JPH0228329Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は焙焼器に係り、例えば、オーブントー
スタなどの組立構造に関する。

（従来の技術） 従来、焙焼器、例えば、オーブントースタなど
のヒータ回路を切換開閉する電源スイツチ、タイ
マあるいは電子タイマを制御する連動スイツチお
よびこれらを操作する装置は各部品ごとにトース
タ本体内に取付けた構造が採られていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の構造の焙焼器では、電源スイツチ、
タイマ、連動スイツチなどが各部品ごとに本体内
に取付けた構造のため、組立が面倒で作業能率が
悪く、かつ、組立精度も低くなつてトースタ本体
の前面に前面パネルとして化粧板を取付けたと
き、各部品の操作つまみが化粧板のつまみ孔に対
し偏心を起こし、操作性を悪くするおそれがある
などの問題があつた。

本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、組
立を容易にし、しかも組立精度を高め、操作性を
良好にした焙焼器を提供するものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の焙焼器は、内部にヒータを有する焙焼
器本体内にこの焙焼器本体の前面および底面に沿
つて断面略Ｌ字状の基板を設け、この基板に前記
ヒータへの通電を制御するタイマ、時定数回路を
有し前記ヒータへの通電時間を制御する電子タイ
マの時定数回路の調整用ボリウム、焙焼動作を表
示するパイロツトランプ、ヒータの電源切換スイ
ツチ、操作レバーを有しこの操作レバーとともに
上下動する昇降台、この昇降台の上下動により開
閉され前記電子タイマを制御する連動スイツチ、
および焙焼時に上記昇降台を下降状態に保持し前
記電子タイマの計時完了に基づいて前記昇降台の
保持を解除する保持装置を一体的に取付けたもの
である。

（作用） 本考案の焙焼器は、組立に際して、基板に予め
タイマ、調整用ボリウム、パイロツトランプ、電
源切換スイツチ、操作レバーとともに上下動する
昇降台、連動スイツチ、および保持装置を一体的
に取付けておき、この基板を焙焼器本体内に前面
および底面に沿つて取付けることにより、各部
品、装置が位置ずれすることなく組立ができる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

図面には焙焼器としてのオーブントースタが示
されており、１はオーブントースタ本体で、この
本体１の内部には第３図に示すようにヒータ２と
焼網３を設けた焙焼室１ａと、仕切板１ｂにて仕
切られた側部空間１ｃとが形成されている。そし
て、この本体１の焙焼室１ａの前面開口部に下側
が枢着されて開閉自在に取付けられた扉体４を有
している。また、本体１の側部空間１ｃ内に上記
本体１の前面および底面に沿つて断面略Ｌ字形の
基板５が設けられ、この基板５の内面にヒータ２
の電源切換スイツチ６、電子回路のボリウム７、
機械式タイマ８、オーブントースタの焙焼動作を
表示するパイロツトランプ９、操作レバー１０を
上下方向に回動可能に取付けこの操作レバー１０
とともに上下動する昇降台１１、この昇降台１１
に係脱し昇降台１１の上下動により開閉される連
動スイツチ１２、および焙焼時に前記昇降台１１
を下降状態に保持する保持装置１３とが前記基板
５に取付けられている。

また前記本体１の側部空間１ｃの前面に前面壁
として化粧板２１が取付けられている。この化粧
板２１の前面には電源切換スイツチ６のスイツチ
摘み２２、前記タイマ８の時間設定摘み２３、電
子タイマ回路の設定されたタイマ時間を微調整し
て焼色を調節するボリウム７のボリウム摘み２４
が配置され、さらに前記操作レバー１０が化粧板
２１の前面に突出している。

なお前記パイロツトランプ９は前記ボリウム７
の取付板７ａに取付けられ、パイロツトランプ９
を覆うカバー９ａは、基板５に切起し形成した受
け部５ａにねじ９ｂにて取付けられ、この受け部
５ａの下端より内方に向つて折曲形成した折曲部
５ｂの先端がボリウム取付板７ａ前面に当接され
ている。

そして前記パイロツトランプカバー９ａは化粧
板２１の透孔２５から突出される。

また本体１の底部には電子タイマ回路基板５ｃ
が仕切板５ｄを介して取付けられている。そして
電子タイマは連動スイツチ１２のオン動作によつ
て動作され、ボリウム７によつて電子タイマの動
作時間を設定するものでこのボリウム７の調整で
コンデンサへの充電時間を利用しその時定数を変
えて所望の動作時間を調整するものである。

