JPH0225313Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、泡状頭髪料、クリーム状毛染剤等
の使用の際に用いられるヘアブラシに関するもの
である。

〔従来の技術〕

一般に、頭髪料を用いて整髪する際には、頭髪
料を容器から一旦掌に取り出し、これを頭髪に付
着させたのち、ヘアブラシ等を用いて整髪するこ
とが行われている。このようにして整髪をする場
合には、整髪のたびに手が汚れ、その都度水洗し
なければならず煩雑である。最近、従来の頭髪料
とは概念を異にする泡状頭髪料（ムースタイプ頭
髪料）が開発され一部で販売されている。この泡
状頭髪料（ムースタイプ頭髪料）は、通常、スプ
レータイプになつており、容器から泡状に吐出さ
れる。この種、泡状頭髪料は従来の液状頭髪料と
は異なり保形性を有するため、ヘアブラシのブラ
シ毛上に直接吹き出すことができ、手指を汚すこ
となく整髪することができるという利点を有して
いる。この泡状頭髪料には、例えばヘアートニツ
ク、ヘアーリキツド、ヘアートリートメント、シ
ヤンプー等各種のものがあり、先に述べたような
方法で使用される。クリーム状毛染剤もこの泡状
頭髪料の範疇に含まれる。ところが、上記泡状頭
髪料の使用時に用いるヘアブラシは、ブラシ台の
上に一様の長さのブラシ毛が全体的に植設されて
いるものであり、泡状頭髪料は上記ブラシ毛の毛
先でつくられる平面の上に吹き出されて使用され
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記のようなヘアブラシを用い
る場合には、泡状頭髪料がブラシ毛の毛先の上に
載つたような状態になつており、すきほぐしを繰
り返すに従つてブラシ毛の間に入り込み不経済、
不衛生であり、また落下しやすく、整髪のために
ブラシ毛を下に向けると、落下し衣服を汚すとい
う問題を生じている。このような頭髪料の落下を
注意して防止し泡状頭髪料を頭髪に付着させて整
髪しようとしても、ブラシ毛が頭髪に接触する前
に泡状頭髪料が頭髪に接触し、その接触部分の頭
髪に多量に付着してしまう。したがつて、これを
ブラシ毛ですいても頭髪全体に均一に薄く延ばす
ことができず、頭髪料の塗りむらを生じ、使用量
の割に効果が上がらないというような難点が生じ
る。また、上記のように泡状頭髪料を均一に薄く
延ばせないため、上記頭髪料を何回もヘアブラシ
上に吹き出さなければならず整髪にかなりの手間
を要するという問題も生じる。したがつて、実際
の使用においては、この種泡状頭髪料も、従来の
液状頭髪料同様、掌の上に取り出し掌で頭髪に付
着して使用されており、泡状頭髪料の有する保形
性が生かされていないのが実情である。

この考案は、このような事情に鑑みなされたも
ので、掌の上に泡状頭髪料を取り出して手を汚す
ことなく、かつ泡状頭髪料を均一に薄く延ばして
効果的に整髪しうるヘアブラシの提供をその目的
とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案のヘアブ
ラシは、一端に把手２を有するブラシ台１の外周
領域４に、ブラシ毛のない中央領域３を囲うよう
に複数のブラシ毛が列状に設けられ、上記中央領
域３に複数の凸部５もしくは凹部５ａがブラシ台
１の長手方向に沿つてじぐざぐ状に配設されてい
るという構成をとる。

つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく
説明する。

〔実施例〕

第１図はこの考案の一実施例の全体斜視図を示
し第２図はその横断面図を示している。これらの
図において、１は把手２と一体的に形成されたブ
ラシ台で、略長方形に形成されている。その中央
領域３はブラシ毛が植設されていずに地肌のまま
残され、この地肌部分が、半球状突部５をじぐざ
ぐ状（千鳥状）に分布形成することにより凹凸部
に形成されている。上記凹凸状の中央領域３を囲
うブラシ台１の外周領域４には複数本の毛を束ね
たブラシ毛４ａが適宜間隔で植設されている。す
なわち、上記中央領域３の凹凸状地肌部分は、上
記ブラシ毛４ａによつて包囲された状態となつて
いる。上記ブラシ台１と把手２との間の部分は、
弾性接続部２ａになつており、上記ブラシ台１は
そこを中心に上下にしなるようになつている。な
お、第１図において、矢印はブラシのくしとき
（ブラツシング）方向を示している。

