JPH0233725Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はコツプを備えた保温水筒、水筒、魔
法瓶などの液体容器に関する。

（従来の技術） 一般に、この種の液体容器のコツプは、容器本
体をなす肩部材や底部材に形成した雄ねじに、該
コツプの雌ねじを螺合することによつて外蓋も兼
ねさせたもので、しかもコツプの飲み口である開
口縁は外部に露出したままであつた。

（考案が解決しようとする問題点） しかるに、上記従来例のもののコツプでは、コ
ツプの飲み口開口縁に塵芥が付着して、非衛生で
あつた。

この考案は、上記問題点を解消したものを提供
するものである。

（問題点を解決するための手段） この考案は、上記問題点を解決する手段とし
て、容器本体をなす肩部材や底部材等の適所にコ
ツプ嵌合部を形成し、このコツプ嵌合部内にコツ
プの少なくとも飲み口開口縁を収納隠蔽するよう
にしたコツプを備えた液体容器であつて、前記コ
ツプ嵌合部内にコツプを収納した状態において、
コツプ嵌合部用外側壁とコツプの少なくとも飲み
口開口縁との間には隙間が形成されるように構成
してなるものである。

（実施例） この考案の第１実施例を第１図に基づいて以下
に説明する。

１は液体容器の容器本体で、この容器本体１
は、外装ケース２と、該外装ケース２の上端折曲
部２ａを後述するコツプ嵌合部用外側壁１０，２
０との間に挟着した肩部材３と、外装ケース２の
下端巻込部２ｂ内側に嵌め込んだ底ワツパ５に螺
合した底部材４とからなつている。

６は中瓶、７は中瓶６の上部開口を閉塞する栓
体であつて、該栓体７の外環状筒部７ａを肩部材
３の外側壁に螺合するようにしてある。８は中瓶
６の瓶底を支持する瓶底支持部材で、底部材４の
内筒部４ａに螺合している。

前記肩部材３の下部には有底筒状の凹陥部９を
形成し、この凹陥部９の内側壁に雌ねじ９ａを形
成している。

一方、前記凹陥部９の雌ねじ９ａに螺合される
雄ねじ１１を有する小径筒部１０ａと、該小径筒
部１０ａより上方に延ばし、かつ上部に雌ねじ１
２を有する大径筒部１０ｂとからなる断面が略漏
斗状で環状のコツプ嵌合部用外側壁１０が、凹陥
部９に立設してある。すなわち、前記コツプ嵌合
部用外側壁１０の小径筒部１０ａの雄ねじ１１を
凹陥部９の雌ねじ９ａに螺合して行く際に、雌ね
じ９ａの上端面と、コツプ嵌合部用外側壁１０の
小径筒部１０ａ及び大径筒部１０ｂ間の接続段部
１０ｃとの間に、外装ケース２の折曲部２ａを挟
持させ、コツプ嵌合部用外側壁１０を完全にねじ
込むことにより折曲部２ａを肩部材３とコツプ嵌
合部用外側壁１０間に結合する。

そして、蓋兼用のコツプ１３の側壁には飲み口
開口縁１４近傍をを避けた位置に雄ねじ１５が形
成され、この雄ねじ１５をコツプ嵌合部用外側壁
１０の雌ねじ１２に螺合し、このコツプ１３で肩
部材３と栓体７とを被蓋する。従つて、コツプ嵌
合部用外側壁１０の側壁（つまり図では大径筒部
１０ｂ）の内側に形成したコツプ嵌合部２８に、
少なくともコツプ１３の飲み口開口縁１４を収納
し隠蔽している。また、前記コツプ嵌合部２８内
にコツプ１３を収納した状態において、コツプ嵌
合部２８の外側壁１０とコツプ１３の少なくとも
飲み口開口縁１４との間には隙間イを形成してい
る。

なお、この実施例では肩部材３の水平部に小突
起１９を形成し、この小突起１９上にコツプ１３
の飲み口開口縁１４の一部を点状に支持させるよ
うにして、該飲み口開口縁１４の全面が肩部材３
に接触するのを防止している。これによつて、コ
ツプの飲み口開口縁１４の口部が汚れないように
している。

前記コツプ嵌合部用外側壁１０の相対向位置に
は吊紐取付用の耳片１６，１６ａを突設してあ
り、料耳片１６，１６ａに吊紐を取付けて、容器
本体を正立姿勢で携帯できるようにしてある。