なお機械式タイマ８は電子タイマと関係なく時
間設定する。

上記昇降台１１はコ字形に折曲され、その上片
部３１と下片部３２に軸孔３３がそれぞれ形成さ
れるとともに前面に前面板部３４を有し、この前
面板部３４に係合溝３５が形成され、また、この
昇降台１１の下側部に軸支孔３６が形成されてい
る。そして、それぞれの軸孔３３に上記基板５の
底部に立設された軸３７が挿通されて昇降台１１
が上下動自在となつているとともに、この軸３７
にコイルスプリング３８が巻装され、このコイル
スプリング３８によつて昇降台１１は上方に付勢
されている。また、上記操作レバー１０の基端部
３９が昇降台１１の下側部の軸支孔３６に挿通さ
れる軸で回動自在に軸支され、操作レバー１０の
下縁は昇降台１３の係合溝３５に係合され先端部
４０側が下方への回動を規制され上方には適宜回
動されるようになつている。また、操作レバー１
０の先端部４０側に操作体４１が側方からのねじ
４２で取付けられており、この操作体４１は、上
記化粧板２１の前面に上下方向に形成された長孔
４３から突出しており、この操作体４１を有する
操作レバー１０は上記化粧板２１の長孔４３に対
応して基板５に形成された長孔４４を挿通して昇
降台１１に回動自在に軸支されている。

なお図示してないが昇降台１１の上方位置の側
部空間１ｃに昇降台１１の上昇時に昇降台１１と
接触するベルが配置されている。

上記連動スイツチ１２は２枚の長板状の接片５
１，５２が上下に一定間隔をおいて並設されたも
ので上側の接片５１に上記昇降台１１の下降時に
昇降台１１と係合して下方に押圧される絶縁板５
３が設けられ、この絶縁板５３が昇降台１１に係
脱することによつてばね性を有する接片５１，５
２が開閉するものである。

上記保持装置１３は、上記昇降台１１の近傍に
配置された電磁石６１とこの電磁石６１と昇降台
１１との間に配置されたフツクレバー６２とから
成つている。

そして、上記電磁石６１は上記連動スイツチ１
２に接続されて連動スイツチ１２の閉成によつて
励磁動作されるとともに設定時間経過後の電子タ
イマ回路による上記電気回路の開成によつて非励
磁化されるものである。

また、上記フツクレバー６２は上記基板５の底
面上に略中央部が軸６３で回動自在に軸支され、
一端部に上記昇降台１１の操作レバー１０の基端
部３９に係脱するフツク部６４が設けられ、他端
部に上記電磁石６１の下面に着脱自在に吸着され
る板状の吸着部６５が設けられたもので、上記フ
ツク部６４はフツクレバー６２の側部から起立さ
れたフツク板部６６の一側部を切欠いて鉤状に形
成したもので、このフツク部６４に対向してフツ
ク板部６６の下側部に操作レバー１０の基端部３
９の下縁に係合する作動部６７が形成されてい
る。

そして、保持装置１３は、操作レバー１０とと
もに昇降台１１を下降させたとき操作レバー１０
の基端部３９が上記作動部６７を押下げてフツク
レバー６２を第３図において時計と反対方向に回
動させ、吸着部６５を上方に回動させて電磁石６
１の励磁動作で吸着し、これとともにフツク部６
４が操作レバー１０の基端部３９の上縁に係合し
て昇降台１１をコイルスプリング３８の付勢力に
抗して下降状態に保持するものである。

そうして、このトースタを組立てるときは、電
源スイツチ６、タイマ８、取付板７にパイロツト
ランプ９を取付けたボリウム７、操作レバー１０
を有する昇降台１１、連動スイツチ１２および保
持装置１３をあらかじめ基板５に一体に組込んで
おき、取付板７ａには受け部５ａにランプカバー
９ａを取付ける。そして、これら各部品の組込ま
れた基板５をトースタ本体１の側部空間１ｃ内に
化粧板２１の背後に位置させて取付ける。する
と、これら各部品は基板５にあらかじめ一体とし
て組込まれて相互間に位置ずれが生じないので、
化粧板２１の前面に配置されるスイツチ摘み２２
を取付けるスイツチ６の操作軸６ａ、タイマ時間
設定摘み２３を取付けるタイマ８の操作軸８ａ、
操作体４１を取付ける操作レバー１０の先端側４
０、ボリウム摘み２４を取付けるボリウム７の操
作部７ｂおよびランプカバー９ａなどが化粧板２
１の各透孔２２ａ，２３ａ、長孔４３長孔７ｃお
よび透孔２５に対し位置ずれすることなく、化粧
板２１を取付けられることができる。

次にこの焙焼器の使用方法について説明する。

扉体４を開いて被焙焼物として、例えばパンな
どを焙焼室１ａの焼網３上に載せ、扉体４を閉じ
て電源切換スイツチ６を閉成し、ボリウム摘み２
４の操作でボリウム７を調整し、好みの焼色に電
子タイマ回路を調整する。

