JPH0231097B2 - Yojuihoseihokozokuhoriesuteruoyobisonoseizohoho - Google Patents

Yojuihoseihokozokuhoriesuteruoyobisonoseizohoho

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JPH0231097B2
JPH0231097B2 JP14240681A JP14240681A JPH0231097B2 JP H0231097 B2 JPH0231097 B2 JP H0231097B2 JP 14240681 A JP14240681 A JP 14240681A JP 14240681 A JP14240681 A JP 14240681A JP H0231097 B2 JPH0231097 B2 JP H0231097B2
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aromatic
polyester
acid
melt
group
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Wataru Funakoshi
Takanori Urasaki
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は溶融異方性芳香族ポリエステル及びそ
の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は特
定の第3級アラルキル基で核置換されている置換
ハイドロキノンを主たるジオール成分とし、ポリ
マー製造コストが安価であり、溶融成形が容異で
かつ高ヤング率の溶融成形品を形成し得る溶融異
方性芳香族ポリエステル及びその製造方法に関す
る。 (従来技術) 近年、高ヤング率成形品を与えるP―オキシ安
臭香酸、ハイドロキノン、テレフタル酸、イソフ
タル酸等の芳香族化合物成分よりなる全芳香族コ
ポリエステル(以下、芳香族ポリエステルとい
う)及びその繊維が提案されている(特開昭50−
43223号公報)。しかし、この場合にも、ジカルボ
ン酸成分としてテレフタル酸を用いた芳香族ポリ
エステルは極めて高融点となり、高重合度のポリ
マーを製造したとしても溶融成形、例えば溶融紡
糸、によつて高強度、高ヤング率を有する成形
品、例えば繊維、を工業的にかつ効率的に製造す
ることは困難である。また、ジカルボン酸成分と
してイソフタル酸を用いた全芳香族ポリエステル
は溶融成形ができ、特に溶融粘度がテレフタル酸
系の芳香族ポリエステルに比して大幅に低下して
いる利点を有する反面、溶融異方性を有しないこ
とから特にその出現が待たれている高ヤング率の
繊維を紡糸のみで製造することができないという
欠点を有している。 一方、芳香族ポリアミドの軟化点を融点より
100℃以上低くするため、ジオール成分であるハ
イドロキノンに代えて、例えばフエニルハイドロ
キノンのような2個のベンゼン核が直接に結合し
た芳香族ジオールを使用した芳香族ポリエステル
も提案されている(特表昭55−500215号)。しか
しながら、このような特殊な芳香族ジオールは合
成が複雑で収率も低く、また、重合性も必ずしも
良くないため、工業的に製造するには適さない。 (発明が解決しようとする課題) 本発明は、従来公知の芳香族ポリエステルの諸
欠点を解消し、原料の合成を含めてポリマーの製
造が容易であり、しかも、溶融成形が容易でかつ
高ヤング率、高強度の成形品、例えば繊維、フイ
ルム等、を溶融成形のみで形成し得る芳香族ポリ
エステル及び該ポリエステルを工業的に製造する
方法を提供することにある。 (課題を解決する手段) 本発明者らは、従来公知の芳香族ポリエステル
の有する上述の如き問題を解決すべく鋭意研究の
結果、芳香族ジオール成分として特定の第3級ア
ラルキル基で核置換した置換ハイドロキノンを使
用することによつて、本発明の目的を達成し得る
ことを見い出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、 (1) ポリエステル構成単位が実質的に下記[]
と[]又は下記[]と[]と[]から
