JP2001346908A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
も、これら大円帯L1、L2、L3が最速部分と一致し
たときのディンプル効果の低減が抑制されたゴルフボー
ルの提供。 【解決手段】 その表面に内接する正八面体の12本の
辺が表面に投影されることにより形成された12本の区
画線によって表面が8個の球面正三角形(T1からT
8)に区画されている。この球面正三角形(T1からT
8)の内側に、いずれの区画線とも交差しないようにデ
ィンプルが配置されている。これにより、3本の大円帯
L1、L2、L3が形成されている。6個の頂点(P1
からP6)のいずれにおいても、この頂点を共有する4
個の球面正三角形のそれぞれが他の3個の球面正三角形
とディンプルパターンにおいて異なっている。
Description
るものであり、特にゴルフボールのディンプルパターン
に関するものである。
550個程度のディンプルを備えている。ディンプルの
役割は、ゴルフボール飛行時にゴルフボール周りの空気
の流れを乱すことによって境界層の乱流遷移を促進し、
乱流剥離を起こさせることにある(以下「ディンプル効
果」とも称される)。乱流遷移の促進により空気のゴル
フボールからの剥離点が後方に下がり、圧力抵抗が小さ
くなってゴルフボールの飛距離が増大する。また、乱流
遷移の促進により、バックスピンに起因するゴルフボー
ルの上側と下側とにおける剥離点の差が助長され、ゴル
フボールに作用する揚力が高められる。従って、乱流遷
移を促進しやすいディンプルパターン、すなわち空気の
流れをよりよく乱すことができるディンプルパターンほ
ど、空力的に優れたものであるといえる。
多面体(以下併せて「多面体」とも称される)が用いら
れることが多い。すなわち、球に内接する多面体が想定
され、球中心から球面に放射される光線によって多面体
の辺が球面に投影されて区画線が形成され、この区画線
によって球面が区画されてディンプルが配置される。用
いられる多面体としては、正六面体、正八面体、正十二
面体、正二十面体、立方八面体、12・20面体等が挙
げられる。
ィンプルが整然と並んで美しい等の理由により、ゴルフ
ボールに古くから賞揚されてきた。正八面体の12本の
辺が投影された12本の区画線は、3本の大円を形成す
る。これらの大円は、互いに直交する。区画線によって
(すなわち3本の大円によって)、球面は8個の球面正
三角形に区画される。ディンプルは、各球面正三角形の
内側に等価に配置される。ディンプルは、12本の区画
線とは交差しない。従って、3本の大円もディンプルと
交差せず、この大円に相当する部分はディンプルの存在
しない大円帯となる。大円帯の存在により、例えばパッ
ティング時の方向合わせが容易であるというメリットが
生じる。このようなディンプル配置方法は、正八面体配
置と称されている。
ャビティを備えた上型及び下型から成形される。成形さ
れたゴルフボール表面の、上型と下型とのパーティング
ラインに相当する部分(いわゆるシーム)には、バリが
発生する。このバリは、砥石等で研削・除去される。通
常の正八面体配置では、3本の大円帯のうちの1本がシ
ームと一致する。これにより、シーム上にディンプルが
存在せず、バリの除去が容易となる。このようなゴルフ
ボールは、例えば特開昭60−11665号公報等に開
示されている。
はシーム上にディンプルが存在しないので、このシーム
(大円帯でもある)がバックスピンの周速が最も早い部
分(以下「最速部分」とも称される)と一致したときの
ディンプル効果が不十分となりやすい。また、前述のよ
うにシーム上のバリは研削によって除去されるが、除去
時にゴルフボール表面のシーム近傍が一緒に研削され、
ディンプルが変形してディンプル効果が減じられてしま
うおそれもある。さらに、シームの左右のディンプルパ
ターンは等価であり、またゴルフボール回転時にシーム
に沿って等価なディンプルパターンが繰り返さし出現す
るので、これに起因してシームが最速部分と一致したと
きのディンプル効果が不十分となりやすい。すなわち、
このような正八面体配置のゴルフボールでは、(1)デ
ィンプルが存在しない大円帯である、(2)バリの研削
により周囲のディンプルが変形するおそれがある及び
(3)回転によって出現するディンプルパターンが単調
であるという3点の悪条件全てが、シーム上で実現され
てしまっているのである。
(1)及び(3)の不都合は、シームのみならず、他の
2本の大円帯が最速部分と位置したときにも見られる。
