JP2011017414A - 動力伝達軸用シャフト - Google Patents

動力伝達軸用シャフト Download PDF

Info

Publication number
JP2011017414A
JP2011017414A JP2009163718A JP2009163718A JP2011017414A JP 2011017414 A JP2011017414 A JP 2011017414A JP 2009163718 A JP2009163718 A JP 2009163718A JP 2009163718 A JP2009163718 A JP 2009163718A JP 2011017414 A JP2011017414 A JP 2011017414A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
power transmission
frp
transmission shaft
steel member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009163718A
Other languages
English (en)
Inventor
Aiko Ishikawa
愛子 石川
Minoru Ishijima
実 石島
Tomoshige Kobayashi
智茂 小林
Kenta Yamazaki
健太 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2009163718A priority Critical patent/JP2011017414A/ja
Publication of JP2011017414A publication Critical patent/JP2011017414A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C3/00Shafts; Axles; Cranks; Eccentrics
    • F16C3/02Shafts; Axles
    • F16C3/023Shafts; Axles made of several parts, e.g. by welding
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2326/00Articles relating to transporting
    • F16C2326/01Parts of vehicles in general
    • F16C2326/06Drive shafts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C7/00Connecting-rods or like links pivoted at both ends; Construction of connecting-rod heads
    • F16C7/02Constructions of connecting-rods with constant length
    • F16C7/026Constructions of connecting-rods with constant length made of fibre reinforced resin

Abstract

【課題】鋼とFRPの良好な接合方法を考案し、長期に渡り安定した性能を有する鋼/FRP複合シャフトを提供する。
【解決手段】動力伝達軸用シャフトS1は、長手方向の中央の大径部14と両端の小径部16とからなる中空の鋼部材10と、鋼部材10の大径部14の外周に圧入によりはめ合わせ、かつ、接着剤により接合したFRP部材20との複合体である。鋼部材10の大径部14の外周に接着剤溜りとなる環状溝14aを設けたり、環状溝14aよりも端部側に凹凸部14bを設けたりしてもよい。
【選択図】図1