なる線状の芳香族ポリエステルであつて、 ―CO―Ar―CO― …[] ―O―Ar′―CO― …[] (ただし、上記[][]式におけるAr,
Ar′はパラ位に配向している芳香族基であり、
これらは互いに同一でも相異なつてもよい。上
記[]式におけるARはフエニル基である。 かつ、該ポリエステル中における上記[]
と[]とのモル比が100:0〜25:75であり、
かつ[]と[]とから誘導されるポリエス
テル繰返し単位を10モル%以上含有しており、
該ポリマーの固有粘度(フエノール/テトラク
ロロエタン―1/1混合溶媒中で50℃にて測定
した相対粘度から算出)が0.8以上であること
を特徴とする。繊維形成性またはフイルム形成
性異方性の溶融芳香族ポリエステル、および、 (2) (A)カルボキシル基がパラ位に結合している芳
香族ジカルボン酸のアリールエステル、または
これとヒドロキシル基とカルボキシル基とがパ
ラ位に結合している芳香族オキシカルボン酸の
アリールエステルとの混合物と(B)一般式―C
(CH3)AR(但し、ARはフエニル基)で表わ
される基で核置換されている置換モノハイドロ
キノンとを、全酸成分中で(A)成分が70モル%以
上を占め、かつ(A)成分中における芳香族前記芳
香族ジカルボン酸またはそのアリールエステル
(a)と前記芳香族オキシカルボン酸またはそのア
リールエステル(b)とのモル比が(a/b)
100:0〜25:75となるように仕込んで溶融重
合させ、固有粘度(フエノール/テトラクロロ
エタン=1/1混合溶媒中で50℃にて測定した
相対粘度から算出)が0.8以上のポリマーを形
成せしめることを特徴とする、溶融異方性芳香
族ポリエステルの製造方法、 である。 本発明の溶融異方性芳香族ポリエステルを構成
するジオール成分は、主として特定の第3級アラ
ルキル基で核置換されているモノ置換ハイドロキ
ノン(以下、置換ハイドロキノンということがあ
る)よりなる。この第3級アラルキル基は式:
【式】で表わされるジメチルベンジル 基である。 かかる本発明で特定した第3級アラルキル基で
核置換した置換ハイドロキノンは、合成が容易で
あり工業的な製造に適している。 本発明では、前記置換ハイドロキノンに加え、
他の芳香族ジオール及び/又は脂肪族ジオールを
得られるポリエステルの性質を本質的に変化させ
ない範囲で併用することもできる。かかる芳香族
ジオールとしては、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、ビスフエノールA、ビスフエノールS、ビス
フエノールZ、4,4―ジヒドロキシジフエニ
ル、4,4′―ジヒドロキシジフエノールエーテ
ル、第3級ブチルハイドロキノン、第3級アルミ
ハイドロキノン、第3級オクチルハイドロキノ
ン、第3級ノニルハイドロキノン、メチルハイド
ロキノン、クロルハイドロキノン、第3級ブチル
ハイドロキノン、4―第3級ブチルレゾルシン等
を例示することができ、また脂肪族ジオールとし
ては、エチレングリコール、ネオペンチレングリ
コール、シクロヘキサンジメチロール、ビス―β
―ヒドロキシビスフエノール類(殊にビス―β―
ヒドロキシビスフエノールA、ビス―β―ヒドロ
キシビスフエノールS、ビス―β―ヒドロキシビ
スフエノールZ等)などの如き低級アルキレング
リコールまたは脂環族グリコールをあげることが
できる。これらのうち、上記芳香族ジオールがよ
り好ましい。 全ジオール成分中に占める前記置換ハイドロキ
ノンの割合は、少なくとも70モル%以上とすべき
であり、80モル%以上、特に90モル%以上である
ことが好ましい。 一方、本発明の溶融異方性芳香族ポリエステル
を構成する酸成分は、2個のエステル形成官能基
がパラ位に結合している芳香族ジカルボン酸及
び/又はこれと芳香族オキシカルボン酸の両者よ
り主としてなる。ここでパラ位とは、ベンゼン核
においては1位と4位の位置を、またナフタリン
核においては2位と6位または1位と5位の位置
を、更にまたジフエニル核においては4位と4′位
の位置を表わす。ここで2個のエステル形成官能
基とは、2個のカルボキシル基、または1個のカ
ルボキシル基と1個のヒドロキシル基とを意味す
る。 エステル形成官能基がパラ位に結合している芳
香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル
酸、クロムテレフタル酸、ブロムテレフタル酸、
