JPH0232252B2

JPH0232252B2 -

Info

Publication number: JPH0232252B2
Application number: JP59215249A
Authority: JP
Inventors: Chuzo Abe
Original assignee: ABE YUKAGAKU KENKYUSHO JUGEN
Current assignee: ABE YUKAGAKU KENKYUSHO JUGEN
Priority date: 1984-10-16
Filing date: 1984-10-16
Publication date: 1990-07-19
Also published as: JPS6197211A

Description

【発明の詳細な説明】黄蜀葵（以下「トロロアオイ」と称す。）は一
年生植物で、除土水洗いの際根に傷がつくと根そ
のものが、又抽出液自体も腐敗することが極めて
早く且つ悪臭を放つ性質を有するものでその取扱いに注意を要する植物根
であり、根も抽出液も保存性を欠くものである。
また抽出液の粘度低下速度が極めて早いことも特
徴であり、このため、トロロアオイ根及びその抽
出液の保存方法、粘度低下防止方法の開発が切望
されているところである。

本出願人は長年の研究の結果トロロアオイ根及
びその抽出液の腐敗防止方法及びその抽出液を主
原料とした整髪料や化粧料、塗布剤その他の薬効
ある軟膏を提供することに成功した。本発明はこ
れらのうち、トロロアオイの抽出液を原剤料とす
る、毛髪用ポマードを提供せんとするものであ
る。

以下本発明について詳細に説明する。

トロロアオイを土中から堀り上げる際根に傷を
つけないように注意して堀り上げ、これを洗うこ
となく、根に土が附着したままクレゾール石けんの0.5％乃至0.7％溶液に、
侵漬して冷暗所に保存する。

３％乃至５％の食塩溶液に浸漬して冷暗所に
保存する。

トロロアオイ根を速やかに水洗し、35度の焼
酎に、トロロアオイ根が空気に触れない程度に
浸漬し冷暗所に保存する。

など出願人は保存の方法として以上の三通りをす
でに提供ずみであるが、これらの方法で保存して
あるトロロアオイ根を取り出して成分を抽出する
実施例を示すとなるべく速やかにしかも完全に水
洗（浸漬液や附着土を洗い流す。）しこのトロロ
アオイ根量の10％量の活性炭をまぶし１日乃至２
日静置したる後トロロアオイ根と同量の水を加え
て更に１日〜２日静置し、然る後水洗いをして活
性炭を除去し更にこのトロロアオイ根を破砕し、
これをトロロアオイ根量と同量の焼酎又は25度乃
至30度のアルコールに浸漬してトロロアオイの成
分を抽出し濾過してトロロアオイの抽出液を得
る。

なお、破砕根と同量の水で常温水抽出を行つて
もよい。

焼酎又はアルコール等に浸漬する日数（抽出日
数）は、季節が春から夏の場合は１日乃至２日程
度、秋から冬にかけては５日乃至７日程度とす
る。然るときは浸漬槽の中でトロロアオイ根から
無色透明の成分が抽出される。この抽出液は相当
高い粘性を有するのが常であるが、普通の常態で
は腐敗菌の発育に都合よく腐敗し易く且つ時間の
経過と共に粘度低下もいちじるしい。

このような方法で抽出したトロロアオイの抽出
液の腐敗防止と粘度低下防止の実施例をあげてみ
ると、トロロアオイ抽出液 1000g サリチル酸 40g グリセリン 80g 乳酸 40g を用意し、サリチル酸40gとグリセリン80gとを
よく練り合せ、この混合物にトロロアオイ抽出液
1000gを混合する。この混合物（液）に、乳酸
40gを加え混合し、（以下この混合物を「ペース
ト状組成物」という。）このペースト状組成物を
冷暗所又は冷蔵庫に保存する。然るときは、この
ペースト状組成物は長期間（実験ではすでに５年
経過しても腐敗及び粘度低下が防止されている。）
の保存（腐敗防止）と粘度低下の防止が可能であ
る。

即ちトロロアオイの抽出液の腐敗防止と粘度低
下の防止には、上記の方法で抽出した粘液にサリ
チル酸、グリセリン、乳酸が有効であることが解
明され、実験を重ねた結果トロロアオイの抽出液
にたいして、サリチル酸３％乃至５％、グリセリ
ン７％乃至９％、乳酸３％乃至５％をもつて上記
の手段を構ずれば可能であることが解明された。

以上のようにして抽出混合したペースト状組成
物は腐敗もせず、粘度も低下しないが、従来和紙
抄造に使用していたネリとは完全にその成分を異
にする（サリチル酸、グリセリン、乳酸を混合さ
れており、又活性炭によつて脱臭されたものとな
つている。）ものであり調剤用の基剤としての価
値が高揚されたものである。然してこのペースト
状組成物を基剤としてステアリン酸石けん、没食
子酸、炭酸カリ、カストル油、セタノール等を加
えれば毛髪用ポマードとなるが次にその配合につ
いて述べる。

前記のようにして抽出混合してなるペースト状
組成物200を基剤とし、この基剤量に対して (1) ステアリン酸石けん 100 (2) 没食子酸 0.7 (3) 炭酸加里 0.7 (4) セタノール 10 (5) カストル油 100 の各配合比をもつて、まず (a) ステアリン酸石けんを熱溶解する。

(b) 没食子酸と炭酸加里を混合し小量の水で溶解
して第一混合剤とする。

(c) 第一混合剤とステアリン酸石けん溶液を混合
して第二混合剤とする。

(d) 第二混合剤と基剤200を混合して第三混合剤
を生成する。

(e) セタノールとカストル油を混合して第四混合
剤とし、 (f) 第三混合剤と第四混合剤を混合する。

この最後の混合剤が本発明の毛髪用ポマードで
ある。

なおこの際適宜量の香料を混合すれば芳香性を
有する毛髪用のポマードを得ることができる。

以上のようにして製造した毛髪用ポマードは、
トロロアオイの抽出液が強力な粘性と展張性があ
るから毛髪にまんべんなく展張し且つ毛髪をばら
つかせず整髪の効果を発輝し、また各配合剤の性
質からして微酸性に仕上るから殺菌性を有するの
で頭部の衛生上も有効であるなどの利点を有し、
また基材生成の過程で活性炭をもつて脱臭するの
でトロロアオイ特有の臭気もないし、又没食子酸
の混合で僅かながら薄緑色を呈し毛髪に光択を与
へるなどの効果を有する。

Claims

【特許請求の範囲】１活性炭をもつて脱臭してなる黄蜀葵の抽出物
にサリチル酸、乳酸、グリセリンを混合してなる
ペースト状組成物を基剤とし、これにステアリン
酸、没食子酸、炭酸加里、カストル油、セタノー
ルを混合してなる毛髪用ポマード。２黄蜀葵の抽出物1000に対してサリチル酸３％
乃至５％、グリセリン７％乃至９％、乳酸３％乃
至５％の割合で混合してなるペースト状組成物を
基剤とし、この基剤200にたいしてステアリン酸
石けん100、没食子酸0.7、炭酸加里0.7、カスト
ル油100、セタノール10の配合比をもつて混合し
てなる特許請求の範囲１記載の毛髪用ポマード。