JPH02295573A - 低飛距離ゴルフボール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、低飛距離ゴルフボールに関し、特に、ディン
プルの形状を抗力係数を増加するように形成して、ゴル
フボールの飛距離を抑制するものである。

従来の技術 周知のように、ゴルフボールの表面には、ボールが飛ぶ
際に、揚力係数を増太さ仕る一方、抗力係数を低減して
飛距離の増加を図るために、ディンプルが設けられてい
る。

ゴルファーはｌヤードでも良く飛ぶボールを要求してお
り、そのため、飛距離アップを目指してゴルフボールの
改良が進められ、ディンプルについても少しでも飛距離
が増すように改良されてきている。

ところが、最近、下記の２つのケースで飛距離を抑制し
たゴルフボールの要求が高まっている。

即ち、第１のケースは、“打ち放し”と言われるゴルフ
練習場において、練冒場面積を十分広くすることが出来
ず、ゴルファーが打ったボールが練習場を飛び出してし
まうという問題がある。この問題を解決するために、飛
距離を抑制したゴルフボールが求められている。

第２のケースは、テイグラウンドからグリーンまでの距
離が短いコースにおいても、ドライバー等の飛距離が出
るクラブを用いてゲームを楽しむために、ボールの飛距
離を抑制したい要求がある。

従来、ゴルフボールの飛距離を抑制する方法として、特
開昭６　０−９　２　７　８　０号でゴルフボールの配
合を変更して反発係数を低下させ、打出時のボール初速
を抑えて飛距離を抑制する方法と、特開昭６１−１５４
６８３号で提案された凸状ディンプルを設け、飛行中の
ボールの抗力係数を増やして飛距離を抑える方法とが提
案されている。

発明が解決しようとする課題 而記特開昭６０−９２７８０号のゴルフボールは通常の
ゴルフボールと比較して飛距離が５％館後少なく、練習
場のネットから飛び出す問題については効果的に抑止す
ることが出来るが、ゴルフ場のショートホールでドライ
バーか使用できる程でなく、より飛距離低下が望まれて
いる。

また、後記特開昭６１−１５４６８３号の凸ディンプル
を形成したゴルフボールは、通常のゴルフボールより飛
距離がかなり少なく、飛距離抑制の点からは十分にその
目的を達成しているが、後述するモールド加工上および
ボール製造工程上の理由より、個々のディンプル形状の
バラツキが大きく、均一化された飛行性能を有せず、か
つ、外観上も好ましくない欠点がある。

即ち、ゴルフボールのモールドは、まず、マスターとな
る雄型を作成し、この雄型から半球状の雌型を作成し、
この半球状型を２つ組み合わせてゴルフボールのモール
ディングに用いているのが一般である。市販されている
ゴルフボールの大半は、第８図に示す如き凹状のディン
プルＩＡを有しており、このような凹状のディンプルＩ
Ａを成形するには、まず、第９図に示すごとき、凸状の
ディンプル１Ｂを有する雌型２を設けなければならず、
該雌型２を作成するためには第１０図に示す如きマスタ
ーとなる凹状のディンプルｌＣを有する雄型３を成形す
る必要がある。このような、凹状のディンプルＩＣを有
する雄型３は、プレーンの半球状の型を用意し、これに
、適当な形状を持つエンドミルでディンプルを切削すれ
ばよく、比較的容易に、かつ、少ない誤差範囲内でディ
ンプルＩＣを加工することが出来る。

これに対して、第１１図に示す特開昭６１１５４６８３
号の凸状のディンプルｌＩＡを有するゴルフボールの成
形には、第１２図に示す凹状のディンプル４Ｂを有する
雌型５を設けなければならず、該雌型５を作成するため
には第１３図に示す凸状のディンプル４Ｃを有する雄型
６をマスターとして成形する必要がある。

しかしながら、凸状のディンプル４Ｃを有する雄型６を
作成するには、放電加工等の犬がかりな設備が必要であ
り、コストが高くなると共に加工精度が悪くなってディ
ンプル形状にバラッキが発生し、その結果、凸状を有す
るゴルフボールは飛行性能がバラックという問題があっ
た。さらに、前述したように、ゴルフボールは半球状の
金型を２面合わせて成形しているため、上型と下型との
合わせ面、即ち、パーティングライン上に必然的にパリ
が発生する。このパリは砥石で研磨されるが、第１１図
に示すような凸状のディンプル４Ａを有するゴルフボー
ルでは、このディンプルが砥石と接触して、十分にパリ
の研磨が出来ないと共に、バーティングラインに隣接し
た１列目のディンプルの一部が削られて変形する。その
結果、このような凸状ディンプルを有するゴルフボール
では外観が悪いと共に飛行性能にバラッキが生じる問題
がある。

