JPH0225455B2 - - Google Patents
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- JPH0225455B2 JPH0225455B2 JP57215969A JP21596982A JPH0225455B2 JP H0225455 B2 JPH0225455 B2 JP H0225455B2 JP 57215969 A JP57215969 A JP 57215969A JP 21596982 A JP21596982 A JP 21596982A JP H0225455 B2 JPH0225455 B2 JP H0225455B2
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-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
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- G01N27/12—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance by investigating resistance of a solid body in dependence upon absorption of a fluid; of a solid body in dependence upon reaction with a fluid, for detecting components in the fluid
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Description
この発明はSnO2に少量のPdを添加したガス検
出素子の改良に関する。 この明細書での用語法として、PdやPtはその
金属だけでなく酸化物や塩化物等の化合物をも意
味するものとし、その添加量は常に金属Pdや金
属Ptに換算した値をSnO2100重量部当りの添加重
量部として示すものとする。このようにするのは
PdやPtの存在状態が、素子の使用等によつて変
化し特定し難いことによる。 SnO2に少量のPdを添加した素子は、CH4やイ
ソブタンへの感度が高く経時的にも安定であるた
め、広く用いられている。例えば特公昭50−
23317号は、粒径的1μのSnO2に0.3wt%のPdを加
えた金属酸化物半導体をガス検出材料とし、これ
にSnO2と等重量のアルミナ骨材を加えシリカゾ
ルをバインダーとして成型した素子を提案し、イ
ソブタンに高感度で長期間連続して使用しても安
定な素子が得られることを報告している。 しかしこのような素子にも問題が有り、第1に
通電再開直後に素子の抵抗値が異常に低下する時
間(以下初期誤動作時間とする)が長く、第2に
放置状態から通電状態への移行時に素子の抵抗値
が1〜3ケ月の間異常な挙動を示す(以下この現
象をレベルシフトとする)。レベルシフトについ
て説明する。長期間放置したガス検出素子の使用
を再開すると、素子の抵抗値は一旦低下し、次い
で数日程度の間増加して安定状態よりも高い抵抗
値を示す。素子の抵抗値はこの後徐々に減少し、
1ケ月程度で安定値へと移行する。これは使用の
再開時に生じる一種のヒステリシスである。問題
はこのヒステリシス(レベルシフト)が終了する
までの間、ガスの検出濃度が安定値からシフトす
る点にある。そしてガス検出装置は初期誤動作に
よつて誤報し、レベルシフトによつて検出精度が
低下する。 初期誤動作やレベルシフトは、SnO2単味の素
子や、PtやAu等の助触媒を加えた素子でも生ず
る。むしろ実際には、Pdを加えた素子が最も初
期誤動作時間が短くレベルシフトも小さいのであ
る。そして初期誤動作やレベルシフトに対して、
Pdの添加以上に効果のある対策は発見されてい
ない。 これ以外の問題として、ガス検出素子の電源電
圧依存性がある。電源電圧依存性は、素子の抵抗
温度依存性のために生じる。SnO2100重量部に
0.1〜0.5重量部のPdを加えた素子の抵抗温度係数
は、イソブタンやメタンの検出に適した400℃付