面体配置を出発点としてこれに成形金型の工夫が施さ
れ、大円帯の数が1本とされたゴルフボールが開示され
ている。また、特開平4−150875号公報にも、正
八面体配置に類似のディンプル配置であって大円帯の数
が1本とされたゴルフボールが開示されている。これら
のゴルフボールでは、シーム以外の大円が最速部分と一
致したときのディンプル効果の低減は防止されるが、シ
ームが最速部と一致したときには、依然として上記
(1)から(3)の不都合が残る。また、これらのゴル
フボールでは、大円帯の数が1本とされるので、パッテ
ィング時の方向合わせが容易であるという正八面体配置
本来のメリットが得られにくい。
題に鑑みてなされたものであり、3本の大円帯を備えつ
つも、これら大円帯が最速部分と一致したときのディン
プル効果の低減が抑制されたゴルフボールの提供を目的
とするものである。
めになされた発明は、その表面に内接する正八面体の1
2本の辺が表面に投影されることにより形成された12
本の区画線によって表面が8個の球面正三角形に区画さ
れ、この球面正三角形の内側にいずれの区画線とも交差
しないようにディンプルが配置されることによって3本
の大円帯が形成されたゴルフボールであって、表面に位
置する正八面体の6個の頂点のいずれにおいても、この
頂点を共有する4個の球面正三角形のそれぞれが他の3
個の球面正三角形とディンプルパターンにおいて異なっ
ていることを特徴とするゴルフボール、である。
っている」とは、対比される2個の球面正三角形同士を
いかように重ねても、それぞれのディンプル同士が完全
には重なり合わない状態を意味する。このゴルフボール
では、いずれの区画線もディンプルと交差しないので、
表面に3本の大円帯が存在する、従って、ディンプルが
整然と並んで美しく、ゴルフボールの方向合わせが容易
であるという正八面体配置の長所が維持される。
ずれが最速部分と一致した場合でも、ゴルフボールの回
転によってこの最速部分の右側に出現する4個の球面正
三角形は互いにそのディンプルパターンが異なる。ま
た、ゴルフボールの回転によってこの最速部分の左側に
出現する4個の球面正三角形も、互いにそのディンプル
パターンが異なる。すなわち、回転によって出現するデ
ィンプルパターンが単調でない。従って、大円帯である
ことに起因して生じるディンプル効果低減が補われる。
よって、ゴルフボールの飛距離が増大し、また、最速部
分の位置に依存した飛行性能のばらつきが抑制される。
においても、そのディンプルパターンは回転対称であ
る。これにより、最速部分と一致する大円帯が3本のう
ちのいずれであっても、個々の球面正三角形が与えるデ
ィンプル効果が同等となる。
個の球面正三角形のうちの1個以上3個以下の球面正三
角形のディンプルパターンが回転対称であってかつ線対
称であり(以下、「回転対称/線対称」と称される)、
他の球面正三角形のディンプルパターンが回転対称であ
ってかつ線対称でない(以下、「回転対称/非線対称」
と称される)。この状態は、正八面体の6個の頂点のい
ずれにおいても達成される。すなわち、いずれの大円帯
が最速部分と一致した場合でも、この大円帯の右側には
回転対称/線対称である球面正三角形と回転対称/非線
対称である球面正三角形とが混在する。同様に、この大
円帯の右側にも回転対称/線対称である球面正三角形と
回転対称/非線対称である球面正三角形とが混在する。
これにより、回転によって出現するディンプルパターン
がさらに単調ではなくなる。頂点を共有する4個の球面
正三角形のうちの2個の球面正三角形が回転対称/線対
称であり、他の2個の球面正三角形が回転対称/非線対
称であるのが、最も好ましい。
プルの好ましい数は、40個以上55個以下である。こ
れにより、優れたディンプル効果が発現され、ゴルフボ
ール飛行性能が向上する。
置されたディンプルの数が最大である球面正三角形にお
けるディンプル数と、その内側に配置されたディンプル
の数が最小である球面正三角形におけるディンプル数と
の差は、好ましくは4個以下である。これにより、ゴル
フボールの空力的対称性が高められる。
が、半球状キャビティを備えた一対のゴルフボール成形
金型のパーティングラインに相当する部分であるシーム
と一致する。これにより、バリの除去が容易となる。な
お、大円帯とシームとが一致することにより、ディンプ
ルが存在せずしかも周囲のディンプルが切削により変形
するおそれがあるという不都合がシームにおいて生じる
が、回転によって出現するディンプルパターンが単調で
はないので、シームと最速部分とが一致したときのディ
