JPH0225602Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はクリツパーにより切断された有寸単
板を堆積山に自動的に積込む装置に係り、特に有
寸切断を行うクリツパーがベニヤレースラインに
直結されて、高速で搬送される有寸単板の積込み
に好適な装置を提供するものである。

従来の有寸単板の堆積手段としては、有寸単板
を合板の規定寸法に積算切断して規定寸法の堆積
山に堆積する方法或は一方の端縁を揃えて堆積す
る方法とがあるが、前者は有寸単板が高速で搬送
されて来る場合に、確実で揃つた堆積を行うには
少なくとも２山に堆積する必要があつて、装置が
複雑高価となる欠点があり、後者は、高く積むと
荷崩れを起すので１山に多量の有寸単板を堆積で
きない欠点があつた。

この考案は刺着コンベアによつて有寸単板を刺
着搬送し、刺着から解放する離脱手段を刺着コン
ベアの搬送方向に進退自在に設けるとともに、解
放ごとに離脱手段を進退させる構成であるから、
有寸単板の端縁をずらして台板上に堆積すること
ができ、従つて堆積山はほぼ平らな状態となつて
１山に多量の有寸単板の堆積が可能化され、しか
も離脱手段を進退させるだけであるから、有寸単
板が高速で搬送されて来てもこれを１箇所の堆積
場で確実に処理することができるのである。

この考案を図面に示す実施例により説明すれ
ば、コンベア１は例えばベニヤレースの単板切削
ラインに接続され、単板Ａをその繊維と直交する
方向に高速で搬送してクリツパーコンベア２へ給
送するものである。クリツパーコンベア２の部位
には、高速で搬送される単板Ａを有寸巾に切断で
きる例えば回転式等の２組のクリツパー３とクリ
ツパー４が配設してあり、クリツパー３により単
板Ａの前縁の不良部分と有効部分の境界線の切断
を、クリツパー４により単板Ａの後縁の有効部分
と不良部分の境界線の切断を行う。これらのクリ
ツパーの搬入側に配設した単板検知器５は、この
種単板の有寸切断の検出に常用されるもので、通
過する単板Ａの前縁と後縁のそれぞれの不良部分
と有効部分の境界線の検出を行い、前縁の境界線
の検出信号はタイマー６を介してクリツパー３の
作動機構７へ、後縁の境界線の検出信号はタイマ
ー８を介してクリツパー４の作動機構９へそれぞ
れ伝え、クリツパー３により前縁の不良部分と有
効部分の境界線の切断を行い、クリツパー４によ
り後端の有効部分と不良部分の境界線の切断を行
う。

刺着コンベア１０は複数条（実施例は２条）の
無端帯の表面に多数の針状体Ｎを付設して形成し
たもので、不良部分が切断分離された有効部分の
有寸単板A′に針状体Ｎを刺着してこれを吊持搬
送するものである。刺着コンベア１０はクリツパ
ーコンベア２の末端部の上方に末端部から後方に
伸びてその下方走路を刺着搬送路とし、駆動機構
１１によつてクリツパーコンベア２とほぼ同速で
走行させる。刺着コンベア１０による有寸単板
A′の刺着は、その前端部付近に設けられて無端
帯の背面を加圧する押圧体１２によつて行い、押
圧体１２は例えばローラーを用いて作動機構１３
により第１図の実線で示す待機位置と点線で示す
作用位置との間を昇降できるように設ける。そし
て単板検知器５による単板Ａの前縁の不良部分と
有効部分の境界線の検出信号をタイマー１４を介
して作動機構１３に伝え、押圧体１２を下降させ
て境界線より有効部分に寄つた有寸単板A′の前
端部付近に針状体Ｎを刺着し、刺着コンベア１０
による有寸単板A′の吊持搬送を行う。なお、刺
着コンベア１０に刺着されない単板Ａの前縁と後
縁の不良部分はクリツパーコンベア２の末端部か
ら搬送路外に排除される。

離脱手段１５は刺着コンベア１０の吊持搬送路
を斜めによぎつて針状体Ｎにより刺着搬送される
有寸単板A′を解放し、その下方に配置した台板
１６上に落下させる堆積するものである。離脱手
段１５は例えば実施例のようにバー状体等によつ
て形成し、また離脱手段１５を刺着コンベア１０
の搬送方向の前後方向に進退させる移動手段１７
を備えて、解放した有寸単板A′を台板１６上に
ほぼ平らな状態に堆積できるように構成する。こ
の移動手段１７は、例えば離脱手段１５を取り付
ける横杆１８、横杆１８をブラケツト１９を介し
て支持するコロ２０、コロ２０を案内するレール
２１、横杆１８にその両端を付したチエン２２、
チエン２２を張設する鎖車２３，２３′、鎖車２
３を正逆転させる可逆モーター２４、鎖車２３と
可逆モーター２４を結ぶベルト２５、可逆モータ
ー２４の制御器２６等により構成し、可逆モータ
ー２４の正転及び逆転により、離脱手段１５を第
１図の実線と点線で示すように刺着コンベア１０
の搬送方向の前後方向に進退させる。

