JPH022436B2

JPH022436B2 -

Info

Publication number: JPH022436B2
Application number: JP57154095A
Authority: JP
Inventors: Hideo Makishima; Masahiro Myauchi
Original assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Current assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date: 1982-09-03
Filing date: 1982-09-03
Publication date: 1990-01-18
Also published as: JPS5942995A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、記録と同時に発色画像部に保護層が
設けられることにより、該発色画像部が耐薬品性
を有し、かつ記録時にカス・ステイツキングの弊
害を有さない感熱記録体に関する。

近年、感熱記録方式はノンインパクトで、記録
時騒音がない、現像定着を必要としない、機器の
保守管理が簡単である等々、多くの特徴を有する
ため、各種プリンター、電話フアクシミリを始め
として各方面で使用されている。ここで一般に使
用されている感熱記録紙はクリスタルバイオレツ
トラクトンのごとき染料前駆体とフエノール化合
物の様な酸性顕色剤等を分散、塗工したもので、
この種の感熱記録紙に要求される特性として、各
種用途に応じた感度を備えていることはもちろん
のことであり、地肌が白いこと、発色画像が長期
間安定で消えないこと、記録時にカスが生じない
こと、記録時熱ヘツドに付着（ステイツキング）
しないこと等々がある。これらの要求の多くを備
えた優れたものが製作され得るが、可塑剤、アル
コール、アセトン、ベンゼン、キシレン等の薬品
による画像部の保存性（以下耐薬品性と称する）
が悪く、特に実用的な面から見れば、可塑剤を多
量に含有した消しゴムや塩化ビニール袋に接触し
た場合、あるいはハンドクリームが整髪用オイル
等の付着した手で触れた場合、画像が、消色され
文字の判読が困難になるという欠点が有る。この
現象は酸性顕色剤で開環された発色性ラクトン化
合物のラクトン環が、ジブチルフタレートなどオ
クチルフタレートの様な可塑剤の存在下で閉環さ
れてしまうためで、感熱記録紙上に可塑剤の浸透
を妨げるための被膜を形成すれば、この様な現像
の起こらないことも提案されている。（特開昭54
−128347号、特開昭54−3549号）しかしながら、感度の低下が大きく、ステイツ
キングを生じる、印字性を悪くする等、大満足な
点が多く存在しているのが現状である。

本発明者らは、耐薬品性の改良を目的に、か
つ、感度の低下が少なく、カス、ステイツキング
のない印字品質が良好な感熱記録体について鋭意
検討した結果、本発明に到達した。即ち支持体上
に感熱発色層が設けられた感熱記録紙と薄い基材
上に無色の熱溶融性層が設けられた熱転写材を感
熱発色層と熱溶融性層を接触させた状態で重ね合
せられた新規な感熱記録体の薄い基材側から加熱
印字を行なうことにより、感熱層の発色画像部上
に該熱溶融性層を転写させて、記録と同時に発色
画像部に保護層を設けるものである。

この新規な感熱記録体では加熱ヘツドは薄い基
材と接触するので、カス、ステイツクは全く起ら
ない。

以下本発明を図によつて説明する。第一図は本
発明の熱記録体を示す断面図である。

１は薄い基材、２は無色の熱溶融性層、３は感
熱発色層、４は基紙、５は熱転写材、６は感熱記
録紙、７は本発明の感熱記録体である。

第二図は熱ヘツド８で加熱印字しているところ
示す。９はプラテンロール。

第三図は熱転写材をはがして発色画像部のみ保
護層が設けられたことを示す。

１０は無色の熱溶融性層の加熱部が転写した保
護層、１１は発色画像部。

１０の保護層は横に広がるので１１の発色画像
部よりやや面積的に広い。

第一図の２の無色の熱溶融性層の代りに熱溶融
性インキ層を用い、又６の感熱記録紙の代りに普
通紙を用いれば熱転写記録体となるが、本発明が
熱転写記録体に比べ優れているのは、解像度が良
いこと、容易に階調記録が得られること、インキ
を使わないので手、衣服、装置を汚さないこと等
が挙げられる。