ンプル効果低減が抑制される。
本発明の実施形態が説明される。
ボールが示された正面図であり、図2はその背面図であ
る。このゴルフボールの直径は、通常42.67mmか
ら43.00mm程度である。このゴルフボールは、表
面に408個のディンプルを備えている。ディンプルの
平面形状は円形である。
体配置である。すなわち、球面に内接する正八面体が想
定され、この正八面体の12本の辺が投影された12本
の区画線によって球面が8個の球面正三角形に区画され
ている。図1にはT1からT4の4個の球面正三角形が
示されている。また、図2には、T5からT8の4個の
球面正三角形が示されている。ディンプルは、球面正三
角形(T1からT8)の内側に配置されている。すなわ
ち、ディンプルと区画線とは、交差していない。4本の
区画線が連続することで、L1からL3の3本の大円帯
が形成されている。大円帯L3は、図1及び図2ではゴ
ルフボールの輪郭と一致している。それぞれの区画線
(L1からL3)は、球面正三角形の頂点(P1からP
6)にて、他の区画線と直交している。これら頂点(P
1からP6)は、想定された正八面体の頂点に相当す
る。なお、実際のゴルフボールでは、大円帯(L1から
L3)はエッジとしては認識されないが、説明の便宜
上、図1及び図2では実線で画かれている。
図である。この球面正三角形T1は、直径が4.1mm
のAディンプルを24個、直径が3.6mmのBディン
プルを9個、直径が3.3mmのCディンプルを12個
及び直径が2.8mmのDディンプルを6個有してい
る。合計のディンプル数は、51個である。図3では、
一部のディンプルについてその種類(AからD)が例示
されている。
ンは、回転対称パターンである。回転対称パターンと
は、重心を中心として球面正三角形が回転されたとき、
回転角度が0°(degree)を越えて360°未満の間
に、この球面正三角形に含まれるディンプル全てが回転
前のディンプルと少なくとも1回は重なる状態を意味す
る。球面正三角形T1では、重心Oを中心として120
°回転されたとき、及び240°回転されたときに、デ
ィンプル全てが回転前のディンプルと重なる。
ンは、線対称パターンである。線対称パターンとは、球
面正三角形の各頂点と重心とを通過する3本の直線のい
ずれに対しても、左右のディンプルが線対称である状態
を意味する。球面正三角形T1のディンプルパターン
は、頂点P1と重心Oとを結ぶ直線に対して線対称であ
り、頂点P5と重心Oとを結ぶ直線に対して線対称であ
り、頂点P2と重心Oとを結ぶ直線に対しても線対称で
ある。
ルパターンは、回転対称/線対称なパターンである。な
お、球面正三角形T7のディンプルパターンも、図3に
示された球面正三角形T1のディンプルパターンと同等
である。以下、このディンプルパターンは符号(I)で
示される。
図である。この球面正三角形T2は、直径が4.1mm
のAディンプルを24個、直径が3.6mmのBディン
プルを9個、直径が3.3mmのCディンプルを12個
及び直径が2.8mmのDディンプルを6個有してい
る。合計のディンプル数は、51個である。図4では、
一部のディンプルについてその種類(AからD)が例示
されている。
ンは、回転対称パターンである。従って、球面正三角形
T2では、重心O’を中心として120°回転されたと
き、及び240°回転されたときに、ディンプル全てが
回転前のディンプルと重なる。
は、頂点P1と重心O’とを結ぶ直線に対して線対称で
なく、頂点P2と重心O’とを結ぶ直線に対して線対称
でなく、頂点P3と重心O’とを結ぶ直線に対しても線
対称でない。すなわち、この球面正三角形T2のディン
プルパターンは、線対称パターンではない(非線対称パ
ターン)。
ルパターンは、回転対称/非線対称なパターンである。
なお、球面正三角形T8のディンプルパターンも、図4
に示された球面正三角形T2のディンプルパターンと同
等である。以下、このディンプルパターンは符号(II)
で示される。
図である。この球面正三角形T3は、直径が4.1mm
のAディンプルを24個、直径が3.6mmのBディン
プルを9個、直径が3.3mmのCディンプルを12個
及び直径が2.8mmのDディンプルを6個有してい
る。合計のディンプル数は、51個である。図5では、
一部のディンプルについてその種類(AからD)が例示
されている。
ンは、回転対称パターンである。従って、球面正三角形
T3では、重心O''を中心として120°回転されたと
き、及び240°回転されたときに、ディンプル全てが