2,5―ジブロムテレフタル酸、メチルテレフタ
ル酸、2,6―ナフタリンジカルボン酸、4,4
―ジフエニルジカルボン酸、3,3′―ジブロム―
4,4′―ジフエニルジカルボン酸等をあげること
ができる。これらのうちテレフタル酸類、特にテ
レフタル酸が好ましい。 更に、エステル形成官能基がパラ位に結合して
いる芳香族オキシカルボン酸としては、P―オキ
シ安息香酸が代表的であるが、3―クロル―4―
オキシ安息香酸、3―ブロム―4―オキシ安息香
酸、3,5―ジクロル―4―オキシ安息香酸、3
―第3級ブチル―4―オキシ安息香酸等が用いら
れる。これらのうち特にP―オキシ安息香酸が好
ましい。 また、上述の芳香族ジカルボン酸及び芳香族オ
キシカルボン酸以外にも、他のジカルボン酸又は
オキシカルボン酸を得られるポリマーの性質を本
質的に損なわない小割合で用いることもできる。
このようなジカルボン酸としては、例えばイソフ
タル酸、1,4―ナフタリンジカルボン酸、1,
6―ナフタリンジカルボン酸、コハク酸、アジピ
ン酸等があげられ、オキシカルボン酸としては、
m―オキシ安息香酸、p―(β―ヒドロキシエト
キシ)安息香酸、m―(β―ヒドロキシエトキ
シ)安息香酸、p―(4―ヒドロキシフエノキ
シ)安息香酸、m―(4―ヒドロキシフエノキ
シ)安息香酸p―(3―ヒドロキシフエノキシ)
安息香酸、m―(3―ヒドロキシフエノキシ)安
息香酸、4―ヒドロキシ―1―ナフトエ酸、6―
ヒドロキシ―1―ナフトエ酸、8―オキシ―2−
ナフトエ酸等の如きジカルボン酸及びオキシカル
ボン酸をあげることができる。 全酸成分中に占める、2個のエステル形成官能
基がパラ位に結合している上記芳香族ジカルボン
酸及び芳香族オキシカルボン酸の割合は、70モル
%以上とすべきであり、80モル%以上、特に90モ
ル%以上であることが好ましい。更に芳香族ジカ
ルボン酸と芳香族オキシカルボン酸とを混合して
用いる場合には、モル比にして100:0〜75:25
の範囲内とする。本発明においては、芳香族ポリ
エステルの全繰返し単位当り、少なくとも10モル
%が上記芳香族ジカルボン酸と上記置換ハイドロ
キノンより導かれたエステル単位(すなわち
[]と[]とからなるエステル単位)である
必要がある。従つて、芳香族ジカルボン酸と芳香
族オキシカルボン酸とを混合して用いる場合に
は、全酸成分中の芳香族ジカルボン酸の割合も考
慮しておく必要がある。 本発明の溶融異方性芳香族ポリエステルを製造
する場合、ジオール成分はジカルボン酸成分とほ
ぼ等モルまたはそれ以上の割合で用いることが好
ましい。そして、該芳香族ポリエステル中のジオ
ール成分とジカルボン酸成分の割合はほぼ等モル
であることが好ましい。例えばテレフタル酸成
分、p―オキシ安息香酸成分及びジメチルベンジ
ル置換ハイドロキノン成分よりなる芳香族ポリエ
ステルの場合、テレフタル酸成分とp―オキシ安
息香酸成分のモル比が1:1であるときにはジメ
チルベンジル置換ハイドロキノン成分は該テレフ
タル酸成分とほぼ等モルの割合でよく、換言すれ
ばジオール成分は全酸成分当り約1/2モル倍の量
でよい。 上述の如き本発明の芳香族ポリエステルは(A)1
個のカルボキシル基がパラ位に結合している芳香
族ジカルボン酸のアリールエステル(a)、または、
上記アリールエステル(a)と各々1個のヒドロキシ
ル基とカルボキシル基とパラ位に結合している芳
香族オキシカルボン酸のアリールエステル(b)との
混合物と、(B)一般式―C(CH32AR(但し、ARは
炭素数6〜12の芳香族基)で表わされる第3級ア
ラルキル基で核置換されている置換ハイドロキノ
ンを、所定のモル比で仕込み、溶融重合させるこ
とにより工業的に有利に製造することができる。 この方法においては、原料中に不純物の混入す
ることが少なく、また出発原料の純度を高めるこ
とができるため、得られるポリエステルの品質は
高くなり、工業的に好ましい方法である。 重縮合反応は、実質的に無触媒でも進行する
が、従来公知のエステル交換触媒を用いて行なう
のが好ましい。このエステル交換触媒のうち好適
なものとしてカルシウム、マグネシウム、ストロ
ンチウム、バリウム、ランタン、セリウム、マン
ガン、コバルト、亜鉛、ゲルマニウム、スズ、
鉛、アンチモン、ビスマスなどの金属を含む化合
物を例示でき、更にその具体例として酢酸マグネ