Description

この発明は自動車の動力伝達軸用シャフトに関する。動力伝達軸はシャフトとその両端に取り付けた等速ジョイントからなり、自動車の駆動系に組み込み、非直線上に存在する回転軸同士の間で、回転力の伝達を行なうもので、一般にドライブシャフトと呼ばれている。
従来、動力伝達軸用シャフトとして鋼製中実シャフトが広く使用されている。
最近、車両の燃費向上や静粛性向上が求められる中で、鋼製中実シャフトを使用したドライブシャフトは、重量が重く、また剛性が低いことから、しばしば燃費向上のための軽量化や振動低減を目的とした高剛性化が求められている。この問題を解決するために、特許文献1では、シャフトを中空にすることにより振動特性の改善を達成することが提案されている。
特許文献1から引用して説明すると、図8に四輪駆動の自動車の駆動系が概略示してあり、前置機関1によって変速機2および前軸差動装置3、さらに前部の動力伝達軸5を介して前輪4を駆動するようになっている。後輪6への駆動トルクは前軸差動装置3から分岐してプロペラシャフト7を経て後軸差動装置8へ伝わる。後軸差動装置8は後部の動力伝達軸9を介して後輪6を駆動する。
図9に、前部および後部の動力伝達軸5、9のシャフトの一例を示す。このシャフトSは鋼製で、全長にわたって中空である。シャフトSは中央部とその両側の端部とからなり、符号Lは中央部の長さを表している。各端部にはセレーション(またはスプライン、以下および特許請求の範囲において同じ)軸が形成してあり、図示してない内側ジョイント部材のセレーション孔とトルク伝達可能に接続するようになっている。
特開平5−263819号公報
鋼製シャフトの中空化による軽量化効果は小さく、より軽量なシャフトが求められるようになってきたため、超軽量素材であるFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)と鋼を複合化したシャフトが考案されている。たとえば、本出願人の先の出願(特願2009−095784)では、鋼製の中空シャフトの外径をFRPで強化することにより大幅な軽量化と振動特性向上を図っている。しかしながら、FRPと鋼との接合方法に課題が残されている。
すなわち、ドライブシャフトのようにトルクが加わる場合、FRPと鋼との接合部分にせん断力が働く。そのため、接合が十分でないとFRP/鋼間にすべりが生じ、補強材であるFRPがトルクを受け持つことができず、その結果、必要強度が得られない可能性がある。特願2009−095784では、
(1)FRPと鋼を接着剤またはレーザー溶接で接合する、
(2)鋼製シャフトの最大径部分を多角形状にする、
(3)鋼製シャフトに軸方向の溝を設ける
といった方法で接合部のずれを防止しているが、コスト面や汎用性、安定性の点で改良の余地がある。たとえば、(1)では接着剤塗布が不均一であることによる接着強度の低下、CFRP等レーザー光を通さない材料には適用が困難、(2)では加工費用の増加、(3)では軸方向ずれ、といった問題点がある。
そこで、この発明の課題は、鋼とFRPの良好な接合方法を考案し、長期に渡り安定した性能を有する鋼/FRP複合シャフトを提供することにある。
この発明の動力伝達軸用シャフトは、長手方向の中央の大径部と両端の小径部とからなる中空の鋼部材と、鋼部材の大径部の外周に圧入によりはめ合わせ、接着剤により接合したFRP部材との複合体であることを特徴とするものである。
鋼部材の大径部の外周に接着剤溜りとなる環状溝を設けてもよい。さらに、前記環状溝よりも端部側に凹凸部を設けてもよい。
前記凹凸部はセレーション加工によるものや、ローレット加工によるものとすることができる。
セレーション加工による場合、凹凸部が軸方向に延びる歯状になり、圧入相手部材のFRPを塑性変形させやすいため、圧入がスムーズに行なわれ、かつ、強力な接合効果が期待できる。
ローレット加工による場合、軸方向、円周方向共に溝ができるため、鋼とFRP部材の軸方向および円周方向のずれを抑制する効果がある。
鋼部材の大径部の外径は、圧入開始側径よりも圧入終了側を大きくし、FRP部材の内径は、圧入開始側を圧入終了側より大きくしてもよい。具体的には、鋼部材の大径部の少なくとも一方の端部をテーパ形状としてもよい。このような形状とすることにより、鋼部材とFRP部材の圧入過程のとりわけ圧入開始時に、鋼部材を、FRP部材の内径に傷をつけることなくスムーズにFRP部材内に進入させることができる。
FRP部材の少なくとも一方の端部にガイド部を設けてもよい。このガイド部は鋼部材の大径部の外径よりもわずかに大径で、圧入開始時に鋼部材の大径部をFRP部材の内径にスムーズに導く役割を果たす。
鋼部材の環状溝の隅角に丸みをつけてもよい。応力集中を緩和して、鋼部材の、ひいてはシャフト全体の強度、耐久性の向上に寄与する。
鋼部材とFRP部材の接合端部をシール剤でシールしてもよい。さらに、シール剤を採用する場合には、鋼部材およびFRP部材の少なくとも一方にシール溝を設けてもよい。
少なくともFRP部材全面を覆う保護膜を設けてもよい。
FRP部材はフィラメントワインディング法により成形したFRPパイプ、または、シートワインディング法により成形したFRPパイプとすることができる。