このように、このヘアブラシは、ブラシ台１の
中央領域３を地肌のまま残し、その部分をブラシ
毛４ａによつて包囲しているため、上記中央領域
３に泡状頭髪料を溜めうるようになる。特に、こ
のヘアブラシは上記中央領域３が、半球状突部５
の分布形成により凹凸部に形成されており、この
凹凸による接触摩擦により泡状頭髪料の保持が一
層効果的に行われるようになる。このようにこの
ヘアブラシは、泡状頭髪料に好適に保持しうるた
め、ブラシを使用する際、その溜められた泡状頭
髪料を外周領域４のブラシ毛４ａによつて少しづ
つ薄く均一に延ばすことができるようになり、泡
状頭髪料の均一塗布・塗りのばし等の目的を達成
できるようになる。そのうえ、このヘアブラシ
は、中央領域３にブラシ毛がないため、矢印方向
のくしときの際、頭髪がよく通るようになり、中
央領域３に溜る泡状頭髪料をくしときごとに少し
づつとつていくようになる。この場合、中央領域
３の半球状突部５はじぐざぐ状（千鳥状）に分布
形成されていて、くしとき方向に重なつていない
ため、頭髪の通りが阻害されることがない。その
結果、泡状頭髪料を中央領域３やブラシ毛４ａの
根元に残すことなく使い切ることができるように
なる。この場合、ブラシ毛４ａの植立高さを10〜
20mmに設定すると上記効果が一層高くなる。ま
た、ブラシ毛４ａの植設ピツチも適正に設定する
ことが好ましい。ピツチが小さいと、泡状頭髪料
が残存しやすく、大きすぎると、ブラシ台１より
はみ出す傾向がみられるからである。また、この
ヘアブラシは、前記のようにブラシ台１と把手２
とを弾性接続部２ａを介して一体的に形成してい
るため、弾性接続部２ａを中心によくしなるよう
になり、それを利用して頭皮を叩き快い刺激を付
与することもできるのである。

なお、ヘアブラシにおいては、髪すきをスムー
ズにし、かつ髪に泡状頭髪料が付着したとき、く
しときにより、できるだけ早く泡を消しうること
が好ましいのであり、上記毛足の長いブラシ毛４
ａの植設密度や分布態様は、これを考慮して適正
に設定することが好ましい。さらにブラシ毛４ａ
は、１穴当たり毛を１本または１本以上設定して
構成することが妥当であり、ブラシ毛の材質は特
に制限するものではなく、毛先は球状形でもよ
い。さらに、ブラシ毛４ａが２列の場合、内外の
ブラシ毛については、同種同数または異種異数、
ピツチ等を適宜選択できるのはいうまでもなく、
２列以上の場合、第１図に示すようにくしとき方
向に対して内外のブラシ毛４ａが１線上に位置し
ないよう互い違いに配設することが好ましい。

第３図および第４図はさらに他の実施例を示し
ている。この実施例のヘアブラシは、外周領域４
を内層６および外層７にさらに区分し、内層６に
は毛先が球状に形成された軟質線状ナイロン毛８
を１本宛植設し、外層７には、内層６に植設され
たと同様の毛を複数本束ねたブラシ毛９を植設
し、内層６の毛８、外層７の毛９とが互い違いに
なるように両者を位置決めしている。また、半球
状突部５に代えて半球状凹部５ａを設けている。
それ以外の部分は第１図の実施例と同じであり、
第１図のヘアブラシと同様の作用効果を奏する。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のヘアブラシは、ブラ
シ台の中央領域をブラシ毛のない地肌の状態で残
し、かつその中央領域に、複数の凸部もしくは凹
部を形成しているため、中央領域に泡状頭髪料を
溜めてブラツシングすることができる。そして、
そのブラツシングの際には、溜められた泡状頭髪
料が上記凸部もしくは凹部との接触摩擦により中
央領域に保持されブラシ台から流れ落ちない。し
たがつて、ブラツシング時における泡状頭髪料の
流れ落ちに起因する手指の汚れや衣服の汚れの防
止を実現できると同時に、溜められた泡状頭髪料
を外周領域のブラシ毛によつて少しづつ薄く均一
に延ばすことができるようになり、泡状頭髪料の
均一塗布・塗りのばし等の目的を達成できるよう
になる。そのうえ、上記複数の凸部もしくは凹部
は、ブラシ台の長手方向に沿つてじぐざぐ状に配
設されており、ブラツシング方向（ブラシ台の長
手方向に直交する方向）に重なつた状態で配設さ
れていないため、ブラツシングの際、ブラシ台の
中央領域を横切る頭髪は凸部もしくは凹部に妨げ
られることなく円滑に通り抜ける。したがつて、
泡状頭髪料を中央領域や凸部もしくは凹部に残す
ことなく使い切ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の斜視図、第２図
はその要部横断面図、第３図は他の実施例の斜視
図、第４図はその横断面図である。 １……ブラシ台、２……把手、３……中央領
域、４……外周領域、４ａ……ブラシ毛、５……
半球状突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に把手２を有するブラシ台１の外周領域４
   に、ブラシ毛のない中央領域３を囲うように複数
   のブラシ毛が列状に設けられ、上記中央領域３に
   複数の凸部５もしくは凹部５ａがブラシ台１の長
   手方向に沿つてじぐざぐ状に配設されていること
   を特徴とするヘアブラシ。