回転前のディンプルと重なる。
は、頂点P1と重心O''とを結ぶ直線に対して線対称で
なく、頂点P3と重心O''とを結ぶ直線に対して線対称
でなく、頂点P4と重心O''とを結ぶ直線に対しても線
対称でない。すなわち、この球面正三角形T3のディン
プルパターンは、線対称パターンではない(非線対称パ
ターン)。
ルパターンは、回転対称/非線対称なパターンである。
なお、球面正三角形T5のディンプルパターンも、図5
に示された球面正三角形T3のディンプルパターンと同
等である。以下、このディンプルパターンは符号(II
I)で示される。
図である。この球面正三角形T4は、直径が4.1mm
のAディンプルを24個、直径が3.6mmのBディン
プルを9個、直径が3.3mmのCディンプルを12個
及び直径が2.8mmのDディンプルを6個有してい
る。合計のディンプル数は、51個である。図6では、
一部のディンプルについてその種類(AからD)が例示
されている。
ンは、回転対称パターンである。従って、球面正三角形
T4では、重心O''' を中心として120°回転された
とき、及び240°回転されたときに、ディンプル全て
が回転前のディンプルと重なる。
は、頂点P1と重心O''' とを結ぶ直線に対して線対称
であり、頂点P4と重心O''' とを結ぶ直線に対して線
対称であり、頂点P5と重心O''' とを結ぶ直線に対し
ても線対称である。すなわち、この球面正三角形T4の
ディンプルパターンは、線対称パターンである。
ルパターンは、回転対称/線対称なパターンである。な
お、球面正三角形T6のディンプルパターンも、図6に
示された球面正三角形T4のディンプルパターンと同等
である。以下、このディンプルパターンは符号(IV)で
示される。
る4個の球面正三角形T1、T2、T3、T4のディン
プルパターンは、それぞれ(I)、(II)、(III)及び
(IV)であり、互いに異なっている。また、このゴルフ
ボールでは、頂点P2を共有する4個の球面正三角形T
1、T5、T6、T2のディンプルパターンは、それぞ
れ(I)、(III)、(IV)及び(II)であり、互いに異
なっている。このゴルフボールでは、頂点P3を共有す
る4個の球面正三角形T2、T6、T7、T3のディン
プルパターンは、それぞれ(II)、(IV)、(I)及び
(III)であり、互いに異なっている。このゴルフボール
では、頂点P4を共有する4個の球面正三角形T4、T
3、T7、T8のディンプルパターンは、それぞれ(I
V)、(III)、(I)及び(II)であり、互いに異なっ
ている。このゴルフボールでは、頂点P5を共有する4
個の球面正三角形T1、T4、T8、T5のディンプル
パターンは、それぞれ(I)、(IV)、(II)及び(II
I)であり、互いに異なっている。このゴルフボールで
は、頂点P6を共有する4個の球面正三角形T5、T
8、T7、T6のディンプルパターンは、それぞれ(II
I)、(II)、(I)及び(IV)であり、互いに異なって
いる。
分と位置するように飛行するときは、この大円帯L1の
一方側に、回転に伴って4個の球面正三角形T1、T
5、T8、T4が繰り返し出現する。すなわち、ディン
プルパターン(I)、(III)、(II)及び(IV)が出現
する。これら4個のディンプルパターンは、互いに異な
るディンプルパターンである。また、大円帯L1の他方
側には、回転に伴って4個の球面正三角形T2、T6、
T7、T3が繰り返し出現する。すなわち、ディンプル
パターン(II)、(IV)、(I)及び(III)が出現す
る。これら4個のディンプルパターンは、互いに異なる
ディンプルパターンである。このように、大円帯L1の
両側に出現するディンプルパターンにはいずれも(I)
から(IV)が混在している。すなわち、大円帯L1の両
側に出現するディンプルパターンは単調ではない。
分と位置するように飛行するときは、この大円帯L2の
一方側に、回転に伴って4個の球面正三角形T1、T
5、T6、T2が繰り返し出現する。すなわち、ディン
プルパターン(I)、(III)、(IV)及び(II)が出現
する。これら4個のディンプルパターンは、互いに異な
るディンプルパターンである。また、大円帯L2の他方
側には、回転に伴って4個の球面正三角形T4、T8、
T7、T3が繰り返し出現する。すなわち、ディンプル
パターン(IV)、(II)、(I)及び(III)が出現す
る。これら4個のディンプルパターンは、互いに異なる
ディンプルパターンである。このように、大円帯L2の
