JPH0228480Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の詳細な説明〕 本考案は、高速増殖炉プラントにおける冷却材
（高温液体ナトリウム）のような高温流体の各種
機器類を収容した高温流体機器収容室に関するも
のである。

従来、高速増殖炉プラントにおける冷却材即ち
高温液体ナトリウム機器の収容室においては、高
温液体ナトリウムの漏洩を想定して建物コンクリ
ートへの高温液体ナトリウムの接触防止のため
に、建物コンクリート壁の内面に鋼板を張設した
ライニング構造になつており、前記収容室のコン
クリート床壁における排気口形成部分は、第１図
に示すようにコンクリート床壁１上に断熱コンク
リート２を介して鋼板等のライナ板３を張設する
とともに、コンクリート床壁１に貫設された換気
口１０にスリーブ４を設け、スリーブ４の内縁
（図示上部）に連設された埋込金物５上にスカー
ト６を立設して、前記ライナ板３と前記スカート
６の上部間にさらにスカート板７を連設した構造
になつており、前記換気口１０の下側からコンク
リート床壁１上へ即ち収容室内に点線矢示のよう
に換気する構造になつている。

しかし、従来の前記換気口形成部分において
は、収容室内の各種機器から高温液体ナトリウム
ａが破損事故等によつて漏洩すると、その大部分
はライナ板３上に溜りかつスカート板７に妨げら
れて換気口１０から外部へ漏出することはない
が、換気口１０の上部に配設されている例えば配
管８から漏洩する高温液体ナトリウムａは、換気
口１０内を実線矢示のように落下して収容室下側
にて隣接区画を形成しているコンクリート壁や機
器等に直接に接触する事故発生の可能性があり、
よつて、換気口１０の外側（図示下側）に高温流
体漏洩防止区画を設けることが必要となつて、著
しくコスト高になるなどの欠点がある。

本案は、高温流体機器収容室における前記のよ
うな欠点を解消する考案であつて、高温流体機器
の収容室において、前記収容室の床壁に設けられ
た開口の内側周囲に支柱を立設し、前記支柱上に
前記開口の上部を覆う蓋を設けるとともに、前記
支柱の外側にスカート板を設けて、前記スカート
板と前記蓋間に通気口部を設けた点に特徴を有
し、前記収容室の床壁に設けた換気口等の開口の
内側に高温流体の漏出を防止しかつ該開口の通気
を可能にした機構を設けることにより、前記のよ
うな欠点を解消した高温流体機器収容室を供する
点にある。

本考案は、前記の構成になつており、高温流体
機器の収容室において、前記収容室の床壁に設け
られた開口の内側周囲に支柱を立設し、前記支柱
上に前記開口の上部を覆う蓋を設けるとともに、
前記支柱の外側にスカート板を設けて、前記スカ
ート板と前記蓋間に通気口部を設けているので、
開口の上部において漏洩した高温流体は前記蓋に
妨げられて側方へ流れかつスカート板によつて開
口内への流入が防止されかつスカート板と蓋間に
設けた通気口によつて開口における気流が確保さ
れ、極めて簡単な構造によつて開口機能が確保さ
れかつ効率よく高温流体の流出を防止できる。

以下、本考案の実施例を図示について説明す
る。

第２図Ａ，Ｂに本考案の一実施例を示してお
り、図中１は高温流体（例えば高温液体ナトリウ
ム）機器収容室のコンクリート製の床壁、２は床
壁１の内側即ち図示上側に設けられた断熱コンク
リート、３は断熱コンクリート２の内側（図示上
側）に張設された鋼板等のライナ板、４は床壁１
に貫設されている開口具体的には換気口１０に設
けられたスリーブ、５はスリーブ４の内側周囲の
床壁１に埋設されている埋込金物であつて、換気
口１０の内側（図示上側）周囲に即ち埋込金物５
上に複数の支柱１１を立設し、換気口１０よりも
十分に大きい面積を有する蓋１２を前記支柱１１
上に傾斜させて固設し換気口１０の上部を覆うと
ともに、前記各支柱１１の外側に低目のスカート
板１３を配置し前記ライナ板３に固設して、前記
スカート板１３の上部と前記蓋１２との間に通気
口１０ａを設けた構成になつている。

図示した実施例は、前記のような構成になつて
いるので、収容室イ内に配置されている高温流体
機器類のうち例えば換気口１０の上部に配設され
ている配管８から破損等によつて高温液体ａ（例
えば高温液体ナトリウム）が漏洩しても、該高温
流体ａは蓋１２上に受止められ傾斜勾配によりラ
イナ板３上に流れて溜りになるとともに、ライナ
板３上に溜つている高温流体ａは、スカート板１
３によつて換気口１０即ち開口内への流入が阻止
され、換気口１０即ち開口の内側に設けた前記の
ような簡単な構成によつて高温流体の収容室外へ
の流出を極めて効率よく阻止でき、また、前記実
施例の高温流漏出機構は、床壁の内側にコンパク
トに形成され設置スペースが極く限られたものと
なり低コストにて実施できるなどの効果を有す
る。

なお、前記実施例では、主として液体金属ナト
リウム機器の収容室における床壁の換気口につい
て説明したが、液体金属ナトリウムに限らず各種
の高温流体に適用できるとともに、換気口以外の
開口にも適用される。

また、埋込金物５は支柱１１に一体に形成した
構成にすることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高温流体機器収容室の床壁開口
部分の構造を示す縦断面図、第２図Ａは本考案の
一実施例を示す高温流体機器収容室の床壁開口部
分の縦断面図、第２図Ｂは第２図Ａにおける蓋部
分の平面図である。 イ……高温流体機器の収容室、１……床壁、２
……断熱コンクリート、３……ライナ板、４……
スリーブ、１０……開口（換気口）、１１……支
柱、１２……蓋、１３……スカート板、１０ａ…
…通気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高温流体機器の収容室において、前記収容室の
   床壁に設けられた開口の内側周囲に支柱を立設
   し、前記支柱上に前記開口の上部を覆う蓋を設け
   るとともに、前記支柱の外側にスカート板を設け
   て、前記スカート板と前記蓋間に通気口部を設け
   たことを特徴とする高温流体機器収容室。