シウム、安息香酸カルシウム、酢酸ストロンチウ
ム、プロピオン酸バリウム、炭酸ランタン、酸化
セリウム、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸亜
鉛、酸化ゲルマニウム、酢酸第1スズ、酸化鉛、
三酸化アンチモン、三酸化ビスマスなどを例示で
きる。 これらのエステル交換(重縮合)触媒とともに
安定剤を使用することも好ましい。好ましい安定
剤の例は、従来公知の3価もしくは5価のリン化
合物またはそのエステル類であり、例えば亜リン
酸、リン酸、フエニルホスホン酸、メチルホスホ
ン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、
ブチルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、トリメ
チルホスフアイト、トリメチルホスフエート、ト
リエチルホスフエート、トリブチルホスフエー
ト、トリフエニルホスフアイト、トリフエニルホ
スフエート、ジエチルフエニルホスホネート、ジ
メチル―(メチル)ホスホネート、ジメチル―
(エチル)ホスホネート、ジメチル(ベンジル)
ホスホネートなどを挙げることができる。かかる
安定剤は、ポリマーの溶融安定性、色調を改良す
るが、触媒の種類によつては該重縮合触媒を不活
性化することがある。しかして、触媒を不活性化
する場合には、安定剤は重縮合反応終了後に加え
ることが好ましい。アンチモン又はゲルマニウム
を含む重縮合触媒は安定剤によつて不活性化され
難いので、該触媒を用いる場合には安定剤は重縮
合反応の最初から加えることができる。 これら触媒の使用量は、テレフタル酸等の芳香
族ジカルボン酸とp―オキシ安息香酸等の芳香族
オキシカルボン酸の合計モル数の0.005〜0.5モル
%、更には0.01〜0.1モル%であることが好まし
く、また安定剤の量(P)は上記重縮合触媒の使
用量(Nモル)に対し 0.8<P/N<1.5 (但し、P:安定剤のモル) 使用するのが好ましい。 かかる量の触媒、場合によつては安定剤、及び
ジメチルベンジルハイドロキノンを反応系に添加
したのち、反応系を例えば250〜300℃として常圧
下反応を行ない、生成するフエノールすなわちモ
ノヒドロキシ芳香族化合物を系外に留出せしめ、
重縮合を進行せしめる。重縮合反応は、最初は常
圧下、次いで減圧下で行ない、生成するモノヒド
ロキシ芳香族化合物を系外に溜出せしめて進行せ
しめる。 常圧下の反応は芳香族モノヒドロキシ化合物の
溜出量とともに反応温度を逐次上昇せしめるのが
好ましい。かかる常圧下の反応は、芳香族モノヒ
ドロキシ化合物の溜出しうる限り、できるだけ低
い反応温度で進行せしめるのが好ましい。例えば
250℃以下の温度では重縮合反応はゆつくりと進
行するが、生成する芳香族モノヒドロキシ化合物
がほとんど反応系外に溜出しないので、反応はま
もない平衡に達してしまう。 従つて、実質的には260℃程度の反応温度より
始めて次第に昇温し、芳香族モノヒドロキシ化合
物の理論溜出量の約35〜60%で290℃程度の反応
温度に達せしめるのが好ましい。反応温度を最初
より290℃あるいはそれ以上の高温に設定して反
応を進行せしめると、ゲル化等の好ましくない副
反応を引き起こすことがある。かかる量の芳香族
モノヒドロキシ化合物の系外に溜出した時点で反
応系を減圧にし、更に生成する芳香族モノヒドロ
キシ化合物を系外に溜出せしめつつ、次第に減圧
度及び反応温度を高め最終的に1mmHg程度ある
いはそれ以下の圧力下、320〜340℃の反応温度で
反応せしめて所定の重合度のポリマーを得ること
が好ましい。 本発明の溶融異方性芳香族ポリエステルは、繊
維形成性またはフイルム形成性を有する。この
“繊維形成性”または“フイルム形成性”とは繊
維用途またはフイルム用途を意味しているのでは
なく、溶融成形によつて繊維としうる、またはフ
イルムとしうる性能を持つていると理解されるべ
きである。従つて、本発明の芳香族ポリエステル
は繊維、フイルムの用途は勿論のこと、プラスチ
ツク、その他の用途にも用いることができる。 前記芳香族ポリエステルは、固有粘度が0.8以
上、更には1以上、特に1.5以上のポリマーであ
ることが望ましい。このポリマーを用いることに
よつて高ヤング率、高強力を有する成形品を工業
