JPH0225868Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、相対向する組立型枠間に亘つて梁け
渡すことによりコンクリート打設に伴なう組立型
枠の崩壊や姿勢乱れ等を防止するコンクリートセ
パレータ、或いはラーメン構造体の対角線方向に
沿つて架設することにより、ラーメン構造体の補
強を行なうブレーシングなどで、詳しくは両端に
逆ねじ部を有するロツド状の耐引張り部材と、前
記ねじ部に各々螺合接続自在な雌ねじ部及び構造
体への係止固定部を有する一対の帯板状取付部材
とを備えた耐引張り支持具における取付部材に関
し、その目的は全体を非常に安価に製作できるよ
うにする点にある。

詳述すると、コンクリートセパレータを例にと
つてみると、従来のものでは前述の帯板状取付部
材を構成するに、帯板状部材の一端側にこれとは
別体製作された筒状雌ねじ部材を溶接にて固着し
て構成していたが、これによる場合は取付部材用
の製造部品が二つであり、かつ溶接作業も要する
ことから、製作コストが非常に高く付くばかりで
なく、溶接時の熱歪や溶接不良等によつて製品歩
留りが悪化し、それが一層コストの上昇に拍車を
かけるといつた欠点があり、また、ブレーシング
を例にとつてみると、ロツド状耐引張り部材が二
分割され、それら分割部材の各一端を一対の取付
部材に各々溶接するとともに、両分端部材の他端
側に形成した雄ねじ部が夫々螺合する雌ねじ部を
もつたターンパツクルを別個製造する要があつ
て、全体として製作加工コストが嵩む欠点があつ
た。

かかる実情に鑑みて案出された本考案に係る耐
引張り支持具における取付部材は、前記両取付部
材各々の雌ねじ部を、各取付部材のブレス加工に
より、各々において、少なくとも二つで互いに逆
向き開口する状態に打出し形成された半割筒状部
の内周面に形成してあるという特徴構成を有し、
次のような作用効果を期待することができるに至
つた。

つまり、前記一対の取付部材側に夫々、長さ調
整のための雌ねじ部を形成することによつて、耐
引張り部材としは、二分割されたものでなく、そ
の両端に逆ねじ部を有する単一のロツド状部材で
良く、また従来のブレーシングが必要としていた
ターンバツクルを割愛でき、全体の構成部材数、
即ち、製造部品数を少なくすることができる。し
かも、前記各取付部材側の前記雌ねじ部を形成す
るための筒状部が各取付部材に対するプレス加工
によつて打出し形成されたものであるから、各取
付部材自身の製造部品も１つで済み、かつ溶接も
全く不要であり、両取付部材の製作コストを非常
に低減化でき、また製品歩留りも良好である。

以上によつて全体として製品コストを従来のも
のに比し著しく低減できるに至つた。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図および第２図において１１は、それの長
手方向の両端部分に相互に逆向きリード角の雄ね
じ部１１Ａ，１１Ｂを形成してあるロツド状の耐
引張り部材であり、５Ａ，５Ｂは、前記耐引張り
部材１１の前記各雄ねじ部１１Ａ，１１Ｂに各々
螺合接続自在な雌ねじ部４Ａ，４Ｂを一端側に有
し、他端側には夫々第６図で示すように、相隣る
コンクリート型枠１０，１０の重合接当面間に挿
入しピン１２を介して離脱可能に係止固定される
か、或いはまた第７図で示すようにラーメン構造
体の縦枠１３と水平横枠１４との連結角部にボル
ト・ナツト１５を介して係止固定される孔３ａ，
３ｂ付きの係止固定部３Ａ，３Ｂを形成してある
一対の扁平帯板状取付部材である。

上記の耐引張り部材１１と一対の帯板状取付部
材５Ａ，５Ｂとから構成される所の、コンクリー
トセパレータ、或いはブレーシング等の耐引張り
支持具において、前記両取付部材５Ａ，５Ｂ各々
の雌ねじ部４Ａ，４Ｂは夫々次のように構成され
ている。