フィラメントワインディング法による場合、シートワインディングに比べて繊維の波うちが少ないため、強化繊維の強度発現率が高く高強度のFRPパイプが得られる。また、軸方向に径の変化がないパイプであれば数メートル単位で製作できるため、比較的低コストで成形できる(量産向き)。
シートワインディング法による場合、手作業で積層していくため、テーパ形状、段付き形状など、単純形状でない製品の製作が可能である。
FRP部材に含まれる補強用繊維は炭素繊維とすることができる。
上述の動力伝達軸用シャフトと、前記シャフトの両端に取り付けた等速ジョイントで、自動車用ドライブシャフトを構成することができる。
この発明によれば次のような効果が得られる。
鋼部材とFRP部材の複合体とすることによって軽量で、しかも強度的に満足できる動力伝達軸用シャフトを提供することができる。
また、接着剤溜りを設けることにより、鋼とFRPの良好な接着が実現する。すなわち、広い接着面を確保でき、かつ、接着剤を接着面全体に均一に塗布できる。
鋼とFRPを圧入嵌合する際に、接着剤溜りがない場合、接着剤が掻き出される、圧入の仕方により接着剤が不均一に存在する、などといったことが懸念される。接着剤溜りを設けることで、所定の接着面積が確実に得られ、接着剤が偏在することなく接着面全体に均一に存在することとなるため、確実にして良好な接着が達成される。
さらに、凹凸部を設けることにより、鋼/FRP間の摩擦係数を増大させ、または、塑性変形によって相互に結合させる。このような構造とすることで、鋼とFRPをしっかりと接合でき、接合部の軸方向および円周方向へのずれを防止することができる。たとえば、外周面に凹凸を設けた鋼部材をFRP部材に圧入する場合、FRP部材が塑性変形し、鋼部材とFRP部材が強固に結合する。これにより、鋼部材とFRP部材の円周方向および軸方向のズレを抑制できる。このようにして鋼部材とFRP部材を強固に結合できるため、必要強度を維持したままシャフトの大幅な軽量化が達成できるばかりでなく、長期に渡り安定した性能を有する軽量シャフトを提供できる。
(A)は実施例の動力伝達軸用シャフトを示す、中心線の片側を断面にした半断面図、(B)は図1(A)のb−b断面図である。 (A)は図1の動力伝達軸用シャフトの部分拡大断面図、(B)は図2(A)のb部拡大図である。 鋼部材とFRP部材をはめ合わせる前の状態の部分拡大断面図である。 (A)は別の実施例を示す、図2と類似の部分拡大断面図、(B)は図4(A)のb部拡大図、(C)は図4(A)のc部拡大図である。 (A)は別の実施例を示す、図2と類似の部分拡大断面図、(B)は図5(A)のb部拡大図である。 (A)(B)は別の実施例を示す、図2と類似の部分拡大断面図、(C)は補強繊維の巻き角を説明する展開図である。 別の実施例を示す、図2と類似の部分拡大断面図である。 自動車の駆動系の略図である。 特許文献1の技術を示す半断面図である。
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、動力伝達軸用シャフトすなわちシャフトS1は鋼部材10とFRP部材20からなる複合体である。鋼部材10は全長にわたり中空で、符号12は中空部を表している。その鋼部材10は、長手方向の中央の大径部14と、両端の小径部16とからなり、小径部16の軸端部にはセレーション軸18が設けてある。また、小径部16にはブーツを取り付けるための環状溝すなわちブーツ溝16aが設けてある。
図2に示すように、鋼部材10の最外径部この場合大径部14の外周には、環状溝14aと凹凸部14bが設けてある。凹凸部14bは大径部14の両端部に位置し、それらの凹凸部14b間に環状溝14aが位置している。環状溝14aは後に述べる接着剤溜りとなる。環状溝14aは、鋼部材10の縦断面(図2(B))で見ると、鋼部材10の軸線と平行な底面14a1と、底面の軸方向両端で半径方向に立ち上がった壁面14a2とで区画されている。環状溝14aの隅角には丸みを付けるのが好ましい。図4(B)は鋼部材10の縦断面で見て環状溝14aの底面14a1と壁面14a2を曲線(凹円弧)でつないだ例であるが、斜めの線でつないでテーパ状としてもよい。これらは応力集中を緩和する形状であるため、鋼部材10の、ひいてはシャフトS1全体の強度、耐久性の向上に寄与する。
凹凸部14bの具体的な形態としては、たとえば、スプライン軸を挙げることができる。あるいは、ローレット加工によるものやショットブラスト処理によるもの、さらには粗い旋盤目からなるものでもよい。凹凸部14bは、圧入に伴い、一方を他方に食い込ませて、塑性変形による強固な結合を狙ったものである。したがって、そのような作用が得られる形状、構造のものであればよく、凹凸の具体的な形態は問わない。たとえば、スプラインの場合、鋼部材10の横断面すなわち軸線に垂直な断面に凹凸が現れる。旋削目の場合、鋼部材10の縦断面すなわち軸線を含む断面に凹凸が現れる。ローレット加工の場合、横断面にも縦断面にも凹凸が現れる。圧入との関係では、スプラインの方が圧入しやすいと言える。旋削目やローレット加工による凹凸部の場合は、圧入しろ(締めしろ)にもよるが、FRP部材20のキュア前に圧入を行なうことも考えられる。