的に効率よく、容易に得ることができる。 (発明の効果) 本発明の溶融異方性芳香族ポリエステルは、全
炭素数9〜15の第3級アラルキル基で核置換され
ている置換ハイドロキノン成分と2個のエステル
形成性基がパラ位に結合している芳香族二官能性
カルボン酸成分より主として構成されているか
ら、ポリマー分子(分子構造)の直線性(対称
性)に優れ、かつ優れ熱安定性、低い溶融温度、
低い流動開始温度等を有する。 さらにまた、該溶融異方性芳香族ポリエステル
は比重が比較的小さく、また耐加水分解性に優れ
るという特徴を有する。 従来、ポリマー分子の直線性が高くなると溶融
温度、流動開始温度等が著しく高くなるとされ、
またこのような特性の全芳香族ポリエステルが知
られているが、本発明の芳香族ポリエステルは、
上述とは全く別の特性を示す。これは上記置換ハ
イドロキノンを用いることによる。従つて、本発
明の芳香族ポリエステルは、より低温度での溶融
成形が可能になり、また成形時の劣化、特に加
熱、昇温下の酸化劣化が低く抑えられ、品質の優
れた成形品を形成することができる。また、該芳
香族ポリエステルの製造温度を低く抑えられるか
ら従来のポリマーでは困難であつた高重合度のも
のを溶融重合法で製造できる特長も有する。更に
また該芳香族ポリエステルは溶融異方性を示すか
ら、溶融成形によるだけも高ヤング率、高強力の
成形品を形成することができる。 更に、上記置換ハイドロキノンは、ベンゼン核
に直接他のベンゼン核が結合したハイドロキノン
に比べて合成が容易であり、かつ反応性が良好で
あるため、ポリエステルの製造コストが安くなる
という利点がある。 本発明に係る溶融異方性芳香族ポリエステル
は、その融点以下分解温度以下、例えば240〜400
℃で溶融押出し成形することにより、ポリエステ
ル成形品とすることができる。例えばポリエステ
ル繊維は芳香族ポリエステルを240〜400℃で溶融
し、紡糸口金より押出しするとともにドラフト率
5〜500、巻取速度10〜500m/minで巻取ること
により得ることができる。その際ポリエステル繊
維は、必ずしも熱処理は必要でなく、溶融紡糸し
巻取るだけで強度5g/de以上、ヤング率2500
Kg/mm2以上の高強度、高ヤング率となすことがで
きる。この繊維はタイヤコード、ゴム補強材、フ
イラー、その他耐熱性工業資材等に有利に用いる
ことができる。 またポリエステルフイルムは240〜400℃でダイ
より溶融押出し、ドラムに巻取ることによつて得
ることができる。押出時にドラムは1〜50、好ま
しくは1〜10である。その際ドラム上に押し出さ
れたフイルムは常温で放冷してもよく、また水中
で急冷してもよい。かくして得られたフイルム
は、そのままでも、ポリエチレンテレフタレート
に比べて一軸方向において充分高いヤング率
(700Kg/mm2以上)と引張り強度(30Kg/mm2以上)
を有する。このフイルムは工業用資材としても有
利に用いることができる。 本発明のポリエステルを用いた成形品は、例え
ば特開昭50−43223号公報に述べられた如き熱処
理を行なわずとも充分な強度を有しているが、熱
処理を行なつて更に強度を高めることができる。
例えば200〜300℃で約10時間熱処理すると上記特
性が数倍にも向上する。 本発明の芳香族ポリエステルを用いた成形品
は、高ヤング率であり、かつまた耐加水分解に優
れているので、タイヤコード、ゴム補強材、フイ
ラー、フイルムなどの工業用資材として有利に利
用できる。 (実施例) 以下、実施例によつて本発明を説明する。な
お、実施例中「部」とあるのはすべて「重量部」
である。また本発明における固有粘度はポリエス
テル50mgを10mlの混合溶媒(フエノール/テトラ
クロロエタン=1/1vol/vol混合物)に溶解し、
50℃で相対粘度(ηr)をオストワルド粘度計によ
り求め、下記式で求めた。 固有粘度=lnηr/0.5 また、流れ開始温度は、ポリエステルを口径
0.5mm、長さ4mmの口金を備えた高化式フローテ
スターに入れ、60Kg/cm2の加圧下に毎分約2℃で
昇温し、ポリエステルが口金より流出を開始する
温度として求めた。 比重は、ポリマーを200℃で3時間加熱処理し
て結晶化させ、四塩化炭素―n―ヘキサン混合溶
媒を用いて比重瓶で測定した。 更に、耐加水分解性は、ポリマー1.0gを240℃