両側に出現するディンプルパターンにはいずれも(I)
から(IV)が混在している。すなわち、大円帯L2の両
側に出現するディンプルパターンは単調ではない。
分と位置するように飛行するときは、この大円帯L3の
一方側に、回転に伴って4個の球面正三角形T1、T
2、T3、T4が繰り返し出現する。すなわち、ディン
プルパターン(I)、(II)、(III)及び(IV)が出現
する。これら4個のディンプルパターンは、互いに異な
るディンプルパターンである。また、大円帯L3の他方
側には、回転に伴って4個の球面正三角形T5、T6、
T7、T8が繰り返し出現する。すなわち、ディンプル
パターン(III)、(IV)、(I)及び(II)が出現す
る。これら4個のディンプルパターンは、互いに異なる
ディンプルパターンである。このように、大円帯L3の
両側に出現するディンプルパターンにはいずれも(I)
から(IV)が混在している。すなわち、大円帯L3の両
側に出現するディンプルパターンは単調ではない。
2、L3のいずれかが最速部分と一致しても、この大円
帯L1、L2、L3の両側に出現するディンプルパター
ンが単調でないことによってディンプル効果が高められ
る。従って、大円帯L1、L2、L3にディンプルが存
在しないことに起因するディンプル効果の低減が補われ
る。また、シーム(大円帯L1、L2、L3のいずれ
か)が最速部分と一致しても、バリの研削によりシーム
の周囲のディンプルが変形したことに起因するディンプ
ル効果の低減が補われる。よって、このゴルフボールで
は、最速部分と大円帯L1、L2、L3とが一致した場
合と、そうでない場合との飛行性能の差が抑制される。
パターンを有するので、大円帯L1、L2、L3のいず
れが最速部分と一致した場合でも、ゴルフボール全体の
ディンプル効果に対する球面正三角形T1の寄与の程度
は、他の大円帯が最速部分と一致したときと同等であ
る。他の球面正三角形(T2からT8)も回転対称なデ
ィンプルパターンを有するので、大円帯L1、L2、L
3のいずれが最速部分と一致した場合でも、ゴルフボー
ル全体のディンプル効果に対する各球面正三角形の寄与
の程度は、他の大円帯が最速部分と一致したときと同等
である。
L2、L3のいずれかが最速部分と一致した場合、その
左右には、2個の回転対称/線対称なディンプルパター
ン(すなわち、ディンプルパターン(I)と(IV))
と、2個の回転対称/非線対称なディンプルパターン
(すなわち、ディンプルパターン(II)と(III))とが
出現する。このように、対称性の異なるディンプルパタ
ーンが混在することで、ディンプル効果がより高められ
る。両者の比率は1:3でも3:1でもよいが、特にこ
の実施形態のように2:2が好ましい。
からT8)には、ディンプルが51個ずつ配置されてい
るが、配置されるディンプルの数は適宜変更されうる。
好ましいディンプル数は、40個以上55個以下であ
る。ディンプル数が40個未満であると、ゴルフボール
の表面にディンプル以外の部分(ランド部)が多くな
り、ディンプル効果が低下してゴルフボールの飛行性能
が不十分となってしまうことがある。逆に、ディンプル
数が55個を越えると、個々のディンプルが小さくなっ
てしまい、ディンプル効果が低下してゴルフボールの飛
行性能が不十分となってしまうことがある。
置されるディンプル数が異なってもよい。但し、空力的
対称性を維持する観点からは、その内側に配置されたデ
ィンプルの数が最大である球面正三角形におけるディン
プル数と、その内側に配置されたディンプルの数が最小
である球面正三角形におけるディンプル数との差は4個
以下が好ましく、3個以下が特に好ましく、2個以下が
さらに好ましく、差がないことが理想的である。また、
各球面正三角形(T1からT8)間で、種類毎のディン
プル数もなるべく統一されるのが好ましい。
かにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限
定的に解釈されるべきではないことはもちろんである。
周りにアイオノマー樹脂組成物を射出成形してカバー層
を形成し、ディンプルパターンが図1から図6に示され
た正八面体配置である実施例のゴルフボールを得た。射
出成形時の金型のパーティングラインは、大円帯L1と
一致させた。ボールの外径は42.70mm±0.03
mmであり、コンプレッションは90±2であり、ディ
ンプル容積(ディンプルエッジを含む平面とディンプル
表面との間の容積)の総和は約320mm2であった。
球面正三角形全てのディンプルパターンが図3に示され
