JPH0232520Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車における傘の格納装置に関す
るものである。

〈従来の技術〉 自動車において、傘を格納する装置としては、
アシスタント座席の前方のダツシユボード下側に
傘受け凹部が形成されたものや、側ドアーの内側
のトリムに傘受け凹部が形成されたものが公知と
なつている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来の傘格納装置は、折りたたみ式の短か
くなる傘は格納することができるが、折りたたむ
ことができない長い傘は格納することができず、
フロアーにそのまま置いたり、ビニール袋に入れ
てフロアーに置いている。従つて、長い傘の場合
は車室内に持ち込んでも始末に困ることは勿論の
こと、ビニール袋がない場合には、折りたたみ式
の傘であつても漏れた状態で車室内に持ち込むた
めに車室内が雨水で漏れる不具合がある。

本考案は、折りたたみ式あるいは長い傘であつ
ても、車室内には持ち込むことなく格納を可能と
し、格納状態で水切り排出並びに乾燥させるよう
にした格納装置を提供するものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、自動車のルーフアウタ側部コーナと
ルーフインナ側部コーナとに切欠開口部を設け、
この開口部内に水抜き穴を開設した傘受け板を固
設して傘収納部を設け、この傘受け板の下面に排
水路を形成し、前記ルーフアウタ側の開口部とル
ーフインナ側開口部にはそれぞれ蓋を開閉可能に
設け、フロントウインド側のルーフアウタ中央部
のコーナには外気取入口を形成し、この外気取入
口と前記傘収納部とをダクトで連通すると共に、
傘収納部とリヤピラー部に設けられているベンチ
レータとをダクトにて連通したものである。

〈作用〉 本考案は、漏れた傘は乗車時にルーフアウタ側
の蓋をあけて傘収納部に格納し、水滴は排水路よ
り排水すると共に、走行により外気を傘収納部に
取入れ、かつベンチレータより排出させて、通風
により傘を乾燥し、降車時にはルーフインナ側の
蓋をあけて乾燥した傘を車室内で取出して降車す
るものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図乃至第３図で示すように、自動車のル
ーフアウタ１の側部コーナに開口部３を、またル
ーフインナ２の側部コーナに開口部４をそれぞれ
切欠いて設ける。この開口部３，４内に第４図で
示すように、水抜き穴８を有する傘受け板６を固
設して傘収納部７を設ける。前記傘受け板６は既
設のルーフドリツプチヤンネル５に固設される。
この傘受け板６の下面には前記ルーフドリツプチ
ヤンネル５を利用してリヤピラーから外部に排水
する排水路９を形成する。

さらに、前記ルーフアウタ１側の開口部３には
蓋１０をヒンジ１２にて開閉自在に取付け、また
ルーフインナ２側の開口部４にも蓋１１をヒンジ
１３にて開閉自在に取付ける。

ルーフアウタ１のフロントウインド側の中央部
コーナには第１図で示すように、水切りを形成し
たスリツトによる外気取入口１４を設け、ルーフ
アウタ１内には、前記外気取入口１４と対応する
開口１６を備え、前記傘収納部７と連通するダク
ト１５を設ける。１７は前記開口１６を左右に仕
切る仕切り板である。また、傘収納部７はリヤピ
ラーに設けられているベンチレータ１８とダクト
１９によつて連通されている。

本考案は上記の通りの構造であるから、乗車時
には第２図で示すように車室外側の蓋１０を開い
て漏れた傘２０を傘収納部７に格納する。格納し
た傘２０に付着している雨水は、傘受け板６の水
抜き穴８より排水路９に滴下し、リヤピラーから
外部に排出される。そして、走行により外気取入
口１４から取入れられる外気をダクト１５を介し
て傘収納部７に導き、傘２０の乾燥作用を行つて
リヤピラー部のベンチレータ１８より外部に排気
される。

降車時に再び傘２０を必要とするときには、第
３図で示すように車室より蓋１１を開いて傘２０
を取り出して使用するものである。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、車室内に漏れた
傘を持ち込むことなく傘収納部に格納することが
でき、しかも折りたたみ式の傘は勿論のこと、長
い傘でも格納できるため、車室内が雨水で漏れる
ことがない。

また、傘は車室内からでも取り出しが可能であ
り、しかも、水切り並びに外気導入による乾燥を
行うので、取り出した傘は乾いているため使用に
便利である。

さらに、傘収納部には傘以外の小物や長尺物も
格納することができ、飲料水等を格納すると外気
の通風による気化潜熱によつて冷やすこともでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は要部破断斜
視図、第３図は第１図−線拡大断面図、第４
図は傘受け板の斜視図である。 １……ルーフアウタ、２……ルーフインナ、
３，４……開口部、６……傘受け板、７……傘収
納部、８……水抜き穴、９……排水路、１０，１
１……蓋、１４……外気取入口、１５……ダク
ト、１８……ベンチレータ、１９……ダクト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のルーフアウタ側部コーナとルーフイン
   ナ側部コーナとに切欠開口部を設け、この開口部
   内に水抜き穴を開設した傘受け板を固設して傘収
   納部を設け、この傘受け板の下面に排水路を形成
   し、前記ルーフアウタ側の開口部とルーフインナ
   側開口部にはそれぞれ蓋を開閉可能に設け、フロ
   ントウインド側のルーフアウタ中央部のコーナに
   は外気取入口を形成し、この外気取入口と前記傘
   収納部とをダクトで連通すると共に、傘収納部と
   リヤピラー部に設けられているベンチレータとを
   ダクトにて連通したことを特徴とする自動車にお
   ける傘格納装置。