JPH02236013A

JPH02236013A - 繊維強化プラスチック製駆動軸

Info

Publication number: JPH02236013A
Application number: JP5734789A
Authority: JP
Inventors: Koichiro Ishihara; 広一郎石原; Juichi Kawashima; 河嶋　寿一
Original assignee: Sumitomo Metal Industries Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1989-03-09
Filing date: 1989-03-09
Publication date: 1990-09-18

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は自動車のプロペラシャフトやドライブシャフト
の様なトルク伝達用駆動軸に係り、特に繊維強化プラス
チック（以下ｒＦＲＰＪと略す）製の駆動軸に関するも
のである。

（従来の技術）近年の車両重量の低減による燃費向上や、低騒音・低振
動と言った乗り心地性の向上等が要求されるようになっ
てきた自動車業界にあっては、プロペラシャフトを鋼製
からＦＲＰ製に代えることで重量の低減を図ろうという
試みがある。ここで、ＦＲＰ管をトルク伝達軸として用
いる場合、両端の金属製部材との接合方法が最も重要な
技術的課題である。なぜなら、管本体部で伝達するトル
クを、接着面を介して金属製部材に伝える必要があるた
め、発生ずる応力によって接着が剥離したり、あるいは
接合部近傍に応力集中が起こってＦＲＰ管の破壊強度を
越えてしまうことが多いからである。これは、接着強度
が低いことと、ＦＲＰ管の破壊強度が繊維の配向方向以
外にはあまり大きくないことに起因している。従って、
接着部に大きな応力が作用せず、またＦＲＰ管に応力が
集中しない接合方法として、以下の方法が提案されてい
■　金属製スリーブを用いる方法（特公昭６１５４９６
５号公報）。

ＦＲＰ管と金属製スリーブを別工程で製作し、後で接着
するものと、金属製スリーブの上に繊維をワインディン
グし一体で樹脂を硬化させるものとがある。いずれも、
金属製スリーブはＦＲＰ管の内面あるいは外面と広い面
積で接触し、接着面での発生応力を低下させる効果があ
る。

この方法は以下に示すものの基本技術である。

■　金属製スリーブに多数のピンを配するもの（特開昭
５５−１５９３１０号公報）。

ＦＲＰ管の内面に装着される金属製スリーフが、外面に
放射状に拡がっている実質的にとがっている多数のピン
を有するもの。

■　スリーブが周囲歯を有するもの（特開昭５６１３１
４２５号公報）。

ＦＲＰ管の内面に装着されているスリーブの外面に周囲
歯を有するもの。

■　スリーブ外面を多角形にしたもの（特開昭５５−１
５９３１４号公報）。

スリーブの外縁が直線（平面）の複数の面区分を有する
もので、スリーブは管内面に装着されているもの。

■　アウターカラーにて締め付けたもの（実開昭６１〜
１６２６１９号公報）。

ＦＲＰ管内面にスリーブを装着し、その部分をＦＲＰ管
外面からアウターカラーにより締め付けたもの。

■　ボルトにて締め付けたもの（実開昭６　１−１１２
１１３号公報）。

ＦＲＰ管内面にスリーブを装着し、ＦＲＰ管外面にはア
ウターカラーを取り付け、これら両者をＦＲＰ管の半径
方向に貫通したボルトにより締め付けたもの。

（発明が解決しようとする課題）ＦＲＰ管と端部の結合用部材との接合部は、（１）接触
面積を広くして発生応力を小さくする。

（２）接着強度を高くする。

（３）ＦＲＰ管に発生する応力の集中を抑える。

ことが不可欠の要素となる。また、これらの他にも、（４）軽量であること、（５）構造が簡単でコストが安いこと、等が、自動車用
のトルク駆動軸として用いる場合番こ要求される。

