JPH022933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、円筒形のケース内にエアフイルタエ
レメントを設けると共に、吸入した外気の水およ
びダストをサイクロン効果によつて分離するエア
クリーナに関する。

［従来技術］ 大型車両内燃機関の吸気を濾過するには、いわ
ゆるサイクロ式のエアクリーナが用いられる。

この種のエアクリーナは、ケースを直立に配置
するたて型のものと、ケースを水平に配置するよ
こ型のものとがあるが、いずれにせよ、ケースの
内に円筒状のフイルターエレメントを収容して、
ケースとエレメントとの間に導入した吸気をサイ
クロン運動させて、空気中のダストを分離し、フ
イルターエレメントで濾過した空気をエレメント
の中心部から流出させて内燃機関に供給するよう
に構成してある。これらのエアクリーナは実開昭
57−49557号公報、実開昭57−115950号公報に開
示されているが、そのうちたて型のエアクリーナ
の構造の一例を第３図に説明する。エアクリーナ
のケース４の上部の側方には、吸入管１が取付け
られ、また中央上部には濾過された空気をエンジ
ンへ送る送気管２が取付けてある。ケース４の中
心部には、多孔をもつ内筒１０が取付けらてあ
り、この内筒１０の外側にはフイルタエレメント
３を挿入して蝶ネジ１１等により固着する。ケー
ス４の下方には、ヒンジ９で開閉自在なダストパ
ン８が取付てあり、蝶ネジ７で固着される。この
ダストパン８の上面はデイパイダ６を形成してい
て、ダスト孔５からは吸気から分離されたダスト
がダストパン８内に落下するようにしてある。そ
こで吸気管１から吸い込まれた外気は、ケース４
とエレメント３との間で旋回していわるサイクロ
ン運動をする。この運動によつて空気より比重の
重い水分やダストは分離されてダストパン内に落
下し、水はドレインから排出される。その他の不
純物はフイルタエレメント３を通過する際に濾過
されて清浄な空気が管２からエンジン側へ送られ
る。

従来のエアクリーナは以上のように構成されて
いたが、降雪地帯の運転の際には、雪まじりの外
気が吸気管に吸気される場合がある。このような
状況になると分離された雪はダストパン８に落下
するが、ドレインから排出されることなく、ダス
トパン中に溜つてしまう。これによりサイクロン
運動が阻害され、ついにはフイルタエレメントも
目詰まりを起こしてエンジン側への空気の供給が
不十分となつてエンジントラブルの原因となつて
いた。

また例えば特公昭55−9554号公報にはエアクリ
ーナの融雪手段として排気管又はマフラーを空気
取入口およびエアクリーナに接続される空気排出
口を有する筒体で覆い、排気管又はマフラーの温
熱を利用する技術が開示されている。しかしなが
ら、かかる公知技術では温熱を導くダクトを必要
とするために、狭いエンジンルーム内にダクトを
設けることは困難となり、特に既存車に融雪手段
を取付けるための設計変更ができにくい。

［問題点を解決する課題］ したがつて本考案の目的は、既存の車両に対し
て容易に取付けることができる雪による目詰りを
防止したヒータ付エアクリーナを提供するにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案によれば、円筒形のケース内にエアフイ
ルタエレメントを設けると共に、吸入した外気の
水およびダストをサイクロン効果によつて分離す
るエアクリーナにおいて、バキユエータバルブが
エアクリーナの下方に設けられている水およびダ
ストを排出するための容器の底部に設けられ、該
バキユエータバルブの内側に電熱ヒータを設けて
ある。

［考案の作用効果］ したがつて、エアクリーナに流入した雪を含ん
だ空気は、サイクロン効果によつて雪を分離し、
その分離された雪は水やダストの排出口であるバ
キユエータバルブの内側にはいり、電熱ヒータに
よつてとかされる。それ故に寒冷地や降雪時の走
行に際して、雪をまじえた外気がエアクリーナに
吸入されても、エアクリーナが雪によつて目詰ま
りを起こすことがなくなり、エンジントラブルを
防止することができる。