近の温度では正である。即ち電源電圧が増加して
素子の温度が上昇すると、素子の抵抗値が増加
し、見掛け上電源電圧への依存性を打ち消す。
Pd以外の第3成分の添加で抵抗温度係数が負に
なると、電源電圧依存性が悪化する。これは、(1)
電源電圧が増加すると素子の抵抗値が減少するこ
と、(2)抵抗値の変化とは無関係に、電源電圧が増
加すると負荷抵抗への出力が増加すること、とが
重なるためである。このため素子の抵抗温度係数
は使用温度の付近で正にしなければならない。 この発明は、通電再開直後の初期誤動作時間を
短縮し、かつレベルシフトが終わるまでの時間を
短縮することを目的とする。またこの発明は、素
子の抵抗温度係数を使用温度の付近で正に保ち、
電源電圧依存性を悪化させずに、上記の2つの目
的を達成することを副次的目的とする。 この発明はPdとPtとを併用することに着目し
たもので、SnO2100重量部に対して0.1〜0.5重量
部のPdと0.02〜0.06重量部のPtとを添加し、Pd
とPtとの添加重量の比を15:1〜3:1とした
ことを特徴とする。ここでSnO2100重量部当たり
0.1〜0.5重量部のPdを加えることは、イソブタン
やメタン用のガス検出素子の公知技術である。
Pdと共に、0.02重量部以上でかつPd添加重量の1
〜15〜1/3のPtを加えると、初期誤動作時間が短
くなり、かつレベルシフトが完了するまでの時間
も短くなる。一方Ptの添加量をSnO2100重量部当
たり0.06重量部以上とすると、素子の抵抗温度係
数が負になり、電源電圧依存性が悪化する。 以下にこの発明を実施例に基づいて説明する。 (1) ガス検出素子の製造例 SnCl4水溶液をNH3で中和し、ややNH3過剰
(PH7〜8)で水酸化スズを沈澱させる。水酸
化スズの沈澱に水を加え、遠心分離により沈澱
と水とを分離し、沈澱を洗浄する。ついで水酸
化スズを100℃で1時間乾燥し、800℃に空気気
流中で3時間加熱し、SnO2を得る。 SnO2に塩化白金酸と塩化パラジウムとの混
合水溶液を加えてパラジウムや白金を含浸さ
せ、乾燥後700℃に1時間加熱し、PtやPdを担
持させる。ついでSnO2と等重量の1000メツシ
ユのアルミナを混合し、SnO2100重量部に対し
て約1重量部の不定形シリカゾルをバインダー
とし、第1図に示す形状の素子に成型する。図
において1は金属酸化物半導体、2,3は使用
時に約1.5Ωとなる一対のヒータ兼用の貴金属
電極で、成型はあらかじめ並行に配置した貴金
属電極2,3に半導体1を塗布し、600℃に10
分加熱した後、不定形シリカゾルを半導体1に
含浸させ再度700℃に10分間加熱することによ
り行つた。このようにして各組成の素子を30個
ずつ製作する。 (2) 測定回路と測定方法 ガス検出素子10の測定及び通電用回路を第
2図に示す。素子10の各ヒータ兼用電極2,
3にそれぞれトランス11を介して0.8voltの
ヒータ電圧を加え、素子10を約400℃に加熱
する。素子10には4KΩの負荷抵抗12を接
続し、トランス11により10voltの回路電圧を
供給し、抵抗12の両端間電圧VRLから素子1
0の特性を求める。素子10の加熱温度を400
℃としたのは、0.1〜0.5重量部のPdを加えた素
子に対しても最も好ましい結果が得られる温度
だからである。加熱温度を下げるとCH4やイソ
ブタンへの相対感度が低下し、H2やアルコー
ルへの感度が増す。またガスへの応答速度が低
下し、初期誤動作時間も長くなる。加熱温度を
増すと、金属酸化物半導体の熱的劣化が進み
H2やアルコールへの感度が経時的に増大する。
このような理由で、素子10の通電温度を400
℃とする。 各素子を400℃に1ケ月間通電加熱した後に
測定を開始する。得られた素子30個のうち10個
を用いて各種ガスへの感度や応答速度及び素子
の抵抗温度係数を求める。また他の10個を用い
て初期誤動作時間を求める。残りの10個のうち
5個を用いてレベルシフトについて測定し、他
の5個を連続通電して比較例とする。またこれ
らの素子10個により素子の経時特性を確認す
る。測定結果は原則として平均値により表示
し、測定雰囲気は20℃で湿度65%とし温度や湿
