合計で100ｇの乳液とす
る。PHは11.3であつた。 第２剤の調製 35％過酸化水素水 17.0ｇ のほか、セタノール、乳化剤および精製水を加え
て合計で100ｇの乳液とする。PHは3.9であつた。 〔性能比較テスト〕 上記実施例および比較例で得られた組成物を用
いて、性能比較テストを行つた。結果を下記に示
す。 【表】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ (a)アミン系酸化染料、(b)コラーゲン加水分解
   物誘導体、(c)糊剤および水を含み、アルカリ剤を
   含有しない第１剤と、(d)過酸化水素、(e)PH調整
   剤、(f)安定化剤および水を含む第２剤とからな
   る、酸性永久酸化染毛剤組成物。