この離脱手段１５の進退は、例えば単板検知器
５による単板Ａの前縁と後縁の不良部分と有効部
分の境界線の検出信号をタイマー２７を介して制
御器２６に伝え、前縁の境界線の検出信号により
可逆モーター２４を正転駆動して、離脱手段１５
を刺着コンベア１０の搬送方向に対して後退方向
へ移動させ、後縁の境界線の検出信号により可逆
モーター２４を止めて離脱手段１５を停止させ
る。また離脱手段１５が第１図の点線で示す最も
後退する位置には横杆１８によつて作動する検知
器２８を配置し、検知器２８の信号を制御器２６
に伝えて可逆モーター２４を逆転駆動し、離脱手
段１５を刺着コンベア１０の搬送方向に対して前
進方向へ移動させ、実線で示す位置で停止させ
る。この停止は横杆１８によつて作動する検知器
２９を配置し、その信号を制御器２６に伝えて行
う。

前記前縁の境界線の検出信号による可逆モータ
ー２４の正転駆動は、離脱手段１５によつて有寸
単板A′が刺着コンベア１０の刺着から解放され
た後に開始されるようにタイマー２７の時限を設
定する。そして離脱手段１５の後退速度を刺着コ
ンベア１０の搬送速度とほぼ等しく設定すれば、
離脱手段１５は有寸単板A′の巾とほぼ等しい距
離移動することになり、台板１６上には前位の有
寸単板A′の後縁と次位の有寸単板A′の前縁とが
互に近接した状態で積込まれることになるが、可
逆モーター２４の駆動停止には時間的なずれを生
じ、また離脱手段１５の移動によつて離脱の時期
に差を生ずるから、相前後する有寸単板A′の前
後縁は僅かに重なるか又は僅かな間隔が生ずるよ
うに積込まれ、有寸単板A′の互の端縁を近接し
て台板１６上に積込むことにより平らな状態の堆
積山Ｂとして堆積を行うことができるのである。
また台板１６上に有寸単板A′を平らな状態で堆
積する手段としては、有寸単板A′の前縁の検出
信号だけを用いて、離脱手段１５を有寸単板
A′が刺着から解枚されるごとに何段階かに分け
て所定の距離移動するように構成しても同様に平
らな状態の堆積を行うことができるものである。
なお、離脱手段１５の最も後退する位置の設定は
有寸に切断される最大巾によつて決め、また刺着
コンベア１０の搬入端付近に検知器を設け、その
検知器による有寸単板A′の検出信号に基づいて
離脱手段１５の進退移動を行つても同様に実施で
きるものである。図中、３０は堆積山Ｂの高さを
調節する昇降器、３１は台板１６を走行させるロ
ーラーコンベアである。

以上のようにこの考案は、刺着コンベアによつ
て有寸単板を刺着して吊持搬送し、この吊持搬送
路をよぎつて有寸単板を刺着から解放する離脱手
段を設け、離脱手段を刺着の解放が行われるごと
に刺着コンベアの搬送方向の前後方向に移動させ
る構成であるから、有寸単板を台板上にその端縁
をずらして積込むことができ、有寸単板を台板上
に平らな状態で堆積できて、多量の有寸単板の荷
崩れのない台板上への堆積が可能化され、また離
脱手段を進退させるだけで離脱位置を厳密に規制
する必要がないから、有寸単板が高速でまた連続
的に搬送されて来てもこれを確実に処理できる等
の効果を有し、合板産業に貢献するところ大なる
ものがある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は第１図の平面図である。 ３，４……クリツパー、５……単板検知器、１
０……刺着コンベア、１２……押圧体、１５……
離脱手段、１６……台板、１７……移動手段、Ａ
……単板、A′……有寸単板、Ｂ……堆積山、Ｎ
……針状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有寸単板をその繊維と直交する方向に刺着して
   吊持搬送する刺着コンベアと、該刺着コンベアの
   吊持搬送路をよぎつて有寸単板を刺着から解放し
   て下方へ落下させる離脱手段と、該離脱手段を刺
   着コンベアの前後方向に進退させる移動手段と、
   前記離脱手段の下方に配置した台板とからなり、
   前記離脱手段が有寸単板を解放するごとにこれを
   前記移動手段により進退させて有寸単板を台板上
   にほぼ平らな状態で堆積するように構成した有寸
   単板の積込み装置。