このように電熱ヒータを設けるだけでよいの
で、既存車両の改造が容易であり、電線を配線す
るのみであるから、スペース上の問題がなく、レ
イアウトも容易である。そして、部品が少ないの
で軽量であり、この種の融雪手段として極めて好
適である。

［好ましい実施の態様］ 本考案の実施に際して、エアクリーナの下方に
設けられている水およびダストを排出するための
容器はエアクリーナの下部に設けたダストパン又
はエアクリーナの下部から下方に延びるパイプを
用いることができる。すなわちこの容器とはバキ
ユエータバルブが取付けられている部分を意味し
ている。

［実施例］ 第１図および第２図は本考案の実施例を示すも
ので、第１図は本考案をたて型のエアクリーナに
適用した場合を示している。

たて型のエアクリーナケース２０は、その上方
側部には吸気管２１を持ち、頂部にはエンジンへ
通ずる管２２を有している。吸気管２１から導入
された外気はルーバー２３を通過する際に旋回流
となつて、ケース２０内に挿入した外筒エレメン
ト２４の周囲にサイクロン運動をしてダストを分
離する。外筒エレメント２４の内側にはさらに内
筒エレメント２５があつて空気の濾過を行う。

ケース２０の下方には、ねじ２８で開閉自在に
容器すなわちダストパン２６が装着されている
が、本実施例装置においては、このダストパン２
６内に電熱ヒータ３０が組込まれている。このヒ
ータ３０は、例えば正特性サーミスタ型のものを
用い、電源３１、スイツチ３２を結ぶ回路で制御
する。

したがつて、降雪地帯を車両が通過するときに
は、スイツチ３２を閉じて電熱ヒータ３０を作動
しておく。これによつて外気から分離された雪は
ダストパン２６内にたまるがヒータ３０でとかさ
れて水となり、バキユエータバルブ２７から排出
され、エアクリーナの機能を低下させることはな
い。

次に第２図に示す実施例は本考案を横型のエア
クリーナに適用したものであつて、横置のケース
４０の上側部には吸気孔４１が設けてあつて、吸
入された外気はスロープガイド４２によつて旋回
流となる。ケース内には外筒エレメント４３、内
筒エレメント４４があつて、空気を濾過してパイ
プ４５からエンジン側へ吸気を行う。

吸気孔とは反対側のケース端下部には、容器す
なわちパイプ４６が下向きにとりつけてあり、こ
のパイプ下端にはバキユエータバルブ４７が設け
てある。そしてこのバキユエータバルブ４７の内
側のパイプ内には、電熱ヒータ５０が配置してあ
り、電源５１、スイツチ５２を結ぶ回路で制御さ
れる。

したがつて、雪を含んだ外気が吸気孔４１から
吸入されると、サイクロン効果によつて分離され
た雪はパイプ４６内にたまるが、ヒータ５０を作
動させておけば、ヒータの熱によつて雪は溶かさ
れ、バキユエータバルブ４７から排出される。

［まとめ］ 本考案は以上のように、サイクロン式のエアク
リーナのダストパンやバキユエータバルブ取付パ
イプ内に電熱ヒータを設けて雪や氷を溶かすよう
にしたから、寒冷地や降雪地においてもエアクリ
ーナの目詰まりを防止してエンジンの機能低下を
防ぐことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を縦型のエアクリーナに適用し
た実施例を示す説明図、第２図は本考案を横型の
エアクリーナに適用した実施例を示す説明図、第
３図は従来の縦型のエアクリーナを示す側面図で
ある。 ２０，４０……エアクリーナケース、２１，４
１……吸入管、２３……ルーバー、２４，４３…
…外筒エレメント、２５，４４……内筒エレメン
ト、２７，４７……バキユエータバルブ、３０，
５０……電熱ヒータ、３１，５１……電源、３
２，５２……スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒形のケース内にエアフイルタエレメントを
   設けると共に、吸入した外気の水およびダストを
   サイクロン効果によつて分離するエアクリーナに
   おいて、バキユエータバルブがエアクリーナの下
   方に設けられている水およびダストを排出するた
   めの容器の底部に設けられ、該バキユエータバル
   ブの内側に電熱ヒータを設けたことを特徴とする
   ヒータ付エアクリーナ。