本発明の感熱記録体７の構成要素である熱転写
材５をまず説明し、次に感熱記録紙６を説明す
る。

熱転写材５は薄い基材１と無色の熱溶融性層２
からなる。

薄い基材１としては厚さが８〜25μであること
が熱溶融性層の転写感度からみても好ましい。材
質は耐熱性、強度に優れているものから選択す
る。ポリイミド、ポリカーボネート、テフロン、
ポリエステル等の樹脂フイルムやコンデンサ紙等
の薄紙が好適に用いられる。

熱溶融性層２としてはワツクス類と樹脂類で構
成された無色のホツトメルト組成物が好適に用い
られる。

ワツクス類としては、例えばパラフインワツク
ス、マイクロクリスタルワツクス、みつろう、鯨
ろう、セラツクろう、カルナウバワツクス、キヤ
ンデリラワツクス、モンタンワツクス、低分子量
ポリエチレンワツクス等が使用できる。樹脂類と
しては例えばエチレン・酢ビ共重合体、エチレ
ン・アクリレート共重合体、ロジンおよびロジン
誘導体、石油樹脂等が使用できる。

又、ワツクス中に紫外線吸収剤を入れれば耐光
性も付与できる。ホツトメルト組成物の組成は例
えば次の様である。

ホツトメルトの組成例パラフインワツクス（145〓） ……45％カルナウバワツクス ……39％エチレン酢ビ共重合体 ……８％（三井ポリケミカル製エバフレツクス
＃210）芳香族系石油樹脂 ……８％（三井石油化学製ペトロジン）熱溶融性層の厚さは１〜5μ程度にすると、印
字転写後良好な保護層が得られる。

感熱記録紙６は基紙４と感熱発色層５とから成
る。基紙４は一般の上質紙が使用される。

感熱発色層３は一般に感熱紙に使用されるもの
が使用できるが、更に詳細に説明すると次の様に
なる。

(A) 染料前駆体クリスタルバイオレツトラクトン、マラカイ
トグリーンラクトン、８−ジエチルアミノ−７
−メチルフルオラン、３−ジエチルアミノ−６
−メチル−７−クロロフルオラン、３−ジエチ
ルアミノ−７−ジベンジルアミノフルオラン、
３−ジエチルアミノ−７−アニリノフルオラ
ン、３−（Ｎ−メチルアニリノ）−７−アニリノ
フルオラン、３−ジエチルアミノ−７−（ｍ−
トリフルオロメチルアニリノ）フルオラン、３
−ジエチルアミノ−６−メチル−７−アニリノ
フルオラン、３−（Ｎ−メチルシクロヘキシル
アミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラ
ン、３−ピロリジノ−６−メチル−７−アニリ
ノフルオラン、３−ピペリジノ−６−メチル−
７−アニリノフルオラン、３−（Ｎ−メチル−
Ｐ−トルイジノ）−６−メチル−７−アニリノ
フルオラン、ベンゾ−β−ナフトスピロピラ
ン、など。

(B) 顕色剤フエノール、パラ−tert−ブチルフエノー
ル、パラフエニルフエノール、α−ナフトー
ル、β−ナフトール、４，4′−イソブロピリデ
ンジフエノール、４，4′−sec−ブチリデンジ
フエノール、４，4′−イソプロピリデンビス−
（２−tert−ブチルフエノール）、４，4′−シク
ロヘキシリデンジフエノール、フエニル−４−
ヒドロキシベンゾエート、ノボラツク型フエノ
ール樹脂、サリチル酸、３−フエニルサリチル
酸、５−メチルサリチル酸、３，５−ジ−tert
−ブチルサリチル酸など。