また、この実施例では、底部材４にもコツプ１
３，２３のコツプ嵌合部用外側壁２０を設け、こ
のコツプ嵌合部用外側壁２０の内側に形成したコ
ツプ嵌合部２８内に少なくともコツプ２３の飲み
口開口縁１４，２４を収納し隠蔽するようにして
いる。すなわち、底部材４の内筒部４ａ外側に凹
陥状のコツプ嵌合部２８を形成し、このコツプ嵌
合部２８の上板部２５より上方に底ワツパ５に螺
合される上部筒部４ｂを立設し、該上部筒部４ｂ
を底ワツパ５に螺着したときにコツプ嵌合部２８
の外周側壁は外装ケース２と略同一面をなすよう
にしている。そして、前記コツプ嵌合部２８に蓋
兼用のコツプ１３を両者のねじ部２１，２２で螺
合するようにしてあり、コツプ２３の被蓋終了時
においてコツプ２３の飲み口開口縁２４はコツプ
嵌合部用外側壁２０の内側のコツプ嵌合部２８に
収納し隠蔽してある。この場合もコツプ２３の飲
み口開口縁２４は小突起２９により保持部２０に
接触しないようにしてある。

また、この場合も前述したように、コツプ嵌合
部２８内にコツプ２３を収納した状態において、
コツプ嵌合部２８の外側壁２０とコツプ２３の少
なくとも飲み口開口縁２４との間に隙間イを形成
している。

なお、１６ｂは前記耳片１６の垂直線上に同様
に突出形成した吊紐取付用の耳片で、この耳片１
６ｂと上記耳片１６とに吊紐を取り付けることに
よつて、器体を横倒した状態でも持ち運びでき
る。１７は格子状の装飾部である。

上記実施例では上下両部のコツプ嵌合部用外側
壁１０，２０は環状に立て又は垂下しているが、
環状でないものも形成できる。

第２図ないし第４図はそれぞれ第２ないし第４
の実施例を示しており、何れも肩部材３とコツプ
嵌合部用外側壁１０を一体に成形して外装ケース
２と固定すると同時に、コツプ嵌合部用外側壁１
０と肩部材３の栓体螺合部との間には大小何れか
の凹陥状のコツプ嵌合部２８を形成し、その凹陥
状のコツプ嵌合部２８にコツプ１３を収納して、
コツプ１３の飲み口開口縁１４が前記コツプ嵌合
部２８で隠蔽されていると共に、前記コツプ嵌合
部２８内にコツプ１３を収納した状態で、コツプ
嵌合部２８のコツプ嵌合部用外側壁１０とコツプ
１３の少なくとも飲み口開口縁１４との間には隙
間イが形成されている点では共通する。しかし各
図は以下の点でそれぞれ特徴を有する。

すなわち、第２図のものは、肩部材３の外周近
くに形成した小径筒部の内周壁の雄ねじ２８ａ
に、コツプ１３の飲み口開口縁１４に形成した雌
ねじ１５ａを螺合してなるものである。

第３図のものは、コツプ嵌合部２８をコツプ嵌
合部用外側壁１０の内側壁上部に係合凹部３３を
形成すると共に、コツプ１３の外周側壁に係合突
起３４を突設し、この係合突起３４を係合凹部３
３に弾性的に係合することによつて、コツプ１３
を着脱自在とする一方、該コツプ１３の係合突起
３４より少し上方には鍔部１３ａを形成し、この
鍔部１３ａによつて、コツプ装着時にコツプ嵌合
部用外側壁１０とコツプ１３との結合部の隙間よ
り塵芥などが侵入するのを防ぐと同時に、該結合
部を隠し、しかもコツプ１３の装着時における位
置決めともなるものである。なお、前記の如き弾
性的結合に代えて螺合方式その他の結合方式でも
適宜採用できる。また、コツプ１３外周側壁には
前記鍔部１３ａより上部にコツプ嵌合部用外側壁
１０外面と同一面としたローレツトを形成すれ
ば、回動時のすべり止めとなる。

第４図のものは、第２図のものと略同様に形成
してあるが、この場合の肩部材３の下部には雄ね
じ３９を形成する一方、外装ケース２の上部折曲
部２ａ下方には雌ねじ４０を形成したリング体４
１の雌ねじ４０に肩部材３の雄ねじ３９を螺合す
ることにより、肩部材３を外装ケース２に結合す
る点で第２図のものとは異なる。なお、この場
合、リング体４１とコツプ嵌合部用外側壁１０の
回り止めを防ぐあめに、ビス３８で外装ケース２
とリング体４１とコツプ嵌合部用外側壁１０下部
とを結合してある。また、コツプ１３のねじ部は
雄ねじとし、該ねじをコツプ嵌合部用外側壁１０
の雌ねじに螺合すうようにすることもできる。

