JPH02255085A - イヌリナーゼ活性を有する酵素組成物およびその製造法 - Google Patents

イヌリナーゼ活性を有する酵素組成物およびその製造法

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JPH02255085A
JPH02255085A JP1073841A JP7384189A JPH02255085A JP H02255085 A JPH02255085 A JP H02255085A JP 1073841 A JP1073841 A JP 1073841A JP 7384189 A JP7384189 A JP 7384189A JP H02255085 A JPH02255085 A JP H02255085A
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幸吉 田村
Kenji Mizutani
健二 水谷
Takashi Kuramoto
倉本 隆志
Takao Uchiyama
内山 喬夫
Mishio Kawamura
川村 三志夫
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、環状イヌロオリゴ糖生成能を有する新規イヌ
リナーゼおよびその製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
イヌリンは、主にキク科植物、キクイモ、ダリアの塊茎
、ゴボウの根、ヤーコンの根などに含まれている多糖類
であって、分子末端にシュクロースを有し、それにβ−
2,1−フラクトフラノシド結合で7ラクトースが30
〜50個結合している。
このイヌリンを分解する酵素・イヌリナーゼとしては、
アスペルギルス・ニガー由来のendo型イヌリナーゼ
、ペニシリウム属微生物由来のexo型イヌリナーゼな
ど、イヌリンを加水分解してフラクトースおよびイヌロ
オリゴ糖を生成させる酵素や、アースロバフタ−・ウレ
アファシェンス、アースロバフタ−・グロビフオーミス
、シュウトモナス・フルオレセンスなどに由来するイヌ
リンフラクトトランスフェラーゼのように、イヌリンを
分解してフラクトース2分子よりなる環状化合物(たと
えばシフラクトフラノース2’、l:2,1’−ジアン
ヒドリド、シフラクトフラノース2’、I:2,3’ジ
アンヒドリドなど)を生成させる酵素が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕 上述のように、イヌリンから7ラクト一ス2分子よりな
る環状化合物を生じさせるイヌリナーゼは公知であるが
、それ以上に多数のフラクトース分子からなる環状化合
物を生じさせるイヌリナーゼは、見いだされていない。
そのような多フラクトース環状化合物は、内径の大きい
環を形成しているので、サイクロデキストリンのように
種々の物質を包接し、その物質の物理的化学的性質を変
化させることが期待される。たとえば水難溶性物質を水
に溶けるようにしたり、光や熱に不安定な物質を安定化
したりする可能性がある。
そこで本発明の目的は、イヌリンより多フラクトース環
状化合物を生成させることのできる酵素を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
種々検討の結果、本発明者らは、バチルス属に属する細
菌の中に上記本発明の目的達成を可能にする菌株がある
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の理化学的性質を有する新規
イヌリナーゼを提供するものである。
(イ)作用 イヌリンに作用させるとイヌリンのβ−2,1−フラク
トシド結合を切断すると同時に分子内転移反応を生じさ
せ、6〜8個のフラクトース分子がβ2j−7ラクトシ
ド結合した環状イヌロオリゴ糖を生成させる。
(ロ)基質特異性 イヌリンなど重合度8以上のβ−2,1結合フラクトー
スポリマーに特異的に作用し、β−2,6結合の7ラク
トースポリマーであるレバンには作用しない (ハ)至適pHおよび安定pl(範囲 至適pH:約7.2 安定pI(範囲:6,5〜8.5 (ニ)至適温度および安定温度範囲 至適温度:45℃ 安定温度範囲:50’O以下。
以下、この新規イヌリナーゼを、その作用に基づきcy
cloinulo−oligosaccbaride 
fructanotransferase(略称:CF
Tase)と呼ぶ。
CF T aseは、バチルス・サーキュランス111
2 No、31(微工研菌寄第9943号)など、この
酵素を生産する能力を有するバチルス属細菌をフラクト
ースポリマー含有培地で培養すると菌体外に生産される
ので、培養物を酵素精製の常法により精製することによ
り容易に得ることができる。
バチルス・サーキュランスM2 No、31は、本発明
者らがイヌリンを唯一の炭素源として含有する培地で多
くの細菌を培養し、培養物中に生産された酵素の性質を