本発明は、上記した従来の低飛距離ゴルフボールの問題
に鑑みてなされたもので、ディンプルの形状を、飛距離
が十分に抑制される形状とすると共に、ディンプルをバ
ラッキがなく且つ容易に製造できるようにして、飛行性
能にバラッキが少なく、しかも、外観の良いゴルフボー
ルを提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明に係わるゴルフボー
ルは、抗力係数を増加して飛距離を抑制すべく、凹状の
ディンプルの底部に上方へ円弧状へ突出した凸部を形成
していることを特徴とする。

即ち、本発明は、ゴルフボールのディンプルの底部に、
上方へ円弧状に突出した凸部を形成し、該凸部の大きさ
を、凸部の最大径の直径をＤＩ、ディンプルの外端縁の
直径をＤ２とし、Ｌ＝Ｄｌ／Ｄ２とすると、 ０．１　≦　し　≦　０９ かつ、凸部の高さをＨｌ，円弧状に凹設したディンプル
の仮想最大深さをＨ２とし、Ｋ＝Ｈ１／Ｈ２とした時、 ０．６　≦　Ｋ　≦　１．０ に設定され、かつ、ディンプル総数が約２５０個から６
００個の範囲であるゴルフボールを提供するものである
。

銀 上記のように凹状ディンプルの底部に凸部を形成するこ
とにより、ゴルフボールの飛行時の抗力係数を増加させ
ることが出来、後述する実験結果で明かにするように、
飛距離を抑制することが出来る。

また、上記凹状のディンプルの底部に凸部を形成するデ
ィンプルの加工は、前記第８図から第１０図に示す通常
の凹状のディンプルと同様に、エンドミルによる切削加
工でマスターとなる雄型を成形できる。該マスターの加
工は容易で、加工精度を向上させてディンプル形状を均
一化でき、よって、該低飛距離ゴルフボールの飛距離の
バラッキを少なくすることが出来る。

さらに、本発明のディンプル底部に凸部が形成されたゴ
ルフボールでは、ディンプルを削ることなくバーティン
グライン上のパリを研磨でき、外観を低下させず、かつ
、飛行性能のバラッキを少なくすること等ができる。

寒監厩 以下、本発明を図面に示す実施例により詳細に説明する
。

第１図は本発明に係わるゴルフボールの一部を拡大して
示しており、ｌＯはディンプル、１ｌはディンプル１０
の底部に円弧状に突設した凸部、ｌ２はディンプルＩＯ
の外端縁、ｌ３はディンプルＩＯが設けられていない部
分の外縁面である。

ディンプル１０は断面真円の一部を構成する形成の凹部
であり、該ディンプル１０の最下端位置を中心として、
同様に断面真円の一部を構成する形状の凸部＋１を一体
に突設している。該凸部ＩＩは適切な大きさに設定する
必要がおり、小さすぎると効果がなく、大き過ぎてディ
ンプルのポールの球面より突出するとパーティングライ
ンのパリ取り加工時に問題がある。よって、実験結果よ
り、下記の範囲に設定している。即ち、凸郎ｌ１の最大
径の直径をＤ１、ディンプルｌＯの外端縁の直径をＤ２
とし、Ｌ＝Ｄｌ／Ｄ２とすると、 ０．１　　≦Ｌ　≦　０，９　に設定している。

かつ、凸部ＩＩの高さをＨ１、円弧状に凹設したディン
プルの仮想最大深さをＨ２とし、Ｋ＝Ｈ１／Ｈ２とした
時、 ０．６　≦Ｋ≦　１，０　に設定している。

上記したディンプルｌＯを第２図に概略的に示すように
多数設けており、該形状のディンプル１０を、その径を
変化させて大小種々設けても良いことは言うまでもない
。１個のゴルフボールに設けるディンプル総数は約２５
０個から６００個の範囲としている。

上記凸部ｌ１を有するディンプル１０を有するゴルフボ
ールは、第３図に示す半球状の雌型ｌ５を２つ合わせて
モールド加工で成形しており、上記雌型１５は第４図に
示す雄型Ｉ６を作成して成型している。上記雌型ｌ５の
型面には、凸部ｌ１を有する凹状ディンプル１０を成形
するために、先端に凹部２０を有する凸部２ｌを設けて
おり、従って、該雌型ｌ５の型面を形成するために、雄
型！６には底部に凸部２２を有する凹部２３を設けてい
る。該雄型１６の凹部２３は、通常の凹状ディンプルの
雄型と同様に、エンドミルで切削加工して作成している
。

上記Ｌの値を、０．１≦Ｌ≦０．９に設定しているのは
、０．１未満および０．９を越えた場合、使用するエン
ドミルの先端形状がシャープに成りすぎ、エンドミル作
成が不可能となるためである。

