JPH0224193Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、ボデイとカバーにてハウジングが構
成され、軸方向に変位するプランジヤを有する電
磁石装置がボデイに、プランジャの変位に応動す
る接点装置がカバーに、それぞれ配設される電磁
接触器に関する。

〔背景技術〕

この種の電磁接触器は、以下のような構成のも
のが一般的であつた。すなわち主要部材は、ボデ
イ、ボデイに配設される電磁石装置、複数対の固
定接点と一対のコイル端子金具を配設し、かつ可
動接点を有した可動接触子が装着される可動枠を
収容してボデイに取着されるカバー、プランジヤ
の変位を可動枠に伝達する伝達レバー、固定及び
可動接点とコイル間に介挿される絶縁板等からな
つている。

さらに具体的には、ボデイは、樹脂製であつ
て、比較的肉厚が薄い箱型をなし、電磁石装置の
外郭が略きつちり嵌め入れられる内方形状を有す
るよう形成される。また対向する側壁の開口縁近
傍に、取着用の係止孔が設けてある。またプラン
ジヤは、ボデイの変位に対して平行に変位するよ
う電磁石装置のコイル枠に支持される。このコイ
ル枠の鍔は、上方及び下方側に平坦部を有する。

カバーは、これも樹脂製であつて、外周壁の外
面に取着用の係止凸部が設けてある。また複数対
の固定接点は、プランジヤと平行でかつその変位
方向に並設してある。

そして、プランジヤの一端に伝達レバーの一端
を連結した電磁石装置をボデイに嵌め入れ、コイ
ル枠の平坦部に絶縁板を載置し、伝達レバーの他
端と可動枠を連結させながらカバーをボデイに取
着して組立てる。この場合、ボデイ自体の弾力性
を利用して、係止凸部と係止孔を弾性係止させる
ことが多く行われている。従つてプランジヤが変
位することにより、可動枠が応動して固定及び可
動両接点が接離動作を行う。

ところで、この接離動作が良好でしかも安定し
た状態で行われるためには、電磁石装置のプラン
ジヤの変位方向におけるプランジヤの位置と、可
動枠の変位方向におけるカバーに配設された固定
接点の位置と、によつて決定される両者間の相対
的な位置関係のばらつきを小さくすることが重要
である。すなわちこのばらつきは、吸引力・負荷
特性や接圧力のばらつきに直接的に影響するから
である。

上記した一般的な構成のものにあつては、電磁
石装置はボデイに、固定接点はカバーにそれぞれ
が先ずあるばらつきをもつて配設され、その後
に、あるばらつきをもつてボデイにカバーが取着
され、その結果、それぞれのばらつきが加算され
て両者の相対的な位置関係が決定される。また、
電磁石装置とボデイとの間に、プランジヤの変位
方向のガタがある場合には、両者の位置関係はさ
らにばらつくようになる。

〔考案の目的〕

本考案は、上記の点に鑑みてなしたもので、そ
の目的とするところは、電磁石装置のプランジヤ
の変位方向におけるプランジヤと、可動枠の変位
方向におけるカバーに配設された固定接点との相
対的な位置関係のばらつきを小さくし、固定及び
可動両接点の接離動作がより良好でしかも安定し
て行える電磁接触器の提供にある。

〔考案の開示〕

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図に
基づいて説明する。なお、この実施例では、すべ
てをメーク接点としている。

１は樹脂製のボデイで、比較的薄い肉厚でもつ
て上方が開口した箱型をなしている。また内方形
状は、後述する電磁石装置の外郭が略きつちり嵌
め入れられるよう、適宜の突出部が形成される。
さらに、対向する側壁の開口縁近傍に、取着用の
係止孔１ｅ，１ｅ，…が設けてある。

２は電磁石装置で、コイル３を巻回したコイル
枠４、コイル枠４の貫通孔４ａに変位可能に支持
されるプランジヤ５、その他一般的な形状のヨー
クや復帰ばね等からなり、側壁や適宜の突出部等
で形成される空間内に嵌め入れられてボデイ１に
配設される。コイル枠４は、両側の鍔の上方及び
下方側に、ボデイ１の底部に平行な平坦部４ｂ，
４ｃ，４ｄ，４ｅを形成している。なお、プラン
ジヤ５の一端側に位置する平坦部４ｂの形状につ
いては後に詳述する。またプランジヤ５は、ボデ
イ１の底部に対し、平行に変位する。

