JPH0228195Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ケースさらに詳しく言えば、把手を
内蔵して本棚等に収納できるようにしたケースに
関する。

（従来の技術） 従来の携帯用ケース、例えば携帯用工具ケース
などは、底部と蓋部とからなり、両者の一側端を
ヒンジ等で枢支して対向する他側を開閉できるよ
うになつている。開口側には、ケースを閉じたと
き箱状に保持するための掛止具と携帯するための
把手が設けられている。把手は一般に逆Ｕ字状に
形成され、ケース底部あるいは蓋部のいずれかの
開口側外面に枢支され、把手脚部を支点としてケ
ース外で回動自在であり、ケースを手提げ鞄のよ
うに携帯し把持することができる。

（考案が解決しようとする問題点） このような従来のケースの把手は、携帯時にケ
ースを把持するためには必須のものであるが、不
使用時にケースを保管するには極めて不便であつ
た。すなわち、把手がケース外に突出しているた
め、把手が邪魔になつて本立が本棚等に収容する
ことができなかつた。

そこで、本考案は上述した従来のケースが有す
る問題点を解消し、保管時に把手が邪魔にならな
いようにしたケースを提供することを目的として
いる。

（問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するために本考案によるケース
は、底部，蓋部，把手，掛止具を有するケースで
あつて、前記把手はＵ字形で両端に枢止部があ
り、前記掛止具は弾性片でＬ字状であり一辺の先
端に鍵状の突起，その辺の腹部に解除用突起をも
ち、前記底部と蓋部は浅い皿状でケース開放用の
枢止部で開閉自在に連結され、前記底部，蓋部の
いずれか一方の開放側板縁で前記把手の両端の枢
止部を前記把手の腹部がケースの内外に位置可能
に枢止し、前記掛止具の解除用突起を前記蓋部ま
たは底部のいずれか一方の開放側板に設けられた
開孔に受け入れて外部に突出させるとともに前記
掛止具の他辺を落し込んで固定し、前記掛止具の
解除用突起が表面より突出した状態で先端の突起
を前記底部または蓋部のいずれか一方の開放側板
の内側に設けられた係合孔に結合させて前記蓋部
を閉鎖状態にし、前記閉鎖状態で前記掛止具の解
除用突起を外部から押して前記掛止具を弾性的に
変形させて先端の突起を前記係合孔から離脱させ
て前記蓋部を開放するように構成されている。

（実施例） 次に、本考案によるケースの一実施例を図面を
参照して説明する。

第１図および第２図に示すように、ケース本体
は浅い箱状の底部１０と蓋部２０とからなり、一
側の両端をピン３０で枢支し、ピン３０を支点と
して底部１０と蓋部２０とが回動しケースを開閉
するようになつている。

底部１０は、第３図ないし第５図に示すよう
に、各側板１１，１２，１３の高さが等しいが、
枢支側の側板１４の高さは他側板の高さの約２倍
で上端が内方へ彎曲している。側板１２，１３の
枢支側の端部１２ａ，１３ａは、垂直尾翼状に上
方へ突出して上端が側板１４上端と一致し、ピン
１５，１６が端部のほぼ中央に突設され、ABS
樹脂で底部１０は一体成形されている。

一方、蓋部２０は、第６図ないし第８図に示す
ように、各側板２１，２２，２３，２４の高さが
いずれも等しいが、側板２２，２３の枢支側端部
２２ａ，２３ａのみは各側板の高さの約２倍で底
部１０の側板枢支側端部１２ａ，１３ａと同様に
垂直尾翼状に形成され、ピン孔２５，２６が設け
られている。また、枢支側の側板２４は、ピン孔
２５，２６より内方に位置するように、蓋部２０
全体がABS樹脂で一体成形されている。

ケースを閉じたとき、底部と蓋部の側板１２，
２２および１３，２３が同一平面となるように、
底部１０の側板端部１２ａ，１３ａは、これと摺
動する蓋部２０の側板端部２２ａ，２３ａの板厚
と等しい段差を有する段部１７，１８が形成され
ている。

また、蓋部２０の枢支側側板２４の両端と側板
２２，２３との間には溝２７，２８が形成されケ
ースを閉じたとき、この溝２７，２８の内部に、
底部１０の側板端部１２ａ，１３ａが挿入される
ようになつている。