第５図は第５実施例を示し、このものは、肩部
材３とコツプ嵌合部用外側壁１０とは別体に構成
し、外装ケース２の水平段部部４２下方に肩部材
３の下部折曲部３ａを係合する一方、外装ケース
２の水平段部部４２内端に筒体４３を連続的に立
設し、この筒体４３をコツプ嵌合部用外側壁１０
下部の凹部１０ｅに係入させ、肩部材３側壁に形
成した雄ねじ４４にコツプ嵌合部用外側壁１０の
雌ねじ４５を螺合して、外装ケース２と肩部材３
とコツプ嵌合部用外側壁１０とを結合してなるも
ので、この場合にコツプ１３はコツプ嵌合部用外
側壁１０の内側壁にヘリコイドにより着脱自在と
してある。また、前述の如きコツプ嵌合部２８の
コツプ嵌合部用外側壁１０の少なくとも飲み口開
口縁１４の間に隙間イが形成されているのは勿論
である。４６は肩部材３の傾斜面４７に当接さ
れ、前記雄ねじ４４と雌ねじ４５とを隠す隠し
板、４９は外装ケース２内に水が浸入しないよう
にしたＯリングである。なお、図示しないが、肩
部材３の雄ねじ４４の最終端部を雌ねじ４５の最
終端部の突部（図示せず）に係合するなどして、
両ねじの最終螺合時の位置決め部材を設けてい
る。と共に、外装ケース２の筒体４３とコツプ嵌
合部用外側壁１０下部とも、前者に係合凹部を後
者に係合突起を形成し、両回り止め部材によつ
て、回り止めを行つている。

第６図は第６実施例を示し、このものは、外装
ケース２と肩部材３とコツプ嵌合部用外側壁１
０、とを合成樹脂の射出成形法等によつて一体成
形し、このコツプ嵌合部用外側壁１０と肩部材３
とで形成されるコツプ嵌合部２８にコツプ１３の
下部を嵌合すべくコツプ嵌合部用外側壁１０と螺
着してなる点に特徴をもち、これによれば外装ケ
ース２が鋼板であるのに比べ作業工程が省略され
るなどの利点がある。また、各実施例の如き隙間
イが形成されていることは勿論である。

第７図は底部材４にコツプ嵌合部用外側壁２０
を設け、このコツプ嵌合部用外側壁２０にコツプ
２３を保持させてなる第７実施例を示すもので、
この場合の底部材４のコツプ嵌合部用外側壁２０
と内筒部４ａとの間には中筒部４ｄを垂下し、こ
の中筒部４ｄに底カバー５０を取付けてなるもの
である。その取付け構造は同図の如く、ヘリコイ
ド突条５１と凹部５２との結合によつてもよく、
或いは無理嵌め方式、又は螺合方式など任意に設
計し得る。

このような底カバー５０を取り付けると、万
一、中瓶６が破損するようなことがあつても、瓶
底支持部材８と内筒部４ａの螺着部を通してその
破片や内容液が該カバー５０に収納されるので安
全であり、しかもコツプ１３と取つたときに底板
としても利用できるので床面上に安定して載置で
きる。その上、この底カバー５０が瓶底支持部材
８と内筒部４ａとの螺合部を隠すこともできる。
また、各実施例で示した隙間イが形成されている
ことは勿論である。

第１図と第６図においても、底部材４のコツプ
嵌合部用外側壁２０にコツプ２３を保持させて、
少なくともコツプ１３の飲み口開口縁２４をコツ
プ嵌合部用外側壁２０で隠蔽してあるが、この第
１図，第６図及び第７図の場合において、コツプ
２３が螺合される底部材４と外装ケース２との結
合は、種々設計変更でき、これらの構造に限定さ
れるものではない。

（考案の効果） この考案によれば、容器本体をなす肩部材や底
部材等の適所にコツプ嵌合部を形成し、このコツ
プ嵌合部２８内にコツプの少なくとも飲み口開口
縁を収納隠蔽するようにしてなるから、コツプの
少なくとも飲み口開口縁には塵芥などが付着する
ことがない。

また、前記コツプ嵌合部内にコツプを嵌合した
状態において、コツプ嵌合部用外側壁とコツプの
少なくとも飲み口開口縁との間には隙間が形成さ
れているから、上記効果に加え、コツプの飲み口
開口縁がコツプ嵌合部用外側壁に接触することが
ないので、一層塵芥の付着を防止できる上に、器
体内の内容液をこのコツプで衛生的に飲める。

【図面の簡単な説明】

図は何れもこの考案の実施例を示すものであ
り、第１図は第１実施例で半分を縦断して示した
側面図、第２図ないし第５図は第２ないし第５実
施例の要部縦断面図、第６図は第６実施例の半部
を縦断して示した側面図、第７図は第７実施例の
要部縦断側面図である。 １……容器本体、３……肩部材、４……底部
材、１０，２０……コツプ嵌合部用外側壁、１
３，２３……コツプ、１４，２４……飲み口開口
縁、２８……コツプ嵌合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器本体１をなす肩部材３や底部材４等の適所
   にコツプ嵌合部２８を形成し、このコツプ嵌合部
   ２８内にコツプ１３，２３の少なくとも飲み口開
   口縁１４，２４を嵌合するようにしたコツプを備
   えた液体容器であつて、 前記コツプ嵌合部２８内にコツプ１３，２３を
   収納した状態において、コツプ嵌合部用外側壁１
   ０，２０とコツプ１３，２３の少なくとも飲み口
   開口縁１４，２４との間には隙間イが形成される
   ようにしてあることを特徴とするコツプを備えた
   液体容器。