度の影響をさける。 結果を表にまとめて示す。 (3) Pdの添加効果 Pdの添加は水素やアルコール等の防害ガス
への感度を抑制し、CH4やイソブタンへの感度
と応答速度とを高める。この効果は0.1重量部
以上の添加で著しく大きくなる。Pdを0.5重量
部以上添加すると、抵抗温度係数が増大して電
源電圧の変動(ヒータ電圧の変動)による検出
誤差が増大する。また長期間連続通電すると
H2やアルコールへの感度が増す現象が生じ、
素子の信頼性を損ねる。 0.1重量部以下のPtをPdと併用しても(試料
No.2〜9)、ガスへの感度と応答速度はあま
出素子の改良に関する。 この明細書での用語法として、PdやPtはその
金属だけでなく酸化物や塩化物等の化合物をも意
味するものとし、その添加量は常に金属Pdや金
属Ptに換算した値をSnO2100重量部当りの添加重
量部として示すものとする。このようにするのは
PdやPtの存在状態が、素子の使用等によつて変
化し特定し難いことによる。 SnO2に少量のPdを添加した素子は、CH4やイ
ソブタンへの感度が高く経時的にも安定であるた
め、広く用いられている。例えば特公昭50−
23317号は、粒径的1μのSnO2に0.3wt%のPdを加
えた金属酸化物半導体をガス検出材料とし、これ
にSnO2と等重量のアルミナ骨材を加えシリカゾ
ルをバインダーとして成型した素子を提案し、イ
ソブタンに高感度で長期間連続して使用しても安
定な素子が得られることを報告している。 しかしこのような素子にも問題が有り、第1に
通電再開直後に素子の抵抗値が異常に低下する時
間(以下初期誤動作時間とする)が長く、第2に
放置状態から通電状態への移行時に素子の抵抗値
が1〜3ケ月の間異常な挙動を示す(以下この現
象をレベルシフトとする)。レベルシフトについ
て説明する。長期間放置したガス検出素子の使用
を再開すると、素子の抵抗値は一旦低下し、次い
で数日程度の間増加して安定状態よりも高い抵抗
値を示す。素子の抵抗値はこの後徐々に減少し、
1ケ月程度で安定値へと移行する。これは使用の
再開時に生じる一種のヒステリシスである。問題
はこのヒステリシス(レベルシフト)が終了する
までの間、ガスの検出濃度が安定値からシフトす
る点にある。そしてガス検出装置は初期誤動作に
よつて誤報し、レベルシフトによつて検出精度が
低下する。 初期誤動作やレベルシフトは、SnO2単味の素
子や、PtやAu等の助触媒を加えた素子でも生ず
る。むしろ実際には、Pdを加えた素子が最も初
期誤動作時間が短くレベルシフトも小さいのであ
る。そして初期誤動作やレベルシフトに対して、
Pdの添加以上に効果のある対策は発見されてい
ない。 これ以外の問題として、ガス検出素子の電源電
圧依存性がある。電源電圧依存性は、素子の抵抗
温度依存性のために生じる。SnO2100重量部に
0.1〜0.5重量部のPdを加えた素子の抵抗温度係数
は、イソブタンやメタンの検出に適した400℃付
近の温度では正である。即ち電源電圧が増加して
素子の温度が上昇すると、素子の抵抗値が増加
し、見掛け上電源電圧への依存性を打ち消す。
Pd以外の第3成分の添加で抵抗温度係数が負に
なると、電源電圧依存性が悪化する。これは、(1)
電源電圧が増加すると素子の抵抗値が減少するこ
と、(2)抵抗値の変化とは無関係に、電源電圧が増
加すると負荷抵抗への出力が増加すること、とが
重なるためである。このため素子の抵抗温度係数
は使用温度の付近で正にしなければならない。 この発明は、通電再開直後の初期誤動作時間を
短縮し、かつレベルシフトが終わるまでの時間を
短縮することを目的とする。またこの発明は、素
子の抵抗温度係数を使用温度の付近で正に保ち、
電源電圧依存性を悪化させずに、上記の2つの目
的を達成することを副次的目的とする。 この発明はPdとPtとを併用することに着目し
たもので、SnO2100重量部に対して0.1〜0.5重量
部のPdと0.02〜0.06重量部のPtとを添加し、Pd
とPtとの添加重量の比を15:1〜3:1とした
ことを特徴とする。ここでSnO2100重量部当たり
0.1〜0.5重量部のPdを加えることは、イソブタン
やメタン用のガス検出素子の公知技術である。
