JPH0390Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、泡状頭髪料、クリーム状毛染剤等
の使用の際に用いられるヘアブラシに関するもの
である。

〔従来の技術〕

一般に、頭髪料を用いて整髪する際には、頭髪
料を容器から一旦掌に取り出し、これを頭髪に付
着させたのち、ヘアブラシ等を用いて整髪するこ
とが行われている。このようにして整髪をする場
合には、整髪のたびに手が汚れ、その都度水洗し
なければならず煩雑である。最近、従来の頭髪料
とは概念を異にする泡状頭髪料（ムースタイプ頭
髪料）が開発され一部で販売されている。この泡
状頭髪料（ムースタイプ頭髪料）は、通常、スプ
レータイプになつており、容器から泡状に吐出さ
れる。この種、泡状頭髪料は従来の液状頭髪料と
は異なり保形性を有するため、ヘアブラシのブラ
シ毛上に直接吹き出すことができ、手を汚すこと
なく整髪することができるという利点を有してい
る。この泡状頭髪料には、例えばヘアートニツ
ク、ヘアーリキツド、ヘアートリートメント、シ
ヤンプー等各種のものがあり、先に述べたような
方法で使用される。クリーム状毛染剤もこの泡状
頭髪料の範疇に含まれる。ところが、上記泡状頭
髪料の使用時に用いるヘアブラシは、ブラシ台の
上に一様の長さのブラシ毛が全体的に植設されて
いるものであり、泡状頭髪料は上記ブラシ毛の毛
先でつくられる平面の上に吹き出されて使用され
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記のようなヘアブラシを用い
る場合には、泡状頭髪料がブラシ毛の毛先の上に
乗つたような状態になつており、すきほぐしを繰
り返すに従つてブラシ毛の間に入り込み不経済、
不衛生であり、また落下しやすく、整髪のために
ブラシ毛を下に向けると、落下し衣服を汚すとい
う問題を生じている。このような頭髪料の落下を
注意して防止し泡状頭髪料を頭髪に付着させて整
髪しようとしても、ブラシ毛が頭髪に接触する前
に泡状頭髪料が頭髪に接触し、その接触部分の頭
髪に多量に付着してしまう。したがつて、これを
ブラシ毛ですいても頭髪全体に均一に薄く延ばす
ことができず、頭髪料の塗りむらを生じ、使用量
の割に効果が上がらないというような難点が生じ
る。また、上記のように泡状頭髪料を均一に薄く
延ばせないため、上記頭髪料を何回もヘアブラシ
上に吹き出さなければならず整髪にかなりの手間
を要するという問題も生じるのである。したがつ
て、実際の使用においては、この種泡状頭髪料
も、従来の液状頭髪料同様に、掌の上に取り出し
掌で頭髪に付着して使用されており、泡状頭髪料
の有する保形性が生かされていないのが実情であ
る。

この考案は、このような事情に鑑みなされたも
ので、掌の上に泡状頭髪料を取り出して手を汚す
ことなく、かつ泡状頭髪料を均一に薄く延ばして
効果的に整髪しうるヘアブラシの提供をその目的
とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案のヘアブ
ラシは、一端に把手２を有するブラシ台１の中央
領域に、凹部４または穴部１１を形成し、この凹
部４または穴部１１の内周面に係合部５を設け、
外周面にその係合部５と係合する被係合部７を有
するブラシ毛保持台６を上記凹部４または穴部１
１内に、段階的に上下に平行移動可能に嵌挿し、
上記凹部４または穴部１１を囲うブラシ台１の外
周領域１０にブラシ毛９を列設し、上記ブラシ毛
保持台６にブラシ毛８を粗に、かつブラシ台１の
長手方向において対応する外周領域ブラシ毛９の
間に位置決めした状態で列設したという構成をと
る。