FRP部材20はFRPを中空パイプ状に成形したもので、その長さは鋼部材10の大径部14の長さとほぼ等しい。FRP部材20は全長にわたってほぼ同径の中空円筒形である。FRP部材20を構成するFRPの具体例としては、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics炭素繊維強化プラスチック)を挙げることができるが、これに限らず、ガラス繊維強化樹脂(GFRP)、ケプラ繊維強化樹脂(KFRP)等、炭素繊維以外の強化繊維を使用したものでもよい。CFRPに比べ、GFRPはコスト面で、KFRPは強度面で優れている。
FRP部材20を構成する中空パイプ状のFRPは、フィラメントワインディング法またはシートワインディング法により回転軸心方向に対し+5°〜+90°、−5°〜−90°の任意の角度で繊維が交差するよう所定の肉厚まで巻き、巻き角の異なる層状に成形したもの、あるいは射出成形によるものが使用できる。フィラメントワインディング、シートワインディングの巻き角は任意に設定できるが、45°方向と90°方向の複合とすることが望ましい。その理由は次のとおりである。45°に関しては、動力伝達軸用シャフトS1は主にねじりを受けるため、ねじりの主応力方向である45°方向に巻くのが望ましい。また、90°に関しては、圧入力を確保するためパイプの拡径を抑止する90°方向に巻くのが望ましい。したがって、巻き角が45°方向の層と巻き角が90°方向の層の複合とするのが有効である。
図6にFRP部材20を2層とした例を示す。図6(A)では、FRP部材20は外層20aと内層20bの2層からなり、各層20a、20bは全長にわたって同一肉厚である。図6(B)のものも、FRP部材20は外層20cと内層20dの2層からなっている点は同じであるが、環状溝14aに対応する部分で、外層20cの肉厚を厚く、内層20dの肉厚を薄くしてある。そして、図6(C)からわかるように、巻き角によって強さを発揮する方向が異なる。たとえば、巻き角80°〜90°のものは円周方向に強く、巻き角45°のものはねじりや引張り方向に強いことを示している。なお、図6(C)は、図6(A)(B)における外層20a、20cは巻き角が45°の例、内層20b、20dは巻き角が90°の例であることも示している。
次に、鋼部材10とFRP部材20の組み付けについて述べる。このとき、鋼部材10の外径とFRP部材20の内径は締まりばめとなるように寸法設定がしてある。図3に示すように、鋼部材10の環状溝すなわち接着剤溜り14aに接着剤22(図4参照)を十分に塗布し(図3では接着剤の図示を省略してある)、FRP部材20に圧入する。なお、圧入過程では、鋼部材10とFRP部材20のどちらか一方を固定して他方を軸方向に移動させる、あるいは、両者を同時に軸方向に相対移動させてもよい。圧入の過程で接着剤が接合面に均一に広がり、良好な接着性が得られる。しかも、接着剤溜り14aを設けたことによって、圧入の過程で接着剤が掻き取られることがなく、したがって、鋼部材10とFRP部材20との間に確実に接着剤層を形成させることができる。
接着剤は、エポキシ系またはウレタン系のものを採用することができる。さらに接着性を向上させるため、鋼部材10の表面にプライマー(下地処理)を塗布してもよい。
また、圧入に伴い、鋼部材10に設けた凹凸部14bがFRP部材20に食い込み、その結果、少なくともFRP部材20が塑性変形して、両者が強固に接合される。ここで、強固にとは、とりわけ鋼部材10とFRP部材20が相対回転不能、言い換えればトルク伝達可能であることを意味する。また、塑性変形は、鋼部材10およびFRP部材20の一方または両方に生じる場合を含む。
図3に示すように、鋼部材10の凹凸部14bには、一方の凹凸部14bがもう一方の凹凸部14bよりも大径となるように、径差(d1<d2)を設ける。FRP部材20の内径は、鋼部材10の形状に沿うように、一方の端部がもう一方の端部よりも大径となるように径差(D1<D2)を設ける。そのような径差を設けた具体例として、図3では、FRP部材20の内周面の3種類の断面形状が併記してある。(a)は内径をテーパにした例である。この場合、内径が圧入開始側の内径D2から圧入終了側の内径D1まで連続的に縮小している。(b)と(c)は段差付き内径とした例で、この場合、内径は不連続に変化している。(b)では圧入開始側の内径D2の部分が長く、圧入終了側の内径D1の部分が短い。(c)では逆に圧入開始側の内径D2の部分が短く、圧入終了側の内径D1の部分が長い。なお、図3は、軸方向(同図の左右方向)、半径方向(同図の上下方向)ともに実際の寸法よりもかなり誇張してある。
そして、FRP部材20の大径(D2)側を鋼部材10の小径(d1)側の端部から圧入し、大径(d2)側まで押し込む。このように鋼部材10の圧入開始側と圧入終了側とで径差を設ける(圧入開始側径<圧入終了側径)ことで、圧入開始側と圧入終了側とでそれぞれFRP部材20の内径が塑性加工されるため、FRP部材20のD2側内径に意図しない傷が付くことがなく、良好な接合が得られる。