Pdと共に、0.02重量部以上でかつPd添加重量の1
〜15〜1/3のPtを加えると、初期誤動作時間が短
くなり、かつレベルシフトが完了するまでの時間
も短くなる。一方Ptの添加量をSnO2100重量部当
たり0.06重量部以上とすると、素子の抵抗温度係
数が負になり、電源電圧依存性が悪化する。 以下にこの発明を実施例に基づいて説明する。 (1) ガス検出素子の製造例 SnCl4水溶液をNH3で中和し、ややNH3過剰
(PH7〜8)で水酸化スズを沈澱させる。水酸
化スズの沈澱に水を加え、遠心分離により沈澱
と水とを分離し、沈澱を洗浄する。ついで水酸
化スズを100℃で1時間乾燥し、800℃に空気気
流中で3時間加熱し、SnO2を得る。 SnO2に塩化白金酸と塩化パラジウムとの混
合水溶液を加えてパラジウムや白金を含浸さ
せ、乾燥後700℃に1時間加熱し、PtやPdを担
持させる。ついでSnO2と等重量の1000メツシ
ユのアルミナを混合し、SnO2100重量部に対し
て約1重量部の不定形シリカゾルをバインダー
とし、第1図に示す形状の素子に成型する。図
において1は金属酸化物半導体、2,3は使用
時に約1.5Ωとなる一対のヒータ兼用の貴金属
電極で、成型はあらかじめ並行に配置した貴金
属電極2,3に半導体1を塗布し、600℃に10
分加熱した後、不定形シリカゾルを半導体1に
含浸させ再度700℃に10分間加熱することによ
り行つた。このようにして各組成の素子を30個
ずつ製作する。 (2) 測定回路と測定方法 ガス検出素子10の測定及び通電用回路を第
2図に示す。素子10の各ヒータ兼用電極2,
3にそれぞれトランス11を介して0.8voltの
ヒータ電圧を加え、素子10を約400℃に加熱
する。素子10には4KΩの負荷抵抗12を接
続し、トランス11により10voltの回路電圧を
供給し、抵抗12の両端間電圧VRLから素子1
0の特性を求める。素子10の加熱温度を400
℃としたのは、0.1〜0.5重量部のPdを加えた素
子に対しても最も好ましい結果が得られる温度
だからである。加熱温度を下げるとCH4やイソ
ブタンへの相対感度が低下し、H2やアルコー
ルへの感度が増す。またガスへの応答速度が低
下し、初期誤動作時間も長くなる。加熱温度を
増すと、金属酸化物半導体の熱的劣化が進み
H2やアルコールへの感度が経時的に増大する。
このような理由で、素子10の通電温度を400
℃とする。 各素子を400℃に1ケ月間通電加熱した後に
測定を開始する。得られた素子30個のうち10個
を用いて各種ガスへの感度や応答速度及び素子
の抵抗温度係数を求める。また他の10個を用い
て初期誤動作時間を求める。残りの10個のうち
5個を用いてレベルシフトについて測定し、他
の5個を連続通電して比較例とする。またこれ
らの素子10個により素子の経時特性を確認す
る。測定結果は原則として平均値により表示
し、測定雰囲気は20℃で湿度65%とし温度や湿
度の影響をさける。 結果を表にまとめて示す。 (3) Pdの添加効果 Pdの添加は水素やアルコール等の防害ガス
への感度を抑制し、CH4やイソブタンへの感度
と応答速度とを高める。この効果は0.1重量部
以上の添加で著しく大きくなる。Pdを0.5重量
部以上添加すると、抵抗温度係数が増大して電
源電圧の変動(ヒータ電圧の変動)による検出
誤差が増大する。また長期間連続通電すると
H2やアルコールへの感度が増す現象が生じ、
素子の信頼性を損ねる。 0.1重量部以下のPtをPdと併用しても(試料
No.2〜9)、ガスへの感度と応答速度はあま
【表】
り変化せず、この添加量の範囲ではガスへの感
度と応答速度はPdの添加量により定まる。 ガスへの感度と応答速度の面から、Pdの添
加量を0.1〜0.5重量部とする。 (4) 初期誤動作時間 10日間無通電で放置した素子10個について、
通電開始後3分程度の挙動を調べる。初期誤動
作時間として、イソブタン500ppmに相当する
抵抗値まで素子の抵抗値が回復するのに要する
時間を示す。 初期誤動作は少量のPt添加により著しく短
縮し、試料No.(1)のPt無添加の素子では第3図
の破線Bのように約90秒の初期誤動作時間を要
するのに対して、0.03重量部のPtを併用した素