つぎに、この考案の実施例にもとづいて詳しく
説明する。

〔実施例〕

第１図はこの考案の一実施例の全体斜視図を示
し第２図はそのＡ−A′断面図を示している。こ
れらの図において、１は把手２と弾性接続部２ａ
を介して一体的に形成されたブラシ台で、略長方
形に形成されている。４はこのブラシ台１の中央
領域３に形成された略長方形の凹部で、その長手
方向に沿う左右の内周面に、複数個の係合部５が
高さ方向に一定間隔で形成されている。６は上記
凹部４内に配設された略長方形板状のブラシ毛保
持台で、その長手方向に沿う両側端縁に左右一対
の被係合部７が形成され、この被係合部７が上記
係合部５と係脱自在に係合することにより、ブラ
シ毛保持台６を段階的に上下に平行移動しうるよ
うになつている。８はブラシ毛保持台６の上面に
植設されているブラシで、ブラシ毛保持台６の長
手方向に沿つて２列に配設され、その２列のうち
の一方の列の適宜のブラシ毛８が間引かれた状態
になつているとともに、その間引かれた部分以外
の部分に対応する他方の列のブラシ毛８が間引か
れた状態になつており、平面視クランク状（第３
図参照）の分布態様になつている。９はブラシ毛
保持台６を囲うブラシ台１の外周領域１０に、外
周に沿つて１列に植設されたブラシ毛である。

このように、この考案のヘアブラシは、ブラシ
毛保持台６の被係合部７を上記凹部４の係合部５
に係脱自在に係合し、上記保持台６が上記凹部４
内を段階的に上下に平行移動できるようにしてい
るため、保持台６を下方に移動させ、保持台６の
ブラシ毛８によつてつくられるブラシ面を外周領
域１０のブラシ毛９によつてつくられるブラシ面
に対して凹部に形成しうる。したがつて、上記ブ
ラシ面の凹部および保持台６の上面上に泡状頭髪
料を溜めうるようになり、ブラシを使用する際、
その溜められた泡状頭髪料を少しづつ薄く均一に
延ばすことができるようになる。また、この効果
は、上記構成と、ブラシ毛保持台６のブラシ毛８
と外周領域１０のブラシ毛９との相互の位置関係
を適正に規制していることから実現される。そし
て、上記両ブラシ毛８，９の相互の位置の規制に
より、泡状頭髪料をブラシ毛８の根元等に残すこ
となく使い切ることができるようになる。しかも
このヘアブラシは、ブラシ毛保持台６のブラシ毛
８を指でつまんで上方に引つぱると、第２図にお
ける被係合部７と係合部５との係合が解除される
ため、ブラシ毛保持台６を１段ずつ上昇させるこ
とができ、またブラシ毛保持台６を下方に押圧す
ると、上記と同様の動作によりブラシ毛保持台６
を１段ずつ下降させることができる。したがつ
て、ブラシ毛８およびブラシ毛保持台６のひつこ
み度合を簡単に調節でき、泡状頭髪料の保持量を
容易に調節できるという効果を奏する。そのう
え、ブラシ毛保持台６を最上部まで上昇させてそ
のブラシ毛８を外周部のブラシ毛９の高さと同じ
高さに位置決めすれば、泡状頭髪料専用ブラシと
してだけでなく、通常のヘアブラシとしても使用
しうるようになるのであり、これもこのヘアブラ
シの大きな特徴である。

なお、このヘアブラシは、ブラシ台１と把手２
とを弾性接続部２ａを介して一体的に形成してい
るため、弾性接続部２ａを中心によくしなるよう
になり、それを利用して頭皮を叩き快い刺激を付
与することもできる。

第４図はこの考案の他の実施例を示している。
この実施例のヘアブラシは、毛を所定の本数束ね
てブラシ毛８，９を構成するのでなく、毛先が球
状に形成されている１本の軟質線条プラスチツク
でブラシ毛９ａを構成している。それ以外の部分
は第１図の実施例と同じであり作用効果も同じで
ある。