また、上記Ｋの値を、０、６≦Ｋ≦１．０に設定してい
るのは、Ｋが０．６未満の場合は凸部１１が小さくなり
すぎ、凸部ｌｌを設けた効果がなくなり、飛距離の抑制
に十分でなくなるからである。

一方、Ｋが１．０を越えた場合、エンドミルによる雄型
ｌ６の加工が不可能となり、前述した放電加工などに頼
らなければならないからである。

また、Ｋ７＞＜１．０を越えた場合、凸部１１の先端が
ポール球面から突出することとなり、府記したように、
パーティングライン上のパリの研磨が困錐となり、パリ
研磨時にパーティングラインに隣接した１列目のディン
プルの凸部分が削られてしまうこととなる。その場合に
はディンプルの均一性がなくなり、ゴルフボールの飛行
性能にバラッキが発生する。さらに、ＫＩ１１．０を越
えてボール球而から突出すると、実際に使用する際に、
クラブで繰り返し打撃するため、突出した凸部ｌ１の先
端が削り取られてしまうからである。

また、ディンプル数を２５０個から６００個としている
のは、２５０個未満および６００個を越えた場合は、周
知のように、ボール飛行中に揚力が発生せず、ライナー
状のボールとなってしまうからである。

上記した本発明に係わるゴルフボールの飛距離および対
称性を実証するために、本発明構造のゴルフボールと、
従来のゴルフボールおよびＫ値を本発明の範囲と変えた
ゴルフボールとを、次頁の表１に示す如く設けた。

表１に示すように、本発明に係わるゴルフボールの実施
例１、２、従来構造の比較例１，Ｋ値の範囲を本発明の
範囲としていない比較例２、３のゴルフボールを設けて
いる。これらのゴルフボールのディンプルパターンはい
ずれも、第５図に示すような、２０面体配列であり、デ
ィンプル数は３９２個である。表１に記載するディンプ
ル容積とは、第６歯に斜線Ｓで示す部分の容積であり、
表面あらさ計で測定している。この各ディンプル容積の
総和がディンプル総容積で、３２０±２ｍｍ’に統一し
ている。ゴルフボールの構造はバラタカバーを有する糸
巻きボールであり、コンブレッションは９５±２に統一
している。

実施例！はＫ値が０．６となるように、ディンプル底部
に凸部を設けたボールで、また、実施例２はＫ値が０．
８となるように凸部を設けたボールである。

比較例！はディンプル底部に凸部を設けていない通常の
凹状ディンプルを設けたボールである。

比較例２はＫ値が０．５となるようにディンプル底部に
凸部を設けたボールで、比較例３はＫ値が１．１となる
ように凸部を設けたボールである。

Ｌ値は実施例１、２および比較例２、３のいずれも０．
５となるように凸部を設けている。

また、実施例１，２および比較例１、２のボールを成型
するための萌記した雄型の加工はエンドミル方式による
ものである。そのため、これらのボールのディンプルは
外観上バラッキが少ない。

また、仕上がったボールはパーティングライン上のパリ
の研磨状聾が良く、外観が美しいボールとなっている。

一方、比較例３のボールを成型するための雄型は、ディ
ンプルを放電加工で形成しており、よって、個々のディ
ンプルは外観上のバラツキが大きい。また、仕上がった
ボールはパーティングライン上のパリの研磨が十分でな
く、かつ、パリの研磨の際、パーティングラインに隣接
した１列目のディンプルの凸部が削られ、外観上、好ま
しくないものとなっている。

「実験例ｌ」 実験例！、２および比較例Ｉ、２、３のゴルフボールを
、ツルテンパー社製のスイングロボットを用い、ドライ
バーにて、ヘッドスピード４５ｍ／ｓの条件で、飛距離
テストを行った。

その結果は、次頁の表２に示す通りである。該表２の数
値は、各種類のゴルフボールを１２個づつテストした結
果の平均値である。テスト当日のウインドコンディショ
ンはフォロー１．５〜３．０ｍ／ｓであった。本テスト
の打出角９、７゜前後、スピン３　６　０　０ｒｐｍｉ
後の打出条件は、ヘッドスピード４５ｍ／ｓクラスのゴ
ルファーの平均的な条件である。

表２の弾道高さとは、ボール打出箇所から見・た弾道最
高点の仰角である。

上記表２のＫ値とトータル飛距離の関係は、第７図のグ
ラフに示す通りである。該グラフに示すように、Ｋ値が
高くなるほど、トータル飛距離が低下していることが分
かり、Ｋ値が０．５を境界としてトータル飛距離が極端
に低下していることが分かる。