子(試料No.(4))では約30秒に過ぎない(第3図
実線A)。Ptの添加効果はPtとPdとの添加量の
比によつて定まり、Ptの添加量が小さい場合
Pdの添加量を増すと効果が失なわれてしまう
(試料3と試料8)。試料3と試料8ではPt添
加量は同一であるがPdとPtとの比が異なり、
試料8はPd/Ptの比が20である。試料8では
初期誤動作時間が長く、レベルシフトも大き
い。またPt添加量が大きい場合は、Pd添加量
を減少させても失なわれてしまう(試料5と試
料7)。良い結果が得られるのはPt/Pdの比が
1/15〜1/3の範囲に限られる(試料3〜5及び
試料9)。 (5) レベルシフト 3ケ月間無通電放置した素子の、通電再開直
後の挙動を第4図に示す。実線Aは試料No.(4)の
Ptを併用した素子の結果を示し、波線Bは試
料No.(1)のPt無添加の素子の特性を示す。なお
結果はイソブタン3000ppmに対する素子5個の
抵抗値の平均を示すものである。いずれの場合
も、最初素子の抵抗値は異常に低下し、その後
かなり高抵抗化した後に2週間から2ケ月程度
で安定する。この現象をレベルシフトとする
と、レベルシフトによる変化は素子の抵抗値と
して最大で約30%、検出ガス濃度として約60%
になる。しかしレベルシフトは素子の不可逆劣
化を意味するものではなく、レベルシフト終了
後の素子の抵抗後は無通電放置に移す前の値に
一致する。従つてレベルシフトは長期間無通電
状態におくことによつて生ずる一種のヒステリ
シス現象である。 第4図の実線Aと破線Bとを比較すると、
Ptの併用(実線A)によりレベルシフトの完
了に要する期間は著しく短縮される。レベルシ
フトに対してPtが有効な範囲は、初期誤動作
の場合と同様に、PtとPdとの添加比によつて
定まり、Pt/Pdの比が1/15〜1/3が望ましい。
このようにPtの添加量だけではなく、PdとPt
との添加量の比も重要である。またPtを0.01重
量部とPdを0.25重量部と加えた素子(試料2)
では初期誤動作時間も長く、レベルシフトも大
きい。このためPt添加量の下限を0.02重量部と
した。 (6) 抵抗温度係数 素子の抵抗温度係数は、0.06重量部以上のPt
の添加により正から負に変化する。Pd量を0.25
重量部とした際の結果を第5図に示すが、Pt
量が0.03〜0.05重量部では正の抵抗温度係数が
得られるのに対し、0.07重量部では負の値とな
る。なお図の横軸は素子の温度及びそれに対応
する電源電圧を示すものである。 抵抗温度係数が負になると、回路電圧の変動
と素子の温度変化とが相乗して、大きな検出誤
差を生むことになる。また回路電圧を高め回路
電流による自己発熱を大きくした素子では、抵
抗値の変化が自己発熱量の変化を増幅し、検出
精度が低下するとともにヒステリシスを大きく
することになる。この理由で抵抗温度係数は正
であることが望ましく、Ptの添加量を0.06重量
部以下とした。 以上に説明したようにこの発明は、少量のPt
をPdと併用することにより、初期誤動作を短縮
するとともに、無通電から通電への移行によるレ
ベルシフト期間を短縮し、ガス検出素子の信頼性
を高めるものである。またこの発明ではPt添加
量の上限を制限し、使用温度での素子の抵抗温度
係数を正に保ち、電源電圧依存性の悪化を防止す
る。
度と応答速度はPdの添加量により定まる。 ガスへの感度と応答速度の面から、Pdの添
加量を0.1〜0.5重量部とする。 (4) 初期誤動作時間 10日間無通電で放置した素子10個について、
通電開始後3分程度の挙動を調べる。初期誤動
作時間として、イソブタン500ppmに相当する
抵抗値まで素子の抵抗値が回復するのに要する
時間を示す。 初期誤動作は少量のPt添加により著しく短
縮し、試料No.(1)のPt無添加の素子では第3図
の破線Bのように約90秒の初期誤動作時間を要
するのに対して、0.03重量部のPtを併用した素
子(試料No.(4))では約30秒に過ぎない(第3図
実線A)。Ptの添加効果はPtとPdとの添加量の
比によつて定まり、Ptの添加量が小さい場合
Pdの添加量を増すと効果が失なわれてしまう
(試料3と試料8)。試料3と試料8ではPt添