第５図はこの考案にさらに他の実施例を示して
いる。この実施例のヘアブラシは、第２図におけ
る凹部４の底面をとり除き、穴部１１に形成して
いる。すなわち、この実施例のヘアブラシは、上
記穴部１１の底部より指等を入れて保持台６の底
部を上方に押し上げ、保持台６の上昇の容易化を
図つているのであり、それ以外の作用効果は第１
図の実施例と同じである。

なお、上記の実施例では、ブラシ毛８を平面視
クランク状に粗む植設密度で分布配設している
が、第６図に示すように３列のジグザグ状に粗な
植設密度で分布配設してもよく、また、第７図に
示すように２列のジグザグ状に粗な植設密度で分
布配設しても同様の効果が得られる。

〔考案の効果〕

以下のように、この考案のヘアブラシは、ブラ
シ毛保持台６を凹部４または穴部１１内に段階的
に上下に平行移動可能に嵌挿していることから、
ブラシ毛保持台６を上下に平行移動させても、ブ
ラシ毛保持台６に植設されたブラシ毛８が外周領
域のブラシ毛９と設計時の位置関係を保つた状態
を保持する。しかも、上記ブラシ毛保持台６のブ
ラシ毛８は粗に植設されているため、泡状頭髪料
はブラシ毛保持台６のブラシ毛８の毛先の上では
なく、主としてブラシ毛保持台６の台上に直接溜
められる。したがつて、かなり多量の泡状頭髪料
を一度に溜めることができる。そして、上記中央
領域のブラシ毛保持台６のブラシ毛８は、外周領
域ブラシ毛９の間に位置決めされていることか
ら、ブラツシングの際に、外周領域のブラシ毛９
の間を通つた頭髪が中央領域のブラシ毛保持台６
を横切る際に、ブラシ毛保持台６のブラシ毛８に
当接し、そこで方向を変えられて中央領域のブラ
シ毛保持台６の台上に溜まつた泡状頭髪料を付着
した状態で横切り、さらに反対側の外周領域のブ
ラシ毛９の間を通り抜ける際に頭髪に付着した余
分な泡状頭髪料がブラシ毛９でこそぎ落とされ
る。すなわち、この考案のブラシは、中央領域の
ブラシ毛保持台６上にかなり多量の泡状頭髪料を
一度に溜めることができ、それをブラツシングの
際に頭髪に均一に付着させることができ、しかも
ブラシ毛保持台６のブラシ毛８の根元に泡状頭髪
料を残すことなく使い切ることができる。特に、
この考案では、ブラシ毛保持台６を上下に平行移
動可能にしていることから、その上下移動により
ブラシ毛保持台６上に溜める泡状頭髪料の量の調
節を簡単に行うことができると同時に、ブラシ毛
保持台６を上方に移動させ、そのブラシ毛８の毛
先を外周領域１０のブラシ毛９の毛先と揃えるこ
とにより、通常のヘアブラシとしても使用するこ
とができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の斜視図、第２図
はそのＡ−A′断面図、第３図はブラシ毛の植設
状態説明図、第４図は他の実施例の斜視図、第５
図はさらに他の実施例の横断面図、第６図および
第７図はブラシ毛の他の植設状態説明図である。 １……ブラシ台、２……把手、３……中央領
域、４……凹部、５……係合部、６……ブラシ毛
保持台、７……被係合部、８，９……ブラシ毛、
１０……外周領域、１１……穴部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に把手２を有するブラシ台１の中央領域
   に、凹部４または穴部１１を形成し、この凹部４
   または穴部１１の内周面に係合部５を設け、外周
   面にその係合部５と係合する被係合部７を有する
   ブラシ毛保持台６を上記凹部４または穴部１１内
   に、段階的に上下に平行移動可能に嵌挿し、上記
   凹部４または穴部１１を囲うブラシ台１の外周領
   域１０にブラシ毛９を列設し、上記ブラシ毛保持
   台６にブラシ毛８を粗に、かつブラシ台１の長手
   方向において対応する外周領域ブラシ毛９の間に
   位置決めした状態で列設したことを特徴とするヘ
   アブラシ。