JPH0128739Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、飲料水等を収容するための液体容
器に関するものである。

容器本体の上端部にコツプを被せた液体容器が
広く知られているが、上記従来の液体容器は転倒
事故や落下事故のため容器本体やコツプを損傷す
ることがあつた。また、液体容器内の熱湯を注い
だコツプはきわめて熱くなるので、手で持つこと
が苦痛であつた。さらに、容器本体に螺着された
コツプを緩めるときにコツプの外周面が滑りやす
いので余計な力を必要とした。

この考案は、上記損傷を効果的に防止するため
の保護手段をそなえるとともに、コツプを持つた
手に熱が伝わりにくく、しかも容器本体に螺着さ
れているコツプを緩めやすい液体容器を提供する
ものであり、その特徴とするところは、前記コツ
プの上端部に該上端部と同一上端面を有するか、
またはそれよりも上方に突出する緩衝材が該コツ
プの側面部から上端面部に亘つて設けられている
点にある。以下、図面にあらわされた実施例につ
いて説明する。

第１図は本考案にかかる液体容器の１例をあら
わす側面図および第２図はその縦断面図である。
この液体容器は合成樹脂、金属材料等でつくられ
る外ケース２の内部に真空二重瓶である中容器３
を収納し、上部に肩部材４を、また下部に底部材
５を配してなる容器本体１と、注液口となる肩部
材４の開口部４ａを閉塞する開閉自在な栓体６
と、コツプ７および保護キヤツプ１６をそなえて
いる。外ケース２は円筒状に形成され、その上端
部と下端部は小径のねじ部２ａ，２ｂとなつてい
る。外ケース２の上端部のねじ部２ａには、肩部
材４の下端部に一体に形成された環状凸状１７の
内側に設けた取付ねじが螺合し、この状態では肩
部材４がリング状のパツキン９を介して中容器３
に当接した状態で固定されている。還状凸状１７
の外周部には耳状に突出した１対の吊り紐取付け
具１２′が設けられ、これに吊り環１３を介して
吊り紐１４が取り付けられている。

栓体６は、断熱材６ｄを内蔵し、肩部材４の口
部ねじ４ｃにその張出部に設けられたねじ６ａを
螺合させることにより肩部材４に着脱自在に取り
付けられるもので、施栓時において栓体６の凸状
曲面をなす鍔部６ｂが肩部材４のラツパ口４ｅ内
面に密着し、中容器３内に保持されている液体の
流出を防止するとともに、栓体６の下部６ｃが中
容器３の開口部へ嵌入し、保温効果を向上させ
る。なお、栓体６は開口部を開閉自在に閉塞する
ものであればよく、図示例のような螺着式とする
かわりに、肩部材４の開口部４ａに圧入するよう
にしてもよい。

外ケース２の下端部のねじ部２ｂには、底部材
５がその上端部に一体に形成されている環状凸状
１７′の内側に設けられたねじ５ｈによつて螺着
されている。底部材５の中央部には筒状の空洞部
５ｂが形成され、その内壁に設けられたねじ５ｇ
に、ラツパ口状受座１０ａをそなえた受具１０が
螺着されて、中容器３の底部を支えている。な
お、上記空洞部５ｂの周壁５ｆから半径方向に沿
つて複数個の補強用リブ５ｄが設けられている。
前記上下の環状凸状１７，１７′は、外ケース２
の保護のために設けられるもので、これを設けて
おけば液体容器が転倒した場合にも外ケースが地
面等に接触して損傷するような事故が防がれる
が、必ずしも設けておく必要はない。図示例では
下側の環状凸状１７′にも吊り紐取付け具１２″が
設けられているが、このようにしておくと吊り紐
を上下の環条凸条間にかけわたし、液体容器を水
平にねかせた状態で吊り下げることもできるよう
になるので便利である。