調べるスクリーニングを行なった結果選抜されたもので
ある。最初、広島県尾道市の土壌より分離された菌株で
あって、その菌学的性質は次のとおりである。
(a)形態 ■細胞の形および大きさ−太さ0.5〜0.7μm1長
さ3〜6μmの桿菌 ■運動性:あり。周毛を有する。
■胞子:あり。球形ないし楕円形。端部またはその近く
にある。
■ダラム染色性:不定 ■抗酸性:なし くb)生育 ■肉汁寒天斜面培養:粗面;半透明;クリーム白色。
■グルコース寒天斜面培養二発育悪い、透明。
クリーム白色。
■肉汁液体培養・少量の沈殿を生じる。
■肉汁ゼラチン穿刺培養:変化しない。
■リドマスミルク:変化しない。
(c)生理的性質 ■硝酸塩の還元ニする ■脱窒素:しない ■MRテスト:陽性 ■vpテスト:陰性 ■インドールの生成:なし ■硫化水素の生成:なし ■でんぷんの分解ニする ■クエン酸の利用:しない ■色素の生成:なし [相]カタラーゼ:陽性 ■酸素要求性:好気性 ■生育の範囲:pH6〜8(30’0.7日間);温度
15〜35℃; 10℃では生育微弱;40℃では生育
しない(IIH7,0,7EI間)0食塩の影響:3%
食塩含有ブイヨンで生育しない。
■炭水化物の利用ニゲルコース、7ラクトース、マルト
ース、ガラクトース、マンニット、シュクロース、ラク
トース、エスクリンを利用する。
ソルビット、アトニット、イノシトール、エタノールを
利用しない。
[相]リジン、アルギニン、オルニチンの脱炭酸:しな
い[相]尿素分解:しない 以上の諸性状をバージエイのマニュアル・オブ・デター
ミナティブ・バクテリオロジー、第8版(1974年)
の記載と照合すると、本菌株は好気性、桿菌、胞子を形
成する点などから、バチルス属に属するものと認められ
た。種については、諸性質が上記マニュアル記載のバチ
ルス・サーキュランスのそれと合致することから、本菌
株はバチルス・サーキュランスと同定された。
〔作用〕
本発明のCFTaseは、前述のように、イヌリンに作
用させるとイヌリンのβ−2,1−フラクトシド結合を
切断すると同時に分子内転移反応を生じさせ、6〜8個
のフラクトース分子がβ−2,1−フラクトシド結合し
た下記構造式の環状イヌロオリゴ糖を生成させる。
この反応を環状イヌロオリゴ糖の製造に利用する場合は
、好ましくはpH6〜8、温度35〜50℃で、最高収
率が達成されるまで反応させればよい。
本発明のCF T aseをCF T ase生産菌の
培養により製造する場合は、培地にβ−2,1−フラク
トシド結合を有する7ラクトースのポリマーを炭素源と
して、好ましくは唯一の炭素源として、約0.01〜3
0%、好ましくは約0.3〜3%含有させ、本発明のC
F T aseを誘導産生させる。使用可能なフラクト
ースのポリマーとしては、イヌリン、レバン、イヌロオ
リゴ糖類、フラクトオリゴ糖類、レバンオリゴ糖類、お
よびこれらを含有する植物抽出物または微生物培養物な
どがあるが、特に好ましいのは、イヌリンおよびレバン
である。培地には、ほかに酵母エキス、ペプトン、肉エ
キス、コーンステイープリカー、大豆粕、硫酸アンモニ
ウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、尿素など
の窒素源のほか、マグネシウム塩、カリウム塩、リン酸
塩、鉄塩、ビタミン等の無機塩類、微量栄養素等を適宜
含有させる。培養は、20〜35℃で1〜7日間、好気
的に行う。培地pHが6.0以下に下がると本発明のC
F T aseの活性収量が低下するので、pHは培養
中つねに6,0以上に保つことが望ましい。培養は、回
分式、連続式のいずれによっても行うことができる。
CF T aseは菌体内および菌体外に生産されるが
、培養液中に多量に蓄積されるので、これを利用するの
が経済的には有利である。これを培養液から分離し精製
する操作は、たとえは次のようにして行うことができる
。まず、培養液中の菌体を遠心分離、濾過などの方法で
除く。得られた上澄液は、そのままでも粗酵素液として
酵素反応に使用することができるが、精製する場合は、
たとえば硫酸アンモニウム塩析、アセトン、エタノール
、イソグロバノール等による溶媒沈殿法、ゲル濾過法、
イオン交換樹脂精製法等、−船釣な酵素精製法を用いる
ことができる。
〔実施例〕
以下、実施例を示して本発明を説明する。なお、各例に
おいて示したC F T aseの活性は、次のように
して測定されたものである。
1%イヌリン溶液(0,1Mリン酸緩衝液溶液:pH6
,5)1mlと酵素液1mlを混合し、45℃で1時間
反応させる。生成した環状イヌロオリゴ糖のうちαCI
(フラクトース6分子からなるもの)の量を高速液体ク
ロマトグラフィーで定量し、1分間に1μMのαCIを
生成させる酵素量を1単位とする。高速液体クロマトグ
ラフィーの条件は次のとおりにする。
カラム: T S K gel Am1de−80キャ
リヤー:アセトニトリル/水(65/35)流速:1.