加量は同一であるがPdとPtとの比が異なり、
試料8はPd/Ptの比が20である。試料8では
初期誤動作時間が長く、レベルシフトも大き
い。またPt添加量が大きい場合は、Pd添加量
を減少させても失なわれてしまう(試料5と試
料7)。良い結果が得られるのはPt/Pdの比が
1/15〜1/3の範囲に限られる(試料3〜5及び
試料9)。 (5) レベルシフト 3ケ月間無通電放置した素子の、通電再開直
後の挙動を第4図に示す。実線Aは試料No.(4)の
Ptを併用した素子の結果を示し、波線Bは試
料No.(1)のPt無添加の素子の特性を示す。なお
結果はイソブタン3000ppmに対する素子5個の
抵抗値の平均を示すものである。いずれの場合
も、最初素子の抵抗値は異常に低下し、その後
かなり高抵抗化した後に2週間から2ケ月程度
で安定する。この現象をレベルシフトとする
と、レベルシフトによる変化は素子の抵抗値と
して最大で約30%、検出ガス濃度として約60%
になる。しかしレベルシフトは素子の不可逆劣
化を意味するものではなく、レベルシフト終了
後の素子の抵抗後は無通電放置に移す前の値に
一致する。従つてレベルシフトは長期間無通電
状態におくことによつて生ずる一種のヒステリ
シス現象である。 第4図の実線Aと破線Bとを比較すると、
Ptの併用(実線A)によりレベルシフトの完
了に要する期間は著しく短縮される。レベルシ
フトに対してPtが有効な範囲は、初期誤動作
の場合と同様に、PtとPdとの添加比によつて
定まり、Pt/Pdの比が1/15〜1/3が望ましい。
このようにPtの添加量だけではなく、PdとPt
との添加量の比も重要である。またPtを0.01重
量部とPdを0.25重量部と加えた素子(試料2)
では初期誤動作時間も長く、レベルシフトも大
きい。このためPt添加量の下限を0.02重量部と
した。 (6) 抵抗温度係数 素子の抵抗温度係数は、0.06重量部以上のPt
の添加により正から負に変化する。Pd量を0.25
重量部とした際の結果を第5図に示すが、Pt
量が0.03〜0.05重量部では正の抵抗温度係数が
得られるのに対し、0.07重量部では負の値とな
る。なお図の横軸は素子の温度及びそれに対応
する電源電圧を示すものである。 抵抗温度係数が負になると、回路電圧の変動
と素子の温度変化とが相乗して、大きな検出誤
差を生むことになる。また回路電圧を高め回路
電流による自己発熱を大きくした素子では、抵
抗値の変化が自己発熱量の変化を増幅し、検出
精度が低下するとともにヒステリシスを大きく
することになる。この理由で抵抗温度係数は正
であることが望ましく、Ptの添加量を0.06重量
部以下とした。 以上に説明したようにこの発明は、少量のPt
をPdと併用することにより、初期誤動作を短縮
するとともに、無通電から通電への移行によるレ
ベルシフト期間を短縮し、ガス検出素子の信頼性
を高めるものである。またこの発明ではPt添加
量の上限を制限し、使用温度での素子の抵抗温度
係数を正に保ち、電源電圧依存性の悪化を防止す
る。
第1図はガス検出回路の1例を示す断面図、第
2図はガス検出回路の回路図、第3図は素子の初
期誤動作を示す特性図、第4図は素子のレベルシ
フトを示す特性図、第5図は素子の抵抗温度依存
性を示す特性図である。 1;金属酸化物半導体、2,3;ヒータ兼用電
極、10;ガス検出素子、12:負荷抵抗。
2図はガス検出回路の回路図、第3図は素子の初
期誤動作を示す特性図、第4図は素子のレベルシ
フトを示す特性図、第5図は素子の抵抗温度依存
性を示す特性図である。 1;金属酸化物半導体、2,3;ヒータ兼用電
極、10;ガス検出素子、12:負荷抵抗。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 酸化第二錫100重量部に0.1〜0.5重量部のPd
を添加し、これに一対の電極を接続した素子にお
いて、 前記酸化第二錫にはPdに加えてPtを添加し、
かつPtの添加量は酸化第二錫100重量部に対して
0.02〜0.06重量部で、PdとPtの添加重量の比は
15:1〜3:1であることを特徴とするガス検出