コツプ７は、肩部材４の上記環条凸条１７の直
上部に設けたねじに、その口部に設けたねじを螺
合（Ｐ）させることにより、容器本体１に取り付
けられる。このコツプ７は、容器本体の開口部の
汚れを防止するとともに、取り外したときには反
転してコツプとして利用することができるもの
で、その上端部（コツプとして用いる場合に下端
面となる部分）には緩衝材８′が設けられている。
すなわち、コツプ７の上端外周部には、全周にわ
たつて頂部が上に凸な曲面をなす糸底状の環状リ
ム７ａが設けられ、この部分に、外周部が上に凸
な環状の突出部（隆起部）８c′となり、その内側
は凹部となつた皿状の緩衝材８′が嵌着されてい
る。緩衝材８′の上記突出部８c′の下面側には環
状の溝８d′が設けられ、この溝８d′にコツプ７の
上記リム７ａが嵌合している。リム７ａの付根部
には全周にわたつて凹条７ｂが設けられ、緩衝材
８′の溝８d′下縁部に全周にわたつて断面カギ形
に設けられた内向張出片８e′が前記凹条７ｂに嵌
合している。この構造のため、コツプ７の上端角
部にはその側面部から上面部に亘つて緩衝材８′
が設けられ、該コツプの角部が緩衝材８′で構成
された形となつている。緩衝材８′および後述の
緩衝材８は、ゴムや発泡樹脂等で形成されるもの
で、それ自体の弾性を利用してコツプ７に無理嵌
め式に嵌着されるが、この場合コツプ７のリム７
ａの上端部が上に凸な曲面をなすので、両者の嵌
合が容易であり、一旦嵌合された後は上記凹条７
ｂと張出片８e′との嵌合により、容易に脱落する
ことがなくなる。なお、前述の如く緩衝材８′の
中央部が凹部となつているので、コツプ７をテー
ブル面上等に載置したとき、安定性が高くなる。
上記緩衝材８′の外周面は、コツプの外周面と同
一面として形成されているが、緩衝材８′の外径
を大きくして、コツプの外周面よりも外方に突出
させておけば、転倒時等にコツプ７の外周部が直
接衝撃を受けなくなるので有利である。また、緩
衝材８′は、その上端面がコツプ７の上端面と同
一面となるように設けておいてもよい。

保護キヤツプ１６は、底部材５の前記環状凸状
１７の直下部に設けたねじに、その口部に設けた
ねじを螺合（Ｑ）させることにより取り付けられ
ている。保護キヤツプ１６の下端部には前記コツ
プ７の場合と同様に、下端部が下に凸な曲面をな
す環状のリム１６ａが設けられ、その付根部外周
に凹条１６ｂが全周にわたつて形成されている。
保護キヤツプ１６の下端部には緩衝材８が取り付
けられるが、この緩衝材８は上記コツプ用の緩衝
材８′と同様な形状に形成されている。すなわち、
緩衝材８の下端部には全周にわたつて環状の突出
部８ｃが形成され、この突出部８ｃの上面側には
環状の溝８ｄが設けられるとともに、該溝８ｄ上
縁部には全周にわたつて断面カギ形の内向張出縁
８ｅが設けられている。この緩衝材８も溝８ｄに
リム１６ａを嵌合させることにより保護キヤツプ
１６に取り付けられ、一旦嵌着された後は張出片
８e′が凹条１６ｂに嵌合するので確実に保持され
る。この場合も緩衝材８の下端部に糸底状の突出
部８ｃが全周にわたつて形成され、その内側は凹
部となつているので、液体容器をテーブル面上等
に載置する場合に安定性が良好である。また、地
面等に置く場合に汚れが少なくとすむという利点
もある。なお、下側の緩衝材８として摩擦係数の
高い材料が使用されるので、テーブル上に載置し
た場合等における安定性がよくなるので好まし
い。また、コツプ７の緩衝材８′の材質も同様に
摩擦係数が高いので、容器本体に螺着されたコツ
プを緩めるとき、この部分に指をかければ緩めや
すい。さらに緩衝材８′は断熱性に富んだ材料で
形成されるので、熱湯を飲む場合等にこの部分を
持てば人手に熱が伝わらず、苦痛を感じなくてす
むという大きな利点がある。