６は樹脂製のカバーで、外周壁６ａと、プラン
ジヤ５と平行で、かつその変位方向に沿つて左右
に略等間隔に並設した隔壁６ｂ，６ｂ，…とによ
り形成される下方が開口した収容部６ｃ，６ｃ，
…，６ｄを有している。この収容部６ｃ，６ｃ，
…には複数対の固定接点７，７，…が、端に位置
する収容部６ｄには一対のコイル端子金具８，８
が、それぞれ配設される。またカバー６は、この
固定接点７，７，…に接離する可動接点９，９，
…を有した可動接触子１０，１０，…が装着され
る可動枠１１を、隔壁６ｂ，６ｂ，…の内方端面
でガイドしている。外周壁６ａの外面には、ボデ
イ１の係止孔１ｅ，１ｅ，…と対応する位置に、
取着用の係止凸部６ｅ，６ｅ，…が設けてある。

可動枠１１は、可動接触子１０，１０，…を装
着するための装着孔１１ｂ，１１ｂ，…を、変位
方向に延びる基部１１ａに設けるとともに、コイ
ル端子金具８，８が配設されている箇所では、基
部１１ａから連設した上方に突出する突出部１１
ｃを有している。この突出部１１ｃの下方には、
後述する伝達レバーを連結するための連結凹部１
１ｄが形成してある。可動接触子１０，１０，…
は、接圧ばね１２，１２，…によりばね付勢され
る状態で、接圧ばね１２，１２，…とともに装着
孔１１ｂ，１１ｂ，…に装着されている。

また、このカバー６の上方側には、外部隔壁６
ｆ，６ｆ，…に隔離されて、各固定接点７，７，
…に電気的に接続された接点端子７ａ，７ａ，…
と、コイル端子金具８，８に電気的に接続された
コイル端子８ａ，８ａが、一般的な構成でもつて
それぞれ露設されている。

１３は伝達レバーで、ボデイ１にカバー１６を
取着したとき、電磁石装置２のプランジヤ５から
可動枠１１の連結凹所１１ｄに至る長さを有す
る。伝達レバー１３は、その一端がプランジヤ５
の一端に連結された連結補助部材１３ａを介して
プランジヤ５に、その他端が連結凹所１１ｄに、
それぞれ連結され、中間部がコイル枠４の鍔に支
持されるピン１３ｂにて回動自在に支持される。
従つてプランジヤ５の変位を可動枠１１に伝達す
ることができる。

１４は絶縁板で、薄厚で表面が滑らかなフェノ
ール基板あるいはエポキシ基板を打ち抜いて形成
する。絶縁板１４は、コイル枠４の上方側の平坦
部４ｂ，４ｃに載置することにより、固定及び可
動接点７，９とコイル３間を絶縁し、かつ隔壁６
ｂ，６ｂ，…の内方端面とともに可動枠１１を変
位可能に支持するもので、伝達レバー１３の変位
動作を阻害しない範囲でなるべく広い面積をとる
ことが望ましい。

次に、コイル枠４のプランジヤ５の一端側に位
置する平坦部４ｂの形状について説明する。

この平坦部４ｂには、伝達レバー１３の変位動
作を阻害しない範囲の近傍に、伝達レバー１３を
挟むように並設するＩ字状の凸部４ｆ，４ｆを一
体に形成しており、しかもこの凸部４ｆ，４ｆは
少なくとも伝達レバー１２の変位方向において、
コイル端子金具８，８を収容する収容部６ｄに嵌
合するよう形成されている。すなわち凸部４ｆ，
４ｆの伝達レバー１３の変位方向長さは、収容部
６ｄを形成する外周壁６ａと隔壁６ｂとの間隔に
略等しくしているのである。