鋼部材10の大径部14の少なくとも一方の端部、つまり少なくとも圧入開始側の端部を、鋼部材10の端部側ほど小径となったテーパ形状とする(図3のα角部)。ここで、テーパ形状には面取りも含むものとする。このような形状とすることにより、鋼部材10とFRP部材20の圧入過程のとりわけ圧入開始時に、鋼部材10を、FRP部材20の内径に傷をつけることなくスムーズにFRP部材20内に進入させることができる。また、同様の目的で、図4(C)に示すようにFRP部材20の内径端部にガイド部24を設けてもよい。ガイド部24は鋼部材10の大径部14の外径よりもわずかに大径で、圧入開始時に鋼部材10の大径部14をFRP部材20の内径にスムーズに導く役割を果たす。したがって、ガイド部24は図示するような円筒形状の穴とするほか、端部に向けてテーパ状に拡径したものでもよい。
鋼部材10のテーパ形状とFRP部材20のガイド部24は択一的である必要は必ずしもなく、両方を共に実施してもよい。また、テーパ形状にせよ、ガイド部24にせよ、少なくとも圧入開始側にあればその機能を発揮することができる。もっとも、テーパ形状および/またはガイド部24を両端部に設けておけば方向性がなくなる。つまり、圧入作業に先立ってどちらが圧入開始側か向きを確かめる必要がなく、作業能率が向上するという利点がある。
図5に示すように、鋼部材10とFRP部材20の接合部端面にシール剤26を塗布する。シール剤26を塗布することによって、鋼部材10とFRP部材20との間に水分が入り込むことで起きる接合面の腐食や接着剤の劣化を防ぎ、接合強度の低下を防止する効果がある。この場合、鋼部材10の端面とFRP部材20の端面にシール溝28a、28bを設けるのが好ましい。なお、上に述べたようにFRP部材20にガイド部24を設けた場合、それらをシール溝として利用することもできる。ガイド部24は圧入が終了すると同時に役目を終え、したがってシール溝として活用することが可能である。
図7に示すように、少なくともFRP部材20の表面に、塗膜またはカバーもしくはシート等の保護膜30を設けてもよい。この保護膜30は、シャフトS1の各部材の劣化や飛び石による打ち傷等を防止するうえで役立つ。防水効果のある保護膜30を採用することにより、上に述べたシール剤に加えて、あるいはそれに代えて、接合面の腐食防止効果を発揮させることもできる。
上に述べたとおり、この実施例の動力伝達軸用シャフトS1は、長手方向の中央の大径部14と両端の小径部16とからなる中空の鋼部材10と、鋼部材10の大径部14の外周に圧入によりはめ合わせ、接着剤22により接合したFRP部材20との複合体であって、鋼部材10の大径部14の外周に接着剤溜りとなる環状溝14aを設け、かつ、前記環状溝14aよりも端部側に凹凸部14bを設けたものであるため、鋼部材10とFRP部材20を強固に接合できる。これにより、軽量で、しかも強度的に満足できる動力伝達軸用シャフトを提供することができる。
つまりは、接着剤溜り14aを設けたことにより、鋼部材10とFRP部材20の良好な接着が実現するうえ、さらに、凹凸部14bを設けたことにより、鋼部材10/FRP部材20間の摩擦係数を増大させ、または、塑性変形によって相互に結合させる。このような構造とすることで、鋼部材10とFRP部材20をしっかりと接合でき、接合部の軸方向および円周方向へのずれを防止することができる。このように鋼部材10とFRP部材20を強固に結合することで、補強部材であるFRP部材20の強度を十分発揮できるため、必要強度を維持したままシャフトS1の大幅な軽量化が達成できるばかりでなく、長期に渡り安定した性能を有する軽量シャフトを提供できる。
動力伝達軸用シャフトS1の両端に等速ジョイント(図示せず)を取り付けることにより自動車用ドライブシャフトが構成される。周知のとおり、等速ジョイントは、角度変位のみ可能な固定式等速ジョイントと、角度変位だけでなく軸方向変位(プランジング)も可能なしゅう動式等速ジョイントに大別される。そして、ドライブシャフトでは、車輪側(アウトボード側)に固定式等速ジョイント、デファレンシャル側(インボード側)にしゅう動式等速ジョイントを用いるのが一般的である。等速ジョイント自体も、等速ジョイントを用いたドライブシャフトもよく知られているため、詳細な説明は省略した。
以上、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明したが、この発明はここに示し、かつ記述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えた形態で実施し得るものであることから、この発明は、特許請求の範囲によって画定されるもののほかそれと均等のあらゆる変更を含むものであることは言うまでもない。
S1 動力伝達軸用シャフト
10 鋼部材
12 中空部
14 大径部
14a 環状溝
14b 凹凸部
16 小径部
16a ブーツ溝
18 セレーション軸
20 FRP部材
22 接着剤
24 ガイド部
26 シール剤
28a、28b シール溝
30 保護膜

