JPH0225330Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、シート背もたれ部に取付けられる
回転式ヘツドレストに関するものである。

〔従来の技術〕

一般的なヘツドレストは、枕本体の底面から２
本のステーを延出させ、これらステーを背もたれ
部の上端に差し込み、昇降可能かつ任意の高さ位
置でのロツクを図つている。このようなヘツドレ
ストは、着座者の体型に合わせて枕本体の高さ位
置を最適の個所に位置決めし、不慮の事故の際に
座者の頭部を保護しようと意図したものである。
すなわち、ヘツドレストの動きとしては縦方向の
動きに重点が置かれ、横方向の動きについては積
極的な配慮が欠如していた。

そこで、横方向の動きも取り入れて、着座者の
後頭部と枕本体との間隙を無くし、常に頭部をサ
ポートできるようにしたヘツドレストが開発され
た。例えば、本出願人の実公昭57−6212号公報に
記載のヘツドレストは、縦方向の動き（昇降）の
みならず、横方向の動き（着座者の後頭部へ向け
て前進）も取り入れた。この従来技術は、ヘツド
レストの前進及び後退を図ることにより、座者の
頭部とヘツドレスト本体とが常に接触できるよう
にして頭部を支え首の疲労を防止するとともに、
事故発生の際の安全性を高め、ドライバーの目の
位置を変化修正することもできるようにした。

〔解決しようとする問題点〕

上述の本出願人の実公昭57−6212号公報に記載
のものは、枕本体の前進及び後退を図るために、
複雑な機構を組み込んだ。この結果として、組立
ての煩雑さや部品点数の多さ、さらには重量の増
加など不都合が認識されるに至つた。

そこで、部品点数を減らし、軽量化を図り、機
構をシンプルにすることができるとともに、簡単
な操作により無段階高さ位置調節の他に３段階で
の前後位置調節を図ることができ、しかも確実に
ロツクして外部からの衝撃力に対抗することがで
き、さらに後頭部にたいする密着性も高めること
ができる回転式ヘツドレストを提供することが解
決すべき課題となつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するため、この考案は、枕本
体の左右両端の少なくとも一端面がシート着座者
の後頭部を支持できる形状を有するとともに、枕
本体の横幅と奥行きの長さが異なり、この枕本体
の底面に１本のステーを下方に延長するように取
付け、このステーの昇降並びに回動を許すととも
に昇降並びに回動を所望の位置でロツクするため
のステー支持機構をシートのバツクフレームに取
付けたものである。

〔実施例〕

以下にこの考案の好適な実施例を図面を参照し
つつ説明する。

第１図において略直方体箱状の、枕本体１の左
右両端１Ａ・１Ｂの少なくとも一端面がシート着
座者の後頭部を支持できる形状を有するととも
に、枕本体１の構幅Ｗと奥行きＤの長さが異なり
（Ｗ＞Ｄ）、枕本体１の底面に１本のステー２を下
方に延長するように取付けてある。即ち、このス
テー２は、枕本体１の底面の横幅を２等分する線
上であつて、その線上中央位置より若干前後方向
にずれた状態で取付けられている。シートの背も
たれ部の骨格を構成するバツクフレーム３にブラ
ケツト４を固着し、このブラケツト４にステー支
持機構５を取付けてある。

前記ステー２には雄ねじ２１を刻設してあり、
周面の数ケ所（図面上３ケ所）に縦溝２２を形成
してある。縦溝２２は、ステー２の中心軸線を中
心として互いに90度離れた個所に設ける。

前記ステー支持機構５は、ステー２の雄ねじ２
１と螺合する雌ねじ５１を備えた筒体５２を有
し、この筒体５２に筒体５２の外部から内部の中
空部へ進退可能なロツクピン５４を取付けてあ
る。より具体的には、筒体５２の側面に箱体５３
を固着し、この箱体５３の孔５３ａと筒体の孔５
２ａをロツクピン５４が貫通し、箱体５３内にロ
ツクピン５４をステー２の方向へ向けて付勢する
バネ５５を設け、ロツクピン５４に鍔５４ａを形
成してある。ロツクピン５４の先端は、バネ５５
の作用によりステー２の縦溝２２へ嵌まり込む。
この状態でステー２の回動は阻止される。