上記保護キヤツプ１６もコツプ７と同様にコツ
プとして利用することができるものであり、これ
を設けておけば多人数で利用する場合に便利であ
るが、必ずしも必要なものではなく、第３図以下
に例示するように緩衝材８を容器本体１の底部に
直接取り付けてもよい。また、下部の緩衝材８
は、その下端面が液体容器の下端面と同一平面に
なるように設けておいてもよい。

第３図は、外ケース２の下部にフランジ２ｃを
設けるとともに、その直下部にねじ部２ｂを設
け、これに螺合する底部材５の螺合部５ａ外周部
に形成したねじ部に、側壁部内面にねじ８ｃをそ
なえた保護キヤツプ状の緩衝材８を螺着した例を
あらわす。緩衝材８の底面中央部は凹部８ａとな
つている。この例では、緩衝材８が容器本体１に
螺着されるため、その着脱が容易であり、洗滌な
どを行なう場合に便利である。

第４図は、底部中央部が切り抜かれたリング状
の緩衝材８を使用する例をあらわす。緩衝材８の
上端部には内側に突出する掛止縁８ｂが全周にわ
たつて形成され、外ケース２と底部材５との螺合
部を包み込むようにして、上記掛止縁８ｂを外ケ
ースに設けたフランジ２ｃ上面部に無理嵌め式に
掛止することにより、緩衝材８が容器本体に取り
付けられている。この例では容器本体の下部外周
部にも緩衝材が突出しているので、外周部を保護
するうえで効果的である。

第５図は金属板でつくられた外ケース２に凹条
２ｄを形成し、これに緩衝材８の掛止縁８ｂを嵌
入させることにより、緩衝材８を保護するように
した例をあらわす。この例でも、容器本体１の外
周面よりも外方に緩衝材８が突出するので、容器
本体の外周部が保護される。なお、同図の例とは
逆に、外ケース２に凸条を形成し、内面に凹条を
そなえたキヤツプ条の緩衝材を嵌着するようにし
てもよい。

本考案にかかる液体容器は、上部に肩部材を有
する容器本体と、前記肩部材に形成した開口部を
閉塞する栓体と、前記肩部材を覆蓋するコツプを
そなえた液体容器であつて、前記コツプの上端部
に、該上端部と同一端面を有するか、またはそれ
よりも上方に突出する緩衝材が該コツプの側面部
から上端面部に亘つて設けられているので、落下
衝突等による衝撃を吸収して容器本体やコツプを
効果的に保護することができる。また、この緩衝
材は断熱性にすぐれ、摩擦係数が高いので、熱湯
をコツプに注いだ場合に手に熱さを感じにくく、
しかも容器本体に螺着されているコツプの取り外
しが容易となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる液体容器の１例をあら
わす側面図、第２図はその縦断面図、第３図から
第５図までは異なる実施例をあらわす部分断面図
である。図中Ｘ−Ｘ線は液体容器の中心線をあら
わす。 １……容器本体、２……外ケース、３……中容
器、４……肩部材、５……底部材、６……栓体、
７……コツプ、８，８′……緩衝材、１６……保
護キヤツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上部に肩部材を有する容器本体と、前記肩部
   材に形成した開口部を閉塞する栓体と、前記肩
   部材を覆蓋するコツプをそなえた液体容器であ
   つて、前記コツプの上端部に、該上端部と同一
   上端面を有するか、またはそれよりも上方に突
   出する緩衝材が該コツプの側面部から上端面部
   に亘つて設けられていることを特徴とする液体
   容器。 (2) 緩衝材の外周面が、液体容器の外周面と同一
   面、もしくは液体容器の外周面よりも外方に突
   出する面として形成されている実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の液体容器。