たもの(回転対称/線対称なディンプルパターン)であ
る他は実施例と同様のゴルフボールを作製し、比較例の
ゴルフボールとした。この比較例のゴルフボールの正面
図が、図7に示されている。なお、このゴルフボールの
背面図も、図7と同一である。
フボールを、それぞれ120個ずつ用意した。一方、ツ
ルテンパー社製のスイングロボットにメタルヘッド製の
ドライバー(W1)を取り付け、ヘッド速度が約49m
/s、打ち出し角度が約11°、バックスピンの回転速
度が約3000rpmとなるように、マシン条件を調整
した。そして、各ゴルフボールを打撃し、キャリー(発
射地点から落下地点までの距離)を測定した。打撃に際
しては、大円帯L1が最速部分と一致する打ち方、大円
帯L2が最速部分と一致する打ち方、大円帯L3が最速
部分と一致する打ち方、頂点P1と重心Oとを通過する
大円が最速部分と一致する打ち方、頂点P5と重心Oと
を通過する大円が最速部分と一致する打ち方及び頂点P
2と重心Oとを通過する大円が最速部分と一致する打ち
方の6通りとし、それぞれの打ち方毎に20個ずつのゴ
ルフボールを打撃した。測定結果の平均値が、下記の表
1に示されている。なお、テスト中の風はほぼ向かい風
で、平均風速は約1m/sであった。
は、比較例のゴルフボールに比べて、打ち方の違いによ
るキャリーの差が少ない。また、実施例のゴルフボール
のキャリーの平均は、比較例のゴルフボールに比べて大
きい。この評価結果から、本発明の優位性が明らかにさ
れた。
ボールは、3本の大円帯を備えているのでディンプルが
整然と並んで美しく、また、パッティング時等における
方向合わせも容易である。しかも、本発明のゴルフボー
ルでは、大円帯が最速部分と一致したときのディンプル
効果の低減が抑制される。このゴルフボールは、飛距離
と空力的対称性とに優れたものである。
ールが示された正面図である。
である。
1が示された拡大図である。
2が示された拡大図である。
3が示された拡大図である。
4が示された拡大図である。
図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 その表面に内接する正八面体の12本の
辺が表面に投影されることにより形成された12本の区
画線によって表面が8個の球面正三角形に区画され、こ
の球面正三角形の内側にいずれの区画線とも交差しない
ようにディンプルが配置されることによって3本の大円
帯が形成されたゴルフボールであって、 表面に位置する正八面体の6個の頂点のいずれにおいて
も、この頂点を共有する4個の球面正三角形のそれぞれ
が他の3個の球面正三角形とディンプルパターンにおい
て異なっていることを特徴とするゴルフボール。 - 【請求項2】 上記8個の球面正三角形のいずれにおい
ても、そのディンプルパターンが回転対称である請求項
1に記載のゴルフボール。 - 【請求項3】 上記正八面体の6個の頂点のいずれにお
いても、この頂点を共有する4個の球面正三角形のうち
の1個以上3個以下の球面正三角形のディンプルパター
ンが回転対称であってかつ線対称であり、他の球面正三
角形のディンプルパターンが回転対称であってかつ線対
称でない請求項2に記載のゴルフボール。 - 【請求項4】 上記正八面体の6個の頂点のいずれにお
いても、この頂点を共有する4個の球面正三角形のうち
の2個の球面正三角形のディンプルパターンが回転対称
であってかつ線対称であり、他の2個の球面正三角形の
ディンプルパターンが回転対称であってかつ線対称でな
い請求項3に記載のゴルフボール。 - 【請求項5】 上記8個の球面正三角形のいずれにおい
ても、その内側に配置されたディンプルの数が40個以
上55個以下である請求項1から請求項4のいずれか1
項に記載のゴルフボール。 - 【請求項6】 上記8個の球面正三角形のうち、その内
側に配置されたディンプルの数が最大である球面正三角
形におけるディンプル数と、その内側に配置されたディ
ンプルの数が最小である球面正三角形におけるディンプ
ル数との差が4個以下である請求項1から請求項5のい
ずれか1項に記載のゴルフボール。 - 【請求項7】 上記3本の大円帯のうちの1本が、半球
状キャビティを備えた一対のゴルフボール成形金型のパ
ーティングラインに相当する部分であるシームと一致す
る請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のゴルフ
ボール。
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