(C) 増感剤ステアリン酸アマイド、パルミチン酸アマイ
ド、オレイン酸アマイド、ラウリン酸アマイ
ド、エチレンビスステアロアマイド、メチレン
ビスステアロアマイド、メチロールステアロア
マイド、など。

(D) その他ポリビニルアルコール、でん粉、スチレン−
無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩あるい
はアンモニウム塩、スチレン−ブタジエン共重
合体エマルジヨンなどの接着剤。必要によつて
は、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリ
ン、焼成カオリン、水酸化アルミなどの顔料を
加えても良い。

(A)，(B)，(C)，(D)を水分散液として、コーターで
塗工し、スーパーカレンダーで塗布面を平滑にす
ると感熱発色層が得られる。

感熱発色層は染料濃度によつて異なるが通常は
５〜10μ位で鮮明な記録が得られる。

次に本発明を実施例で具体的に説明する。

実施例感熱記録シートの作製Ａ液クリスタルバイオレツトラクトン ……12ｇ 10重量％ポリビニルアルコール水溶液
……18ｇ水 ……30ｇＢ液４，4′−イソプロピリデンジフエノール
……40ｇステアリン酸アマイド ……20ｇ 10重量ポリビニルアルコール水溶液 ……90ｇ水 ……50ｇＡ液とＢ液を別々のボールミルで24時間、粉
砕、分散し次の配合で塗液を調整した。

炭酸カルシウム（白石工業製、炭カルPC）
……20ｇＢ液 ……60ｇ 10％重量ポリビニルアルコール水溶液
……70ｇＡ液 ……20ｇ水 ……60ｇ上記の様に調製した塗液を50ｇ／m²の坪量の原
紙に乾燥後の塗工量が5.0ｇ／m²になるよう塗工
し、60℃で１分乾燥した後、スーパー・カレンダ
ーでベツタ平滑度が200秒以上となるようにし青
色発色の感熱紙を作製した。

熱転写材の作製厚さ10μ、密度1.26のコンデンサ紙上に次の配
合のホツトメルト組成物を3.0ｇ／m²になるよう
にホツトメルトコーターで塗布して熱溶融性層を
設け熱転写材を得た。

パラフインワツクス（145〓） ……45％カルナウバワツクス ……39％エチレン酢ビ共重合体 ……８％（三井ポリケミカル製エバフレツクス
＃210）芳香族系石油樹脂 ……８％（三井石油化学製ペトロジン）本発明の感熱記録体の作製で得た感熱記録シートとで得た熱転写材を
感熱発色層と熱溶融性層が接触するように重ね合
わせて本発明の感熱記録体を得た。

実施例で得た本発明の感熱記録体をフアクシミリ
にて印字したところ、カス・ステイツキングは全
くなく、鮮明な画像を得た。また発色画像部に水
滴をスポイトにて１〜２滴、滴下したところ、に
じみ、退色は全く起こらなかつた。また発色画像
部に市販の軟質塩化ビニールフイルム（信越ラツ
プ）10枚重ね、60ｇ／cm²の荷重をかけて、24時間
放置したところ、退色は全く起こらなかつた。

【図面の簡単な説明】

第一図は本発明の感熱記録体を示す断面図であ
る。１は薄い基材、２は無色の熱溶融性層、３は
感熱発色層、４は基紙、５は熱転写材、６は感熱
記録紙、７は本発明の感熱記録体である。第二図
は熱ヘツド８で加熱印字しているところを示す。
９はブラテンロール。第三図は熱転写材をはがし
て発色画像部のみ保護層が設けられたことを示
す。１０は無色の熱溶融性層の加熱部が転写した
保護層、１１は発色画像部。

Claims

【特許請求の範囲】

１支持体上に染料前駆体及び加熱時、該染料前
駆体を発色させる顕色剤を主たる構成要素とした
感熱発色層が設けられた感熱記録シートと薄い基
材上に無色の熱溶融性層が設けられた熱転写材が
前記感熱発色層と該熱溶融性層を接触させた状態
で重ね合せられた感熱記録体。