Claims (16)

  1. 長手方向の中央の大径部と両端の小径部とからなる中空の鋼部材と、鋼部材の大径部の外周に圧入によりはめ合わせ、接着剤により接合したFRP部材との複合体であることを特徴とする動力伝達軸用シャフト。
  2. 前記鋼部材の大径部の外周に接着剤溜りとなる環状溝を設けた請求項1の動力伝達軸用シャフト。
  3. 前記環状溝よりも端部側に凹凸部を設けた請求項1または2の動力伝達軸用シャフト。
  4. 前記凹凸部はスプライン加工によるものである請求項3の動力伝達軸用シャフト。
  5. 前記凹凸部はローレット加工によるものである請求項3の動力伝達軸用シャフト。
  6. 鋼部材の大径部の外径は圧入開始側径よりも圧入終了側が大きく、FRP部材の内径は圧入開始側が圧入終了側より大きい請求項1〜5のいずれか1項の動力伝達軸用シャフト。
  7. 鋼部材の大径部の少なくとも一方の端部をテーパ形状とした請求項1〜6のいずれか1項の動力伝達軸用シャフト。
  8. FRP部材の少なくとも一方の端部に圧入用のガイド部を設けた請求項1〜7のいずれか1項の動力伝達軸用シャフト。
  9. 鋼部材の環状溝の隅角に丸みを付けた請求項1〜8のいずれか1項の動力伝達軸用シャフト。
  10. 鋼部材とFRP部材の接合端部をシール剤でシールした請求項1〜9のいずれか1項の動力伝達軸用シャフト。
  11. 鋼部材およびFRP部材の端部にシール溝を設けた請求項10の動力伝達軸用シャフト。
  12. 少なくともFRP部材全面を覆う保護膜を設けた請求項1〜11のいずれか1項の動力伝達軸用シャフト。
  13. FRP部材はフィラメントワインディング法により成形したFRPパイプである請求項1〜12のいずれか1項の動力伝達軸用シャフト。
  14. FRP部材はシートワインディング法により成形したFRPパイプである請求項1〜12のいずれか1項の動力伝達軸用シャフト。
  15. FRP部材に含まれる補強用繊維は炭素繊維である請求項1〜14のいずれか1項の動力伝達軸用シャフト。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項の動力伝達軸用シャフトと、前記シャフトの両端に取り付けた等速ジョイントとからなる自動車用ドライブシャフト。
JP2009163718A 2009-07-10 2009-07-10 動力伝達軸用シャフト Withdrawn JP2011017414A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009163718A JP2011017414A (ja) 2009-07-10 2009-07-10 動力伝達軸用シャフト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009163718A JP2011017414A (ja) 2009-07-10 2009-07-10 動力伝達軸用シャフト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011017414A true JP2011017414A (ja) 2011-01-27