以上の観点から前記した従来技術を評価すると次の様に
なる。

■は構造は簡単であるが、接着強度が低いために長いス
リーブを要し、重くなる。■、■は構造が複雑で加工に
コストを要す。また、ビン先端や歯が当たるＦＲＰ管に
大きい応力集中を生じさせる。■は多角形のコーナ部の
当たりが強くなり、発生する応力が増加する。■は締め
付けによる摩擦力に依存するのであまり効率的でなく、
長いスリーブを要す。■はボルトを必要とし部品数が増
し重くなる七共にコスト高になる。

本発明はかかる問題点に鑑みて成されたものであり、Ｆ
ＲＰ管と端部の結合用部材の接合を、効率的でかつ高強
度に行えるＦＲＰ製駆動軸を擢供ずることを目的として
いる。

（課題を解決するための手段）ＦＲＰ管を駆動軸として実用化していくための技術的な
問題点は、端部の結合部材といかに高い強度で接合する
かという点である。そのためには、以下の手段が考えら
れる。

（１）接触面積を広くし、なるべく一様にトルクを伝達
する。

（２）接触面は力の伝達方向（管の円周方向）になるべ
く垂直になる様にし、剪断力成分だけでなく垂直力成分
でも伝達する。

（３）剪断力による接合面のはく離を防止するためには
、接着強度の高い接着剤を併用する。

本発明者らは、前記した（１）〜（３）の手段のうち特
に（２）の観点から、接合部をねじ構造とし、ねじりト
ルクを接合部の剪断力だけでなく垂直力成分で確実に伝
達することムこより対処できると考え、次のような本発
明を成立させた。

すなわち本発明の第１は、ＦＲＰ製管体の端部内外周面
に逆ねじを設けると共に、これら逆ねじに夫々螺合ずる
ねしを設げた外リング及び内リングによって端部を接続
したことを要旨とするものである。

また本発明の第２は、第１の本発明における前記外リン
グと内リングを一体的に固定したことを要旨とするもの
である。

また本発明の第３は、第１又は第２の本発明における前
記外リング又は内リングに、ＦＲＰ製管体の端面と接触
するストッパー受面を設けることを要旨とするものであ
る。

（作　　用）本発明において、ＦＲＰ管の端部内外周面に逆ねじを設
けて、結合部材である外リング及び内リングと接続した
のは、ねじのかみ合いにより、ねじりトルクを接触面で
の剪断力成分だけでなく垂直力成分でも伝達するためで
ある（第３図参照）。

この様にねし締結方式として垂直力を発生させれば、確
実にトルクが伝達される。なお、接着剤は併用しても良
いが、必ずしも不可欠のものではないまた本発明において、ＦＲＰ管の端部内外周面に逆ねし
を設けたのは、自動車の場合、伝達すべきトルクの方向
が逆転するから緩まないようにするためである。

また本発明において、外リングと内リングを一体的に固
定することとしたのは、内リングと外リングの相対的な
回転を許容すると、２方向の回転の内１方向のトルクが
結合部材に伝達されないからである。

また本発明において、外リング又は内リングにＦＲＰ管
の端部と接触するストッパー受面を設けたのは、ねじり
トルクをねじ山だけでなく、ＦＲＰ管の端部でも負担さ
せることにより、広い接触面積で伝達し発生応力を小さ
くするためである。

すなわち、本発明はかかる構成を採用したため、ＦＲＰ
管と端部の結合用部材の接合を効率的でかつ高強度に行
えることとなる。

（実　施　例）以下本発明を第１図及び第２図に示す実施例に基づいて
説明する。

第１図及び第２図において、■はＦＲＰ管であり、その
端部の内周面及び外周面には夫々例えばテーパねし２、
３が刻設されている。そしてこれらテーパねじ２、３は
夫々逆ねじ、すなわち内周面側のテーパねじ２が右ねじ
ならば、外周面側のテーパねじ３は左ねじ（又はその逆
）と成されている。

４は前記内周面側のテーバねじ２に螺合するテーパ雄ね
じ５をその外周面に刻設した内リングであり、第１図に
示す実施例では、この内リング４の外周面略中間位置に
ＦＲＰ管の１の端面と接触するストッパー受面６が設け
られている。