そして、操作レバー１０を押下げると操作レバ
ー１０の基端部３９の下縁は昇降台１１の係合溝
３５の内縁に係合して、下方に回動されることな
く、コイルスプリング３８により上方に付勢位置
されていた昇降台１１を操作レバー１０とともに
下降させる。すると昇降台１１は連動スイツチ１
２の上側の接片５１に設けた絶縁板５３を上方か
ら押圧して上側の接片５１を下側の接片５２に接
触させて閉成し、オーブントースタの電気回路を
閉じて焙焼が開始される。また、これと同時に電
磁石６１も通電されて励磁される。

一方、操作レバー１０の基端部３９の下縁がフ
ツクレバー６２の作動部６７を押下げてフツクレ
バー６２を回動させるので吸着部６５が電磁石６
１の下面に吸着されるとともにフツク部６４が操
作レバー１０の基端部３９の上縁に係合し、コイ
ルスプリング３８により上方に付勢される昇降台
１１を下降状態に保持して電気回路の閉成状態を
維持する。そして、この間パイロツトランプ９が
点灯して作動中であることを表示する。

そして電子タイマ回路の設定時間が経過する
と、電磁石６１が非励磁化されてフツクレバー６
２の吸着部６５の吸着を解くのでフツクレバー６
２のフツク部６４の保持力がコイルスプリング３
８の付勢力に耐えられず操作レバー１０の基端部
３９がフツク部６４から外れ、昇降台１１がコイ
ルスプリング３８により上昇し、昇降台１１の上
方のベルに衝突してベルを鳴らす。

タイマ８の作動中に焙焼を中止したいときは、
操作レバー１０の操作体４１を持ち上げると操作
レバー１０の先端部４０が上方に向かつて回動
し、基端部３９の上縁に係合するフツクレバー６
２のフツク部６４を押上げるので、フツクレバー
６２が第３図において時計方向に回動し、吸着部
６５が磁力に抗して電磁石６１から外れ、それと
同時に操作レバー１０の基端部３９がフツク部６
４から外れる。すると、昇降台１１はコイルスプ
リング３８により上昇するので昇降台１１により
押圧され連動スイツチ１２の上側の接片５１の絶
縁体５３は押圧を解かれ、連動スイツチ１２が開
成して電源回路を開成し焙焼を中止する。

なおランプカバー９ａを取付けた基板５の切起
し受部５ａの折曲部５ｂの先端は取付板７ａに当
接されているのでランプカバー９ａ或は化粧板２
１を押したり、衝撃を与えた場合においてもラン
プカバー９ａは所定位置に保持され、ランプ９を
破損することがなく、またランプカバー９ａも確
実に保持される。

〔考案の効果〕

本考案によれば、電源切換スイツチ、タイマ、
パイロツトランプ、操作レバーを有する昇降台、
連動スイツチ、昇降台を下降状態に保持する保持
装置を基板に一体に取付けたので、あらかじめこ
れらの各部品を基板に組込んでおけば焙焼器本体
内にこの基板を取付けるだけで容易に組立てるこ
とができ、作業能率をよくすることができる。

また、各部品は基板に一体に取付けるため組立
精度も向上し、とりわけ焙焼器本体の前面に取付
けた前面パネルの透孔などに対し、上記各部品の
つまみなどの操作部材が位置ずれを起こして偏心
するおそれがなく、操作性を高めることができ、
また各部品間での位置ずれによる動作不良などが
生じないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の焙焼器の一実施例を示す斜視
図、第２図はその分解斜視図、第３図はその正面
断面図、第４図はその側面断面図、第５図はその
上面断面図、第６図は同上パイロツトランプの取
付部の断面図である。 １……焙焼器本体、２……ヒータ、５……基
板、５ａ……カバー受け部、６……電源切換スイ
ツチ、７……ボリウム、８……タイマ、９……パ
イロツトランプ、９ａ……ランプカバー、１０…
…操作レバー、１１……昇降台、１２……連動ス
イツチ、１３……保持装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内部にヒータを有する焙焼器本体内にこの焙
   焼器本体の前面および底面に沿つて断面略Ｌ字
   状の基板を設け、 この基板に前記ヒータへの通電を制御するタ
   イマ、時定数回路を有し前記ヒータへの通電時
   間を制御する電子タイマの時定数回路の調整用
   ボリウム、焙焼動作を表示するパイロツトラン
   プ、ヒータの電源切換スイツチ、操作レバーを
   有しこの操作レバーとともに上下動する昇降
   台、この昇降台の上下動により開閉され前記電
   子タイマを制御する連動スイツチ、および焙焼
   時に上記昇降台を下降状態に保持し前記電子タ
   イマの計時完了に基づいて前記昇降台の保持を
   解除する保持装置を一体的に取付けたことを特
   徴とする焙焼器。 (2) 基板にパイロツトランプのランプカバー受け
   部を形成し、この受け部からの折曲部の先端を
   電子タイマのボリウムの取付板に当接したこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の焙焼器。