Family

ID=43595354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009163718A Withdrawn JP2011017414A (ja) 2009-07-10 2009-07-10 動力伝達軸用シャフト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011017414A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012105709A2 (en) 2011-01-31 2012-08-09 Hitachi Koki Co., Ltd. Disk motor, electric working machine including disk motor and method for manufacturing disk motor
KR101576777B1 (ko) 2015-10-23 2015-12-10 변상영 회전축 제작 시스템 및 이의 제작 방법
JP2017141891A (ja) * 2016-02-10 2017-08-17 本田技研工業株式会社 連結シャフトおよび連結シャフトの製造方法
CN112638689A (zh) * 2019-02-27 2021-04-09 日立安斯泰莫株式会社 用于传动轴的管体和传动轴

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012105709A2 (en) 2011-01-31 2012-08-09 Hitachi Koki Co., Ltd. Disk motor, electric working machine including disk motor and method for manufacturing disk motor
KR101576777B1 (ko) 2015-10-23 2015-12-10 변상영 회전축 제작 시스템 및 이의 제작 방법
JP2017141891A (ja) * 2016-02-10 2017-08-17 本田技研工業株式会社 連結シャフトおよび連結シャフトの製造方法
CN112638689A (zh) * 2019-02-27 2021-04-09 日立安斯泰莫株式会社 用于传动轴的管体和传动轴
CN112638689B (zh) * 2019-02-27 2024-03-19 日立安斯泰莫株式会社 用于传动轴的管体和传动轴

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4015074B2 (ja) 複合材料が内面に積層された伝動軸の製造方法
US4211589A (en) Shaft and universal joint assembly
US8876614B2 (en) FRP drive shaft
US7874925B2 (en) Transmission shaft joint design
EP0685659B1 (en) Method of applying an end fitting to a hollow drive shaft tube
CN107044477B (zh) 驱动轴及其制造方法
US20130252749A1 (en) Propshafts and propshaft assemblies and methods for fabricating propshafts
JP2011017414A (ja) 動力伝達軸用シャフト
US10309446B2 (en) Connecting shaft and manufacturing method of connecting shaft
JP3913017B2 (ja) 動力伝達部材の連結構造
CN106715931B (zh) 动力传递轴
JP2011017413A (ja) 動力伝達軸用シャフト
WO2010116883A1 (ja) ドライブシャフト用中間軸
JP6427602B2 (ja) トルク伝達装置
CN113942248B (zh) 一种复合材料传动轴的制作方法及其复合材料传动轴
JP2010249145A (ja) ドライブシャフト用中間軸
KR101999277B1 (ko) 자동차용 cfrp 프로펠러샤프트
EP2697092B1 (en) Composite tubeshaft to metallic interface
WO2019131549A1 (ja) 動力伝達シャフト
JPH04136522A (ja) 動力伝達軸の製造方法
KR100410781B1 (ko) 구동축용 튜브와 요크 결합 구조
KR101073093B1 (ko) 자동차 프로펠러 샤프트 연결구조
JPS6244168Y2 (ja)
KR20220138678A (ko) 스터브 샤프트 및 이를 포함하는 샤프트 결합 구조
JPH0742974B2 (ja) 繊維強化プラスチック製伝動軸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20121002