即ち、表２に示すように、Ｋ値が０．５の比較例２のゴ
ルフポールはＫ値がＯの比較例ｌと比べてトータル飛距
離が３％弱しか落ちていない。Ｋ値が１．１の比較例３
はトータル飛距離は大幅に低下しているが、前記したよ
うに、加工上の問題より、ディンプルの外観が好ましく
なく、飛行性能にバラツキがある欠点を有する。

一方、Ｋ値が０．６の実施例ｌおよびＫ値が０．８の実
施例２のゴルフボールは、Ｋ値がＯの比較例ｌのゴルフ
ボールに対してトータル飛距離がそれぞれ１３％、！７
％低下している。

今回の実験はヘッドスピード４５ｍ／ｓで行ったが、一
般のゴルファーのヘッドスピードが４０〜４５ｍ／ｓで
あることを考えると、実施例１，２のゴルフボールを使
用した場合、２００ヤード未満のショートホールでも、
ティシジットでドライバーを使用してプレーすることが
出来る。

「実験例２」 実験例１，２および比較例３のゴルフボールをツルテン
パー社製のスイングロボットを用い、ドライバーにてヘ
ッドスピード４８．８ｍ／ｓの条件で、飛行性能のバラ
ツキをみるために、対称性テストを行った。

その結果を、次頁の表３に示す。

表３中、シーム打とは、パーティングラインを地球儀の
赤道とみたてた時の北極と南極を結ぶ線がバックスピン
の回転軸となるようにボールを打つ方法である。また、
ボール打とは、シーム打の回転軸とボール中心で直交す
る線がバックスピンの回転軸となるようにボールを打つ
方法である。

表３の数値は、各種類のゴルフボールをポール打で２０
個、シーム打で２０個づつテストし７た結果の平均値で
ある。この時のウインドコンデションはほぼ無風であっ
た。

表３に示すように、Ｋの値が０．６の実施例ｌのゴルフ
ボールおよびＫ値が０．８の実施例２のゴルフボールは
、ボール打とシーム打との飛距離、弾道高さ及び滞空時
間に差が殆ど無い。つまり、飛行性能のバラツキが少な
いゴルフボールであると言える。一方、Ｋ値ｈ月．ｌの
比較例３のゴルフボールはボール打とンーム打との飛距
離、弾道高さおよび滞空時間の差が大きく、飛行性能に
バラツキが大きい。該比較例３のゴルフボールのボール
打とシーム打との差が大きいのは、パーティングライン
上のパリの削り残し及びパーティングラインｌ列目のデ
ィンプルの削れにより、ンーム打のディンプル効果が薄
れ、揚力係数の減少を沼き、弾道高さが低くなったため
と思われる。

発明の効果 以上の説明より明らかなように、本発明に係わる低飛距
離ゴルフボールは、凹状ディンプルの底部に最適な形状
の凸部を設けているため、飛距離を十分に抑制すること
が出来る。また、エンドミル方式を用いたモールド加工
か容易であるため、ディンプルの形状に均一化を図るこ
とが出来る。

しかも、パーティングライン上のパリの研磨もディンプ
ルに影響なく確実に出来るため、飛行性能にバラツキが
発生せず、しかも、外観も良い等の利点を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係わるゴルフボールのディンプル形状
を示す一郎拡大図、第２図は本発明のゴルフボールの全
体を示す概略図、第３図は第２図に示すゴルフボールを
成型するための雌型を示す概略図、第４図は第３図の雌
型を形成するための雄型を示す概略図、第５図は実施例
１、２および比較例！、２、３のゴルフボールのディン
プルパターンを示す正面図、第６図は本発明のゴルフボ
ールのディンプル容積該当部分を示す一部拡大図、第７
図は本発明の実施例！、２と比較例！、２、３の飛距離
テストの結果を示す線図、第８図は従来の凹状ディンプ
ルを有するゴルフボールの概略全体図、第９図および第
ｌＯ図は第８図のゴルフボールを成型するための雌型と
雄型を示す概略図、第１１図は従来の凸状ディンプルを
有するゴルフボールの概略全体図、第１２図および第１
３図は第１！図に示すゴルフボールを成型するための雌
型と雄型の概略図である。 １０・・ディンプル、１ｌ・・凸部。 特許出願人住友ゴム工業株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ゴルフボールのディンプルの底部に、上方へ円弧状
   に突出した凸部を形成し、該凸部の大きさを、凸部の最
   大径の直径をＤ１、ディンプルの外端縁の直径をＤ２と
   し、Ｌ＝Ｄ１／Ｄ２とすると、０．１≦Ｌ≦０．９ かつ、凸部の高さをＨ１、円弧状に凹設したディンプル
   の仮想最大深さをＨ２とし、Ｋ＝Ｈ１／Ｈ２とした時、 ０．６≦Ｋ≦１．０ に設定され、かつ、ディンプル総数が約２５０個から６
   ００個の範囲である低飛距離ゴルフボール。