蓋部２０の開口側側板２１の中央付近端縁に
は、ケースを携帯するための逆Ｕ字状の把手４０
が枢支されている。この把手４０の両脚端４１，
４２は、第９図に示すように、把手の長手方向に
円筒状に形成され、内部の円孔内にピンを挿入で
きるようになつている。また、この把手４０を取
り付けるケースの蓋部側板２１の端縁には、第１
０図に示すように、把手脚端４１，４２を収納す
る切欠き２１ａ，２１ｂと、脚部円孔に連通する
孔２１ｃ，２１ｄ，２１ｅ，２１ｆとが設けられ
ている。把手４０は、ピン４３により側板２１端
縁に枢支され、ピンを支点としてほぼ360゜回動で
き、ケースに内蔵することができる（第１図，第
２図参照）。

また、この側板２１の中央には、第８図に示す
ように縦断面形状にＬ字状で背面に突起５１を有
する掛止具５０がテーパ状の突起５２を蓋部から
突出するように蓋部内面に下端を固着されてい
る。突起５１は、側板２１の孔２１ｇから外方へ
突出しており、掛止具５０は弾性材料、例えばポ
リアセタールで作られているので、突起５１を押
圧することにより突起５２と底部側板１１の係合
孔１１ａとの係合を解除することができる。

本実施例では、把手および掛止具を蓋部に設け
た例について説明したが、これらは蓋部あるいは
底部のいずれに設けても差支えないものである。

（考案の効果） 本考案によるケースは、把手をケースの蓋部ま
たは底部の開口端縁に枢支するようにしたから、
把手をケース内・外へ自在に回動させることがで
きる。したがつて、把手を内蔵すれば把手が邪魔
にならないから、工具ケース等を本箱等に自由に
収納することができ、しかも美観を保つことがで
きる。なお、このとき底部と蓋部は、閉鎖された
状態で係止されており、解除用突起を外部から操
作しない限り不用意に開くことはなく、内蔵した
把手は、ケース内の仕切板の押え等に利用するこ
とができる。また、掛止具の構造が極めて簡単で
かつ合理的な形状であるから、 (a) 掛止具を製造するための型が簡単であり、部
品単価が低くなる。

(b) 容器の壁を厚くする必要がなく収容空間を大
きく取れる。

(c) 組立が極めて簡単（組立が容易）であるが、
一旦組立てた後は決してはずれない等の特有の
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるケースで把手を内蔵した
状態を示す一部破砕側面図、第２図はケースを開
いた状態を示す説明図、第３図は底部の平面図、
第４図は同側面図、第５図は第３図のＡ−Ａ線に
沿う断面図、第６図は蓋部裏側を示す平面図、第
７図は同側面図、第８図は第６図のＢ−Ｂ線に沿
う断面図、第９図は把手の平面図、第１０図は蓋
部の正面図である。 １０……底部、２０……蓋部、３０……ピン、
４０……把手、５０……掛止具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部，蓋部，把手，掛止具を有するケースであ
   つて、前記把手はＵ字形で両端に枢止部があり、
   前記掛止具は弾性片でＬ字状であり一辺の先端に
   鍵状の突起，その辺の腹部に解除用突起をもち、
   前記底部と蓋部は浅い皿状でケース開放用の枢止
   部で開閉自在に連結され、前記底部，蓋部のいず
   れか一方の開放側板縁で前記把手の両端の枢止部
   を前記把手の腹部がケースの内外に位置可能に枢
   止し、前記掛止具の解除用突起を前記蓋部または
   底部のいずれか一方の開放側板に設けられた開孔
   に受け入れて外部に突出させるとともに前記掛止
   具の他辺を落し込んで固定し、前記掛止具の解除
   用突起が表面より突出した状態で先端の突起を前
   記底部または蓋部のいずれか一方の開放側板の内
   側に設けられた係合孔に結合させて前記蓋部を閉
   鎖状態にし、前記閉鎖状態で前記掛止具の解除用
   突起を外部から押して前記掛止具を弾性的に変形
   させて先端の突起を前記係合孔から離脱させて前
   記蓋部を開放するように構成した合成樹脂製のケ
   ース。