素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21596982A JPS59105552A (ja) | 1982-12-09 | 1982-12-09 | ガス検出素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21596982A JPS59105552A (ja) | 1982-12-09 | 1982-12-09 | ガス検出素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59105552A JPS59105552A (ja) | 1984-06-18 |
JPH0225455B2 true JPH0225455B2 (ja) | 1990-06-04 |
Family
ID=16681233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21596982A Granted JPS59105552A (ja) | 1982-12-09 | 1982-12-09 | ガス検出素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59105552A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0340973U (ja) * | 1989-08-30 | 1991-04-19 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5176019B2 (ja) * | 2008-12-22 | 2013-04-03 | 富山県 | Total−VOC検出用ガスセンサ及びその製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS556188A (en) * | 1978-06-22 | 1980-01-17 | Westinghouse Electric Corp | Module type shell and tube heat exchanger |
JPS55136947A (en) * | 1979-04-13 | 1980-10-25 | Matsushita Electric Works Ltd | Gas detecting element |
JPS5773661A (en) * | 1980-10-25 | 1982-05-08 | Matsushita Electric Works Ltd | Sensing element for combustible gas |
-
1982
- 1982-12-09 JP JP21596982A patent/JPS59105552A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS556188A (en) * | 1978-06-22 | 1980-01-17 | Westinghouse Electric Corp | Module type shell and tube heat exchanger |
JPS55136947A (en) * | 1979-04-13 | 1980-10-25 | Matsushita Electric Works Ltd | Gas detecting element |
JPS5773661A (en) * | 1980-10-25 | 1982-05-08 | Matsushita Electric Works Ltd | Sensing element for combustible gas |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0340973U (ja) * | 1989-08-30 | 1991-04-19 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59105552A (ja) | 1984-06-18 |
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