ステー２をいずれか一方に回動させ、例えば、
第１図の状態から90度回動させるには、ロツクピ
ン５４をバネ５５の力に抗して引つ張り、縦溝２
２から外す。ロツクピン５４と縦溝２２との嵌合
を外すことにより、ステー２を90度回動させて隣
接する縦溝２２にロツクピン５４を嵌合させる。
このとき、ヘツドレストの高さも調節するには、
ステー２を数回転させて、端面１Ａあるいは１Ｂ
が着座者の後頭部に対向する位置でロツクピン５
４と縦溝２２とを嵌合させれば良い。先にも述べ
たように、枕本体１はＷ＞Ｄであり、端面１Ａが
第５図に示すように着座者の後頭部に対向すると
きには、着座者の後頭部と枕本体１の端面１Ａと
が接触するようになる。

〔効果〕

以下説明したように、この考案によれば、所定
の条件を満たす箱状の枕本体の底面に１本のステ
ーを下方に延長するように取付け、このステーの
昇降並びに回動を許すとともに昇降並びに回動を
所望の位置でロツクするためのステー支持機構を
シートのバツクフレームに取付けたので、枕本体
の互いに隣接する３つの面を着座者の後頭部に対
向する位置で使用できる。その結果、自動車シー
ト等へ応用すれば、枕本体のいずれかの面を運ぶ
ことにより、ドライバーが最適のポジシヨンにあ
るときに、ヘツドレストが頭部の後方位置にあつ
て、頭部とヘツドレストとの間に不要な隙間を生
じさせず、頭部を支える首や肩の疲労を軽減さ
せ、衝突事故の際にも安全性が高まる。また、ド
ライバーの目の位置の変化修正を行うことも、枕
本体の向きの調節により容易に行え、好みの運転
姿勢をとることができる。

特に、この考案では、機構の簡素化が図れ、部
品点数の減少、軽量化に役立ち、低コストで製作
もできる。

また、この考案によれば、ステーに雄ねじを刻
設し、筒体に雌ねじを設け、ステーの回動防止の
ためにステーに縦溝を設け、筒体にこの縦溝に嵌
合するロツクピンを設けた構成となつているた
め、雄ねじと雌ねじとの螺合により所定の位置で
のステーの昇降は防止され、簡単な構造で昇降並
びに回動を図りかつこれらのロツクも図り得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は斜視図、第２図はステーの正面図、第
３図は第２図−線断面図、第４図はステー支
持機構とステーとの関係を示す横断面図、第５図
は使用状態の一例を示す側面図である。 １……枕本体、２……ステー、３……バツクフ
レーム、５……ステー支持機構、２１……雄ね
じ、２２……縦溝、５１……雌ねじ、５２……筒
体、５４……ロツクピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前後面及び左右両端のうちの一方の端面がシー
   ト着座者の後頭部を支持する形状を有するととも
   に、横幅と奥行きの長さが異なる箱状の枕本体
   と、 雄ねじを刻設するとともに、周面の３ケ所に縦
   溝を形成し、前記枕本体の底面から下方に延長す
   るように１本取付けたステーと、 このステーの昇降並びに回動を許すとともに昇
   降並びに回動を所望の位置でロツクするため、ス
   テーの雄ねじと螺合する雌ねじを備えた筒体及び
   この筒体に筒体の外部から内部中空部へ進退可能
   に取付けると共に前記ステーの３ケ所の縦溝に係
   脱するロツクピンを有し、シートバツクフレーム
   に取付けたステー支持機構と を備えたことを特徴とする回転式ヘツドレスト。