JPH0233524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、中空パネル内部に透湿性パイプを配
して通気路を確保し、外壁パネル内部に生じる結
露等による水分の滞留を防止した外壁パネルの構
造に関するものである。

建物の外壁に用いられるパネルの内部には、パ
ネルの外壁側と内壁側との温度差により結露が生
じやすく、結露が生じると、パネル内部に充填し
たグラスウール等の断熱材の断熱性能が低下し、
又パネルの芯材等の含水率が上昇してパネルが腐
販する等の障害が起こる虞があつた。

また、従来より、外壁パネル内部の結露防止に
ついて種々の考案が提案されているが、何れのも
のも、必ずしも充分な結露防止効果を有せず、結
露が生じた場合には、結露水のパネル内部におけ
る滞留を防止しがたく、また結露防止のための通
気部から虫等が外壁パネルの内部に入り易い等の
問題があつた。

本考案は、特殊な通気パイプをパネル内部に配
設することにより、上述の虞乃至問題を排除した
外壁パネルの構造を提供するもので、外壁側の面
材と内壁側の面材との間に、外壁側の面材との間
に空隙を設けて断熱材を充填した外壁パネルにお
いて、上記空隙に、外壁側の面材の内面に沿つて
透湿性パイプを配し、且つ該透湿性パイプの上端
部及び下端部を屋外に連通させたことを特徴とす
るものである。

以下、本考案の外壁パネルの構造を図面に示す
実施例について説明する。

図面は本考案の外壁パネルの実施例の要部を示
す縦断面図で、１は外壁側の面材、２は内壁側の
面材、３はこれらの面材１，２間に充填したグラ
スウール等の断熱材であり、以上の構成は通常の
中空外壁パネルの構造と何等変わるものではな
く、図示してないが、パネルの周囲には枠材が、
また内部には芯材が配されている。

而して、本考案の外壁パネルは、上述のパネル
の内部に図示の如く面材１の内面に沿つて鉛直方
向に透湿性パイプ４を配してある。この透湿性パ
イプ４の構成材としては、紙、多孔質樹脂等、透
湿性を有し且つ虫等の通過を阻止する大きさの孔
を無数有するものが選択される。また、断熱材３
はパネルの外壁側の面材１との間に空隙５を設け
て充填してあり、この空隙５に透湿性パイプ４を
配してある。

尚、上記の透湿性パイプ４は、通常、一つのパ
ネル内に所定間隔を置いて複数本配される。ま
た、図示してないが、透湿性パイプの上端部及び
下端部は、パネルを外壁として設置した際に屋外
に連通するようになし、必要に応じ別の透湿性パ
イプに連結する場合にもそれぞれの端部が屋外に
連通するようになしてあり、透湿性パイプ内を通
気可能にすると共に透湿性パイプ内の水分を排出
できるようにしてある。

本考案の外壁パネルは叙上の如き構成からなつ
ているため次のような種々の効果を奏する。

即ち、パネル内に透湿性パイプ４を配してあ
り、これが通気パイプとなるため、パネル内の水
蒸気圧が飽和水蒸気圧を超えることによる結露の
発生を防止でき、また、パネル内部に結露が生じ
た場合には、結露水は通気作用により透湿性パイ
プ４の壁面を透湿して透湿性パイプ４から排出さ
れるため結露水がパネル内に滞留するのを防止で
きる。従つて、結露水の発生による断熱性能の劣
化及び芯材の腐朽等の惧れを回避できる。更に、
本考案におけるパネル内部は透湿性パイプの壁部
を介して外部と通じているため、従来の通気部を
有するパネルにおけるように、虫等は通気部から
パネル内部に入り込み難く、その上、透湿性パイ
プを配してあるため、断熱材のダレを防止できそ
れ丈断熱性能の劣化を抑止できる。しかも、本考
案のパネルは、従来の中空外壁パネルの内部に透
湿性パイプを配したものであるから、その外壁側
の面材表面の処理等を含め、実質上、従来品と全
く同様に取り扱うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例の要部を示す縦断面
図である。 １，２……面材、３……断熱材、４……透湿性
パイプ、５……空隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外壁側の面材と内壁側の面材との間に、外壁側
   の面材との間に空隙を設けて断熱材を充填した外
   壁パネルにおいて、上記空隙に、外壁側の面材の
   内面に沿つて透湿性パイプを配し、且つ該透湿性
   パイプの上端部及び下端部を屋外に連通させたこ
   とを特徴とする外壁パネルの構造。