即ち、第１図乃至第４図イ，ロで明示の如く前
記帯板状取付部材５Ａ，５Ｂの一端側でそれの長
手方向に沿つて適当間隔を隔てた三箇所にその中
間に位置するものと両側に位置するものとが取付
部材５Ａ，５Ｂの表裏方向で互いに逆向きに開口
する半割筒状部６Ａ，６A′，６Ｂ，６B′をプレ
ス加工をもつて打出し形成し、これら半割筒状部
６Ａ，６A′，６Ｂ，６B′の内周面にそれらのプ
レス加工時に同時に第４図イ又はロで示すような
雌ねじ４ａ，４a′，４ｂ，４b′を形成し、もつ
て、前記の雌ねじ部４Ａ，４Ｂを構成したもので
ある。

上記構成の耐引張り支持具は第５図及び第６図
で示すように、相対向する組立型枠１０，１０間
に亘つて緊張状態に架け渡してコンクリート打設
時の側圧荷重に抗して両組立型枠１０，１０を牽
引支持するコンクリートセパレータとしての使用
態様と、第７図で示すようにラーメン構造体の対
角線方向に位置する縦枠１３と横枠１４との両連
結角部間に緊張状態に架設してラーメン構造体を
補強するブレーシングとしての使用態様とが、主
なる用途である。

尚、前述の如くコンクリートセパレータとして
使用するものでは、取付部材５Ａ，５Ｂの中間域
にコンクリート打設時においてコンクリート物表
面から突出する前記の係止固定部３Ａ，３Ｂを切
離すための多数の小孔群７Ａ，７Ｂが形成され、
図面ではそのものを示しているが、ブレーシング
として使用するものでは小孔群は不用である。ま
た、８Ａ，８Ｂはロツド状耐引張り部材１の長さ
調整時においてその両端部の移動を許容する切欠
孔であるが、これは半円状に凹曲形成されたもの
であつても良い。

以下別の実施例について説明する。

〔１〕 前記半割筒状部６Ａ，６A′，６Ｂ，６
B′内周面に対する雌ねじ４ａ，４a′，４ｂ，４
b′の形成手段として、タツピングを行なうも良
い。

〔２〕 前記半割筒状部６Ａ，６A′，６Ｂ，６
B′の筒軸芯方向長さは全て等しくても、中間
部に位置する筒状部６Ａ，６Ｂが両側に位置す
る二つの筒状部６A′，６B′の合計長さと等し
い又はほぼ等しい長さであつても良い。また、
半割筒状部の数は４個以上であつても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は側面図、第２図は平面図、第３図は要
部の正面図、第４図イ，ロは第２図−線での
拡大縦断側面図、第５図は一使用態様を示す側面
図、第６図は第５図の要部拡大縦断側面図、第７
図は他の使用態様を示す側面図である。 １１…耐引張り部材、１１Ａ，１１Ｂ…雄ねじ
部、３Ａ，３Ｂ…係止固定部、４Ａ，４Ｂ…雌ね
じ部、５Ａ，５Ｂ…取付部材、６Ａ，６A′，６
Ｂ，６B′…半割筒状部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 両端に逆ねじ部１１Ａ，１１Ｂを有するロツ
   ド状の耐引張り部材１１の前記ねじ部１１Ａ，
   １１Ｂに各々螺合接続自在な雌ねじ部４Ａ，４
   Ｂ及び構造体への係止固定部３Ａ，３Ｂを有す
   る耐引張り支持具における取付部材５Ａ，５Ｂ
   であつて、前記両取付部材５Ａ，５Ｂを帯板状
   部材を用い、その各々の雌ねじ部４Ａ，４Ｂを
   各取付部材５Ａ，５Ｂのプレス加工により各々
   において、少なくとも二つで互いに逆向き開口
   する状態に打出し形成された半割筒状部６Ａ，
   ６A′，６Ｂ，６B′の内周面に形成してある耐
   引張り支持具における取付部材。 前記雌ねじ部４Ａ，４Ｂが、前記半割筒状部
   ６Ａ，６A′，６Ｂ，６B′のプレス加工時に同
   時に形成されたものである実用新案登録請求の
   範囲第項に記載の耐引張り支持具における取
   付部材。