2ml/min カラム温度=42℃ 検出:RI 実施例1 イヌリン 1%、酵母エキス0.1%、K2HPO,0
,1%、NaNO30,5%、MgSO4・71120
0.05%を含むpH7,0の培地にバチルス・サーキ
ュランスMZ No、31を植菌し、30℃で4日間、
好気的に培養した。培養終了後、10.OOOrpmで
20分間遠心分離して培養液から菌体を除き、IQの上
澄液を得た。
この上澄液を等量の冷アセトン中に投入し、生じた沈殿
を濾別し、10mMリン酸緩衝液(pH6,5)に溶解
させ、1夜4℃で同緩衝液に対して透析した。その後、
生じた沈殿を遠心分離して除き、上溝液を同上緩衝液で
平衡化したDEAE−トヨパール650Mに吸着させ、
0.1M−0,5MのNaC1を含む同上緩衝液を用い
る濃度勾配法によって酵素を溶出させた。溶出した活性
画分を集め、同上緩衝液に対して1夜4℃で透析する。
同様の操作をさらに2度繰り返し、得られた透析内液(
精製酵素■)を、同上緩衝液で平衡化したセファデック
スG−100のゲル濾過カラムクロマトグラフィーを行
い、0.1M−NaC1を含む同上緩衝液で酵素を溶出
させ、活性画分(精製酵素■)を集めた。これにより、
収率27%で、比活性が585倍精製された酵素を得た
上述の精製の経過を表1に示す。
表1 培養上清   3200  76   0.02  1
00アセトン沈殿  560  51   0.09 
 67精製酵素I     34  37   1.1
   49精製酵素11    1.8  21  1
1.7   27実旅例2 レバン0.5%、酵母エキス0.5%、KJPo、 0
.1%、NaNO30,5%、MgSO4−7H200
,05%を含むp)17.0の培地100m1を500
m1容坂ロコルベンに分注し、121 ’0で15分間
加熱殺菌した。冷却後、バチルス・サーキュランスM2
 No、31を1白金耳植菌して30℃で4日間振とう
培養した。培養終了後、遠心分離して培養液から菌体を
除き、粗酵素液を得た。そのCF T ase活性は0
.04単位/mlであった。
〔発明の効果〕
本発明の新規イヌリナーゼを用いることにより、フラク
トース6〜8分子からなる環状構造の新規オリゴ糖を容
易に製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)下記の理化学的性質を有する新規イヌリナーゼ:
    (イ)作用 イヌリンに作用させるとイヌリンのβ−2,1−フラク
    トシド結合を切断後ただちに分子内転移反応を生じさせ
    、6〜8個のフラクトース分子がβ−2,1−フラクト
    シド結合した環状イヌロオリゴ糖を生成させる; (ロ)基質特異性 イヌリンなど、重合度8以上のβ−2,1結合フラクト
    ースポリマーに特異的に作用し、β−2,6結合のフラ
    クトースポリマーであるレバンには作用しない; (ハ)至適pHおよび安定pH範囲 至適pH:約7.2 安定pH範囲:6.5〜8.5 (ニ)至適温度および安定温度範囲 至適温度:45℃ 安定温度範囲:50℃以下
  2. (2)フラクトースのポリマーを含有する培地を用いて
    請求項1記載のイヌリナーゼを生産する能力を有するバ
    チルス属細菌を培養し、培養物からイヌリナーゼを採取
    することを特徴とする請求項1記載のイヌリナーゼの製
    造法。
  3. (3)イヌリナーゼを生産するバチルス属細菌としてバ
    チルス・サーキュランスMZNo.31(微工研菌寄第
    9943号)を用いる請求項2記載の製造法。
  4. (4)フラクトースのポリマーがイヌリンまたはレバン
    である請求項2記載の製造法。
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