７は前記外周面側のテーバねじ３に螺合するテーパ雌ね
じ８をその内周面に刻設した外リングであり、第２図に
示す実施例では、この外リング７の内周面略中間位置に
ＦＲＰ管１の端面と接触するストッパー受面９が設けら
れている。

なお、本実施例ではストッパー受面６又は９より外側に
おいては、内リング４のテーバ雄ねじ５と外リング７の
テーパ雌ねじ８が螺合しているものを開示しているが、
これに限るものではなく、遊嵌状に嵌合しているもので
あってもよい。

１０は前記内リング４と外リング７を一体的に固定する
例えばボルト等の固定具であり、このボル｝１０によっ
て内リング４と外リング７が相対的な回転ができないよ
うになっている。

なお本実施例では、ＦＲＰ管１及びこれに螺合ずるねじ
をテーパねしとしたものを開示したが、通常の管用ねじ
でも良いことは勿論である。但し、本実施例の如くテー
パねじを採用した場合には、ねじの公差による遊びや緩
みが防止できる。

また、本実施例では製作に便利なため結合部材を内リン
グ４と外リング７に分割したものを開示したが、一体の
ものを採用してもよいことは勿論である。

更に本実施例では固定具としてボルト１０を開示したが
、ビンや溶接によって固定してもよい。

本発明の効果を確認するために、実施例として、外径φ
１２０　ｍｍとφ１００ｍｍ、肉厚１０ｍｍのＦＲＰ管
を用いて管端部にＡＰＩの丸山ねじ（ピッチ４山／ｉｎ
、ねじ高さ３．０ｍｍ、テーパ１／６）を内外面に逆ね
じとして付け、第１図に示す様な駆動軸を製作した。な
お、ねじ部の軸方向長さは内、外面共に１００　ｍｍと
した。また、ＦＲＰ管のフィラメント構成は、軸方向に
対して巻き角がθのグラスファイバーとカーボンファイ
ハーを表１に示す如く、交互に５層に積層したものを用
いた。

表２　ねじり破壊テスト結果そして、本発明によるＦＲＰ管製駆動軸の性能を評価す
るために、ねじりトルクを負荷し、破壊トルクを測定し
た。その結果を表２に示した。なお、性能の比較のため
に、表１と同じ構成のＦＲＰ管を用いた従来の接合法に
よる駆動軸の結果も併せて示した。

＊いずれも接イ沼図７）ＦＲＰ’ロカ隻明衷した。

第２表から、本発明による駆動軸のねしり破壊トルクは
、従来の駆動軸に比べて、高い破壊トルクを示し、本発
明がＦＲＰ管と結合部材の接合方法として優れているこ
とがわかる。

（発明の効果）以上説明したように本発明の駆動軸は、ＦＲＰ管端部の
接合強度か高く、自動車等の駆動軸として軽量でかつ高
強度な性能を有するものとして利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明に係るＦＲＰ製駆動軸の実施
例を示す要部断面図、第３図はねし山接触面での力の伝
達説明図である。 ■はＦＲＰ管、２、３ばテーパねし、４は内リング、５
はテーパ雄ねし、６、９はス１・ンパー受面、７は外リ
ング、８はテーパ雌ねじ、１０はボルト。ｌ３

Claims

【特許請求の範囲】

（１）繊維強化プラスチック製管体の端部内外周面に逆
ねじを設けると共に、これら逆ねじに夫々螺合するねじ
を設けた外リング及び内リングによって端部を接続した
ことを特徴とする繊維強化プラスチック製駆動軸。
（２）前記外リングと内リングを一体的に固定したこと
を特徴とする請求項１記載の繊維強化プラスチック製駆
動軸。
（３）前記外リング又は内リングに、繊維強化プラスチ
ック製管体の端面と接触するストッパー受面を設けるこ
とを特徴とする請求項１又は２記載の繊維強化プラスチ
ック製駆動軸。