の温度で15時間処理して結晶化させたのち10mlの
蒸留水とともに封管し、120℃の温度で48時間加
熱処理し、該加熱処理前の固有粘度(ηinh)0と処
理後の固有粘度(ηinh)を求め下記式より求め
た。 耐加水分解性(%)={(ηinh)/(ηinh)0}×1
00 実施例 1 テレフタル酸ジフエニル318部、ジメチルベン
ジルハイドロキノン250部、三酸化アンチモン0.1
部を常圧下260℃/30分、270℃/30分、290℃/
30分の順でフエノールを留去しつつ反応せしめ、
次いで次第に昇温しつつ、また20分間に100mmHg
ずつ減圧度を高めつつフエノールを留去して重縮
合反応を行ない、最後に約1mmHgの高真空下330
℃で20反応させて重縮合を行なわせた。 得られたポリエステルの流れ開始温度は305℃、
固有粘度は4.668であつた。このポリエステルを
350℃で溶融し、孔径0.3m/mの口金を持つ紡糸
機を用いて押出し、毎分50mの速度でドラフト20
で巻取つた。得られた繊維の繊度は40デニール、
強度7.2g/de、ヤング率5200Kg/mm2、伸度2.4%
であつた。またポリエステルの比重は1.203、耐
加水分解性は91%であつた。 実施例 2〜4 次の第1表に示す組成の原料を用い、実施例1
と同様にしてポリエステルを製造し、更に溶融紡
糸した。
【表】 得られたポリエステルの流れ開始温度、固有粘
度及び糸の物性は次の第2表の如くであつた。
【表】 実施例 5,6 撹拌機及び留出糸を備えた反応器に第3表に示
す化合物の所定量及び酢酸第1錫2.4mg、トリフ
エニルホスフイン2.6mgを仕込み、常圧下260℃か
ら290℃まで90分かけて徐々に昇温しつつ、反応
によつて生ずるフエノールを系外に留去させなが
ら反応せしめた。次いで系内を20分間に100mmHg
ずつ減圧度を高めつつ、同時に反応温度を330℃
まで上げつつ反応せしめ、最後に1mmHg以下の
減圧下330℃で30分間反応せしめた。得られたポ
リマーの固有粘度及び流れ開始温度を第3表に示
した。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリエステル構成単位が実質的に下記[]
    と[]又は下記[]と[]と[]からな
    る実質的に線状の芳香族ポリエステルであつて、 ―CO―Ar―CO― …[] ―O―Ar′―CO― …[] (ただし、上記[][]式におけるAr,
    Ar′はパラ位に配向している芳香族基であり、こ
    れらは互いに同一でも相異なつてもよい。上記
    []式におけるARはフエニル基である。 かつ、該ポリエステル中における上記[]と
    []とのモル比が100:0〜25:75であり、かつ
    []と[]とから誘導されるポリエステル繰
    返し単位を10モル%以上含有しており、該ポリマ
    ーの固有粘度(フエノール/テトラクロロエタン
    ―1/1混合溶媒中で50℃にて測定した相対粘度
    から算出)が0.8以上であることを特徴とする、
    繊維形成性またはフイルム形成性の溶融異方性芳
    香族ポリエステル。 2 (A)カルボキシル基がパラ位に結合している芳
    香族ジカルボン酸のアリールエステル、またはこ
    れとヒドロキシル基とカルボキシル基とがパラ位
    に結合している芳香族オキシカルボン酸のアリー
    ルエステルとの混合物と(B)一般式―C(CH32AR
    (但し、ARはフエニル基である。)で表わされる
    基で核置換されているモノ置換ハイドロキノンと
    を、全酸成分中で(A)成分芳香族が70モル%以上を
    占め、かつ(A)成分中における前記芳香族ジカルボ
    ン酸またはそのアリールエステル(a)と前記オキシ
    カルボン酸またはそのアリールエステル(b)とのモ
    ル比が(a/b)100:0〜25:75となるように
    仕込んで溶融重合させ、固有粘度(フエノール/
    テトラクロロエタン=1/1混合溶媒中で50℃に
    て測定した相対粘度から算出)が0.8以上のポリ
    マーを形成せしめることを特徴とする、溶融異方
    性芳香族ポリエステルの製造方法。
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