かかる電磁接触器は、以下のように組立てる。
先ず、ボデイ１に、プランジヤ５に伝達レバー１
３の一端を連結した電磁石装置２を嵌め入れる。
次に、電磁石装置２のコイル枠４の平坦部４ｂ，
４ｃに、絶縁板１４を載置する。次に、絶縁板１
４から突出している伝達レバー１３の他端に、カ
バー６の隔壁６ｂ，６ｂ，…の内方端面でガイド
されている可動枠１１の連結凹所１１ｄを連結さ
せつつ、コイル枠４の凸部４ｆ，４ｆに、コイル
端子金具８，８を収容する収容部６ｄを嵌合せし
める。この連結及び嵌合は、ボデイ１の係止孔１
ｅ，１ｅ，…に、カバー６の係止凸部６ｅ，６
ｅ，…を係止してカバー６がボデイ１に取着され
ることにより、完全なものとなる。これにより、
電磁石装置２のプランジヤ５の変位方向における
プランジヤ５と、可動枠１１の変位方向における
カバー６に配設された固定接点７，７，…との相
対的な位置関係は、ボデイ１のばらつきの影響を
受けることなく決定される。なお、上記の凸部４
ｆ，４ｆと収容部６ｄとの嵌合により、電磁石装
置２のボデイ１に対する相対的な位置が若干ずれ
る場合があるが、ボデイ１は比較的薄い肉厚であ
るため、それが再干撓んで吸収し、プランジヤ５
と固定接点７，７，…との好ましい相対的な位置
関係を維持することができる。

１５，１５はコイル３の巻始め及び巻終わり
を、コイル端子金具８，８に接続するための接続
用ばねである。この接続用ばね１５，１５は、コ
イル状をなし、一端がコイル枠４の平坦部４ｂに
設けた突部に、他端がコイル端子金具８，８の内
方先端部に、それぞれ嵌めこまれて両者間で圧縮
懸架される。

第１図は、コイル３が励磁された直後の状態を
示しており、矢符のようにプランジヤ５は右方向
へ、可動枠１１は左方向へ、それぞれ変位してい
る途中にある。

なお、実施例のコイル枠４の各凸部４ｆ，４ｆ
は、Ｉ字状としているが、これに限ることなく、
コ字状やロ字状にしてもよい。

〔考案の効果〕

本考案の電磁接触器は、上記のように構成した
から、電磁石装置のプランジヤの変位方向におけ
るプランジヤと、可動枠の変位方向におけるカバ
ーに配設された固定接点との相対的な位置関係の
ばらつきが小さくでき、よつて固定及び可動両接
点の接離動作がより良好でしかも安定して行える
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す断面図、第
２図は、第１図の−で切断した断面図、第３
図は、分解斜視図である。 １……ボデイ、１ｅ……係止孔、２……電磁石
装置、３……コイル、４……コイル枠、４ｂ……
平坦部、４ｆ……凸部、５……プランジヤ、６…
…カバー、６ａ……外周壁、６ｂ……隔壁、６ｄ
……収容部、６ｅ……係止凸部、７……固定接
点、８……コイル端子金具、９……可動接点、１
０……可動接触子、１１……可動枠、１１ｄ……
連結凹所、１２……接圧ばね、１３……伝達レバ
ー、１４……絶縁板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上方が開口した箱型のボデイと、 ボデイに配設されるものであつて、コイルを巻
   回したコイル枠には、両側の鍔の上方側にボデイ
   の底部に平行な平坦部が形成され、コイル枠に変
   位可能に支持されるプランジヤがボデイの底部に
   対して平行に変位する電磁石装置と、 外周壁と、プランジャと平行でかつその変位方
   向に沿つて左右に並設した隔壁とにより形成され
   る下方が開口した収容部に、複数対の固定接点と
   一対のコイル端子金具を配設し、この固定接点に
   接離する可動接点を有した可動接触子が装着され
   る可動枠を隔壁の内方端面でガイドし、外周壁が
   ボデイに取着されるカバーと、 一端がプランジヤの一端に、他端が可動枠の一
   端に連結されてプランジャの変位を可動枠に伝達
   する伝達レバーと、 コイル枠の平坦部に載置することにより固定及
   び可動接点とコイル間を絶縁し、かつ隔壁の内方
   端面とともに可動枠を変位可能に支持する絶縁板
   と、 を含む電磁接触器において、 前記コイル枠は、プランジヤの一端側の平坦部
   に、伝達レバーの変位を阻害しない範囲の近傍に
   伝達レバーを挟むように並設する凸部を一体に形
   成しており、しかもこの凸部は少なくとも伝達レ
   バーの変位方向において、コイル端子金具を収容
   する収容部に嵌合するよう形成されていることを
   特徴とする電磁接触器。