JPH0225824Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば荷物用エレベータのドア装置
に用いるのに最適な上下開閉ドア装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

第３図及び第４図は、例えば実開昭52−44564
号公報に示された従来のこの種の上下開閉ドア装
置を荷物用エレベータに適用した正面図及び側面
図を示すものである。図において、１は建築物の
床、２は壁、３は出入口両側に設置された縦枠、
４は上枠、５，６は上記出入口のエレベータ昇降
路側に重合状態で併設された上戸及び下戸を示
し、これら上下戸５，６の両側部にはそれぞれ上
下に一対のドアシユー７が固着され、これらドア
シユー７が建築物に固定された左右のレール８に
それぞれ摺動可能に係合することにより、上下戸
５，６はドアシユー７で左右を案内されて上下方
向に平行に電動開閉されるようになつている。９
は上戸５に取付けられたガイドプーリ、１０，１
１は左右のレール８に取付けられたガイドプーリ
であつて、前記ガイドプーリ１１と上戸５のガイ
ドプーリ９とは差動滑車を構成しており、上戸５
の移動量が下戸６の移動量に対して半分になるよ
うに設定され、全開時には上下戸５，６が同一高
さに位置するようになつている。１２はバランス
ウエートを示し、ガイドプーリ１０，１１を介し
てチエーン１３で上下戸５，６と連結されこれら
の戸５，６とバランスしている。１４はレール８
に固定されて下戸６の全閉時にはこれに係合する
施錠装置である。

すなわち、上戸５は、一端が壁２に取付けられ
るとともに他端がガイドプーリ９，９およびガイ
ドプーリ１１に掛け回されかつバランスウエート
１２に連結されたチエーン１３によつて吊下支持
され、また上記下戸６は、その上部両端に一端が
それぞれ連結されるとともに他端がガイドプーリ
１０とガイドプーリ１１とに各々掛け回されかつ
バランスウエート１２にそれぞれ連結されたチエ
ーン１３，１３によつて吊下支持されており、こ
れら上下戸５，６は図示しない駆動装置により同
一方向へ移動して出入口を開閉するようになつて
いる。そして戸閉時には下戸６が施錠装置１４に
よつて所定位置に保持されるようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の上下開閉ドア装置は、以上のように構成
されいるので、全閉時、下戸６が鎖錠されても上
戸５は鎖錠されておらず、このため上戸５の自重
による閉力以上の力を加えると上戸５は戸開方向
に比較的容易に戸開する。このような場合、いた
ずら等で上戸６を戸開して昇降路へ転落したり、
昇降路内を覗いていてエレベータのかごにはさま
れたりする等の事故が発生するという危惧が存在
していた。

なお、上記問題は、上戸５にも施錠装置を設け
ることによつて解消できるが、このような解決手
段では設置スペースや設備費の増大を伴なうので
実際的でない。

本考案は上記のような問題点を解消するために
なされたもので、簡易な装置構成であつて戸閉時
には複数枚の戸が所定位置に保持される上下開閉
ドア装置を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る上下開閉ドア装置は、複数個前後
して昇降可能に吊下支持され上昇開扉位置におい
て互いに重合する複数のドアと、この上昇開扉位
置からそれぞれ駆動降下されて上側ドアの下端縁
と下側ドアの上端縁とを互いに重合させた閉扉位
置における最下側のドアに設けられ該最下側ドア
を閉扉位置に錠止する鎖錠装置とを備え、上記上
側ドアは、錠止時の最下側ドアからの相互離間を
拘束する可撓線条体により、接続連結されたこと
を特徴としている。

〔作用〕

本考案においては、上戸５と下戸６とがチエー
ンにて接続連結されているため、下戸６が鎖錠さ
れると上戸５の上方への移動も阻止され、上戸５
がいたずら等により開かれることを防ぐことがで
きる。

〔実施例〕

以下、従来に相当する部分には同一符号を付し
て示す第１図および第２図の一実施例について本
考案を説明する。図において、１５は上戸５の上
端に装着された取付金、１６は下戸６の上端に装
着された取付金であつて、前記上戸５の取付金１
５とは戸開時（第２図）に重合しないよう戸の巾
方向にずらして設置されている。１７は上記取付
金１５，１６間に接続連結された可撓線条体すな
わちチエーンで、その長さは戸全閉時における上
戸５と下戸６の重なり代の範囲内で緊張する長さ
に設定されている。上記以外の構成は従来と同様
であるのでその説明を省略する。

従つて、戸閉時に下戸６が施錠されると、上戸
５を人力で上方へ移動させようとしても、これを
チエーン１７が一杯に張る位置までしかすなわち
上下戸５，６の重なり代の範囲内でしか移動でき
ないので、全閉時における下戸６と上戸５間には
上下方向の〓間が生じることがなく、いたずら等
により昇降路内に人が立入るのを防止することが
できる。

なお、上記実施例では、上下戸５，６間をチエ
ーン１７で接続連結したものを示したが、これを
例えばワイヤで接続連結してもよく、この場合に
も上記同様の効果を奏する。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、重合状態
で併設された相対変位可能な複数のドア相互をこ
れらが重合範囲から逸脱しないよう可撓線条体で
接続連結したので、比較的安価に安全性を確保で
き信頼性を著しく向上させ得るとともに、設置ス
ペースを予め考慮する必要がなく、既設のドア装
置にも簡単に設置できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例による戸全閉時
を示す正面図、第２図は第１図のものの戸全開時
を示す正面図、第３図は従来装置を示す第１図相
当図、第４図は第３図のものの側面図である。 図において、５は上戸、６は下戸、８はレー
ル、１５，１６は取付金、１７はチエーン（可撓
線条体）である。なお、各図中同一符号は同一又
は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数個前後して昇降可能に吊下支持され上昇開
   扉位置において互いに重合する複数のドアと、こ
   の上昇開扉位置からそれぞれ駆動降下されて上側
   ドアの下端縁と下側ドアの上端縁とを互いに重合
   させた閉扉位置における最下側のドアに設けられ
   該最下側ドアを閉扉位置に錠止する鎖錠装置とを
   備え、上記上側ドアは、錠止時の最下側ドアから
   の相互離間を拘束する可撓線条体により、接続連
   結されたことを特徴とする上下開閉ドア装置。